<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
前回に続いて、地域金融の問題を取り上げたいと思います。
コロナ禍の下で中小企業を支援するという点では、地域金融の役割が大変重要でございます。前回は、日銀報告のときは地銀の問題を取り上げましたけれども、果たすべき役割を取り上げましたが、今日は信用金庫、信用組合、信金、信組について取り上げたいというふうに思います。
信金も、再編、合併、統合を促す対象にはなっておりますけれども、そういう議論の前に、地域金融論として改めて信金、信組の役割を考えるべきではないかと、話はそれからではないかというふうに思います。
信金、信組は、このコロナ禍の中で自らも、自分もリスクを取りながら、地域の小規模企業、中小業者を支えてきております。私の感覚でいきますと、地銀というのはどこか地域の小規模企業には冷たいところがありますけれど、前回取り上げた鳥取銀行もそうなんですが、東日本大震災のときも、被災地であっても地銀の対応というのは、本店が内陸部にあったということもあるかも分かりませんが、どこか被災地の中小事業者に対してはちょっと人ごと、冷たい対応がありまして、その点、沿岸部の信金というのは、自らも被災して大変な打撃を受けながら必死で借り手を支えたと。それを、金融庁が大変一生懸命被災地の信金、信組を支えたということもよく覚えております。
今、このコロナ禍の下で、特に信金、信組は取引先が飲食関係や宿泊関係が比率が多いんですよね。ですから、観光産業、地域の観光産業が駄目になりますと地域経済に大きな打撃になるんですが、それを必死で支えているのが具体的に言うと信金、信組ではないかというふうに、この間のことでもそう思います。
私が訪問した京都の信用金庫、京都信金なんですけれども、ここは元々頑張ってきていましたが、コロナ禍の下でも中小向けのいろんな支援を打ち出してきましたが、特にすごいと思ったのは、今年の一月以降に起業した、創業した事業者に支援する金融商品をつくりました。上限一千万で二年間無利子というやつですね。これはなぜかというと、この間のコロナ対策というのは、過去の実績から、売上げが落ち込んだとかそういう前年実績とかですね、そういうものを示す必要がいろいろあるわけなんですけれども、今年創業した企業はそれは活用しにくいわけであります。そういうところにも応えた制度ということで、政府の手の届かないところにまで信金が一生懸命自分で考えて手を打っている例だというふうに思います。
こういうことができるのは地域に密着した信金だというふうに思うわけですけれども、まず、金融庁参考人、栗田さんに聞きますけど、コロナ禍において、頑張る小企業、中小事業者を支えるために、今現在、信金、信組が大変重要な役割を果たしていると思いますが、金融庁の認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
まさに地域経済の状況は様々でございますけれども、人口減少や経済規模の縮小といった厳しい環境に直面し、生産性向上ですとか経営改善、事業再生等が必要な中小零細企業が多数存在しているというふうに認識しております。
信用金庫、信用組合におかれましては、こうした企業の真の経営課題を把握して、その解決のために必要なアドバイスあるいは適切なファイナンスを提供する、そういう役割を通じまして、地域企業の経営改善、生産性向上、ひいては地域経済の活性化に資すると、さらに、そのことは金融機関自身にとっても安定した顧客基盤の確保につながるということだと考えておりまして、そういう観点から、今委員御指摘のとおり、信用金庫、信用組合の役割というのは非常に重要であるというふうに考えております。
○大門実紀史君 そうはいっても、コロナ禍の中で先が見通せない中、そういう非常に小さい規模の会社とか中小事業者を支えるということは、これは当然、信金、信組もリスクを抱える、リスクを伴うことであります。にもかかわらず、信金、信組は支え続けているのはなぜかと、ここが一番地域金融を考える上で大事なことだと思いますが、資料をお配りをいたしまして、週刊東洋経済の記事でございますが、二つの信金、信組の会長さん、理事長さんがそれぞれのポリシー、今言ったようなリスクを伴っても支える理由をおっしゃっております。
東京、第一勧業信用組合、第一勧信といいますが、その会長さんは、例えば浅草の料亭は一つも潰さない、芸者衆も全員守ると。つまり、水商売の個人事業主となりますと銀行は融資を渋るわけですね。しかし、この第一勧信は、その芸者さんたちに低利で貸し出す芸者さんローンというのを商品化して、これはコロナ禍で料亭が休業して店を閉めて、芸者さんたちの収入が途絶えてしまったと。それに対して、そういう事態に対して、芸者さんたちに五十万円から百万円の融資を行うということで、大変喜ばれているわけでございます。
