<議事録>
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。
今日は新型コロナに関する経済対策に絞って質問をいたします。
まず、消費税減税についてでございますが、総理御自身のお考えを聞いておきたいと思います。
昨年十月一日に消費税が一〇%に引き上げられて今日でちょうど半年になるわけですね。日本経済は、消費税増税に新型コロナという二重の打撃を受けて、深刻な大不況に突入をしております。今必要なことは、もう既に議論もありましたけれど、内需を支えると同時に、今苦しんでおられる中小企業、国民の負担を具体的に軽減することではないかというふうに思います。
この点では、我が党は消費税を緊急に五%に減税するよう求めてまいりました。今やゼロにしろという大きな声も上がっております。我が党の五%というのは大変現実的な提案になっているんではないかと思いますが、実際、二〇一四年までは、安倍内閣の、五%だったんですよね。五に戻すというのはそんな大変なことじゃなくて、数年前は五でやっていたわけですから、やろうと思えばできることだということを申し上げておきたいと思います。
その上で、総理、この間、次の対策ですね、これから出てくる、を問われた中で、消費税減税は明確に否定はされないようなニュアンスで来られました。ただ、今日、西田さんとの議論でも、全面否定しているようなことではないんだというようなことをちらっと言われたりしておりますけれども、結局、今回、次の対策には盛り込まないということでございますけれど、なぜ今回消費税減税を見送るんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この消費税につきましては、急速に高齢化が進む我が国にあって、若者からお年寄りまで全ての世代が安心できる社会保障を構築するために、どうしても必要な財源と考えているところであります。
今般の経済対策においては、様々な議論が行われているものと承知をしておりますが、効果がある施策でなければならないと考えております。このため、今大変厳しい状況の中でも何とか事業を継続していただき、地域の雇用と国民生活をしっかりと守り抜いていくため、こうした方々に対する現金給付制度の創設を含め思い切った対策を講じるとともに、感染拡大が抑制された段階を見据えて、甚大な影響を受けている旅行、運輸、外食、イベントなどにまさにフォーカスをした短期集中で大胆な需要喚起策などを講じることで、大変な状況にある方々に直接手が届く効果的な支援策を実施していきたいと考えています。
○大門実紀史君 全世代型社会保障のお話はよくされますが、別に社会保障財源は消費税だけで考えなくてもいいわけですよね。所得税、法人税、社会保険料、みんなで考えればいいわけで、そのためにということを強調する必要は更々ないわけでございます。
効果という点では、消費税の減税というのは負担を直接減らします。したがって、給付金と同じような効果を持ちます。しかも、所得の低い人ほど恩恵が及びます。こういう時期は、みんな生活、あんまり出歩くなということになりますけれども、食料品だけ、生活必需品は買わざるを得ないわけですね。そこに一番効果のあるのは消費税の減税で、ほかの減税とは違うわけですよね。そういう点では、本当に検討してもらいたいと思いますけれども。
総理は、昨年、よくここで議論したんですけれど、消費税の増税の前の話なんですが、総理はよく、リーマン・ショック級の出来事が起きない限り消費税は一〇%に増税をいたしますと。つまり、リーマン級の出来事が起きれば増税は延期するというようなことを繰り返し述べてこられたわけであります。
今日のお話もそうですけど、もう今回はリーマン・ショック級を上回る対策を取るとおっしゃっております。つまり、今回はリーマン・ショック以上の出来事が起きてしまったという御認識だというふうに思います。それならば、まだ半年しかたっていないわけですよね、御判断、あのときの言われたことから。それならば、消費税の減税も検討はすべきだと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) あらゆる選択肢を排除せず検討した結果、今回はまさに非常に打撃を受けているところにこの回復期においても集中をして投資をしていこうと、こう考えて、需要喚起を行っていこうと、こう考えたわけでございます。
そこで、この消費税につきましては言わば様々な議論があって、その中で例えばこういうことをおっしゃる方もおられるわけでありまして、消費税を減税をしますと。そうしますと、その減税をするまでの間、非常に消費が落ち込むのではないかということを憂慮する人もいるわけでございますし、需要を喚起する、喚起そのものには消費税がどれぐらい効果があるか。ということであれば、言わば、それよりも、しっかりと困難な状況にある方に現金給付を届けることによって、その方々は直ちにそれは基本的には消費に回っていくわけであると。
