<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
今日は、日本銀行の独立性に関連して幾つか質問したいというふうに思います。
中央銀行の独立性というのは、歴史的にもいろんな苦い経験を踏まえて、大変重視、世界的にも重視をされているところでございます。
まず、黒田総裁に改めて基本的なお考えを聞いておきたいと思いますが、政府と日銀が経済金融政策において協力し合うということは、これはある意味当然のことでございますけれども、ただ、だからといって、中央銀行が何でも時の政権の意向に忠実に従う、あるいはそんたくをすると、そういうことが続いてはまたこれは困るわけであります。基本的な話ですけれども、黒田総裁として、中央銀行の独立性、自立的な政策判断、こういうものの重要性についていかがお考えでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) この点につきましては、議員、委員もよく御承知と思いますけれども、一九九八年に施行されました新日銀法におきまして、金融政策の独立性、自立性、自主性というものが極めて詳細に規定されておりますし、その金融政策を実際に決定する政策委員会の議事のやり方までしっかりと書き込まれており、そういう意味では、金融政策についての自立性というのは十分担保されていると思っております。また、日本銀行の業務につきましても、その自主性を十分配慮するということも規定されております。
もちろん、他方で、委員も冒頭おっしゃったように、金融政策、マクロ的な金融政策の一環でありますので、政府と十分意思疎通をして政策運営を図っていくということはもちろん法律にも定められておりますし重要ですけれども、あくまでも私どもの行う金融政策あるいは業務の決定というのは自主的なものとして行われる必要があるし、それは法律、新日銀法で十分担保されているというふうに考えております。
○大門実紀史君 そうはいっても、二〇〇一年に私国会に参りまして、当時は速水総裁でございましたが、いろんなことがあって、なかなか、日本銀行としての独立性が本当に維持、堅持されてきたのかという点は何度も議論させてもらっていますが、疑問に思っているところもあるわけであります。
報道によりますと、先月の十月の二十七日に、自民党の金融調査会ですかね、山本幸三さんが会長の金融調査会のメンバーを含めて数人の方が河野太郎規制改革大臣に会って、金融庁の検査と日銀の考査の重複をなくせと、金融庁検査、日銀考査の重複をなくせという提言をされております。中身は、資料もありますが、データの一元化、金融庁検査と日銀考査の連携、分業、協業を求めておられます。それに対して河野大臣は、規制改革担当大臣は、責任を持ってフォローアップしたいというふうに述べたということであります。
金融庁と日銀というのはそれぞれ独立した主体で、当然のことながら、それぞれの法律、根拠法に基づいて検査、考査をやっておられます。目的も違います。それをできるだけ一緒にやれという、中身をよく読みますと大変乱暴な提言がされていると私は思いました。もちろん、提言の中に日銀の独立性を尊重しつつという文言はあるんですけれども、求めている中身は日銀の独立性など全く考慮していないんではないかというような中身でございます。
資料一枚目に配りましたが、金融庁にまずお聞きしますが、金融庁の検査と日銀の考査とは根拠法も目的も役割も違うんだと思いますが、この図に基づいて簡潔に説明をお願いします。
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。
議員御指摘のとおり、金融庁は、銀行法等の法律に基づき、金融システムの安定と金融仲介機能の発揮に加え、利用者保護等の観点から、業態横断的に検査監督を行っております。
一方、日本銀行は、日本銀行法に基づき、経済、物価安定の基盤となる決済システムと金融システムの安定のため、最後の貸し手として、決済機能の担い手である金融機関の経営やリスク管理の状況を考査等で把握しているものと承知しております。
○大門実紀史君 この図配らせてもらったのは、今おっしゃったようにそもそも違うわけですけれども、業務的に重なる部分があるんではないかということで、この図でいきますと、金融システム安定のためのモニタリングと、この部分が業務的に重なるんではないかということでありますけれども、そもそも、金融庁、日銀とも、金融機関に入って調べること、聞くことが違います。時期も違います。
