<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
今もありましたけど、ロシアへの経済、特に金融の制裁、本当に知恵と力を集中して、政府挙げて取り組んでいかなきゃいけないし、今、大塚さんと浅田さんのお話聞いていて、やっぱりかなりレベルの高い議論をされたと思うんですけれど、この問題で、このロシアに対する金融、特に金融制裁の問題で集中審議をやるぐらいの価値は、価値というか役割がある、責任があるんではないかと思いましたので、またそういうことも考えていっていただきたいなと思います。
今日は、鈴木大臣とは初めての質疑になります。よろしくお願いしたいと思います。麻生大臣とはもう八年九か月議論しまして、大体お考えのことは、もう麻生さんの場合は、時々意味不明のこともありましたけど、大体分かるんですけど、分かったんですけど、鈴木大臣とはこれからということでございますので、まず、経済全体について、経済の在り方について、大臣あるいは政治家の鈴木さんとしてどういうふうなお考えをお持ちなのかということをお聞きしたいなと思っております。予算委員会や本会議で岸田総理には伺った点とダブりますので、そんなに難しいことを聞くつもりはありません。
まず、もう通告してありますから財務省が多分答弁書いろいろ書いていると思うんですけど、余りこだわらずに、御自分の自由なお考えをも述べてもらえれば、麻生さんいつもそうでしたから、お願いしたいなというふうに思います。
まず、資料を配りましたので、資料を見ながらということで結構なんですけど、日本は成長できない国になったということがこの間いろいろ指摘されております。本会議では言葉だけ、数字だけ言いましたが、それがグラフがこれでございまして、二〇〇一年から二〇二〇年の年平均のGDP成長率で、名目でいきますと、これは数字入れていませんが、アメリカは三・六五、EUが二・五九、日本は僅か〇・〇六であります。実質で見ても、日本はアメリカの約四分の一で、EUの半分以下ということになります。
なぜなのかということをやっぱり今問うべきで、いろんな政策の下に、この認識がないとこれからの政策間違うんじゃないかと思うんですけれど、まず、鈴木大臣は、なぜ日本の成長率だけがこんなに落ち込んだのか、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) この表を見てまず感じますことは、やはり日本は長らくこの間デフレの状況にあったということだと、こういうふうに思います。一九九〇年代、バブル崩壊以降、一つは生産年齢人口が減少する中でデフレが長引きました。企業は投資や賃金を抑制をして、消費者も将来不安などから消費を抑制した結果、需要が低迷、デフレが更に加速、企業に賃上げを行う余力が生まれにくい悪循環が生じたんだと思います。そのことによって日本経済は低成長が続いてきたと、そのように承知をしているところでございます。
○大門実紀史君 本会議で岸田総理がお答えいただいたことと全く同じで、それはそうだと思うんですけど、少し詳しく、次の資料、二枚目なんですけど、一人当たり実質賃金の伸び率の国際比較なんですね。これは九一年からずっと長いスパンで取っております。
九一年から日本はバブル後の落ち込みがずっと続いてきました。実質賃金も抑えられたというのは分からなくはないんですけれども、EU、いや、アメリカと、欧米はこの九〇年代の終わり頃まではいろんなことが続いて、通貨危機だとかいろんな金融不況だとかですね、余りそう伸びなかったんですけれども、大体九九年辺りからずっと実質賃金が伸びていきます。しかし、日本はずっと伸びないということなんですね。
日本だけが通貨危機に襲われたわけでもなければ、世界的な不況に巻き込まれたわけでもありません。ほかの国は伸びていったのに、日本は伸びないと。この原因は何だとお考えでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) いろいろ要因はあるのかもしれませんが、我が国において、いろいろな国内投資、IT投資とか人的投資、それを含む設備投資の伸びが主要先進国と比べて低調に推移した中で、競争力が低下をして、このような結果につながっているのではないかと、そのように感じております。