麻生大臣もよく御存じかもしれませんが、芸者さんというのは義理堅いんですよね。こういうときに一生懸命支えると、後でお客さんを、中小企業のお客さんを紹介してくれるというようなことになって、持ちつ持たれつといいますかね、こういう地域のきずな、誰も見捨てない、そういうところがこの信用組合のずっと長いポリシーであって、それがずっと経営も支えてくれているということをこの会長さんはおっしゃっているわけであります。
さらに、名言を言われておりますが、利益よりも地域経済や文化を守ることに力を注ぐと、融資が焦げ付くリスクとどう向き合っていくのか。お客さんはユー、あなたではなく、ウイだと、私たちだと。彼らを助けなければ僕らが倒れてしまうというふうな、そういうところに信組の生きる道があるんだということで、それで経営もまた維持されているということだと思います。
二つ目の城南信金も、損得よりも地縁や人の縁を重んじるコミュニティーバンクだと。特に、城南信金って有名ですけど町工場が多いんですよね。彼らを助ける仕組みをつくることを大事にしてきたということで、しかも城南信金は、この間でいいますと、コロナ禍で売上げが落ちた町工場の仕事確保、受注を何というか、マッチングといいますか商談会を開催して、大田区とか品川区の町工場と一部上場の企業とを、仕事を合わせて受注を生み出すと、商談を成立させるということもやってきております。これが城南信金のやり方ということで、特に地元の商店、飲食店、大変ですから、その本業支援にも力を注いでいるということでございます。
これは都市部だからできるということでありませんで、これも私訪ねましたが、京都北部で山間部とか海の方に近い方で、京都市内とは違うんですけれども、北都信金という信用金庫がありますが、そこも地域密着型で大変健闘しております。
ここは麻生大臣にお聞きいたしますけれど、どんな大変な状況でも、この第一勧信言われるように、私たち、ウイという立場で、徹底的に、借り手、顧客に寄り添うと。そのことを抜きに信金、信組の未来はないんだということが、理想論じゃなくて、何か建前とか理想論じゃなくて、それが信金、信組の現実論なんですよね。経営基盤の強化というならば、効率化とか経費削減とか合併統合という数字の、目先の数字を追うだけじゃなくて、それはそれで必要なときもありますが、まずこういう地域でのネットワーク、地域でのきずな、こういうところの積み重ねこそ、本当の中長期的な地域金融機関の経営基盤の強化につながると、これが本筋じゃないかと思うんですが、麻生大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは京都、よくお分かりと思いますけど、京都は銀行ないですもんね。京都は信用金庫が一番でかいんですから。京都銀行よりは京都信用金庫の方がでかいでしょうが、実質問題として。それはもう、大きさからいえば間違いなくでかいところですから、そういった意味では、これ、言ったことをやっているんですよ、この会社は。この会社って、この信用金庫は。
私は、それはもう間違いなくおっしゃるとおりなんで、長い歴史の間に積み重ねられた信用とか人脈とかいうものが、この新田さんの、新田さんというか、この京都信用金庫の場合は生きている最たる例の一つだと思いますけれども。
ここは、ほかにもいろいろな例がありますけれども、ここにおいては、明らかに他行がなかなかこの京都には入れないというのは事実。きちっとしたものができ上がっている。そして、この中には、京都からは、京都セラミックに始まり、佐川急便しかり、ワコールしかり、大きな会社がいっぱいこの京都から育ってきているというのも、世界一というのはこの中にいっぱいありますので。ムラタコウギョウしかりでしょうけど、いろんなものがこの京都には出てきていますので、こういった銀行が、最初はみんな助けてくれたのは、こういうところからスタートしておられますので、今でもきちんと、そういった大会社になった後もこことの取引は継続をしておられるという例を見ても、そういう人間関係がきちんとでき上がっている最たる例はここだと思っております。
○大門実紀史君 基本的には、これは地銀も同じでございまして、前回も議論をいたしました地銀の現状が大変なのはもうそのとおりなんですね。なぜ地銀の経営基盤が弱体化したかというと、結論を先に言いますと、もうやることなすこと全て中途半端だったんじゃないかというふうに思うんですね。大きな流れとしては、やっぱり産業の空洞化というのがあって、地域産業が崩壊すると。大体、地銀というのは、地域産業、地域業界をずうっと支えてきたわけですが、地域産業崩壊するから企業もなくなって、中堅どころがなくなってということがあったと。もう一つは、もう指摘されているように、超低金利が長く続いたということだと思うんですが。