そしてまた、そういう、先ほども申し上げたような分野ですね、旅行や運輸、そして外食、イベントなどにフォーカスをして、短期集中で大胆な需要喚起を行うことの方が直ちにこれは効果が出てくるのではないかという指摘をされる方もおられ、また我々もそういう方向で今検討をしているところでございます。
○大門実紀史君 今、買い控えというお話がございましたけれど、今この状況で消費税の減税打ち出しても、買い控えはほとんど起きません。なぜならば、今は本当に生活必需品が中心になっておりますので、生活必需品を買うということは買い控えができません。買いだめはできるけれども、買い控えはできません。そういうことを言うなら、給付金だってみんな同じですよね、商品券だって。それまでの間、給付金もらうまで買わないとか。
だから、そういう意味でいいますと、このときに消費税の減税を打ち出したからといって、買い控えは起きません。そういう状況であるということはよく御認識いただきたいというふうに思います。
その上で、今大事なことは、景気対策というよりも今の負担を減らすという意味で、先ほど申し上げましたように、中小企業にも直接負担減になります。直接給付と同じ効果がありますので、しかもこれ、与野党を超えてそういう声が広がるようになっておりますので、選択肢から外さないで引き続き検討してもらいたいということは申し上げておきます。
それでは、コロナに関する経済対策について聞きますけれど、まず、これも総理の基本姿勢について伺っておきたいというふうに思いますが、今日、西田さんからもございましたけど、総理は、この自粛要請に応えていただいた方々、事業者でも、その営業損失の個別の補填は難しいということを答弁されておりました。しかし、現場の圧倒的な声は、政府からの自粛要請に応えたんだから補償をしてくれるのは、政府が責任を持って補償してくれるのは当たり前ではないかと。これ、当たり前の声だと思うんですね、自己責任じゃないんだからですね。
しかも、感染防止対策のために自粛をお願いしたわけですから、それはきちっと守っていただかないと、感染防止対策がまた崩れていくわけですね。感染防止対策の実効性も担保できなくなるわけでありますので、自粛と補償はセットということ、一体だということは、やはりいろんな対策を考える上での基本原則にやっぱり据えるべきだと思うんですけれども、総理のお考え、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この言わば自粛と補償がセットではないかということでございますが、これは、例えばイベント等だけではなくて様々な分野にこれは広く及んでいくわけでございまして、これは専門家の方々から、夜の飲食に係る風俗関係のこの三事業について、昨日、小池都知事からも要請があったところでございますが、これはもちろん相当の件数になるわけでございますし、そうしたところそれぞれに税金で補償をするということは、これはなかなか、これはできないというふうに考えているところでございます。
その中において、どうしていくかということでございますので、我々としては、そういう方々が大変な困難な中にあるということは十分に承知をしております。そういう関係者の皆様からもお話も伺ったところでございます。
その中におきまして、そういう中で御協力をいただいていることに感謝を申し上げたいと思いますが、そうした皆様方においては、言わば事業が継続できるように、あるいは生活に困難を抱えておられる方々に対しての支援ということも含めて給付金を考えていきたいと、こう考えているところでございます。
○大門実紀史君 やっぱり自粛と補償は一体ということを基本原則にしていかないと、いろんな対策がこぼれていくというふうに思います。具体的に、今日はその点も含めて具体的な課題で指摘をしていきたいと思いますけれども、まず中小企業の問題です。
今、大変な事態になっているのが、一刻を争うのが資金繰りの問題でございます。パネルを用意いたしましたけれども、(資料提示)今、特に中小企業にとっては政府系金融機関、公庫や保証協会が命綱なんですね。その窓口に相談が殺到しております。現場の職員のお話も聞きましたけど、皆さん休む間もなく相談や審査に追われていて、本当に頑張っておられるなというふうに、それは本当に思います。
その上でなんですけれども、今どうなっているかというと、相談が、相談件数は毎日出ているんで、三十日現在では二十五万件ということなんですが、これちょっと二十六日で統一しているんで、この時点では相談が二十二万、まあ、あれですね、日本公庫、商工中金、保証協会ですね、来ているのが二十二万件、申込みが十万件、実行、審査して実行されたのが五・五万件ということでございます。