金融庁は、大手行の場合は今のところ、今は必要に応じてとなっていて、日銀は、大手行は三年に一度ですかね、ということになりますし、金融庁は金融仲介機能、利用者保護の観点が一番でございまして、日銀の場合は経営の安定性、流動性を中心にということになっていると思います。
重なる部分の、この図でいきますと金融システム安定のためのモニタリングなんですけれど、これは何かというふうにお聞きしましたら、分かりやすいのはストレステスト、株がもしも二割下落したら経営がもつかというような、そういうストレステストのようなものが中心だというふうに伺いました。
ただ、このストレステストも、仮に金融庁検査と日銀考査が全く同じ時期に入ったら、それは両方から同じ、株が二割下がったときどうなるかということをやったら、これは全く重複しますからこれはやめた方がいいと思いますけれども、既に日銀と金融庁は同じ時期にぶつからないように調整をされております。で、別の時期でしたらストレステストをやる項目も違うんじゃないかと思うんですね、そのときは株が心配、あるときは為替が心配。時期が違うと株のことも心配にする度合いが違うということで、結局、重なっているように見えますけれども、決してダブると、重複するというようなことは原理的に余りないんではないかと、それほど多くないんではないかと、レアケースじゃないかと思います。仮に、受け手の金融機関にとって一部、金融庁も日銀も同じことを聞かれたとか、同じデータを求められたとか、それはあるかもしれませんけれど、それは時期も違いますし、同じことを聞かれるといっても金融庁と日銀では目的、角度が違うはずだというふうに思いますので、全く同じデータを求めるということは、時期も違いますから余りないんじゃないかというふうに思います。
その上で、金融機関の負担を減らすために様々な配慮をすることは私も必要だと思いますけれども、しかし、この点は、先ほど申し上げられたように、既に金融庁と日銀はいろんな点で連携をもう既に行っておられます。事前調整ですね、入る時期の事前調整、情報交換、共通テーマでの共同モニタリング、重複データの統廃合その他いろいろ、既にできるだけ金融機関の負担にならないように調整をされているわけですね。しかし、この二枚目以降にあります自民党さんのこの提案は、更に踏み込んであれこれやれというふうになっているわけであります。
タイトルがちょっと変だなと私思うんですけど、金融庁と日銀の縦割り打破となっておりますが、縦割りと言われるような存在なのかと、金融庁と日銀がですね。霞が関の何庁と何省だったら縦割りの弊害だとか二重行政だとかいうことがあるか分かりませんが、なぜ金融庁と独立した中央銀行を並べて縦割り呼ばわりするのかがそもそもおかしいなと違和感を大変感じますけど、黒田総裁、違和感感じませんか、このタイトルに。
○参考人(黒田東彦君) 委員御指摘のとおり、日本銀行は、金融庁とは我が国の金融システムの安定確保という観点からこれまでもいろいろな情報交換もしておりますし、また、御指摘のような金融機関の負担に配慮して、同じ時期とか近い時期に検査と考査が入るというようなことは避けるように様々な工夫をしてきております。
日本銀行としては、そうした連携を更に強めていくことで金融機関の負担を軽減するということと、これはコロナだからというわけではないんですが、より高い、もう質の高いモニタリングを、データベースというか、そういうものである程度補完していくということも必要だと思っています。そういう面では、特に金融庁とデータの共有とか、既にある程度やっているんですけれども、更にやっていくことが金融機関の負担軽減とより質の高いモニタリングを実現していくことになるのではないかというふうに思っております。
違和感があるかどうかという点でいうと、余り特別なことは申し上げませんが、委員も御指摘のとおり、金融庁検査と日銀考査というのは異なる視点から金融機関のモニタリングを行っているということですし、日本銀行としては、やはりこの最後の貸し手としての日銀の独立性をしっかりと踏まえてやってまいりたいと思っておりますし、その点はこの提言を読む限りでは御理解いただいているのかなというふうには思っております。
○大門実紀史君 先ほど言いましたとおり、そういうものを規制改革担当大臣が受け取って、この金融庁と日銀の縦割り打破を責任を持ってフォローアップしますと。なぜ規制改革担当大臣が日銀のことまで責任持ってフォローアップするのかと、これまた何か大きな勘違いをしているんではないかなというふうに思います。
