国会質問

● ● ● ●  大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2026年3月25日 参議院 予算委員会 対米投資でなく内需 産業・経済再建巡り指摘
<赤旗記事>

2026年3月26日(木)

対米投資でなく内需
大門氏 産業・経済再建巡り指摘
参院予算委

(写真)質問する大門実紀史議員
=25日、参院予算委

 日本共産党の大門実紀史議員は25日の参院予算委員会で、日米で合意した5500億ドル(87兆円)の対米投資問題を巡り、韓国の対米投資の仕組みとの違いから日本の仕組みの意思決定や監視体制のもろさを指摘し、対米投資より国内産業・内需の立て直しこそ重要だと強調しました。

 政府は2025年7月、日米関税合意に基づく5500億ドルの対米投資を約束しました。2月に対米投資の第1弾となる3事業(約360億ドル)を発表。日米首脳会談で第2弾として原発・小型モジュール炉など3件で730億ドルの事業を合意しました。

 大門氏は、日本経済の再生には、87兆円もの対米融資より「中小企業のセーフティーネット融資や地方の公共インフラ、国内産業の基盤整備にこそ投融資すべきだ」と主張。そのうえで、「投資する事業の審査と意思決定が日本側に保障されているか」が問題だとし、日本の対米投資と韓国の対米投資の仕組みの相違点を示しました。韓国政府は投資事業を米国と協議する前に、韓国内で独自に検討、意思決定する「事業管理委員会」「運営委員会」を設置すると指摘し、日本に同様の組織があるかをただしました。

 米国側だけの投資委員会と日米共同の協議委員会があるとの赤沢亮正経済産業相の答弁に対し、大門氏は「日本独自で意思決定する仕組みはなく、いきなり日米の協議委員会だ」と批判しました。さらに、韓国政府は韓米協議の開始前に協議内容を国会に事前報告する義務があると指摘し、日本にも義務があるかと迫りました。赤沢経産相は、国際協力銀行法や貿易保険法で求められる国会の関与以外の国会への事前報告は「必ずしも必要はない」と開き直りました。

 大門氏は、韓国の報道によると、韓国は日本の対米投資の仕組みでは米国の政治圧力に弱いと考え、独自で検討して審査する仕組みをつくったと指摘しました。

<議事録>(未定稿)

○委員長(藤川政人君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。

○大門実紀史君 お疲れさまでございます。
 先ほどございました対米投資、五千五百億ドル問題について質問します。
 まず、片山大臣に伺いますけれども、片山大臣と中小企業支援、二重ローン問題で意見交換をさせていただいたりしてまいりました。現場の実体経済、大変大事にされる方だというふうに思いますが、そういうことでよろしいでしょうか。

○国務大臣(片山さつき君) 私は草の根全国区を自負しておりますので、いつもどこかを歩いておりますので、現場の景気がいいこと、現場の皆さんの明るい顔を見るのが生きがいでございますし、特にいろんな産業の応援をさせていただいておりますので、それらの国内産業がしっかり成り立つことが非常に大事だと思っております。

○大門実紀史君 そういうことであれば、こんなときにアメリカに八十七兆も融資するんじゃなくて、そんなお金があれば、先ほどありました中小企業のセーフティーネット融資に回すとか、あるいは国内の老朽化した地方の公共インフラ、あるいは国内産業の基盤整備にこそ投資すべき、そういうときじゃないでしょうか。

○国務大臣(片山さつき君) 高市内閣の責任ある積極財政の肝は、強い経済をつくる危機管理投資と成長投資ですから、まさに委員おっしゃったように、国土強靱化も含めた危機管理投資ですね。成長は、AIから半導体からたくさんありますが、国内、特に産業クラスターが日本中にできて、そこで潤っていくと、成長していくということでございますが、私が伺っている限り、今回のこの八十七兆円スキームというのは日米戦略的投資イニシアチブでございまして、高市内閣が進めるその十七の戦略分野とはまた別の意味で、いわゆる日米関税合意の一環でもあり、国内投資に代えて行うのではなくて、日米両国の相互利益の促進、経済安全保障の確保、そして、ひいては経済成長の促進等の観点からも実施するものでございまして、サプライチェーンができれば当然日本側で誘発的な投資もあるでしょうし、世界最大の経済圏である米国市場において、AIのインフラなどに入っていくことで技術の移転もありましょうし、日本企業の参画機会が増えるということは非常にプラスでございますから、日本企業の競争力強化や将来の成長につながると、相互利益があるということを確信しているものでございます。

