<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
今回の目玉であります架空名義口座についてお聞きします。
トクリュウ被害を防ぐという点では、私も悪質商法、詐欺商法を取り上げてきましたので、是非頑張っていただきたいと思いますが、その上で、ちょっと仕組みを少し確認したいんですけれど、金融機関と警察が協力をして架空名義口座を作ると、トクリュウ犯罪グループがSNSで募集したものに応募して口座を譲渡する、あるいは送金バイトということで応募すると。これに対応するのは、偽名、身分を隠した警察官ということですよね。
今の現状でいいますと、そのトクリュウ犯行グループの方から口座番号を教えてと、通帳の表面と口座番号が入っているものを送ってくれということで始まるんではないかと思いますよね、基本的にはですね。ただ、この法案が通った後は、彼らもかなり警戒をすると思うんですね。そうすると、今までどおり通帳のコピー、通帳の表面のコピー、口座番号だけじゃなくて、身分証明書を送ってくれと、あなたの身分を証明するものを送ってくれというような可能性があるわけですね。
まさか警察手帳を送るわけにはいきませんから、何らかの偽造した身分証明書を送るということになると思うんですけれど、それはどういうものが考えられるんですか。
○政府参考人(大濱健志君)お答えいたします。
例えばでございますが、運転免許証などが該当するかと思います。
○大門実紀史君 その運転免許というのは偽造したものになりますよね。それはどこで担保されるんですか、法的には。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。
まさに、本改正法案の法的根拠に基づいて作成するものでございます。
○大門実紀史君 この法案には金融関係の口座若しくは犯罪利用防止措置用通帳は書いていますけど、その等に含まれるということですか、などに。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。
まさに、必要な範囲内において警察官がその指名、身分を偽ることが可能であることを明示した根拠がございますので、この規定を根拠といたしまして架空の口座名義に対応する身分証を作成することが可能となるということでございます。
○大門実紀史君 そうすると、例えば、じゃ、トクリュウの方は、犯行グループは疑って、更に通帳の表面だけじゃなくて取引の履歴、通帳のですね、口座のですね、これを送れと言われたらどうするんですか。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。
詳細については、警察の手のうちに関わりますので、犯行グループに対抗措置を講じられるおそれがございますので、申し上げることはできません。
○大門実紀史君 私は思うんですけど、その手のうちじゃなくて、これは金融機関として取引履歴を偽造するということにもなりますよね。その辺が、警察が勝手に作って、その銀行の名前で相手に送るということは、本来は金融機関が作るものを勝手に作るということですか。それはどこかに担保されているんですか。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。
まさに、先ほどの答弁と繰り返しになりますが、その詳細については、警察の手のうちに関わりますので、お答えは困難でございます。
○大門実紀史君 手のうちじゃなくて、これ大事なことでございまして、例えば住民票を送れと、トクリュウ側が、あなたが実在かどうか、だから住民票を送れとかいった場合も警察が勝手に作って送るんですか。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。
繰り返しになって恐縮でございますけれども、具体的な中身、詳細についてはお答えは差し控えさせていただきます。
○大門実紀史君 いや、これは大事なことでございまして、勝手だ、手のうちだといって警察が勝手に、まあ運転免許証は警察の管轄かとは分かりませんけれども、本来の金融機関が出すべき取引履歴、これも勝手に作る、あるいは住民票も場合によっては勝手に作るというようなことが、手のうちの範囲では済まないと思うんですけれど。
私は取り締まってほしいんですよ。その立場で言っているんだけど、そういうふうにトクリュウの方は必ず対応してくると思うんですよ。今までどおり通帳の表面だけでいいですよとはやらないと思うんですよね。警戒すると思うし、彼らは大変巧妙ですから、そのときにどうするのかということを申し上げて、そういうことがこの法案できちっと想定されているのかと、あるいはそういうことの違法性の阻却がきちっとされているのかということで、手のうちのじゃなくて法的な仕組みとしてきちっとしているのかどうかという点を聞いているので、手のうちで明かせませんとはちょっと話が違うと思うんですね。いかがですか。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。
繰り返しになりますが、改正法の第十九条の三の規定に基づきまして、必要な範囲内において、警察官がその氏名、身分を偽ることが可能であることを明示した規定を設けております。この規定を根拠といたしまして、架空の口座名義に対応する身分証を作成することを可能とするようにしたところでございます。