中身もおかしいんですね、これね。変なんです、この中身。データの一元化とありますけど、これ荒唐無稽の話でございまして、よく読んでみると。何というんですかね、ビッグデータの、何ですかね、データのプラットフォーム、何かビッグデータのでかいこういうのつくるんですかね。そこに、いつでも金融庁と日銀が見られるようなデータを各金融機関がそこにぶち込んでおけと。こんなことを、もう何年掛かるんですかね、こんなものを、幾ら掛かるんですかね、こんなものをつくるシステムですね。そんなの個々の銀行に聞きゃいいじゃないですか、そのとき必要なことをですね。何かそんなふだんからこんなデータをためて、そんなもう本当によくこんな荒唐無稽なことを言っているなと思いますけど。
あと、金融庁検査と日銀考査の連携、分業、協業、いろいろあるんですけど、分業、協業までやれと。三年に一度の日銀考査を見直して、三年に一遍にもやめて、金融庁が行う常時検査とモニタリングを一体的に運用せよと、ここまで書いております。これは、もはや山本さん始め自民党のリフレ派の方たちにとっては、日銀というのは独立した存在じゃなくて、何か霞が関の一つの省みたいな、そんなふうに扱っているんじゃないかということを強くこの提言を見て非常に違和感を感じました。
金融庁に伺いますけれど、この提言どおりやるわけないと思いますけども、金融庁検査と日銀考査を一体化すると、分業、協業していくというようなことを金融庁としてやられるんでしょうか。
○政府参考人(中島淳一君) お答え申し上げます。
この提言におきましては、例えば金融機関が提出する計数、計表の統合、廃止、あるいは大手金融機関を対象としたストレステストの共同実施など、これまでの取組を更に連携を、日本銀行との連携を深化させ、金融機関の負担の軽減と効果的なモニタリングにつなげていくということが提言されており、こうしたことを進めていきたいと考えております。
いずれにせよ、日本銀行には独立性を有する最後の貸し手としての責務があるものと承知しており、両者が一体となるということを考えているものではございません。
○大門実紀史君 そのとおりだと思います。
私、なぜこれにこだわったかといいますと、やっぱり山本幸三さんだからですね。誰が異次元金融緩和をずうっと求めてきて、日銀にやれやれということをおっしゃってきたかということから、日本銀行は何か本当にもう政権の、政権の意のままに、こう、いうことを、これにも感じたものですから、取り上げさせていただいたということでございます。
日銀のその独立性に関して、これはもうその山本さんが言われたとかじゃなくて、日銀そのものが、何といいますかね、自ら政権に迎合しつつあるんではないかというのが、今日も取り上げられておりましたけど、地銀再編統合に関する問題でございます。
私は、日銀以上に日銀のことを心配しているんです。何というんですかね、本当に独立性を保って、プライドを持って業務やってほしいなという点から、余り政権に、時の政権に迎合したり、あるいはいろいろ圧力掛けられたりということが多過ぎたんで大変心配しているんですけども、この地銀の再編統合に関していえば、日銀の方からちょっと迎合しているんじゃないかという点で取り上げさせていただきたいと思います。
菅総理が地銀の数が多過ぎるということを言って、地銀の再編統合問題が注目を集めております。金融庁だけではなく、どういうわけか日銀まで関与をし始めたということでございます。
まず、地銀が大変だというのは私もそれは分かっておりますので、資料に、資料の五枚目ですかね、大手行と地銀の利ざやの推移ということで、日銀の資料を付けてございます。
これは、午前中、西田さんからもあったとおり、なぜこれだけ利ざやが下がってきているかというと、一番は長期にわたる低金利ですね、ゼロ金利政策ですね。人口減少、企業減少、高齢化などの国内要因が大きいと。大手行に比べて地銀の方が大変だというのは、大手行はまだ海外取引の部分がありますけれど、地銀というのは、もう国内取引、まあ証券投資やっておりますけど、そういう関係からいって、国内要因をストレートに受けるという点からこの利ざやの推移が厳しくなっているんだというふうに思います。
金融庁に基本的なことを伺いますけれども、地銀の経営基盤が厳しくなっているというのはもう誰が見てもそうだというのはそのとおりなんですけど、菅総理は地銀の数が多過ぎるということをおっしゃいました。それが衝撃を与えているわけですが、地銀の数が多過ぎるということと地銀の経営が厳しいということとは、私は別のことだと思っております。金融庁はそもそも今の地銀の数が多過ぎるという認識でしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
地域金融機関、地銀につきましては、地域に基盤を有する金融機関として、地域の企業の付加価値向上を図って、地域経済の発展に貢献していただくということが大事なわけでございます。