○大門実紀史君 個別案件は次回取り上げますが、そうもなっておりません。
 まず、その対米投資のスキームについて御説明をお願いしたいと思います。

○国務大臣(赤澤亮正君) 昨年九月に取り交わされた了解覚書ですね、これ、内閣官房がアップ、ネットにしておりますが、これにおいては、米国大統領が最終的に決定する前に、米国の投資委員会が大統領に対して投資先の推薦を行うと、大統領はその中から選ぶということになっています。その投資委員会は、その推薦に先立ち、日米双方から構成される協議委員会で協議することとされており、その場で我が国の戦略的考え方や法的な制約が考慮されるものということです。
 さらに、了解覚書の中では、この覚書のいかなる内容も、日米両国のそれぞれの関係法令と矛盾してはならないとの規定があり、この関係法令には、いわゆる国際協力銀行法や貿易保険法が含まれております。これらの法令に沿って、JBICやNEXIによる資金の供給、融資の保証は、収支相償、償還確実性及び日本企業への裨益、メリットですね、が求められることとなります。
 以上の諸点に鑑みれば、この投資イニシアチブに沿った投資は、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、我が国の経済成長の促進につながるものであると考えておりますし、先ほど触れておられた中小企業の売上げもしっかり立つように、先端技術持っておられる中小企業からもいろんな部品とかそういったものを調達をするということも考えているところでございます。

○大門実紀史君 巨額の融資でございますので心配しているわけですが、この融資が焦げ付かないという保証はどこで担保されていますか。

○国務大臣(赤澤亮正君) まず、これ、両国の合意に基づくものでありまして、一つには、冒頭申し上げておきたいのは、私とラトニック商務長官がこれ話し合ってつくっているもので、実際、本当に、協議のたびに、これはもう事務方もみんな聞いていることですが、このスキームに基づいて日米両国の企業が決して損をすることのないようにやっていこうという観点で事業も選んでいるつもりでありますし、お互いの合い言葉になっております。
 その上で、戦略的投資イニシアチブのプロジェクトについては、了解覚書に基づき、日米両政府の協議委員会における協議を通じて、収支相償、償還確実性を見る、それから、日本への裨益、メリット等についてしっかりと精査、確認し、適切なリスク管理を行うこととしており、一言付け加えれば、JBICやNEXIの専門家が中に入って、しっかりとその収支が取れるかどうかということを本当に真剣に議論をした上で結論を出し、プロジェクトを選んでいくと。巨額の損失が発生するような事態は基本的には想定されていません。
 また、第一陣プロジェクトについては、プロジェクトの実施中においても、プロジェクトが円滑に実施されるよう、日米で連携して着実にフォローアップすることとしています。具体的な事業の運営を担う各社に対しては、適切なインセンティブを付与する仕組みを導入することとしており、第二陣以降のプロジェクトについても同様の検討を行ってまいります。

○大門実紀史君 赤澤大臣がいろいろ御努力をされているのは承知の上なんですけれども、問題は、この案件の日本側の独自の審査や意思決定が担保されているかどうかということだと思うんです。
 資料をお配りいたしましたけど、韓国の対米投資スキーム、もし御存じでしたら説明していただけますか。