現場の職員の皆さんが頑張っておられるのは本当に分かっておりますが、その上で、ただ、借り手の中小企業はもう生きるか死ぬかのところですよね。そうなりますと、もっとスピードアップしてもらいたいという声がもう率直に上がっているかと思うんですけれど、大臣として更にスピードアップするという点ではどうすればいいとお考えでしょうか。
○国務大臣(梶山弘志君) 経済産業省としましては、中小企業の事業継続にとって資金繰りの確保が何より重要と考えております。
必要な方に迅速に円滑な支援が行われるように、これまでも、委員御存じだと思いますけれども、三月六日に政府系金融機関等に対しまして最大限のスピードで審査手続を行うことを要請し、三月十六日には直接会って要請をしたところであります。
これを受けて、窓口の強化拡充ということで、政策金融公庫においては、本部からの各支店への応援人員の派遣、OBの活用、千六百名規模の定期人事異動の凍結、休日対応など、保証協会においても同様のことが行われているということでありますけれども、この要件の緩和、必要書類の緩和、そして、とにかく一人でも多くこの融資の申込みを受け、決裁をしていくということを心掛けているところでありまして、委員の提出いただいた資料は二十六日までですけれども、私ども、三十一日までの数字をまとめますと、合計で十三万件の融資、保証申込みに対しまして約七万五千件の融資、保証を実施しているところでありますけれども、年度が新しくなりましたけれども、年度明けも資金需要の多いときでありますので、最大限の努力をしてまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 十三万件、七・五万件で頑張っていただいているのは分かります。ただ、通常のときに比べて、やはり個々の審査に時間が掛かって、まだもう生きるか死ぬかの人たちに対応し切れていないということは率直にあるんではないかと思います。
それで、何が目詰まりを起こしているのかということで調べてみました。もちろん、体制とか手続の簡素化とかもあるんですけれど、実は、こういう非常事態にもかかわらず、融資を断られたという相談例がたくさん出ております。
パネルを示していただいて、一番多いのは条件変更に関わるものなんですね。例えば、新型コロナのこの問題の以前に、経営が苦しくて公庫から、あるいは金融機関からかも分かりませんが、例えば、毎月三十万円返済していたけれど、経営が苦しくなって返済を二十万に条件変更、返済条件の変更してもらっていたと、そういう事業者が、今回コロナで、なったときに更につなぎの融資をしてほしいといったときに、あなたは一遍返済条件の変更しているから駄目ですよと断られたり、あるいは、もう一遍返済金額を減らしてくれませんかといったときに二回はやれませんよと言われて断られたりという事例が実はたくさんあるのが分かりました。これ、現場の方々に聞いてもかなりあるということでした。
ところが、実際は三月六日に、先ほどもちょっと御紹介ありましたけれど、そういうことを想定して、財務大臣、経産大臣、金融担当大臣の名前で、各金融機関、政府系金融機関だけではなくて、条件変更債権については丁寧に柔軟に対応するようにという通知が六日に出ているんですよね。民間の金融機関にも、麻生金融担当大臣の名前で、条件変更については迅速かつ柔軟に対応することと出ているんですよね。
出ているにもかかわらず、もう一か月近くたって、まだそういう相談がかなり、実は私のところにも具体的に相談来ておりますし、中小企業団体も、実はこの条件変更債権についてもっと柔軟にしてほしいというのが、例の円滑化法のときもそうでしたけど、同じような要望が今たくさん来ているところであります。
麻生大臣に、もう全体の関わられるのでお聞きしたいんですけど、こういう通達が出ているのに、なぜまだ現場で断るという事例が起きているのかと。
これ、私、聞いてみたんですね、複数の方に。そうしたら、この通知そのものを知らない、現場で相談している方ですよ、一番現場で相談している方は、まだこの通知が出ているのを知らないという方もいらっしゃいました。
あと、知っているけれども、柔軟にと言われても、どう柔軟にするのかというのが分からないと。で、どんどんどんどん相談来るんで、もうやれるものからやっちゃうとどうしても後になっていくというような、具体的に言いますと、通知が周知徹底されていないというのが一つ、もう一つは、具体的にどうしていいか分からないというのが二つ、これで現場で目詰まり起こしているなというのが非常によく分かったんですよね。