したがいまして、地域金融機関としての機能がどうかということが重要でございまして、金融機関にも大小ありますので、一概に数で多いとか少ないとかということではないというふうに考えてございます。
○大門実紀史君 そうなんですよね。
私、地銀がそれぞれの経営判断で合併したり統合したりということはあり得る、その結果として数が減るということは、これは市場競争の中であり得ることだと思いますが、あらかじめ多過ぎるとか何だとかという話じゃもう全然逆さまの話で、計画経済じゃあるまいし、あらかじめ数を決めるというのは、適正な数はこうだというのはちょっと全然違うんじゃないかというふうに思っておりますので、ちょっとお聞きしたわけですけれども。
ですから、基本的なことをもう一つ聞きますけど、地銀が状況が厳しいのは確かなんですけれども、あくまでそれぞれ地銀の、銀行の経営判断で合併なり統合をやるべきだというのはもう原則中の原則だと思いますが、金融庁、いかがですか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
金融機関の合併、経営統合につきましては、あくまで経営改革の一つの選択肢でございまして、個々の銀行の経営判断に属する事項であるというふうに考えてございます。
○大門実紀史君 ですから、余り地銀が多過ぎるといって政策的に何か誘導する、誘導するようなことは、やり過ぎると違うことになってしまいますよということでございます。
地銀の経営基盤の強化のための再編統合と言われておりますけれども、具体的に経営基盤の強化というのは一体何かということなんですが、一つは収益力を強化するということであります。
具体的に言いますと、昔でいえば、要注意先とか破綻懸念先とか、いわゆるちょっと不良債権ですね。こういうものは引当金を積まなければいけませんので、できるだけ処理をするということですよね。あとは、カードローン含めて手っ取り早くもうかることをやるというようなことになると思います。経費の削減という点では、店舗を統廃合する、リストラ、人員を減らすということになります。ですから、地銀の経営基盤の強化といっても、決してきれい事ではないわけですね。たくさんの人の痛みを伴うことになるわけであります。
特に、コロナで今大変な状況でございますから、こんなときに地銀の統廃合をやれやれということでやると、必死で頑張っているところまで、コロナさえ収束したら生き抜いていけるところまで潰してしまう、あるいは、貸し渋り、貸し剥がしというのはかつて大問題になりましたが、そういうことを引き起こしますし、店舗の統廃合、人員のリストラで地域の雇用がまた大変な状況になるというようなことになりますから、この経営基盤の強化というのは、借り手の中小企業、住民、従業員に厳しいことを求めることと表裏一体になるというリアルな問題だというふうに捉えておく必要があります。
特に、今コロナ第三波が襲ってきているところでありますので、地域金融機関が必死で頑張って借り手の中小企業を今支えてくれております、地銀も含めてですね。そういうときに、もう統廃合先だと、経営基盤この最中に強化しろというふうになると、もうおのずとさっき言ったような整理をしていくことになりかねないというふうに思います。
ワクチンが開発されるのがまあ少なくとも八か月か九か月後としても、経済が元どおりになるのはまだ時間が掛かると思うんですよね。にもかかわらず、この二、三年を集中期間ということでこの地銀の再編統合をやろうというのは、ちょっと余りにも乱暴な話じゃないかと思います。
菅首相が、総理が地銀の数が多過ぎるということをおっしゃったときは、今のような第三波が来ていないときでしたよね、ですよね。ですから、この第三波が襲来してきているときに、まだこのままこの方針でもうやり通すということになるのかどうかですね。金融庁、やっぱり慎重に、地域経済の状況、地域金融機関の状況を考えて、この地銀の問題も進めるとしても、進めるべきでは、そういうふうにやるべきではないかと、配慮すべきでないかと思うんですが、金融庁、いかがですか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
地域金融機関におきましては、コロナ後の新たな日常を踏まえた経済の力強い回復に向けて、事業者の資金繰り支援、経営改善、事業再生、事業転換支援などに積極的に取り組んでいただきたいというふうに考えております。そのためにも自らの経営基盤をしっかりしていただく必要があるということでございます。