○国務大臣(赤澤亮正君) これ、各国それぞれの事情が異なる中で、米国との間で投資や関税、非関税障壁等様々な議論を行う中で合意に至っており、その逐一を評価することは差し控えたいところでありますが、ベッセント財務長官が公におっしゃっていることからすれば、日本の提案した投資イニシアチブが後のEUや韓国との合意のひな形になったと言われているものであります。
 その中で、あえて韓国の対米投資スキームと日米政府の戦略的投資イニシアチブの差分について申し上げれば、大きな相違点として、我が国は現行法令の範囲内で開始可能です。新しい法律を作ったり、一切必要ありません。実際に、既に第一陣、第二陣のプロジェクトを発表しておりますが、一方、韓国は、公社の新設などを伴う新法を制定しなければプロジェクトを開始できない合意内容となっており、また、当該新法においては、収支相償の原則を満たさない場合も例外的にあり得るというような規定があると承知をしています。日本と大きな違いです。
 その上で、韓国政府の発表によれば、日米の了解覚書に記載のない年間投資上限を二百億ドルに設定した点、あるいは、対米投資の執行により外国為替市場に懸念が生じる場合に協議を行うこととした点、二十年以内に元利金回収が困難であると判断される場合、キャッシュフローの分配比率の調整について協議を行うこととした点を発表していると承知しています。
 他方で、これらの点はいずれも日米の戦略的投資イニシアチブにおいては懸念には及ばない、又は既に議論し尽くして問題がないように担保をしているという論点である、そういったものに関するものだと認識をしております。

○大門実紀史君 資料お配りいたしました。韓国の政府の資料をこちらで翻訳したものを図にしたものです。
 要するに、韓国は、韓国政府は、事前に韓国人だけで構成する事業管理委員会と運営委員会で検討して投資の意思決定を行うという仕組みになっております。これは日本にありますか。

○国務大臣(赤澤亮正君) 先ほど御説明したとおり、日本においてはMOUでですね、投資委員会です、これは米国側だけでつくり、そしてもう一つの協議委員会というものでは、これ日米が共同して議論を尽くすということになっているところでございます。

○大門実紀史君 ですから、日本にはこの事業、この図の下の方ですね、韓国政府独自で意思決定する、この仕組みはないですよね。いきなり日米の協議委員会ですよね。

○国務大臣(赤澤亮正君) ちょっと御指摘の、おっしゃりたいことが必ずしもよく分からないんですが、少なくとも、申し上げておけば、韓国が、韓国側だけで決めたものが結論として採択されるというようなものにはなっておりませんので、質的において、我が国のMOUと比べて何かしら韓国の方がイニシアチブを取っているというようなことは、全く指摘としては私は当たらないように思います。

○大門実紀史君 いや、この図で明らかだというふうに思うんですね。
 もう一つは、韓国政府は、このアメリカとの協議を始める前に国会に案件を事前通告、報告する義務があります。これ、日本にありますか。

○国務大臣(赤澤亮正君) まず、先ほど申し上げたように、国会に報告をする前にとにかく法律を作らなきゃいけないとか、韓国は、これプロジェクトを組成する前に本当に国会まで持ち帰って法律まで作らなきゃいけないというような状態で合意をしようとしていますから、まあちょっと、他国のあれについて何か慌てたとか言うの申し訳ないですけど、我が方は本当に現行の法令の下でできるものを、しかも為替に与える影響とかももう検討し尽くして問題がないものを作っておりますので、もう、そういう意味では、これから法律も作りましょうとかそういうものとは、まあちょっと言い方が、本当にこれ、他国のものと比べて、まあ尊敬する大門先生の御質問ですから答えづらいですけど、ちょっと熟度が違うと。こちらの方は本当に検討をし尽くして作っておりますので、何かしら、国会に報告せずにというのは、正確に申し上げれば、JBICとNEXIが法律に基づいて通常やっている業務の延長線上でできるものに落とし込んでスキームをつくっておりますので、それについては、JBIC法やNEXI法で求められる国会の関与以外に必ずしも必要はないという考え方を取っております。

○大門実紀史君 まあ、赤澤大臣は頑張り屋さんで人柄もいいということを高校の同級生の小池議員から聞いておりますので、トランプ相手によく頑張られたというの分かっているんですよ。ただ、国会ですから、国民のお金使うわけですから、ちゃんとしたチェック、質問は、チェックするのが国会の役割で、特に野党の役割だと思って質問しているわけでございます。
 韓国の報道によれば、韓国は日本のスキームを先に見て、もちろん立法は別にあるんですけど、仕組みとしてアメリカの政治圧力に弱いんじゃないかと。だから、あえてこういう韓国独自で検討して審査する仕組みをつくったということなんですね。
 この点はやっぱりきちっと考えていただきたいし、個別案件について言えば、もっとちょっと危ないことが起きているんじゃないかと思いますので、あさって、また引き続き質問させていただきます。
 ありがとうございました。

戻る▲