国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2020年12月2日 地方創生及び消費者問題特別委員会 国際目標SDGs 日本政府指針は財界要求第一
<赤旗記事>

2021年1月7日(木)

国際目標SDGs 日本政府指針は財界要求第一


格差是正なし

 誰ひとり取り残さない―このスローガンのもと2030年までに「世界から貧困をなくす」「続かない世界を続く世界に変える」など17の目標と169の「ターゲット」の達成を目指す国連の「持続可能な開発目標」(SDGs=エス・ディー・ジーズ)。日本は2016年12月に同目標の実施指針を策定しました。しかし政府のアクションプランには、貧困と格差を解消する目標が、すっぽり抜け落ちています。


大門議員が追及

 この問題を国会でとりあげたのが日本共産党の大門実紀史議員。大門氏は、昨年12月2日の参院地方創生・消費者問題特別委員会で、政府のSDGsアクションプランには貧困・格差の解消が位置づけられておらず、財界が要求する「Sоciety(ソサエティ)5・0」の達成が第1目標に据えられていると批判しました。さらに、監視社会をつくるスーパーシティ構想推進のロゴマークにSDGsが使われていることに、政府のSDGs推進円卓会議の委員も務める「SDGs市民社会ネットワーク」のメンバーからも批判と疑問の声が上がっていると指摘。「アクションプランに貧困と格差の是正を入れるべきだ」と迫りました。

 そもそもSDGsとは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略称で、2015年9月に国連で採択されました。

 コロンビアが提案し、ケニアの外交官が外交交渉を取り仕切り、ナイジェリアの国連専門家が文書化するなど途上国の主導で作成された国際目標です。

 いま人類は地球の再生能力の1・69倍の資源を消費し続けていますが、仮に世界中の人が米国と同じペースで資源を使えば地球4・97個分、日本のペースなら2・76個分も消費する計算です。ところが東ティモールのペースなら、地球0・3個分にとどまります。極端な資源浪費を続けながら、貧困と格差の解消ができていないのが現状です。

 SDGs本来の目標は、地球1個分へと資源消費量を減らすとともに、世界・地域・国などあらゆるレベルで貧困と格差を減らすことです。

 日本は貧困と格差の広がりが大きく、コロナ禍が社会のゆがみをさらけ出しています。それにもかかわらず、政府は貧困と格差の是正の目標を掲げない一方で、SDGsを掲げて「バイオ戦略」や「スマート農林水産業」を進めるなど、財界が望む方向に向かっています。


市民との攻防戦

 「SDGs市民社会ネットワーク」の稲場雅紀氏は、SDGs自体がいわば「攻防戦」の中にあると指摘。「例えば食料問題は、バイオ技術を持つグローバル大企業が種子や遺伝子を牛耳り食料主権を独占しようとしていますが、人々の主権に基づいたSDGsをつくるのか、それともSDGsから人々の主権が奪われてしまうのか―どちらの立場でどう進めるかが問われている」と話します。

 稲場氏は、「われわれのSDGsに引き寄せるための運動が必要だ」と訴えています。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 今日は、SDGsとスーパーシティ法との関係について質問いたします。
 まず、スーパーシティ法そのものなんですけど、五月に法案が審議されましたが、その後の経過について一つだけ聞いておきたいと思います。
 五月の法案審議のときに、個人情報の保護に懸念があるという点と、スーパーシティをつくる上で住民合意の仕組みが不十分だという点を私も含めて野党から質問し、懸念がそこに集中をしたわけですが、その後、この懸念についてどう対応されたか、説明をお願いいたします。