○大門実紀史君 競争力、生産性でいくと、一人当たりは伸びているんですね。でも、賃金は伸びていないんです。それは、本会議のとき申し上げましたけど、何が起きたかなんですが、やっぱり二〇〇〇年、二〇〇一年ぐらいから特にそうなんですけれど、一九九五年に日経連、当時の日経連が新時代の日本的経営というものを出しまして、それまでは、大体正社員が当たり前の日本社会で、日本的経営といって、それが日本の企業の強みと言われてきたんですね。それが、いわゆる新自由主義的な転換をやって、九五年に新時代の日本的経営というのを出して、政府もそれに応えて、新時代の日本的経営というのは、もう正社員が当たり前じゃないよと、非正規雇用を増やしますよと、賃金毎年上がると思わないでくれよというようなものなんですけれども、それに基づいて非正規雇用を増やす派遣法の改正をやって、どんどん増えてきたと、低賃金の労働者が増えたと、不安定雇用が増えたと。
これ私だけが指摘しているわけではなくて、ミニ経済白書も指摘しておりますけれど、そういうことがあったのでほかの国とは、ほかの国も非正規雇用は伸びているんですけど、やっぱりいろんな手を打っているんですね。消費が落ち込まない、賃金全体が落ち込まないようにやっているんですが、日本は非常に極端にですね、それやったためにずっと伸びないと、低賃金構造が固定化されてしまって伸びないのではないかというふうに思います。
もう一つ、次の資料を見ていただきますと、それが、家計消費伸び率の国際比較とありますが、当たり前なんですけど、賃金上がりませんから家計消費が伸びないというふうなことにつながっていくわけですね。さらに、次のページ、これ、みんなあれですから、政府が出している資料ですから。次のやつは可処分所得の伸び率ですね。可処分所得ですから、税や社会保険料を引いた後ですけれども、いわゆる自由に使える所得ですが、これも諸外国に比べて、欧米に比べて全然伸びないという事態になっております。
この可処分所得が伸びないというのは、またもう一つ意味があると思うんですが、その辺いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) やはり、社会保障費の負担でありますとか、あるいは税の負担とか、そういうものも影響しているのではないかと思います。
○大門実紀史君 もう細かい資料一々全部付けてませんけど、いわゆる国民負担率が高い国は、負担が高いと経済を阻害するというようなことを言われてきたときがあったんですよね、ずっとね。全然そういう結果になってないんですね。国民負担率と経済成長とは関係ないというのがこの間出ておりますよね、OECDから、IMFからですね。そういう中で、この可処分所得が重くなっても、重い国も経済は伸びているという関係があるんですよね。
ですから、言いたいことは、今おっしゃいましたけれど、ほかの国は、税や社会保険料負担以上に、やっぱりその前の所得が伸びたんだろうということが一つ言えるわけですね。したがって、おっしゃったように、税と社会保険料の負担もあるんですけれど、大本の所得が伸びなかった、その原因がやっぱり特別に日本はあるんではないかということが言えるんではないかというふうに思います。
資料はありませんが、本会議のときに申し上げたんですけど、競争力という点で落ちているわけですね。これはスイスのシンクタンクですけれども、競争力ランキングというのをずっと発表していますけど、一九九〇年代というのは日本はもう競争力一位だったんですよね。直近では三十四位に落ち込んでおりますし、これも本会議で申し上げましたけど、半導体は八〇年代は世界一のシェアを有していましたけど、今や韓国、中国に圧倒されて、半導体どうしようということを今慌てていろんな手を政府は取ろうとしているような事態になっております。それだけじゃなくて、半導体だけじゃなくて、いろんな製造業、一番最先端で頑張らなきゃいけない電気自動車の生産も大変遅れていると、追い付けないと、頑張っているけど追い付けないという状況になっております。