○大門実紀史君 この十九条の三はそこまで書いてもないですよ。警察官が身分を偽ることができると、あるいは金融機関に、さっき、最初まず通帳と口座番号求められるんで、その部分は出していいですよと、偽造していいですよと。ところが、あらゆる書類を警察庁が、トクリュウに言われて信用させるために、あらゆる書類を偽造していいとか勝手に作っていいというのはどこにも読めないと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。
金融機関が書類を作るかにつきましては、これは警察官の協力の求めに、規定がございますので、協力の求めに応じてこれを根拠に作成することはあり得るということでございます。
○大門実紀史君 いや、だから、ないものを作るわけですよ。取引履歴がないもの、あるものを出すんじゃないですよね。求められて、何か作らなきゃと、信用させるためにと、偽造ですよね。そんなことは書いていないと思うんですけれども。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。
繰り返しになりますけれども、先ほどの根拠に基づいて作成するものでございます。
○大門実紀史君 私は、本当にトクリュウ、犯行グループ本当に取り締まってほしいという立場でいくと、これが通った途端彼らが何をやるだろうというふうに思ったときに、恐らくそういうふうにいろんなことを確認して、この口座使えるかどうかやると思うんですよね。そのときに、どんどんどんどんいろんなものを偽造して出していくということは決して認められることではないと思うんですよね。
先ほど高木議員からありましたけど、そもそも外形的にはおとり捜査的な部分がどうしてもあって、先ほどの答弁だと、この今回の個別法、行政法ですよね、行政法の中に書いてあるからおとり捜査の疑い、違法性は阻却されて合法なんだという言い方されましたけれど、おとり捜査というのは元々刑事訴訟法にも規定がなくて、あるのは最高裁の判例だけなんですよ。二〇〇四年七月十二日の最高裁判例があって、おとり捜査が認められる場合というのは、私はこの場合も該当するんじゃないかと思っておるんですけれども、一つは、もう犯罪に及ぶと決めている者に対して、トクリュウですよね、その機会を提供するというふうな形の機会提供型と考えられるおとり捜査は任意捜査として適法だと。今回私はこれ該当すると思って違法だと言うつもりはないんですけれど。もう一つは、犯罪を行う意思がない、あるいは少ない者に対して積極的に犯罪を行わせるような働きかけに及んだ場合は、これは犯意誘発型ということで違法とされるのが今一般的な考え方なんですよね。
これぐらい最高裁の判例で、しかもこの二つの類型というのは大変グレーゾーンがありまして、非常におとり捜査というのは怖いわけですね、いろんな今までのことから、冤罪含めてですね、慎重にしなきゃいけないという上で、やっと最高裁の判例でこの二つの類型が示されている。しかも、この二つの間が大変グレーゾーンだという中なんですね。
したがって、その個別法でこういうふうな重い重い積み重ねがあるのに、個別の行政法で個々に書いていますから、もうおとり捜査の違法性は、違法性というか、は阻却しているんだと、そういうふうにやっちゃうと、長い長い積み重ねじゃなくて、どんどんどんどん個別法で書いちゃったらオーケー、個別法で書いちゃったらおとりもオーケー、文書の偽造もオーケーというふうになりかねないおそれがあるんですよね。
そういう点では非常に慎重に、今回私は反対するわけではありませんけれども、運用も含めて、なおかつこれが本当に効果得るものになるのか、トクリュウ相手にこれで戦えるのかどうかということも含めて、これでとどまらない、もっともっといろんなことを検討する必要があるというふうに思います。
特に簡単にこの個別行政法でおとり捜査的なことはもうクリアしているんだというのは、ちょっと長い最高裁判例まで、判決まで行った点から考えるとちょっと軽いんじゃないかと、軽薄ではないかと思うんですけど、大臣、本当に、本当にこの犯罪を根絶するために、防ぐために、慎重に運用と、本当によく考え抜いた運用をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(あかま二郎君) 今、このトクリュウ対策としてその必要性を理解いただくという部分、前置きした上ででございますけれども、本法案以外の法律案の規定の是非、これお答えする立場にございませんけれども、一般に個別の法律案については、その規制の必要性であるとか相当性について十分な検討が行われた上で国会での御審議や採決をいただくものというふうに認識はしております。
なお、もう一点加えるならば、仮に本法案が成立した暁には、本措置を行うに当たっても、都道府県公安委員会の管理に服することはもとより、警察本部長の指揮の下で本措置が組織的に実施できるよう、されるよう警察を指導してまいります。
○大門実紀史君 とにかく、さっきの答弁が非常に気になって、警察の手のうちですと、これでいろんなことが行われてきたんでね、やっぱりそういうことじゃないと思うんですよね。せっかくのいい方向の法案なんだから、そういうことは心配ありませんと、こういうことをきちっとやります、こういうときはこうやってきちっとやるんですというようなところまできちっとした、政令でも何でも、分かりませんけど、ちゃんとした形にしてほしいと思いますが、政府参考人で結構です。
○政府参考人(大濱健志君) お答えいたします。
先ほど大臣の答弁もございましたが、本法案の措置、施行につきまして、実施につきましては、適正に行われるよう警察庁としてもしっかり指導いたしますし、各都道府県警察の公安委員会において平素から管理に服する都道府県警察として、間違いのない実施を行いたいと考えてございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。終わります。