国会質問

● ● ● ●  大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2024年12月23日 参院消費者問題特別委員会 障がい者の消費者被害防止の強化について

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 最初の所信質疑ですので、今日は消費者庁、今の消費者行政の基本姿勢といいますか、そもそも論についてお聞きしたいと思います。
 まず、大臣にお聞きいたしますけれども、この消費者庁が発足して十五年ですかね、たつんですけれども、そもそもその消費者庁が設立した、された理由、発足した理由をどう捉えておられるのか、またあわせて、消費者庁が今まで果たしてきた役割で評価する点、また反省する点は何かと、そういう御認識をまず大臣に伺いたいと思います。

○国務大臣(伊東良孝君) 大門先生の御質問にお答えしてまいります。
 政府におきまして消費者庁の設立に向けた本格的な議論が開始されたのは平成二十年、二〇〇八年でありまして、一月には当時の福田康夫総理が施政方針演説におきまして、生活者や消費者が主役となる社会へ向けてあらゆる制度を見直していくこと、また消費者行政を統一的、一元的に推進するための新組織を発足させ、新組織は消費者行政の司令塔になるという消費者庁設立の理念を示されたところであります。
 消費者庁はこの理念に基づき設立をされ、本年九月には設立から十五周年、十五年を迎えたところであります。この間、消費者庁では、消費者の権利を守り、安全、安心な社会を実現すべく邁進してきたところであり、多様化、複雑化する消費者問題に対応するため、本年度には設立時に比べて定員が倍以上になるなど体制の強化等を図り、対応を行ってきたところであります。
 また、他方、デジタル技術の著しい進化、高齢化の進展等により消費者を取り巻く環境は急速に変化しており、消費者庁は消費者行政の司令塔という設立理念を改めてしっかり意識して、関係省庁と密接に連携しつつ、そうした変化に適切に対応することが重要であると考えております。
 また、評価する点を問われましたが、例えば政府全体として講ずるべき消費者政策の大綱を示す消費者基本計画及び食品ロス削減の推進に関する重要事項を定める食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針、これにつきまして、今年度が改定年度となっておりますが、消費者庁が消費者行政の司令塔となることにより政府全体の消費者行政の一元的な、一体的な推進が図られてきたものと考えております。
 また、高齢化、デジタル化の進展により消費者を取り巻く取引環境が大きく変化していることを踏まえ、これに適切に対応することが重要課題と認識しておりまして、現在、既存の枠組みにとらわれることなく、消費者法制度の考え方の大きな転換に向けた検討を進めているところであります。
 以上でございます。

