<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
本法案は必要な措置ということで賛成でございますので、一点だけ、地域金融の役割についてお聞きしておきたいと思います。
資料をお配りいたしましたけれども、遠藤金融庁長官のインタビュー記事でございます、東洋経済ですね。コロナ経済危機における金融機関の役割ということで、大変大事なことをおっしゃっております。
右の方の二段目の真ん中辺り以降ですけれども、要するにインタビューですけど、コロナ危機に際して金融がどうあるべきかというときに、再生の見込みのない企業も支えることになりますか、なってしまうんじゃありませんかという問いに対して、遠藤長官は、これは時間軸を見ながら対応すべきだと、今はまず三か月の条件変更をします、今後どうしていくか猶予した三か月の中でじっくり話し合いましょうという態度が大事だということと、さらに、下の段では、三月末時点では全ての企業を支える対応で問題はないんだということですかという問いに対して、それしかないと、今の時点で時間を掛けて選別していては、本来だったら潰してはいけないところまで潰れてしまう、対応が後手後手に回ってしまう、それはまずいということをおっしゃっておりまして、ここまでおっしゃった金融庁長官は私初めてでございます。大変きちっとしたすばらしい姿勢だというふうに思います。
これこそ今、今現在も地域金融に求められる姿勢だというふうに思いますし、遠藤さんは、東日本大震災のときに、被災地の金融機関回られて、信用金庫とか回られて、実際にいろいろ支援もされてきた方で、気仙沼の信用金庫の理事長なんかは遠藤さんの大ファンでございました。それぐらい回ってこられた方なので、言葉に重みがあるわけでございます。
とにかく、いまだ、何といいますかね、潰れるところは潰れていいんだ、この際潰してもいいんだというようなこととか、市場から退場しろとか、自己責任だとか、いまだ何でもイノベーションとか、もう思うと二十年前から言っておる話でというようなことが横行していますけど、結局、そういう竹中構造改革、イノベーション、呪文のようにやってきて、二十年たって経済良くなっていないですよね、景気良くとかなっていないですよね。
だから、やっぱり、頑張る中小企業、頑張らないところまで何とかと言っていないんですよね、頑張るところをきちっと寄り添って支えていくということが大事で、間違っても上から目線で選別するとかいうことは、かえって日本経済の底上げ、地力をつくる上でマイナスじゃないかというふうに思うわけであります。
これは本当に金融庁、金融庁にお聞きしたいんですけど、こういう遠藤さんの心意気といいますか、志を引き継いでいってほしいなと、まだ遠藤さんいらっしゃいますけど、監督局長、いかがですか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、資金繰りへの懸念が業種を問わず多くの企業で存在しているということでございまして、足下でも引き続きこの事業者の資金繰り対策に万全を期すことが最重要課題であるというふうに認識しております。
これまでも、金融庁におきましては、既往債務の返済猶予等の条件変更について迅速かつ柔軟に対応すること、新規融資について事業者のニーズに迅速かつ適切に対応することなどを繰り返し要請してきておりますけれども、今御指摘のありました記事につきましても、当時、まずは三月期を乗り越えるということが最大の課題である中で、詳細な書類とか説明を求めていたのではとても企業のニーズには対応できないというそういうことから、スピード感を持って対応するということが重要であるという観点から、金融機関におきましても、事業者からの条件変更等の相談があった場合には、審査を行うことなく、まずは三か月の元金据置き、期限延長を実施するとか、返済財源に見通しが立たない場合に、一旦六か月程度の短期資金の貸出しで対応して、その間に資金面、事業面でどのような対応策が考えられるか検討するというような事例も御紹介されているというふうに承知しております。
金融庁といたしましては、引き続きこうした金融機関の取組が進むように、好事例を取りまとめて公表しほかの金融機関の参考にもしていただいているところでございますが、金融機関による事業者支援の促進のため、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
遠藤さんは、局長のときの答弁は、もうこういうときはすぱっと、やりますという一言でございますので、そういうことも見習っていただけたらというふうに思います。
予備費のことを一点質問したいんですけど、今回補正予算、中身はいろいろ課題、問題点はありますが、野党の要望も盛り込まれておりますし、おおむね賛成できる内容ですが、先ほど予算委員会でも反対討論申し上げましたが、幾ら何でも十兆円という前代未聞の巨額の予備費というのは、ちょっと幾ら何でも違うんじゃないかと。
財政民主主義という言い方はあるんですけれど、要するに、今回も予備費は事後に国会承認を受けるということとかあるんですけれども、そうじゃなくて、国の財政運営の基本というのは事前議決、これが具体的に言えば財政民主主義なんですけど、事前議決が原則で、後から承認を得るというのはちょっと違うんですよね。予備費というのはあくまで例外でございまして、今回、その例外が大き過ぎると。例外が大き過ぎると原則を崩していくということになるわけであります。