そういう点では更に周知徹底していただくことと、現場の人はどう対応していいか分かるようなマニュアルといいますか、具体的なやり方も含めてその辺を徹底していただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう間違いなく梶山大臣と両方、それぞれの担当のところに出させていただいた部分の写しなんですけれども、これ、初めからこの種の話になると分かり切っておる話ですから、お金を借りたり貸したりしたことのある経験者なら誰でも分かる話ですから、これを最初にやるということで、さっさとこれを出させて徹底させよと。
そして、これは政府関係機関だけじゃ駄目よというので民間の方も呼んで話をさせていただいて、これは後、いろいろ検証させてもらいますよと、それから公表させていただきますということも全部申し上げて、今これをスタートさせていただいておりますので、ちょっとした、民間の金融機関にとっては結構これは騒ぎな話ですから、やらせていただいておりますので、周知の方はもう少し時間を掛けてやらにゃいかぬところだとは思いますけれども。
今言われましたように、条件の変更につきましては、これは大門先生、これ一人に月々三十万のところを十五万にして、五か月の手形を十か月にと、まあ手形のジャンプみたいな話を、それをもう一段やれというときに、更にそういったことをやるといったら、それ、十五万のところは七万にしてとか七万五千にして十五か月にしますという話をもう一回せにゃいかぬという手続が、これは是非、業者によって場所のその、何というんですかね、信金に、信金というか金融機関にとりましてそれは個別の審査の話になりますので、ちょっとなかなか、一概にマニュアルと言われてもなかなか難しいとは思いますけれども、基本的にはそういうのをあれで柔軟にやって、とにかくこれ継続をさせていかないと、いざというときに、はい、これからというときには、もうそこで底が割れていると上に上がれませんので、そこまでもたせないとこれは底割れということになりますので、そういったところが基本だと思って、それを押さえて更に指導していきたいと思っております。
○大門実紀史君 是非よろしくお願いいたします。
もう一つは、先ほどの総理との話に戻るんですけど、総理は個別の損失への補填は難しいと。ただ、ドイツはそれに踏み出しましたね。資料のその次ですね、パネルにいたしましたけれど、ドイツは、損害補填、中小事業者のですね、に踏み出しました。まあ結論から言えば、ドイツにできて日本にできないわけがないということでございます。
どんな制度かといいますと、これはジェトロの、日本貿易振興機構の報告でございますけれど、二十六日付けですけど、二十三日の日にドイツはコロナ対策等大型追加措置を発表いたしまして、その中で、中小企業への給付金という形で五百億ユーロ、約六兆円を決定いたしました。
その中身の一つが、中小零細企業には融資ではなくて給付金という形で、新型コロナによる損害を対象にして、まず従業員五人以下のところは三か月分の運転資金、資金繰り支援という意味もあるんですけど、百十万円の一括支払と。十人以下の従業員のところは百八十万円の一括支払ということで、ケースによっては更に二か月追加もするという制度でございまして、これスピードを重視したということと、もうあれこれ言わないと、すぱっと、みんな大変な事態だということですよね。
しかも、注目すべきは、この間国会で、日本でも演劇とかいろんな文化行事が中止になって、たくさんの方々が、俳優さんだけではありませんけど、関係者が困っております。ドイツは特に文化芸術の振興に熱心な国でございまして、この給付金は、そういう小規模の事業をやっているアーティストとか、そういうところにも支給するというふうにしております。
全く何もドイツのまねする必要はないんですけど、こういう考え方がもう出ておりますので、何ができるかというのをよく検討していただきたいなと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ドイツも、言わば補償ということではなくて、こうした中小・小規模事業者の方々に給付金を出すと。これは、我々も別にドイツをまねするわけではなくて、今回の対策として、中小・小規模事業者の皆様に給付金を出す方向で今検討をしているところでございます。
どのような方々を対象にするか等々も含めて、具体的な制度設計については、今回、特に厳しい状況にある中小・小規模事業者の皆さんを対象に、現在の困難を乗り越えて事業を持続していただくための新たな給付金制度を創設するということでございますので、この制度の趣旨にのっとって今後検討を進めていきたい、制度設計をしていきたいと思っております。
○大門実紀史君 私たちが補償と言っている意味は、営業損害の実額を損害賠償的に全部補填すべきだと、そういう意味で言っているんではない、補償という意味はですね。そういうふうに、もし総理が、営業損害の補償を求められるというのは、そういうふうにちょっと勘違いされたら、そういうことではありませんので、もっとこういういろんな形があるということで、その損害、損失の補償の仕方の問題だと思いますので、よく検討をしていただきたいというふうに思います。