この経営基盤を強化するという方法はいろいろあると考えておりますけれども、そのうちの一つが合併なり経営統合なりということになってくると思いますけれども、あくまで地域の中小企業の成長ですとか地域経済の活性化にその果実が使われるということが重要だと考えておりまして、銀行が経営判断として合併、統合を選択されるということであれば、その合併等によって生じる余力を地域での適切な金融サービスに振り向けていただきたいというふうに考えている次第でございます。
○大門実紀史君 栗田さんね、それは平時の話なんですよ、平時の話なんですね。今、今それやると、さっき言ったように、今もうあれですよね、相当大変な人たちとの、借り手とね、金融機関がこう必死で支えている状況ですよね。今やると、今の借り手を整理して、整理して体力を取り戻して、次の借り手に対しては、おっしゃるように、いろいろやれるかも分かりませんが、今申し上げたのは、コロナの中で必死にお互い支え合っているようなときに、それは一遍、今の借り手をたくさん潰した後の話になっちゃうということを申し上げているので、コロナさえ収束したらやっていける企業はいっぱいあるわけですから、今はそういうことを急ぐべきじゃないということを申し上げているわけであります。
もう一つは、この地銀の再編統合のときに必ず店舗の統廃合が行われてまいりました。あるエコノミストの調査では、単独の銀行によるものも含めてですけど、今後廃止が計画されている店舗の数というのは、都銀、地銀の合計で約千のお店が廃止の計画になっているということであります。千というと東京中の金融機関の店舗がなくなるのと同じ規模であります。そういうことがもう計画としてされていると。
その中で問題になってきているのは、当然、店舗がなくなると、有人店舗がなくなるとお年寄りがまず、高齢者が困るというのがあります。特に、地方行きますと大変お年寄りの方々困るというのがあります。ただ、それだけではなくて、地域で頑張っている中小企業にとっても有人店舗がなくなるということは大変な打撃でありまして、融資にも関わるんですね、関わるんですね。融資というのはやっぱり、その地域に店舗があって、担当の職員さんがいて、時々のぞいて、いろんな相談乗って、その中で経営相談も含めてお金も貸していくという姿ですから、とんとなくなっちゃいますと、今まで二週間に一遍行ったのが一か月に一遍行くか行かないかになってくるというような、中小企業、借り手の融資の問題の方が逆に大きいかなというふうに思います。
その点で、この間でいきますと、鳥取銀行の問題が大変話題になりました、クローズアップされました。鳥取銀行は、昨年の一月、日南町にある生山、生きる山ですが、生山支店というのを撤退して、隣町の日野町に、日野町の支店に業務を移転しました。これはもう住民も借り手も無視をした統廃合ということで、地元の町長さんがもう怒っちゃって猛反対して、町議会も移転見直しの要望書を全会一致で決議をして、町は鳥取銀行に預けている五億六千万円の預金を解約して、職員にも預金の解約をします、してくれと訴えるということで、地元の経済界では鳥取の変と呼ばれるぐらいの大問題になった地銀のお店の統廃合問題がありました。
その後、鳥取銀行の頭取が町役場を訪れて謝罪をして、配慮がなかったということを述べて、今は日野町の銀行職員の方が日南町に定期的に足を運ぶということで、おわびも含めてやっておられるということでございます。
この地域は、鳥取銀行だけじゃなくて、山陰合同銀行も生山支店を出張所に変更しました。このことは何を意味するかというと、この日南町の商工会の会長さんは、法人が、法人が借入れができなくなってしまうということを心配されております。こういうことは、鳥取は大変話題になりましたけど、鳥取銀行だけじゃなくて、鳥取だけじゃなくて、全国各地で同じことが起きております。
金融庁も有人の店舗が近い距離にあることの有効性、有用性は認めてこられたわけであります。この鳥取銀行のようなことを繰り返さないためにも、金融庁として、地域金融機関、地銀などに対して、店舗の統廃合に当たってはやっぱり住民への配慮、地域社会への配慮をちゃんとしていくと、求めていくと、理解を求めていくということは努力を促すべきじゃないかと思いますが、金融庁、いかがですか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