じゃ、どうするかというときに、地銀は大変中途半端なことしかやってこなかったんではないかと。一つは、その地域密着型に、よりきめ細かい地域密着型に転化することも中途半端で、できずに来て、なおかつ海外の証券投資とかそういうものに一時かなり偏って、リーマン・ショックで大損するとかですね、何といいますか、メガバンクのまねをするのも中途半端、信金の後を追うのも中途半端。こういうところは、今の地銀の経営基盤といいますかアイデンティティーを失って、いうようなものになってきたんではないかというふうに思うわけでありまして、いま一度やっぱり地銀の地域密着戦略を本当に組み立て直さないと、ただ合併して統合しても、またメガバンクにはなれない、密着型にもなれないと、同じことを繰り返すんではないかと思うんですけどね。そういう点で、この信金が今頑張っていることに、同じことはできないと思いますが、地銀も学ぶべきだというふうに思います。
資料の二枚目ですけれども、この点では金融庁がしっかりした方向を示されております。この資料は大変いいなと思って、発見したんですけど、金融庁の銀行第二課の協同組合金融室長の和田良隆さんですね、若い方ですけど、すばらしいことをおっしゃっております。合併、統合と言う前に、改めて地域金融機関の原点に返れと、そこにこそ活路があるというふうな、そういう話だというふうに思いますけれども。
まず、コロナへの対応の仕方なんですが、全く意気投合するんですけど、まずは、足下で続く中小零細企業の資金繰りを支えていくフェーズ、まずは目の前の中小企業、零細業者を助けると。それがクリアできた段階で、経営改善、事業再生を取引先とともに行うと。これ大変な大事なことでありまして、まず支援、救済して、その後経営改善、事業再生だということだというふうに思います。
その今を乗り越えた後ですね、自主的な判断で合併とか統合はあり得ると思いますけれど、その際も地域貢献というのは最優先してもらわなきゃいけませんが、まずは乗り越えると、それから経営改善、事業再生だということと、金融庁として五月二十七日に金融機関に要請を出されました。これは、この委員会で私、取り上げさせてもらったことあるかと思いますが、大変すばらしいことだと思っております。
要するに、コロナの前に正常先というふうに金融機関が認識していたところに関しては、このコロナが収束した後、経営状況が改善する蓋然性が高い、あるいは経済対策の効果が出ると、そういうことを考えると、感染拡大前と同一の評価をすると、そのことを、そう判断した場合、金融機関の判断を金融庁としては尊重しますよと。要するに、コロナ前に大丈夫だったところはコロナ後も簡単に要注意とか再検しないでいいですよというふうな、これはなかなかすばらしい判断をされたというふうに思います。
確認ですけど、栗田局長に聞きますが、今、やっぱり目の前で頑張っている事業者を支援すると、この五月二十七日の要請含め、私は正しい認識だと思っておりますが、特に第三波が襲来しているというときでございますので、引き続き、このことを忘れないで取組を進めてほしいと思いますが、確認の上で一言お願いをいたします。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
これはかねがね申し上げてきたことではありますけれども、コロナ対応につきましては、まず企業の資金繰りを支えるということで、倒れなくてもいい企業は倒さないということで、まず資金繰りをきちんと付けると。その上で、将来の見通しが立ってきた段階で、必要に応じて経営改善、事業再生あるいは事業転換などに取り組んでいただくための支援をするということが金融機関の基本的な役割だというふうに考えております。
その中で、資金繰り支援といたしましては、制度融資も当然重要でございますけれども、民間金融機関のプロパー融資の役割も重要であるということでございまして、そのプロパー融資については、金融機関がきちんと事業者に対して資金を出せるようにするという観点も踏まえまして、今、委員御指摘のように、新型コロナの感染拡大以前に正常先と認識していたけれども、感染拡大後に経営状況が悪化した事業者については、収束後には経営状況が回復する蓋然性が高いと。それから、経済対策の効果も勘案できるということで、引き続き同一の評価とすることについて金融機関の判断を尊重するということを申し上げたということでございます。
○大門実紀史君 この和田さんのインタビュー、ほかにもいろいろすばらしいこと書いてあります。一個一個聞きたいぐらいですけど。