もう一つは、今、各自治体のレベルで独自の中小企業支援が始まっております。例えば、京都では大打撃を受けている観光業に、緊急助成制度をつくりまして事業継続を支援するということが始まっておりますし、各地でそれぞれ実情に応じた、うちの市は製造業が多いとか、観光業が多いとか、それぞれの知恵を働かせていろんな制度が始まっております。この点では、麻生内閣のときに経済危機対策臨時交付金というのが一兆円の予算で打ち出されました。これは地域の実情に応じた様々な取組に活用できるということで、当時大変喜ばれた制度でございます。よく覚えております。
同様の臨時交付金が必要じゃないかということを、これは事業継続とか、顧客、販路の回復とか、仕事おこしとか、いろんなのに知恵を働かせて使っていただくというものでございますけど、これは先月の十八日の財政金融委員会でも麻生大臣に要望いたしまして、麻生内閣のときでございましたから、あのときは地域の要請がまず一番大事だということと、効果はあるという御答弁をいただきました。うちの小池晃議員も予算委員会で要望したところでございます。
実は、これは三十一日の自民党の提言の中にも入るようになりましたし、一昨日、三十日の全国知事会の政府への要望書にも入ってきております。
麻生大臣言われたように、もう地域レベルから要望になってきておりますので、是非、これは与野党を超えた、あるいは全国レベルの要望でございますので、これも総理として実現の方向に努力してほしいと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど大門議員が言われた補償という意味ですね、ちょっと私も取り違えておりました。大変現実的な御提言をいただいたと、このように思いました。
感染の拡大が抑制され社会的な不安が払拭された段階では、各地への旅行需要の喚起など日本経済のV字回復させていく施策も必要であると考えておりますが、感染拡大の防止が最優先となる現状では、まずこの難局を乗り切っていただくことに重点を置いた対策が必要となると考えております。
そうした目的に照らしてどのような政策が最も効果的かという観点から、与党も含めて様々な御意見も踏まえながら、今後経済緊急対策の取りまとめに向けて具体的に検討を進めていきたいと、今御提言いただいたことも含めて検討していきたいと思っております。
○大門実紀史君 次に、雇用問題ですけれども、今、雇用不安というのは世界中に広がっておりまして、実際に解雇が、アメリカなんかはすごいレイオフが行われているというようなことがあります。
各国とも、雇用維持のために、企業に支援するということと同時に、企業にも支援する代わりに企業の雇用責任ちゃんと果たしてくださいということを強く要請するようになっております。イタリアは、六十日間の解雇禁止という強い措置をとりました。場合によっては延長すると言っております。アメリカも、特に大企業への支援に当たっては従業員の雇用維持なども強く求めるということを言っております。
日本の大企業も、リーマンの後のあの一斉の派遣切りではないんですが、トヨタも日産も工場の一時停止を発表したり、あるいは、今日新聞にも出ておりましたが、製造業では非正規、契約社員などが更新されないと、もう事実上の雇い止め状態が広がっているということで、非正規雇用の新規採用が大幅に減っているというようなこともあります。
そこで、一点要請しておきたいんですが、実は、あのリーマン・ショックのときに何が起きたかということを思い出していただきたいんですけど、パネルにいたしましたが、日本の大企業というのは政府から巨額の特別融資を受けました。これ初めて政策投資銀行が教えてくれましたけれども、当時五百億から一千億もの巨額の融資を受けた大企業は七社あるそうですね、七社あるそうでございます。そうだったにもかかわらず、リーマン・ショックのときですね、巨額の融資を受けながら、パネルにいたしましたが、これは自動車だけ選びましたけど、自動車のトップシックスでございますが、これだけのリストラをやったということでございます。しかも、そのときはかなり社会的にも批判を受けて、特別に融資受けていて何をやっているんだということで、裁判も起きるというようなことになったわけですね。大変な社会問題になりました。
今回の新型コロナも、輸出の減少に伴う生産中止とかサプライチェーンの寸断とか、もちろん大企業も苦しくなってきております。必要な支援は必要だというふうには思いますけれど、あれですよね、雇用調整助成金も大企業も五〇%から七五に上げるとか、必要な、融資も含めて必要なところは必要だと思います。ただ、その上で申し上げますけど、大企業は巨額の内部留保を持っておりますから、その上で支援をと求められるということになりますと、やはり雇用に対する責任だけはしっかりと、こういうことを二度と起こさないように取ってほしいなと思います。