これは本会議のときに岸田総理は明確にお答えされなかったんで、ちょっとじっくり聞きたいんですけれど、なぜ日本の競争力が急にここまで落ち込んだのかというところはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほども述べましたけれども、日本では、低い経済成長と長引くデフレによりまして、企業収益が国内投資に十分向かわずに現預金が増加をしている状況が続いている一方で、人的投資、IT投資を含む設備投資の伸びが主要先進国と比べて低調に推移する中で競争力が低下してきたと、そのように承知をしております。
こういう状況に対しまして、岸田政権では、新しい資本主義の下、市場や競争に全て任せるのではなくて、官と民が協働して賃上げ、人材投資といった人への投資やデジタル化など、我が国の課題を投資分野とすることで、課題を克服しながら競争力を回復をしてまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 その前段の方ですね、前段の方をちょっとばくっと、そういう話じゃなくて。
日経新聞がこの点については何回か特集をしておりまして、非常にリアルな分析をしております。中国、韓国で何が起きてきたのかというのを含めてですね。
それを参考にいたしますと、要するに、ITバブルが起きた頃、二〇〇〇年前後とかですね、IT不況でああなったときに、日本企業の対応が、どこだってあのときはITバブルとかあったんですけれど、人は大事にしたんですね、ほかの国は。日本はそのときに、目先の、もうその当期の利益を何とか出すためにやっぱり人を整理するということで、私もあの当時、二〇〇〇年初め、二〇〇一年、二年ぐらいですかね、特に大阪のIT関係とか電機メーカーの大リストラの調査に行って国会でも取り上げさせていただいたんですけれど、あの松下でさえ、人を守ってきたパナソニックでさえ、とうとうリストラに踏み切るということで、当時、技術者の方々ともお話ししましたし、私の兄は実はソニーにおりまして、当時ね、ソニーでも、ソニーというのはやっぱり人を大事にしてきたパナソニックと同じようなところがあるんですけど、相当、これから育つべき、育つような若い人たちも含めてリストラをして、そのときに何が起きたかというと、中国がやはり日本の人材を欲しがって、日経新聞によると、二〇〇〇年代半ばにはもう何千人という規模で日本人技術者が中国企業で働いていたというのを調査して報道しておりますよね。
当時、韓国企業は何をやったかというと、そういう人たちに向けてヘッドハンティングをやったと。日本よりも、そんなリストラされそうとか賃金下げられるとか早期退職を求められるならば、もっと高い給料出せますからということで、韓国の企業はどんどん人を、日本人をヘッドハンティングしたと。その後はもう御存じのとおり、ファーウェイにしろサムスンにしろ急成長するわけですね。これはもう日本人技術者がその礎をつくったわけであります。
そのことが一番の原因だと。日本はやっぱり技術で発展してきた国ですから、資源がない国ですからね、ということを踏まえないと、口だけ人の投資とかなんとか言ってもやっぱり違うんじゃないかと思うんで、そこのところの反省といいますか、きちっと持っている必要が、これ、日本の企業の在り方のことなんですけど、思うんですよね。
それを政府もそういうことを意識して、次の人への投資の支援とかも考えるべきだと思うんですけれど、そこのところの問題意識の捉え方が重要だと思うんですが、鈴木大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 当時のやはり企業戦略というのもあって、今から思うと、企業戦略的にどこに投資をして力を入れていくかというのが見誤った部分もあると思います。それと同時に、大門先生おっしゃったように、技術者がヘッドハンティングされるというようなことの中で、日本で培ってきた技術が海外に流出されて海外でのその分野の発展の種になっていったということ、こういうこともあるんだと思います。
一九九〇年代以降の日本の経済の低迷ということをやはりいろんなところで分析をして今後に続けていかなければならないのではないかと、そういうふうに思います。
○大門実紀史君 今はもう、その当時、当時のというか、まあ今も続いているんですけど、いわゆる株主資本主義という株主の、経済がこれだけ金融化、マネー化しますと、株主株主ということになって、株主資本主義ということが批判、今もう批判される流れになりましたけど、当時は物言う株主とか株主株主というときがあって、働いている人たちよりも取引先よりも株主にいかに配当するかとか株価を上げるかばっかりをやった結果の一つがそういう人をコストとして考えるような経営になったと、なったんではないかということで。