言われている中の一つ二つ申し上げます、紹介しますと、与信管理、提案力こそ信金、信組の強みだと。それで、心配される信用リスク拡大の懸念にも、その与信管理をしていく、ちゃんとその事業を面倒を見ていく、会社の面倒を見ていく、提案をすることこそ、その信用リスクに対する最も有効な対策だということをおっしゃっておりますし、何より協同組織、これは私は地銀にも通じると思うんですけれど、本来は自らの営業地域から逃れることはできないと、地域で生きていくんだと、地域運命共同体なんだということでありまして、地銀がぼんぼん統合して、店舗の統廃合して地域から去っていくということそのものが、もう地銀そのもののアイデンティティーを失わせていくという点も見ておく必要があるかというふうに思います。取引先の生産性向上、経営改善を金融機関として同時にしっかり支援していくということが大事だということでございます。
麻生大臣に、この信金、信組問題でのもう一言いただきたいと思いますが、要するに、こういう信金、先ほど地域金融の在り方についてお聞きしましたが、金融庁としてこういう地域密着型の経営に取り組む信金、信組をやっぱりサポート支援、強めていってほしいと思いますが、一言いただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この足下のコロナ対策というような対応というのは、これまでの、何というのかな、金融機関の取組のいわゆる真価が問われているんだと、僕たちにはそう見えるんです。
いろんな意味で、企業との、今、与信の話が出ていましたけど、最も大事なところなんですけれども、こういったことをきちんとやっている担当者が、信金、信組の場合、余り人事異動がないものですから、そこにずっといてそれ見てくれるというところもあるんですが、中小・零細業者に対する金融業の担い手という立場にある人たちなんですけれども、いわゆる、まず、何でしたっけ、この後ろの、二ページ目でしたっけ、和田さんか、この人の言っているように、まずは資金繰り対策をしっかりやる、それが一番。その上で、まずは倒れませんから、資金繰りさえ付きゃ。いわゆるストックの話じゃなくてフローの話ですから、これは。フローがきちんとしていればまずは倒れぬと。その上で、きちんとやっていくということをやらねばいかぬということが書いてあるんですけれども。その上で、やった上で、まあいろいろな情報もあるから、こういった会社と組んだらどうかとか、こういったところは新しい分野があるからこっちにちょっと手出してみたらどうかとか、木に竹接ぐみたいな話じゃなくて、きちんとそういったものをやっていくというような細かなことを取り組んでいくというのが大事なんだと思っているんですけれども。
いずれにしても、そういった地域における、地面に足が付いているというか、そういった支援体制の実効性というのが、しっかり取り組んでいくというところがこの一番面白いところ、一番存在価値のあるところで。信用金庫じゃありませんけど、信用組合で広島信用組合なんというのがありますけれども、まあユニークな理事長であることは認めるけれども、少なくとも、あの各社ずうっとマネーサプライ減らしているときに、この信用組合だけはずうっとマネーサプライ増やし続けましたもんね。大したものだと思いましたよ、あのとき。僕は、そういった小さなところがありますんで、やっぱり小さなところでもずうっと貸して、とにかく資金繰りの話が来たらまず三日で返事しろというようなこともきちんとしていますし、この人の下でだけは働いちゃいかぬなと思いましたけれども、あんな働かされちゃかなわぬなと思いながらあの話は聞いていたんですけど、時々、年に何回かこの人に会うようにしているんですけれども、いずれも、そういったような地場に足が付いているという人たちはよう現場に行っていますよ。
そういった人たちの話を聞いていると、私どもとしては、信用組合とか信用金庫とか第二地銀とか、地面、地元に足が付いた、現場によく行っている、そういった人たちの話をよく総合していくという方が確実だなと思っていますんで、親身になってそれを世話してくれるという人間関係もそこにでき上がっているのは、やっぱり転勤がない、そういったものもあるんだとは思いますけれども、是非、そういったようなところが一番肝腎なところなんで、日本の中で中小企業というものがこれだけ営々とやられてきて、しかも多くの企業、二百年以上続いている企業というのは、世界中、二百年以上続いている企業の半分以上が日本に集中しているという事実も我々としては参考にしておかねばならぬ大事なところだと思っております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