ちなみに、戦前の予備費を本予算に対する比率を調べてみたら、戦時中でも、戦前でも、昭和十八年に本予算に対して予備費というのは一〇%、これが最大なんですね。今回のような、まあ三〇%ぐらいですかね、こういう予備費というのは戦前でさえなかったと。つまり、戦前でさえもっとこの財政の事前議決というのは、この予備費の在り方というのは守っていたというのを、ぽんと乗り越えるような金額の予備費が計上されたわけであります。
私は思うんですけれど、財務省の仕事というのは、具体的な予算を策定して、国会に諮って、可否、審議してもらって決定してもらうという意味でいうと、そういう財政民主主義を担う事務局という役割を一番担っているのが財務省だったと思うんですね。だから、私、普通ならば、財務省の中から、これは幾ら何でもという声が一部聞こえたりしたんですけど、聞かれないと。
財務省、財務当局としては、全体としていろいろあるんだけれど、この非常に大き過ぎる予備費というのは違うんじゃないかという声が出るべきといいますか、財務省は本当はこの巨額の予備費については反対ではなかったかと、異論があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) いろんな意見があったのは確かです。当然の話であって、ちょっとこれはということがありましたけれども、同時に、大門先生、私どもとして、やっぱり第一次補正予算が四月にやらせていただいて、第二次が六月ですよ。それはやっぱりね、今まででそんなこともないですもん。
だから、やっぱりそういった意味では、リーマンのときにも、あのときに三次補正までやらせていただいた、立て続けに三回やらせていただいたんですけれども、あれも異常。しかし、それよりこっちの方が更に大きいと思いますね。あのときは金融機関だけでしたけれども、今回は物と人が動きませんので、ちょっと今までとは全然桁が違う。
そして、金融機関というのに限らず、いわゆる全ての実物経済までひっくるめて今回なくなりましたので、やっぱりそれが非常にちょっとまだ何か起きるか分からぬというのが一つ。
二つ目は、ちょっと今までと全然予想が付きませんものですから、すなわち感染症というものがどういった影響が出てくるかというのはちょっと全然想像もちょっと超えておりましたので、その対応が、それが一つ。
二つ目は、やっぱりこれ終わった後、終息したというところがまたぞろ出てくるというような話になって、制限を緩めた後、再び感染者が出てくるという事例が出てきておりますし、国内でも北海道とかそういった例が起きてきておりますので、そういった意味では解除後に事態が急変するということも考えておかにゃいかぬという話になってきますと、私どもとしてはその対応については何が起きるか分からぬということに備えて、政府としてはきちんとこういったことをやるという対応ができるように、いわゆる国民の不安、不満じゃなくて不安に対しての対応をきちんとしておくということをやっておく必要があるんではないかというのが二つ目の大きな理由だと思っておりますけれども。
もう一点は、やっぱり何といっても、今回の急な補正で一次では足りない、二次をやらにゃいかぬということになったとき、総理の発案があってからこれができ上がるまでに今日としてもこれで間違いなく一月以上たっておりますので、これ国会開会中でも一月以上掛かるわけですから、そうなりますと、これなかなか簡単に対応がすぐできないということも考えておかにゃいかぬというようなことを考えますと、予想できるものでまあ五兆としても、そのほかに何か起きたらということを考えますと更にということを考えざるを得なかったというようなことで、私どもとしては、これが、決まったものに、決めた後、別のものにというわけではなくて、これは使わなければ使わないでよかったということになりますので、私どもとしては、気持ちの上からいきましても、こういった大きなものをやらせる、やらせていただくということに決めさせていただいた。これは非常に悩ましいところではありましたけれども、最終的にそういった形に決めさせていただいたというのが背景です。
○大門実紀史君 使わなきゃ使わないでいいという予備費の組み方そのものが、非常に抑制的に戦後といいますか考えられてきたというのは、だから、使わなければ別にいいんだ、使わないでもいいんだじゃないんですよね、予備費のずうっと計上の仕方というのは、それはもう財務省よく御存じだと思いますけれども。
ですから、やっぱりきちっと、別にこれから半年絶対国会開けないというわけでも何でもないんですから、必要があれば国会を開いて第三次補正を組むのが真っ当な、真っすぐな道だということを申し上げておきたいと思います。
今日は一点だけ、当面の問題で、固定資産税の軽減措置に関してちょっと現場からいろんな声が出ておりますので、お願い、見直しをお願いしたいんですけど、軽減措置が五月一日に発表されまして、それは大変いいとは思うんですけれども、これ中小企業庁マターなんですね、一応ね。ところが、これは何か、市町村に、固定資産税ですから、申請すれば減免されるというストレートなものではなくて、一遍、中小事業者が認定経営革新等支援機関というところにお願いをして確認書を発行してもらって、それでその確認書を持って市町村に申請する、こういう形になっております。