その点では、新しい資本主義というのはいまだよく分からないんですけれど、岸田総理のお話を伺っていると、株主資本主義に対して公益資本主義というような考え方が打ち出されてきて、自民党の、参議院の自民党の若手の方々の中にもこの勉強会をやられたり、あるいは、岸田さんがその自民党の中の公益資本主義の勉強会なんですかね、呼ばれてお話しされたことも知っておりますので、新しい資本主義というのは要するに、そういう株主のことばっかり考えるんじゃなくて、ステークホルダーという言葉が本会議で出ましたよね。そういうステークホルダーのことも考えていくような資本主義のことをおっしゃっているのかなというふうに思いますけれど、鈴木大臣、いかが捉えておられますか。
○国務大臣(鈴木俊一君) ここのところ企業が業績好調で内部留保も大分たまっているということで、それが結局、人の投資あるいは新たな発展に向けての様々な投資に向いていないということがずっと続いているわけであります。
そういう中におきまして、岸田総理においては、民間だけでなく、民間と官も協力をしながらそういったものを、まずは賃金を引き上げていく、それからリカレント教育も含めて人への投資に振り向けていく。そして、たまった内部留保についても、なるべく設備投資等新しいこの技術の発展につながるようなところに振り向けていくと。そういうことを総合的に考えているんだと理解をしております。
岸田総理のお考え全てを言っているわけではございませんが、そういうことが今重要だと総理も考えているんだと思います。
○大門実紀史君 そうですね、岸田総理が直接公益資本主義というお言葉をお使いになっているわけではありませんが、伺っていると、あのときの議論をかなり反映されておっしゃっているのが新しい資本主義かなというふうにも思います。
そうすると、やっぱりおっしゃったように、従業員のことをもっと大事にするとか、取引先の、特に中小企業を大事にするというようなことが重要になってくると思うのと、同時に、次の資料に、お配りしましたけれども、まさにそういう経営の結果どうなったかというのがこの資料で、これとその次の資料もそうですね。これも、もう、これは予算委員会で御説明したかと思いますけれど、二〇〇〇年までは売上げも伸びて利益も伸びて、そして内部留保も積み上がったと。この時期は賃金も一定上がったし、設備投資も一定伸びていったということで、健全な時代といいますかね。
ところが、二〇〇〇年以降は、先ほど言いました、やっぱり賃金抑え込みの政策が続いたので、売上げは横ばいの中で賃金を抑え込んで利益を増やすということになって、そして、結果的には、次のページですよね、大企業の財務の動向ですけど、これは新しい資本主義実現会議で、もうとうとうあれですよね、政府の会議でもこういう資料を、今までこういうの共産党しか出さなかったけど、政府の会議でもこういうのが出るようになってきたんだなというふうに思いますよね。
人件費は横ばい、設備投資逆に減っている、だけど配当金は増えるし、あっ、利益は増えて配当金に回して、内部留保は増えて、そして、内部留保というのはどこかにそういう勘定科目があるわけではありませんから、バランスシートの反対側ですけれども、現預金が倍増すると。金余り現象、余剰資金が増えたということになるわけであります。今、それはもう鈴木大臣がおっしゃっていただいたとおりの流れになっているわけですね、なってきたわけであります。
そこで、これも本会議、予算委員会でも提案いたしましたけれど、このたまりにたまった内部留保ですね、どうするのかと。これは、賃金を抑え込んだ、設備投資を抑え込んだ、だから増えたというのはもう政府もそこまでお認めになっていますけど、私、減税した分ですね、特に、余り遡ると訳分からないですから、少なくとも安倍政権のときに法人税減税行われましたですね。あのとき、ここでも議論しましたけど、なぜ法人税減税やるのかというと、賃金引上げに、設備投資に回してもらうためだということを明確におっしゃっていたわけですけど、さっきの資料に見ると回っていないわけですね。