地域金融機関によります店舗の統廃合につきましては、基本的には経営判断に属する事項ではございますけれども、その際には、各金融機関におかれまして、地域経済への貢献といった自らの経営理念に照らした店舗などの位置付け、それから利用者利便の観点にも十分配慮して検討していただく必要があるというふうに考えております。顧客企業との日常的、継続的な関係に基づき、顧客の経営課題等を適切に把握し、適切なアドバイスやファイナンスを提供するという観点で店舗が一定の役割を果たしているということも事実だと考えております。
我々といたしましては、いずれにいたしましても、地域金融機関が店舗の統廃合を含め様々な局面においてお客様の利便もよく考慮して、上で、最終的にその経営基盤をどうやって強化するかということをよく考えていただきたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 やっぱり地域金融機関、地銀、地銀も信用金庫なんかは特にそうですけど、地銀も含めてやっぱり地域の信頼を失っていくと、もうその地域金融機関そのものの中長期的な発展ってないわけですよね。やっぱりその目先の経営基盤の強化、目先のことで考えると、やっぱり大きく信用を失ってしまうということはありますので、地域金融機関の在り方としても考えるべきだというふうに思います。
日本銀行の話でございますが、資料の最後のところに配りましたが、これ午前中も議論ありましたけど、日本銀行が地銀の再編を促す制度の創設に動き出したということでございます。
午前中も説明がありましたので、こちらでかいつまんで申し上げますと、制度の概要で、経営統合とか経費削減に取り組んだ、経営基盤強化に取り組んだ地域金融機関に対して、つまり、これちょっと初めてのことじゃないかと私思うのですが、日銀が個々、個別の金融機関に特定の経営判断、こうしてくれたら、こうしたらという、特定の経営判断を求めると。で、それに応じた場合、日銀当座預金に上乗せ金利、年〇・一%を上乗せすると。これマイナス金利の逆のことをやろうとするわけですね、反対のことをやろうとするわけですね。
これは、言い換えますと、補助金と同じですよね、補助金と。日本銀行が個々の銀行のやることに対して補助金を出すというような制度で、大変異例だというふうに感じておりますし、そのお金というのはどうなるかというと、日銀が国庫に納付する納付金がマイナスになるわけだから、めぐりめぐって税金がマイナスになって、そのお金を個々の金融機関に日銀が補助金として出すという仕組みなんですね、そういうことになるわけですね。
こんなことは今まで日銀としてやったことないんじゃないかと、こんな個別の補助金みたいなものはですね、異例中の異例だと思いますけれど、そういうことではないんでしょうか、黒田総裁。
○参考人(衛藤公洋君) お答えいたします。
今、委員から御指摘ありましたように、こういった政策をこれまで日本銀行として行ってきたことはございません。
補助金ではないかという御指摘でございますけれども、今回の特別の付利と申しますのは、一定の経営効率化の目標を設けまして、これを実現した先に限定して適用するものということでございまして、こうした設計によりまして、金融機関に対して取組への動機付けを行うということを目的としております。その意味で、無条件での補助金とか収益補填でないという点は御理解をいただきたいと思います。
それから、この制度、経営統合が狙いということではございませんで、経営基盤の強化と申し上げておりますのは、条件に入っておりますオーバーヘッドレシオに代表されますような収益性を上げていただくということが大本の狙いでございます。その方法論として経営統合を選ばれるところは、それはそれで要件として加えるという仕立てとしているということを御理解をいただきたいというふうに思います。
それから、コロナ禍にあります企業、それから地域の経済の支援が極めて重要ということは、私どもとしても認識をしております。ただ、コロナ後の地域経済の再生、それから企業の事業再構築、これは相当腰を据えた息の長い取組が必要になるんだろうと思います。地域金融機関にとりましても体力を使う仕事になろうかと思います。
地域金融機関が、したがいまして、将来にわたって持続的にこの役割を担っていっていただくには、自らの経営基盤の強化に今から取り組んでいただく必要があるというふうに考えております。
○大門実紀史君 いろいろ言われますけど、経営統合促進が一番になりますよ、これ、今の。だって、地銀再編、菅さんが言ったと、多過ぎると。それに呼応して出されたんだから、統合が一番ともう書いてあるじゃないですか、大体、要件のところにね。