最後の三番の資料なんですけど、資料三なんですけど、こういう血の通った金融庁の姿勢に比べて血も涙もないのが財務省主計局だと、この資料は何だというの出てきましたけど、財政審の建議でございます。
十月二十六日に財務省主計局が財政審の歳出改革部会にペーパーを出して、それに基づいて出てきたのが十一月二十五日の建議でありますけれど、まあよくこんなものを第三波が来ているときに出したなというふうに思いますけど、その中の中小企業部分なんですが、要するに、すごいこといっぱい書いていまして、中小企業は生産性が低いと。新陳代謝ですね、潰すところは潰せという話ですよね。コロナ対策の給付金は延命になるから打ち切れと。
十一月二十五日に出されたという、この二十五日という日は、第三波が来ているということで大変な事態のときでありましたけれども、よくこんなものをその日に出したなと思いますが、主計局に聞きます。何でこの第三波が直面した十一月二十五日ですね、なぜこんなものを出したんですか。
○政府参考人(宇波弘貴君) お答え申し上げます。
資料で御指摘のこの建議でございますけれども、これは、令和三年度の予算の編成に当たって、御指摘のこの中小企業政策のみならず、政策全般にわたって財政制度等審議会で御議論をいただき、それを取りまとめて発表したのが十一月の二十五日ということでございます。
○大門実紀史君 いやいや、だから、これ審議いただいたって、これ財務省がペーパー出して、最初に出して、それを、有識者の御意見があったといったって、大体みんな、財務省が出したものにそうだ、そうだと言う人ばっかり集めているようなところですよね。
だから、最初に財務省はこのストーリーに基づいて出しているわけだけど、とにかくなぜ、十一月二十五日の第三波が来て、もう中小事業者の方がまた閉店、時短に追い込まれるのかというようなときに出したということは、あれですか、そうすると、これは、この第三波で大変な事態になろうとこの中身を貫徹すべきだということで出したんですか。
○政府参考人(宇波弘貴君) 財政制度等審議会からいただいた建議、資料に記載されているとおりでございますので改めて繰り返しませんが、この御提言も踏まえつつ、政府全体といたしましては、感染状況あるいは経済の動向を見ながら、御指摘のあった持続化給付金を含めて、中小企業支援全般の在り方について関係省庁と議論をし、今総理の指示に基づいて経済対策を出す、策定中でございますけれども、それの取りまとめに当たっていきたいというふうに考えてございます。
○大門実紀史君 そしたら、上の方の、財務省が出した、これ財務省が作った文書ですからね、財政審の先生方のあれじゃないですからね。この意味、どういう意味ですか、中小企業の新陳代謝。中小企業の新陳代謝ってどういう意味ですか。
○政府参考人(宇波弘貴君) 御指摘のところでありますけど、八ページでありますので、恐らく御指摘の抜粋されたところはこの箇所でありますけれども、中小企業のこれまでの例えば生産性の大企業との比較をさせていただいたり、あるいはその中小企業の今置かれている現状を様々私どもの方で分析させていただいた上で、今後、要するに、例えば新しく事業展開をする中小企業ですとか、あるいは生産性向上を図る中小企業を増やしていく必要性があるということで申し上げたかというふうに思います。
○大門実紀史君 こんなぐらいはちゃんと答えてくれないと困るんですよね。
要するに、潰れるところは潰れて、新しい企業が生まれるというようなことだと思うんですけれど、これをわざわざ、一般的に市場経済競争の中でおのずと淘汰は起きているわけです。わざわざコロナのときに新陳代謝を促すと。しかも、支援の長期化が新陳代謝を阻害すると。支援の長期化といったって、政府もコロナだから支援をしているわけですね。コロナが長期化すれば、政府の支援も長期化するのは当たり前なんですよね。
それとも、これはあれですか、コロナが長期化しても政府の支援を打ち切れということですか。打ち切って、そこで潰れるところは潰せば新陳代謝が進むと、そういうふうにしか読み取れないんですが、そういうことですか。
○政府参考人(宇波弘貴君) このまず資料でございますけど、審議会に提出した資料は、審議会において御議論いただくために、事務方として一つの問題提起、考え方を示したものでございます。
その前提で申し上げますと、この資料にも記載してございますように、緊急事態における中小企業の事業の継続を支援するという意味で、この持続化給付金あるいは資金繰り支援について意義を認めた上で、こうした支援が長期化すると中小企業の新陳代謝を著しく阻害するおそれがあるという、こういう一般論を申し上げた上で、今般、感染拡大防止と社会経済活動の両立を進めるという、こういう環境の中で、今後支援するに当たって、ここに書いてあるとおりでありますけれども、ウイズコロナ、ポストコロナ社会の新たな日常に対応するための前向きな取組に対する支援への移行を検討すべきではないかという一つの問題提起をさせていただいたということでございます。