つまり、する必要のなかった減税をしたのではないかと。全部とは言いませんが、かなりする必要のない減税をして、それが内部留保に積み上がったのではないかということは、もう蓋然性として十分考えられるんですけど、財務省として、少なくとも安倍政権での減税が内部留保に回ったという点はいかが捉えておられますか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生がお示しになった資料にもあるわけでございますけれども、政権交代以降、高水準の企業収益を背景として内部留保が増加をしてまいりました。これが当面使う当てのない現預金として保有されている場合、経済の好循環につながりにくいことから、経済成長を実現していくために、今賃上げや設備投資に向かうことが重要であると、そういうふうな認識を持っております。
そして、この間、法人税等の引下げがあったわけでありますが、これは、稼ぐ力のある企業に対して、結局それがまた企業の利益になって、現実としては内部留保がたまるというような格好になっておりますけれども、まさに賃上げとか設備投資に回してもらいたいと、そういうインセンティブのためにも行われたものであると、そういうふうに理解しております。
○大門実紀史君 おっしゃったとおり、あのときは安倍総理も麻生財務大臣も本当に本気で賃上げへ回すべきだと、内部留保をですね、あるいは設備投資もっと回すべきだというような議論されていましたから、あのときの法人税減税の目的はそういうことが強くあったというのはもうそうだと思うんです。結果的にそうなっていないんじゃないかと、全部とは言いませんけどね、それを指摘しているところでございます。
そこで、これは初めて鈴木財務大臣あるいは財務省に聞くんですけれども、内部留保に課税するという案を発表しました。今までもこの議論は、議論だけは幾つかあったんですよね。韓国や台湾がどうしたとかいろいろあって、フローといいますかね、内部留保に回す分を減らさせようというふうな内部留保課税というのはなかなかちょっと難しいところがあって、効果はどうなんだとかいろいろ議論があって、韓国もやり方変えたりですね、あったりするんですけど。
私たちの提案は、対象は、対象は内部留保だと、対象はですね、いう考え方で、ストックを、ストックを対象にしたというのは初めての、世界でも初めての提案かも分かりませんけれど、そういう提案でございます。ただし、何もかもに掛けるわけじゃなくて、内部留保が増加した分から設備投資の増加額を引くと、あるいは給与を引き上げた増加した分を引くと、あと環境に回した分、SDGsもありますので、その分引くということで、先ほど現預金が倍になっているというのがありましたが、何も全部よこせとか全部返せといった話では更々ありません。ほんのその一部を少なくとも還元したらどうかという案でございますね。
今、九十・四兆現預金があります。大企業の内部留保、大企業というか、内部留保というのは企業にとって、本会議で申し上げましたけど、必要な貯蓄でありますから、ゼロにしろなんて更々思っておりません。ため過ぎではないかという点だけ申し上げているわけでいうと、この現預金の九十・四兆というのはちょっと幾ら何でもと、幾ら何でもこんな余剰資金はあり過ぎじゃないかということは、これでここは分かると思いますが、そういうのがありますので、ありますけれども、いろいろ考慮して二%の税率で、ストックの方を描いていますので、ずっと恒常的にというわけにはいきませんから、五年の期間限定でということで考え打ち出しております。
使い道は、十兆円程度の財源になりますので、元々賃金を抑えて、まあ減税もありましたけど、賃金を抑えた分がありますので、賃上げにやっぱり使うべきだということで、この間政府の方も力を入れよう、力を入れようとされている中小企業最低賃金引上げ、その中小企業支援に大胆に回したらどうかということですね。
中小企業最低賃金引上げと中小企業に大胆な支援というのは、安倍政権発足した最初の頃に、ドイツとフランスで経済対策として、大きな経済対策として引上げで、中小企業大変だろうという、手当てじゃなくて、中小企業にも大胆に支援して最低賃金も引き上げるという大きなパッケージの経済政策として、アメリカとフランスでやったのが参考になりますよということで御提案して、安倍首相も、ちょっと研究させてくれということで担当者が私のところに来て、フランスとアメリカの詳しい資料くださいと来られたことがありますけれども。