金融システムの安定とかも言われていましたけど、文字どおり私は、大事なのは日銀にとってそういうことであって、個別銀行の安定が日銀の仕事ではないというふうに思います。それは、金融庁なり政府がやる仕事であって、日銀がこうやって踏み込むというのはちょっと異例、異例だなと。こういう、何ですかね、金融システムの安定みたいなことで何でも、金融システムの安定を掲げたらこれ、で、こういうことやるんだったら、何だって日銀がやっていいことになるのではないかと思います。
やっぱり日銀として、本来やるべきことをやられるべきだと。本来やるべきことをやっていられるかというような問題あるんですけど、ちゃんとそういうことにやっぱり、持たなきゃいけないんじゃないかと思うんですよね。ちょっと、なぜこんなことをと思います。
日銀がなぜこんな異例なことに踏み出したのかは、金曜日通告したときも、勉強レクでも、何度聞いても同じような説明ばっかりでよく分からなかったんですが、土曜日の日経の記事が出まして、それを読んで、やはりそうかというふうに思いました。今日はちょっとコピー配る余裕なかったんですけれども、日経新聞の「日銀ウオッチ」というのが土曜日に出ておりまして、「地銀支援 悲願と打算」、悲願と打算というふうなタイトルで日銀記事が書かれております。
ちょっといろいろ生臭い話もあるんですけど、それを抜いて言いますと、何を言っているかは抜いて言いますと、要するに、日銀がこういう異例の政策に踏み込んだ本当の狙いは、本当の狙いは、マイナス金利政策の副作用、まあ批判されてきましたよね、そのマイナス金利作用の副作用の批判を和らげるために、だからマイナス金利と逆のことをやるわけですね。今度は付けるわけですね。表立ってマイナス金利をやめるわけにはいかないから、実質的にこういう方法で批判を和らげようとしているということが一点。もう一つは、菅政権が地銀再編を打ち出したと、それに日銀から擦り寄って、これ私が言っているんじゃないですよ、この記事ですよ、日銀から擦り寄って、言えば、日銀もやりますと自らこの政策を打ち出して、その目的は政権へのそんたく、迎合、次の総裁人事に向けて政権の機嫌を取っておこうとした。この辺がちょっと、私、そこまで決め付ける気持ちはありませんが。
いずれにせよ、政権に対するそんたく、私は迎合だと思いますけれど、これ、週刊誌の記事ではありませんからね、日経新聞の優秀な記者が取材をして書いた記事でありますので、私は、これは大変リアリティーのある、これなら分かると、これが理由なら分かるというふうに思ったんですけど、黒田総裁、いかがですか。
○参考人(黒田東彦君) 具体的にこの日経新聞の記事についてコメントする立場にはありませんけれども。
繰り返して申し上げておりますとおり、この制度は、地域金融機関が将来にわたって地域経済をしっかりと支え、金融仲介機能を円滑に発揮していくための経営基盤の強化に資するという観点から、日本銀行法の規定に則して、日本銀行の目的として定める金融システムの安定確保のための政策として導入する方針を決めたわけであります。
したがいまして、これは、金融政策決定会合で議論する金融政策の話、マイナス金利とか何かを含めてですね、そういうものではなく、あくまでもプルーデンス政策として金融システムの安定確保のためにこういった政策を導入しようとしているわけでして、現在の長短金利操作付き量的・質的金融緩和のフレームワークに影響を与えるものでもありませんし、金融政策として行っているものでもなくて、あくまでも、今申し上げたような、地域金融機関が地域地域の経済をしっかり支えるための金融仲介機能を円滑に発揮していくための経営基盤の強化に資するという観点から行っているということは御理解いただきたいというふうに思います。
○大門実紀史君 私は、この制度をせっかく日銀が、具体的にはこれから更に固めるんでしょうけれども、使われない可能性の方が高いとも思うんですよね。これがあったからって、それじゃ合併しましょうとか統廃合しましょうという状況でもありませんので。
それも含めますと、余りこういうちまちましたことを、日銀が何か細かいことをいっぱい出すような、そうじゃなくて、もう少し落ち着いて、日銀というのは、あのETFを購入されたときも私相当批判いたしましたけど、何か株価の下支えみたいな役割まで果たさせられるとか、何かそういう、本来の、本来のマクロの、プルーデンスとおっしゃったのはそのとおりだと思うんだけど、本来の金融システムの安定の仕事を中央銀行らしくプライドを持って、もっと太い筋の仕事をやってほしいなと、こういう細かいことに一々手出したりするんじゃなくて。結局、余り使われないと笑い物になりますよ、こんなのを出しておいて、中央銀行が。
そういうことも含めて、本来の日銀の役割を果たしてほしいということを申し上げて、今日は質問を終わります。
ありがとうございました。