○政府参考人(佐藤朋哉君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、スーパーシティ構想を進めるに当たりましては、住民等の方々の個人情報の適切な取扱いの確保、それから住民等の方々の意向の丁寧な把握、確認、これは重要な課題であるというふうに認識をしております。
 このような問題意識に基づきまして、先般、十月三十日に閣議決定をいたしました国家戦略特区基本方針に、これらの事項に関する規定を盛り込んだところでございます。
 具体的に御説明申し上げますと、まず、その個人情報の適切な取扱いに関しましては、スーパーシティ区域の指定基準の一つといたしまして、データ連携基盤整備事業及び先端的サービスの実施に当たり、地方公共団体及び関係事業者等において、個人情報保護法令等の遵守を含め、住民等の個人情報の適切な取扱いが図られることが見込まれることということを規定しております。
 また、住民の方々の意向の把握、確認に関しましては、内閣府及び地方公共団体等が構成員となって区域ごとに設立されます区域会議が、まず、その基本構想の作成の段階で、住民等の利害関係者の代表者で組織される協議会の議決、議会の議決、住民投票などから適切と認める方法を選んで、住民等の意向を把握し、反映させることとしております。さらに、その上で、基本構想の内閣総理大臣への提出の前に、住民投票によってその意向を改めて確認をするということを基本としております。
 内閣府といたしましては、これらの規定や手続に基づきまして、住民等の方々の個人情報の適切な取扱いの確保、それからその意向の丁寧な把握、確認に努めてまいりたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 資料を配付いたしましたけれども、とにかく個人情報の適切な取扱いということが指定基準の中に入ったということと、住民の意向確認の方法に、当初なかったんですけど、住民投票が入れられたということでございます。
 この点、私も繰り返し強く求めておりましたけれども、スーパーシティ法そのものはまだ問題があると思っておりますが、しかし、よく野党の意見を聞き入れて、事務方として大変努力していただいたなというふうに思っております。感謝申し上げたいと思います。
 佐藤審議官は、消費者庁の課長をやっていらっしゃるときに、ジャパンライフ問題で、それまでの事務方はちょっといいかげんな人が多かったんですけど、佐藤さんは非常に一生懸命、ジャパンライフを何とか止めるために一緒に頑張ってくれた方でございます。今後も信頼しておりますので、頑張っていただきたいと思います。ありがとうございます。
 本題に入りますけれども、SDGsとスーパーシティの関係で、これは資料の二枚目でございますが、御存じのとおり、SDGsというのは国連サミットで全会一致で採択された国際目標でございまして、マークがありますけれど、貧困、飢餓、ジェンダー、気候変動など十七の目標がございます。重要な取組で、私は、本来、国会で超党派の議員連盟ができてもいいくらいの大事なことだと思っております。公明党の皆さんが大変頑張っておられますけれども、自民党というよりも、私、政権というか官邸筋が余り熱心じゃないといいますか、やる気がないんじゃないかなと思っているところでございまして、今日はその辺りを質問したいと思っております。
 まず坂本大臣にお聞きしますが、この資料の下の方ですね、スーパーシティのこれロゴマークなんですけれども、SDGsという文字が入っております。スーパーシティとこのSDGs、何の関係があるんでしょうか。