積極的な方向でそれは捉えられたと思うんですけれども、ただ、賃上げ額がちょっとちまちまちまちましていて経済対策にならない、ほどにはならないし、中小企業支援もちょっとね、本当に微々たる支援で、ああいうのじゃなくてもっと大胆な支援をやるべきだということで、この十兆円を、アメリカは三年ぐらいで毎年百五十円、二百円レベルで上げていましたから、そういう大胆なことに、もちろん中小、小さいところの配慮とか、ちょっと別に適用除外とかいろんなことをやらなきゃいけませんが、そういうことに使うためにこの十兆円を回したらどうかというような提案でございます。
財務省としての見解というのは初めて聞くことになると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 大門先生の御提案は、内部留保に課税をして、それで期間、時期も限定的にやって、そうするとある程度、十兆円ぐらいの税収があって、それを人への投資に、の充実のために使えという御提案だと、そういうふうに理解をいたしました。
それで、その十兆円の前にですね、その内部留保に対する課税でありますけれども、財務省といたしましては、これはやはり二重課税に当たるのではないかと、こういう指摘がございますので、内部留保への課税につきましては慎重な検討が必要になると、そのように考えているところであります。
一方において、先ほど来申し上げておりますが、内部留保をため込むだけではなくて投資や賃金引上げ等に積極的に取り組むことは重要であると考えておりまして、そのための、今般、税制改正において、成長と分配の好循環の実現に向けて賃上げに係る税制措置を抜本的に強化をするオープンイノベーション促進税制の拡充を行うとしたところでございます。企業においては、こうした税制措置も活用して、成長と分配の好循環の実現に向けて積極的な賃上げや設備投資に取り組んでいただきたいと考えております。
内部留保についての課税、二重課税に当たるという御指摘で、先ほど先生から、このストックに対する課税であり二重課税には当たらないのではないかというような御指摘もあったやに聞きましたけれども、委員御指摘の内部留保、ストックは法人税が課税された後の利益剰余金、フローが積み上がったものであると認識しておりまして、それに課税することはやはり二重課税に当たるとの指摘があると、そういうことも考えております。
○大門実紀史君 正確に言いますと、財務省はそういう、経済界がよく言うんですね。今回は、減税し過ぎた分、つまり課税が少なかった分を更にもらおうという話だから、二重課税の論とは違うんですね。
ただし、財務省、今正確に聞くと、財務省は、そういう見解もありますということを最後付け加えておられるんですよね。といいますのは、これはもう前から、ほかの党も含めていろいろ言ったときに、経済界が二重課税になるから駄目だとずっと言い続けるわけですね。そういう見解を財務省が、財務省自身が持っているんですかと聞いたら、そこはノーコメントなんですね。そういう見解がありますよとしか言わないんですね。
なぜかといいますと、実は二重課税というと今もいっぱいあるわけですよね。相続税関係もあれば、まあ分かりやすいのは所得税で取られて、また消費するときに取られて、二重課税というのは、それが駄目だという言い方をすると財務省も困っちゃうんじゃないかと思うんですよね、ですよね。
だから、正確に言うと、確認しておきたいのは、おっしゃっているのは、そういう論がありますよと、そう言う人がいますよという意味ですよね。財務省そのものが二重課税ということになれば、この二重課税論、財務省と正面から、これどうなんですか、あれどうなの、全部やらなきゃいけないんですけど、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 財務省で用意いたしました答弁書を読んでみますと、そういう指摘があるというふうにございます。
○大門実紀史君 この議論は引き続きしたいと思います。やっぱり通常のその財界がよく言うような、その利益、純利益二回掛ける、そういう話じゃありませんので、掛かっていないものを更にいただくって話でございますので、二重課税には当たりません。
今日はもうこれで終わりたいと思います。