この認定経営革新等支援機関というのは何かというと、税理士事務所、公認会計士事務所、商工会議所、商工会等々の団体とかいろんな方が登録をして、認定登録しているわけですね。そういうところに頼んで、売上げの減とかいろんなものを見てもらって確認書を発行してもらって、それを持って市町村に行ってくれと。
これおかしいんじゃないかと思うのは、この認定経営革新等支援機関の人はみんな商売でやっているんですね、ビジネスでやっているんですね。商工会議所は会員向けのサービスやっているわけですね。ですから手数料が発生するわけですよ。全部無料じゃないんですよね。ふだん税理士さんに頼んでいても、この確認書を発行してくれというと顧問料とは別に幾らかお支払いするという形になるので、有料システムになっちゃうんですね、基本的に。こういう減免措置とか今回のコロナ対策で、お金を払わないと、どこかに手数料を払ってやる仕組みというのはちょっと異常じゃないかと、異例じゃないかと思うんですよね。
これは、本来は市町村が、例えば、今、持続化給付金だって何だって、いろいろ前年の売上げとか難しいですけれど、御本人が申請しているわけですよね。だから、今回も御本人が市町村に直接申請して市町村が受けてあげればいいだけの話なんですけど、どうしてこの認定機関を通さなきゃいけないか、確認書をお金払って出してもらわなきゃいけないかというところがおかしな制度だなということになっているわけです。
例えば、雇用調整助成金は複雑な書類がありますので、自分でもやれるんだけれど、自主的に大変だから社会保険労務士さんに頼んで、自腹で払って、これは自分でもやれるけど自分の負担を減らすためにお金払ってやってもらうと、これは、まあある世界なんですよね。これは、そうではなくて、必ずここを通さなきゃいけないからここで必ず手数料が発生すると。例えば固定資産税の減免、幾らか分かりません、例えば三万円の減免のために一万円の手数料を払う、こんなことが起こり得る世界になっているわけですね。
これはちょっとおかしいなと思うんですけれど、ちょっと中企庁、何でこんなことになったのか、簡単に教えてもらえますか。
○政府参考人(鎌田篤君) お答えいたします。
今般の固定資産税の軽減措置につきましては、中小事業者などの事業収入の減少割合に応じまして、既存の事業用家屋や設備などの償却資産について令和三年度の固定資産税をゼロ又は二分の一とする措置でございます。
この制度におきましては、事業収入の減少割合ですとか、それから特例が適用される資産が事業用か否か、こういった点につきまして確認する必要がございまして、その観点から、税務、財務の専門的知識を有する認定経営革新等支援機関などが事前に確認をさせていただくということとさせていただいております。
他方、今委員から御指摘ございました確認に係る手数料の件でございますけれども、この点につきましては二点対応する方向でおりまして、一点目は、確認手続を極力簡素化するとともに、申告する中小企業者の皆様が厳しい経営環境であるということも踏まえまして、柔軟に対応いただくようにという要請を発出する方向で今準備を進めているところでございます。
また、もう一点でございますけれども、今般の補正予算におきまして、その多くが認定経営革新等支援機関にもなっている商工会、商工会議所で無料の相談を実施することとしておりまして、固定資産税軽減措置に係る確認につきましても、中小企業経営者が無料で相談できるという体制を整備していくこととしております。
これによりまして、きちっとしたサポートをすることで事業者の申請に係る負担を軽減していきたいというふうに考えているところでございます。
○大門実紀史君 本来、これなぜこうなったかというと、縦割りだからなんですね。中小企業庁がこういう制度をつくろうと思ったときに、総務省を通じて市町村で受けてくれということがなかなか言いづらいというか了解してもらえないというので、自分たちの世界であります認定経営革新機関、そこに投げて、市町村はストレートにもう出せるようにと。つまり、何というか、縦割りの、お互い遠慮し合って、総務省に遠慮し合ってこうなっているんですね、これ、ほかの省庁でもこの間あることなんだけど。だからって本人に負担させるというのはおかしな話でございますので。
総務省来てもらっていますかね。これはもう直接受けるのは当たり前だと思うんですけど、市町村が、それも含めて検討してもらえませんか。
○政府参考人(開出英之君) 今般の特例、軽減措置の適用に当たりましては、適用件数が相当数に上がることが予想されるということがございまして、通常の課税事務もあり、市町村の事務が短期間に集中することが想定されます。このため、経済産業省、中小企業庁と調整の上、認定経営革新等支援機関などの事前確認を受けて市町村に申告していただくことと予定しているところでございます。
これによりまして、課税事務の負担軽減が図られるとともに、特例対象となる中小事業者等の円滑な申告が可能になると考えてございますが、先ほど中小企業庁から答弁がありましたとおり、厳しい経営環境にある中小企業者等の負担の軽減等については柔軟に対応するということでございますので、よく中小企業庁とも協議してまいりたいと思います。
○大門実紀史君 終わります。