○国務大臣(坂本哲志君) スーパーシティ構想は、人口減少や超高齢化などの我が国地域社会が直面する課題に的確に対応するために、最先端技術を暮らしに実装し、二〇三〇年頃の未来の生活を先行実現することを目指しております。
 一方、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ、いわゆるSDGsでございますけれども、誰一人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のために、二〇三〇年を年限として、保健、教育、エネルギー、持続可能な都市など十七の目標を定めていると承知しております。
 スーパーシティ構想を推進し、そして地域住民の方々の意向を丁寧に確認、反映しながら、住民投票も含めてですね、そして医療、介護、教育、エネルギーなどの様々な生活分野での先端サービスの提供により超高齢化や労働力の減少など、地域課題の解決を目指すことはSDGsの実現と平仄を合わせるものであるというふうに考えます。このような考えに基づきまして、スーパーシティの広報等におきましてSDGsのロゴマークを使用させていただいているところです。
 ちょっと見にくいかもしれませんけれども、これピンバッジにもさせていただきました。後で部屋にもお届けしたいと思います。
 誰一人取り残さない持続可能な開発の実現というSDGsの目標の実現に向けて、内閣府としてもしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 要するに余り関係ないんですよ。要するにスーパーシティをSDGsと無理に結び付けているといいますか、先にスーパーシティありきで、SDGsを格付といいますか、利用しているんじゃないかというふうに、これ私だけじゃなくて、市民団体の方もおっしゃっていますけれど。
 そもそも、この日本のSDGsが今どうなっているのか、何が問題なのかということで、資料の三枚目でございますが、ドイツの、ちょっと図書館の資料の誤植でベルステルマンになっていますが、正しくはベルテルスマン財団でございますが、それとSDSN、これは持続可能な開発方法ネットワークの共同の報告書が毎年出ておりますが、これは大変権威のある組織で、日本の政府も方針文書に使っている評価であります。
 世界各国のSDGsを評価しておりまして、日本は世界で十七位ということなんですけれども、いろいろ問題点が指摘されていますが、要するに、下の方なんですが、課題として残っている一番が相対的貧困の解消ということです。今日は付けておりませんが、OECDの日本のSDGsの評価も一番遅れているのが貧困の解消ということが指摘されております。
 SDGsの一番目のマークが貧困の解消になっているとおり、これ一丁目一番地なんですね、貧困の解消というのは。ところが、日本のはそれがちゃんと位置付いていないということで。
 それから、次の資料にアクションプランというのがございますけれど、そもそも日本のSDGsは、実施方針改定版にも貧困の解消をいろいろ書いてはあるんですけれど、課題として位置付けていないんですね。これは二〇一〇年のアクションプランですが、これにも柱としてどこにも入っておりません。課題として位置付けられておりません。
 もう時間の関係でポイント申し上げますが、ここまで至る経過が大変おかしいことがあったわけであります。
 昨年、SDGsの実施方針の改定作業が進められました。最初の事務局が会議に出した案ですね、この実施方針の骨子ですね、そこには貧困の解消とかあるいは格差是正という言葉がたった一か所ずつしかなかったんです。で、市民団体を含む円卓会議が開かれまして、余りにもひどいじゃないかということで、貧困と格差の是正を入れてくれということがあって、次の文章には数か所に入ったんですね。ところが、またそれが実施方針で、最後にパブリックコメントにかける実施方針の骨子案、パブリックコメントに出すときの案ではまたそれが削られるというような、市民団体の皆さんから貧困、格差の解消を入れてくれと言われて入れたのをまた削ったという経過がございます。
 誰が貧困、格差是正の言葉を使うなと指示をしたのかということなんですけれども、内閣官房が最後は仕切っているわけですが、担当は例の和泉首相補佐官でございます。政権の意向を霞が関や関係機関に徹底するのが彼の仕事で、これはもう有名なことでありますけれども、安倍内閣、菅内閣共に、国会論戦において、経済論戦で格差のことを指摘すると、それ認めない内閣だったんですね、格差の拡大をしていないと。その政権の下でこのSDGsの日本の課題に貧困、格差の解消を掲げるわけにはいかないということで、ずっと言葉を入れさせない入れさせないということがあったのではないかと思いますが、外務省事務局、いかがですか。

○政府参考人(米谷光司君) お答え申し上げます。
 ただいまお話、御指摘のありました持続可能な開発目標、SDGsの中には十七の目標と、その下に百六十九のターゲットが掲げられておりますけれども、我が国におきまして、政府のSDGs推進本部において策定しておりますSDGs実施指針に掲げております八つの優先課題につきましては、これは、SDGsの目標とターゲットのうち、日本として特に注力すべきものを示すべく、日本の文脈に即して再構成したものでございまして、全ての優先課題について国内の実施と世界におけるその達成のための国際協力における取組、取り組むべき部分の両面が含まれております。
 貧困の削減、貧困の撲滅につきましてはSDGsの重要なゴールの一つでございますが、実施指針、この推進本部で策定しております実施指針におきましては、八つの優先課題においては貧困という言葉そのものは使っておりませんけれども、我が国としても実際様々な対策に取り組んでいるところでございまして、この実施指針の下で実際、具体的に推進される施策等につきまして、同じこの推進本部において策定されますアクションプランにおきましてそれぞれの具体的な施策が記載されているところでございます。
 その中には、子供の貧困対策……(発言する者あり)そこまでで、お答え差し上げます。