私は、個人的には、イタリアのように、こんな巨額な融資をまた受けるとしたら、少なくとも解雇制約要件とか付けてほしいなと思いますけれど、少なくとも政府として経済界に、特に非正規労働者に対する雇用責任をきちっと果たしてほしいという要請を経済界にしてほしいと思うんですけど、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の状況に対しまして、既に雇用調整助成金制度の大幅な拡充や中小・小規模事業者への無利子、実質無利子無担保融資を含む一・六兆円の資金繰り支援など、必要な対策を直ちに実行してきました。
また、経済団体を通じて、企業の皆様に対し、解雇、雇い止め、採用内定の取消しを防止するため、雇用調整助成金の活用を含め最大限の経営努力を行うこと等をお願いをしてきたところでございます。
そして、今後さらに補正予算において、今打撃の、相当な甚大な影響が出ておりますが、このマグニチュードに見合う必要かつ十分な経済政策を実行に移していきたいと考えているところでございますが、今、大門議員が言われたように、これは中小企業だけではなくて、例えば運輸関係では大企業も相当傷んでいるのは事実でございます。そうした企業へのこれ支援等も当然考えていかなければいけませんが、その際、前回のリーマン・ショックのときには国がしっかりと支援をしながら大幅なリストラがあったではないかと、それは当然そんなことがあってはならないと我々も考えております。
しっかりと雇用を守る、そういう強い志を持って経営者の皆さんにはこの危機を乗り越えていただく、そのために我々も支援をしていきたいと、こう考えておりますので、そういう要請もしっかりとしていきたいと思っております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
雇用調整助成金の話になりますが、我が党は助成率を十分の十にすべきだということを申し上げてまいりました。十分の十にして、休業手当も六割から八割にかさ上げすべきだということを申し上げてまいりました。
今回、自民党の皆さんの案では十分の九にすべきというのが出てまいりました。十分の九というまで言うなら、いっそ十分の十にしたらどうかと。僅か十分の一をけちる理由は何なのかと。総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) これまでもですね、これまでも北海道に対する特例としてこうした措置をとらせていただきましたけれども、それを全国に拡大すべきではないか、こういう御指摘もいただき、少なくともリーマン・ショックのときと同様の措置を講ずるべきではないかという、こうした御指摘もいただきまして、今般、雇用調整助成金の場合、解雇等を行わず雇用を維持する企業に対しては、正規、非正規にかかわらず、中小企業は九〇%、大企業でも七五%に引き上げるところにしたところでありますし、また、リーマンのときには雇用保険に入っていないとこれ対象にならないところを、今回は雇用保険に入っていない方も広く対象にするということ、そして、こうした雇用調整助成金を今回つくるに当たって、先ほどお話がありましたが、経済団体にはこの制度の説明と同時に雇用をしっかり守ってほしいということをこれまでも重ねてお願いをしてきたところであります。
○大門実紀史君 十分の十の意味は、雇用調整助成金というのは、あくまで企業が申請するものであって、申請しないと話にならないわけですね。ところが、企業負担もあるわけですね。だから、申請にためらうという企業も多いと。しかも、そのときに正社員は守るけど非正規から切られていくということも起きているわけでございますので、十分の十にして企業負担を減らしてみんなを守ってもらうというような、今はそういう事態ではないかと思いますので、十分の十に引き上げてほしいということを申し上げておきます。
雇用調整助成金はもう議論がいろいろありました。一生懸命、現場の方頑張っておられるのも知っておりますが、やっぱり支給まで二か月近く掛かるということが何とかならないかという声が、もう既に議論ありましたけど、聞きませんが、出ておりますので、迅速化、体制の強化と迅速化を図ってほしいというふうに思います。
もう一つは、そうはいっても、さっき言ったように、非正規の人が切られるとかフリーランスの人が補償されないとか、いろんな問題がまだ残っているわけですね。その点で、別のセーフティーネットも一つ想定しておく必要があるのではないかと思います。