○大門実紀史君 ありがとうございました。
 反省する点という点ではいかがですか。

○国務大臣(伊東良孝君) 今も申し上げましたけれども、これまでなかった高齢化、少子化、あるいはデジタル化の進展というのが我々の予想以上の速度で大きく変化しておりまして、これに適切にその都度対応してくることができたかどうかというのが内心ちょっと不安なところもあるわけでありますけれども、既存の枠組みを超えてこれらの新しい問題にしっかり対応していかなければという思いをしているところであります。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 私も発足前から関わらせていただいたので、本当に頑張っておられる点は本当にそう思います。大分いろんな面で前進しているというふうに思います。
 ただ、この一元化の議論というのはもう少し深いものがございまして、消費者庁が発足する前どうなっていたかというと、事業官庁の中でビジネスと、経済と消費者保護、両方やっていたんですよね、経産省の中。農水省、食の安全に関する企業と消費者保護ですよね。そういうふうに事業官庁でやっていたんですよね。
 そうなりますと、どうしてもビジネスを配慮と、で、消費者保護がちょっと後になるというような傾向もあったので、もう本当に福田康夫元首相、非常に敏感に捉えられて、そういうのを一元化するという意味は、消費者の立場に立ち切った省庁をつくるべきだという大変いいお考えを表明されて、岸田さんも当時頑張られたんですよね、岸田元首相も頑張られて、なおかつ現場も、消費者庁をつくるならこういう消費者庁をつくりたいという、消費者団体、被害に取り組んでいた弁護士さん等々が知恵を出して、で、いろんな議論があって、国会でも大議論があってできたのが今の消費者庁ということになります。
 そういう点で、十五年前からちょっと私、見させていただいてちょっと心配なのは、何か元の事業官庁のようなカルチャーに戻ってきたんじゃないかと。つまり、元々ビジネスと消費者保護と一つの官庁でやっていたと。でも、消費者庁は、せっかくできたんだから徹底的に消費者の立場に立ちなさいと。その後、もちろん経済全体を見ていろいろやり取りとか決着はどこに付くかってあるんですけど、少なくとも消費者庁は、余りそういうビジネスのこと、懸念とかそういう配慮とかよりも、まず消費者の保護を一番に考えなさいとあったんですけど、どうもこの間、消費者庁の中で元に戻っちゃったというか、ビジネスを配慮を先に忖度しちゃう、懸念しちゃうという傾向が非常に強くなっているんで、大変心配をしているところでございます。
 今日の議論、後でも申し上げますけど、また、反省する点でいいますと、細々言うつもりはありませんが、やっぱりジャパンライフですね。あれだけの二千四百億の負債を抱えて、あれだけのお年寄り、高齢者に被害をもたらしたあのジャパンライフ、ここの委員会で何回も取り上げられましたけれども、もっと早く、いろいろあるんですよ、いろんなことあったんですよ。ただ、消費者庁としてもっと早く刑事告発、私何度も求めたんですよね、刑事告発やれば止まりますからと。それ、最後までやられなかったんですね。で、あれだけの被害を生んだという点では、その検査、立入検査、処分、刑事告発の、もっと機敏にやっていればあそこまで被害は広がらなかったというような点は、やっぱり言及しづらいでしょうけれども、捉えておいていただきたいなと思います。
 私は特にこの悪徳商法の問題をずっとやってきたんですけれども、大きく言えば二つあると思うんですね。一つは法改正の問題です。法改正のときにどうしても、消費者庁のメンバーは頑張ろうと思ってくれているんだろうけれども、ビジネス業界、ビジネスの配慮をしちゃうと。と、法改正がちまちました、半歩前進ぐらいのものばっかり積み重ねていくと。そうすると、もう悪徳事業者の方が、もう手を替え品を替え、次々やってくるわけですね。追い付かないんですよね。モグラたたきにもならないんですね、法改正、後追いになって。まあそれは今いろいろ考えておられると思うんですけど。そういう点では、先を見越した、もっとどんと、きちっと消費者を守るというような法改正をどんとやらないと、この間みたいに何年も掛けてちまちまやっているんだと、いつまでやってもモグラたたきのモグラもたたけないというような状況かと思うんですね。
 もう一つは、やっぱりさっき言った処分とか検査の問題で、これすぐたたけますから、すぐたたけるんだから、なぜたたかなかったのかというのをさっき申し上げたんですけど。
 そういう点で、先を見越した、本当に見越した法改正と機敏な検査、処分を消費者庁に求めておきたいと思います。
 それを踏まえて、ちょっと心配なことが起きていますので質問をさせていただきますけれども、二〇二一年に書面デジタル化というのが問題になりました。デジタル化一般は反対するものでも何でもないんですけれども、高齢者の方々が紙で、書面で契約しているからこそ、家族がそれを見て、被害をおじいちゃん、おばあちゃん気が付かなくても、家族が心配になって、どうしたのということで、ジャパンライフもそうでしたけど、被害が発見されるってあるわけですね。それをデジタルでやっていいとなると、高齢者の方々がどうなるのかというような大変な心配が起きたわけですね。
 それでも、当時の大臣が責任大きいんですよね。麻生さんも菅さんも心配しているのに、勝手にこうやっちゃったんですよね。で、後戻りできないから後でいろいろ配慮しますということで法案通っちゃったんですけど。
 その関係でいくと、このデジタル化における消費者保護、これは本当に気を付けていかなきゃいけないんです、被害が広がっておりますので。
 その点で、消費者庁の中にデジタル社会における消費取引研究会というのが設置されております。これ、まず何のための研究会なのか、御説明いただけますか。