○大門実紀史君 これは、商工会議所、中小企業団体などから、この建議については、中小企業の部分ですね、大変不満というか、疑問や怒りの声が上がっておりますね。中小企業の実情を分かっていないと、上から目線だということだけじゃなくて。先週京都でお会いした商工会議所の役員をされている中小企業の社長さんはこんなことをおっしゃっていましたけど、今回の建議というのは、竹中平蔵さん、アトキンソンさんなんかの新自由主義の学者とか経済評論家の考えに、補助金、お金を削りたい財務省主計局が乗っかった、たちの悪い作文だというふうに、大変、現場の会社経営している方まで見抜くような、あからさまといいますか、ひどい、現場の今頑張っている人たちを何だと思っているのかというようなものをわざわざ二十五日に出されたわけですね。
大体、この最初の歳出改革部会で議論された土居先生とかも含めて、委員の方もすごいことをおっしゃっていますよね。給付金についてはとにかく予定どおり終息すべきだと。給付金の期限ずるずる先延べしたら、本来は新陳代謝が促される機会が奪われてしまうと。要するに助けなくていいところまで助けているんだみたいなこととか、要するにゾンビ企業がいっぱいいるような、何といいますか、こんなことをこういうときに言えるのかと、どんな人間の集まりなのかというふうに大変憤りを感じるわけでありますけれども。
ちょっと大変問題のある建議だと。今までいろんな建議がありまして、立場の違う、社会保障とか考え方の違うものはありましたけれど、この与野党問わず今政府挙げて現場の人たちを救おうというときに、救わなくていいみたいな、そんなことやると新陳代謝を阻害するんだみたいなことを、よくまあこんなものが出せたなというふうに思います。
その前提になるのは、この財政審の方に出てきますけれど、要するに中小企業論ですね、これはアトキンソンさんとかもおっしゃっていますけど、規模が大きくなればスケールメリットが出ますから、労働生産性が高くなるのは当たり前のことでございます、当たり前のことです。労働生産性は大企業に劣るかもしれませんけど、中小企業事業者の中にはそもそもスケールメリットなんか目指していない事業者はいっぱいいるわけですね。むしろ小スケールだからこそ機動性がある、あるいは技能、技術を発揮できる、顧客のニーズにも合うと、きめ細かいサービスができるということで、そういう事業所がたくさんあって日本経済というのはもっているわけだというふうに思うわけですね。
ですから、労働生産だけで経済社会を全て語ることそのもの自体がおかしいと思うんですけれども、そういうものに基づいてこういうストーリーが描かれているということだというふうに思います。
麻生大臣にお聞きいたしますけれど、今こういう状況でありまして、金融庁の先ほどの話じゃありませんけど、まず頑張っているところを支援して、経営改善とかいろんなことはその後だと、まずそういうことがあるというふうに思いますし、今、この経済というのは多様性ですから、多様性ですから、一本の物差しで測って、もう新陳代謝をすべき企業なんだというような言い方することそのものがおかしいと思いますし、特に第三波の渦中でございますから、これは自己責任ではありません、コロナなんですから、政治は中小企業を支援するということが先決だと思います。
これはもう与野党問わずでありまして、こんな潰れるところは潰れろみたいな言い方は政治家が言うことではないというふうに思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 現状、今先生言われましたように、我々として、今コロナという、まあ一種の感染症によって世界的な影響を受け、そういった状況の中で我々としてはこれまでうまくいってきた、それなりに、この七、八年間うまくやってきて上昇気流に乗り、脱、そうですね、デフレーションというようなものからも少しずつ脱却してある途中でこのコロナということになりましたので、私どもは、これは明らかに異常事態が発生しておりますので、そういったのに対しては対応すると。
リーマン・ショックのときも担当でたまたまおりましたけれども、あのときに比べて倒産件数は圧倒的に少ない。はっきりしております。そういった意味ではきちんとした対応はこれまでやってきていると、そう思っておりますので、私どもは、いろんな意味で厳しい状況の中で生き残っていくということに関してできるだけの支援をさせていただきたいと思っております。
○大門実紀史君 終わります。