それが、イギリスが今回打ち出した方式でございます。誰一人取り残さないというふうな、しかも迅速に所得補償を行うということで打ち出しました。二十六日に、イギリスのスナク財務大臣が国民に呼びかけたわけであります。それまでイギリスは、企業労働者は給与の八割を補償するというのはもう既に打ち出しておりました。このときの呼びかけは、フリーランス、個人事業主の所得も補償するということを思い切って打ち出したわけでございます。
何をこの財務大臣はおっしゃったかというと、ミュージシャン、音響技師、配管工、電気技師、タクシードライバー、美容師さん、その他たくさんの職業の方々に呼びかけますと。皆さんは自分自身の責任ではないことで生活の糧を失うリスクにさらされています、皆さんに向かって私は明言します、皆さんは忘れられておりません、私たちは皆さんを置き去りにすることはありません、私たちは共に立ち向かっているのですというふうに、フリーランス、個人事業主の方も含めて、誰一人取り残さないというメッセージとともに、皆さんを対象にする制度をつくります、つくりましたということを訴えられて、大変これユーチューブで物すごく見られておりますけど、イギリスでは国民的な感動を呼びまして、国民の心が一つになったというふうに言われているすばらしい会見でございました。
麻生財務大臣、同じ財務大臣としていかが思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) この話は先ほどのにも、一番最初の話とちょっと重なるところもあるんだと思いますけど、これもう、何というのかな、新しい財務大臣に替わったばかりなんですけれども、財務副大臣から上がってきて今度財務大臣に、前の人がちょっと辞めておりますのでこの人が替わったんですけれども。
今のこの感染拡大防止を最優先にするのをまずは皆一様にやると、これ、皆、電話会談でもそういう話をしておるんで。その後の対応について、国民向けの現金給付につきましては、この間、三月二十八日でしたか、対策本部において総理から、このコロナウイルスの影響を受けて収入が減少していわゆる生活に困っている世帯に対して、生活維持のために必要な資金を迅速に交付する新しい給付金制度を創設するという指示のあったところなので、私ども、先ほど総理の答弁もありましたけれども、この制度の詳細について、ちょっと今から数日間しか時間はありませんけれども、この方針を踏まえて早急にこの検討を進めてまいりたいと思っておりますが。延べ単で一律ばっとやったっていうのは、リーマンのときにやりましたよ。余り受けませんでしたものな。覚えていませんか、あのとき。あのとき何に使ったか、誰も覚えていませんものね。だから、受けなかったんですよ、あれは。だから、もう一回、二度と同じ失敗はしたくないなと。たまたまこういうのに巡り合わせてきましたので、私どもとしては、必要なところにというのにまとめてということの方がより効果があるんだと思っております。
○大門実紀史君 まあ本当にすばらしい会見でございまして、麻生さんとはちょっとタイプが違いますけど、こういうメッセージと具体策が非常に今大事だというふうに思います。
若干紹介しますと、どういう仕組みになっておるかといいますと、元々、企業労働者には給与の八割分、上限三十三万円ですけど、補償されました。フリーランスの皆さんは、国税庁ですね、日本でいう国税庁が関与して、過去三年間の所得が六百六十万円未満の方に、しかも、その所得の半分以上が自営業をやっていた人に特定して、しかも、国税庁の方から本人に申請してくださいということをやるので、非常にスピードアップしてやれる仕組みでございます。
これ以上事態が悪化することは避けなきゃいけませんが、もしもこれ以上事態が悪化した場合、こういうスピードアップした迅速な所得補償の仕組みが私は必要になってくると思いますし、フリーランスであれ何であれ、大きなセーフティーネットがこれから必要になってくると思いますので、このイギリス方式というのを是非研究、まだ出たばかりですから、研究、検討してほしいと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、大門委員が指摘をされましたように、イギリスを始め、先ほどドイツの例を挙げられました。世界で様々な国々がこの危機を何とか乗り越えていくために思い切った対策を打っておられる。それぞれの対策も当然研究もさせていただきたいと思っておりますが、我々も、まさにそのメッセージにあるように、誰一人取り残さないという決意で今回相当思い切った対応を取っていきたいと、このように考えております。
○大門実紀史君 イギリスは自粛と補償を一体で捉えているからこういう思い切ったことを出しているという原則を是非よく踏まえていただきたいというふうに思います。これから本当にその原則で対策を打っていくということが大変重要になってくるということを申し上げて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。