○政府参考人(藤本武士君) お答え申し上げます。
 AIなども始めとしましたデジタル技術の急速な発展は、消費取引環境を大きく変化させております。実際の取引概念を前提としたこれまでの、まさに委員からも御指摘のありました後追い規制的な手法による対処策では限界があると考えております。
 こうした状況を踏まえまして、デジタル社会において消費者が不当な損害を受けることのないよう、また取引が公正なものとなるよう、今年の六月からデジタル社会における消費取引研究会を開催し、適切に対応を講じていくための考え方の基軸の研究を行っているものであります。

○大門実紀史君 この委員会のまず委員が気になるんですけれども、本来、悪徳事案に適正、厳正な対応をデジタル社会が進行する中でどう考えるかというべき、を考えるべき研究会なはずなんですけれども、委員の皆さんのメンバーを見ますと、この問題に実際に取り組んできた弁護士さんとかあるいは消費者生活相談員とか、もっともっとこの問題一番分かっている人がメンバーに入っていない。どちらかというとビジネス界の方が多いんですけど、これ、誰がこういう委員を選任したんですか。

○政府参考人(藤本武士君) こちらの研究会は、デジタル時代における消費取引に係る施策を適切に講ずるべく、考え方の基軸を研究するためのものであります。
 消費者庁の中で検討しまして、研究会の構成員をお願いをしているところであります。

○大門実紀史君 いろんな委員会が消費者庁にありましたけれど、事務方が選ぶわけですね。で、自分たちが思っていることを言ってくれる委員を選んでくるんですよね。いい場合もあるんですよ、結果的にね。ただ、この場合は、さっき言ったように心配が非常にあるわけでございます。
 この委員会で、担当課長、この方は経済産業省から来られた方でございます。消費者問題お分かりかどうか、ちょっと非常に不安な方でございますが、のっけからいろいろぺらぺらおしゃべりになっておりまして、簡単に言いますと、要するに消費者保護の立場とビジネスの円滑化、消費者保護の立場とビジネスの円滑化、この二つを並べて、何ですか、トレードオフの関係にあるのかどうか、A又はBなのか、つまり、消費者保護の立場なのか、ビジネスを円滑化させる立場なのか、あるいは両方なのか。要するに、何というんですか、これ、消費者庁の議論じゃないですよね、こんなもの。これ、経産省の議論なんですよね。経産省の中の議論ですよ。
 消費者庁の中で、なぜそのビジネスの円滑化と消費者保護を並べたり、比べたり、どっちなのかというのは、これ何言っているか分からないんですけれども、何を目指しているんですか、この委員会、研究会は。

○政府参考人(藤本武士君) 目指しているところは、デジタル社会が大きく進展する中でリアルの取引とデジタルの取引がどう違うのか、そのデジタル社会が進む中で消費者保護をいかに図っていくのかという考え方の基軸をしっかりと整えるということをお願いしているところであります。
 今御指摘の点でありますけれども、特定商取引法の第一条におきまして目的を定めております。特定商取引を公正にし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にしと規定をしております。消費者保護と流通、役務提供の適正化、円滑化はいずれも重要なものと考えております。デジタル社会における消費取引の在り方を議論する際にも、こちらの両者は根幹になる重要な考え方としてこちらを説明したものであります。