○大門実紀史君 そうですとは、和泉さんの関与、そうですとは言えないと思うんですけれども、ただ、政府のSDGs方針の最終チェックをしたのは、担当、和泉補佐官でございましたし、和泉補佐官がいろいろ指示をしていたというのは、もう関係者全て知っていることでございます。
 その後の経過なんですけれど、次の資料なんですが、そうやって削ったんだけど、和泉さんの指示だと思うんだけど、結局、あのパブリックコメントにかけると、やっぱりいろんな方から貧困と差別の解消、貧困、格差の是正、こういうものが入ってないじゃないかということで大変たくさんの意見が来たんですよね。で、さすがにこれはもう無視できないということで、今おっしゃったようにいろんなところにちりばめましたけれど、結局、課題としては貧困、格差の是正を入れなかったということでございます。
 ですから、最後の資料なんですけれど、これは政府の円卓会議にも参加されております市民社会ネットワークの方々が出されている要望でございまして、その五番目に、ラインマーカー引きましたけれど、私が言っているんじゃないですよ、皆さんと一緒にやってきた市民社会ネットワークの方がおっしゃっているんですよ、貧困の根絶と格差の是正を最重要項目にしてほしいと、なってないからしてほしいということですね。私たちが最も残念に思うのは、貧困の根絶と格差の是正について具体的な施策が書かれなかったことだと、SDGsの最も重要な目標が貧困の根絶と格差の是正だと、これを重点項目とすることを求めますということを、一緒にやってきた方々おっしゃっているのは今言った経過で、ですから、なぜ削られたのか不思議で仕方がないんでね。ただ、外務省はまとめているだけだから難しいところあると思うんですけれど、実際には私は官邸筋だと思っております。
 なぜかというと、大体、安倍、菅政権、安倍、菅政権とも、官邸のデジタル、スーパーシティ、この分野の、何といいますか、実務の責任者は、官邸でいえば和泉さんでございます。指揮を執ってきたわけですね。その和泉さんがSDGsから貧困、格差を退けて、代わりに、自分が進めたいというか政権の目玉でありますデジタル、スーパーシティをここに持ってきたと。こんなこと指示できるのは誰かといったら、両方見てできるの誰かといったら官邸しかいないと。官邸は、和泉さんがこれを担当していたということ以外考えられないという意味ですね。これは私一人言っているわけではないということであります。
 それが、それがですね、このスーパーシティの、大臣、その胸張って付けておられるバッジに、このロゴにSDGsが入っている意味はですね、何のこっちゃない、そんなきれい事じゃないんですよ。そういう経過があってここにSDGsのロゴが、SDGsが入れられたということでありますので、何か、まあそういうことなんですよね。
 だから、大事なことは、是非SDGs推進事務局にお願いしたいのは、この市民社会ネットワークの方々がここまで、ずうっと一緒にやってきた方がここまでおっしゃっているわけだから、これきちっと、もう二〇二〇年のアクションプランはあれだろうけれども、次のアクションプランには課題として貧困と格差の是正、解消、是正、これは入れることを検討すべきだと思うんですが、いかがですか。

○政府参考人(米谷光司君) お答え申し上げます。
 SDGsを推進するためには、政府の関係府省庁が一体となって、あらゆる分野の関係者と連携協力しながらオールジャパンでの取組を進めることが重要であると考えてございます。
 また、政府といたしましては、SDGsの推進に取り組む代表的な組織やネットワークの代表が参加される円卓会議を始めといたしまして、ステークホルダーの意見も踏まえつつ、SDGs推進本部におきましてアクションプランを策定して取組を進めているところです。
 誰一人取り残されない社会を実現するために、現場で厳しい状況に直面されている方々、人々の声を拾い上げて、拾い上げるべく、市民社会の皆様の声も踏まえつつ、引き続き取組を進めてまいりたいと、そのように考えております。

○大門実紀史君 是非その方向で進めてください。
 終わります。

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