○大門実紀史君 それは特商法の解釈が間違っていますよ。それは当たり前ですよ、一定、経済社会に配慮するのはね。無視してどんどん何でも規制しろとか、誰も言っていませんよ。並べていませんから、特商法というのは。元々の目的がありますからね。で、どうしてそこを拡大してこういう議論を始めているのかというふうに大変心配になってきております。
 もう一つは、保護すべき消費者についてもちょっと違和感があるんですよね。
 長々いろいろ書いていますけど、要するに言いたいことは、その課長さんがですよ、まあ課長さんが報告されているんで個人だとは思わないんですけれども、消費者庁の考えだと思うんだけれども、一応課長さんの発言によれば、つまり、高齢者とか子供とか認知症の方々は事業者に対して情報だとか取引関係に無知だとか、脆弱性があると、脆弱性があると。それは守らなきゃいけない。これは当たり前ですよね、当たり前ですよね。
 ところが、消費者一般についての脆弱性について疑問を投げかけるような議論がされております。事業者に対して消費者一般が、商品の知識、取引の在り方、情報少ないですよね。だから、そういう点では、脆弱性があるというのは、一般の消費者も脆弱性があるというのはもう基本的な考え方です。その中でも特に高齢者、子供、認知症の方は守らなきゃいけないと。
 ところが、この流れを全部読めばいいんですけど、時間がないから読みませんけど、要するに一定本人の責任だと。リテラシーとか情報を自分で勉強しない、あるいは消費者教育、そういうものが何か前提になってきて、守るべきは要するにそういう高齢者や子供や認知症の方々であって、普通の人はもっと自分で努力しろと、勉強しろというような流れのことが平気で言われているんですね。
 これ、先ほどありましたけど、あの消費者委員会の中で、今、パラダイムシフトに関する専門調査会ってありますが、消費者の脆弱性というのはそういうものではないと、一般消費者全体に通ずるものだというものがちゃんと言われているわけでございます。ちょっとほかにもあるので、これ、ちゃんとまた委員会でちょっと徹底的にやりますけれど、ちょっとこの研究会、おかしな方向に行っているという懸念があります。今のうちに方向を是正させていただきたいというふうに思います。そういうおかしな疑念が持たれないように、まあ懸念だとおっしゃるなら、持たれないようにしてほしいというふうに思います。ちょっと要望だけしておきます。これはもっともっと繰り返し取り上げなきゃいけないと思っております。
 最後に、今日、ちょっと消費者庁は、ちょっと非常に懸念がある部分申し上げましたが、大変いいこともやっておられますので、そのうちの一つなんですけど、白書の百五十四ページですね、障害者の消費者被害の防止策の強化に関してというふうなところで、障害者の方々を消費者被害から守るのは最優先の課題だということで、特にこのデジタル化との関係では、特に、私の身内にもおりますが、聴覚障害者の方は字幕に頼るということが強くなっているわけですね。子供たちも、重度の難聴や聾の子供たちも小さいときからiPadに慣れて、そのデジタルの世界に慣れ親しんできているわけですね。逆に言えば、健聴者よりもオンライン、デジタル化に慣れていて、また日常的に非常にそこに頼っているわけですね。そうすると、それ以外のところはちょっと、ちゃんと来ない情報、伝わらない情報もあったりするんで、そこに付け込む、脆弱性に付け込むような被害が、実は私の知り合いにもあったんですけれども、懸念されるわけでございます。
 そういう点で、今井政務官は、障害者の方々の問題、とりわけ聴覚障害者のいろんな問題を解決する、改善するために頑張ってこられたというふうに思います。是非、政務官になられたので、消費者行政においても、このデジタル化が進む中で悪徳商法からどう聾者の方々、重度難聴の方々を守るかということで、対策にしっかり取り組んでほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○大臣政務官(今井絵理子君) 委員御指摘のとおり、聾者の方々、聴覚障害者の方々も含めて、障害者の方々の消費者被害の未然防止、そして救済への取組というものはとても重要だと考えております。
 まず、しっかりとした相談体制の整備というものが必要です。消費者庁としましては、これまで、地域の消費者生活センター等における障害者からの相談への対応力強化に向けて、地方消費者行政強化交付金による支援を行ってきたところです。引き続き、自治体での活用を促してまいります。
 また、電話リレーサービスというものがございます。電話リレーサービスを活用した相談対応は聾者、聴覚障害者の方々にとって有益です。この電話リレーサービスは、来年一月下旬よりヨメテルという新しいまたサービスが始まりますので、委員御指摘を踏まえて、各地域の消費生活センターに対して改めて通知を出させていただいて、そして周知や利用促進を図ってまいりたいと思います。
 またさらに、被害の未然防止に役立つ情報を届けるとともに、被害の早期発見、救済を受けられることも重要なので、このため、やはり福祉と教育というものを関係者が連携をして、地域で見守り活動を行う消費者安全確保地域協議会の設置のみならず、活動の活性化というのを進めて、障害者の方々の保護というものに努めてまいりたいと思います。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 行政窓口、消費生活センターで手話ができる人がいればまた違ってきますよね。そういう点では、今、超党派で手話に関する議員立法を間もなく、もう各党で了承になると思いますが、その議員立法、参議院で先議になると思いますが、一緒に成立させていきたいということも申し上げて、質問を終わります。

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