<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
関税についてはもう既に議論がありましたので、今日は、先日に続いて、デジタル企業を含めて多国籍企業への課税問題に絞って質問をいたします。
現在、コロナ問題が大きな経済対策問題になっておりますけれど、リーマン・ショックのときも、金融大手あるいは多国籍企業に巨額の、公的資金の注入も含めて巨額の経済支援が行われたわけであります。財政支出が行われたわけであります。しかし、その一方で、当時も含めて多国籍大企業はちゃんとそれなりの税金をふだんから納めていたのかということもあのリーマンのときにも問題になったわけでありますし、今回、このコロナで、また各国とも、世界各国とも大変な財政支出を行わざるを得ないというふうになると思うんですけれど、そういう点で、この国際課税によって、GAFA、デジタル大手を含めて多国籍大企業にきちっと課税して税金を払ってもらうということはもう待ったなしのテーマになってきているんではないかと思います。そういう点で、前々回に続いて質問をさせていただきます。
今、到達点はどこにあるかといいますと、GAFA、グーグルとかアマゾンとかフェイスブックとかアップルですけれども、そういうデジタル大手の課税は、議論の到達点でいきますと、物理的拠点がないから課税できないというのがあったんですが、なくても課税できるようにしようというふうに今国際的なコンセンサスができつつあるということで、これは麻生大臣がおっしゃったように、よくここまで来たなと、アメリカが抵抗した中でよく来たなと、それはそのとおりだというふうに思います。
次の課題として、各国の多国籍大企業が世界でもうけたこの利益をどう各国に配分するかというところが、今意見の調整が進められているという段階だというふうに思います。そういう中で、去年の年末ですけど、アメリカは、いろいろ話には乗ってきたといいながら、それまでの議論をひっくり返すような提案もしたりしております。例のセーフハーバーということでございまして、これは、セーフハーバーというのは一定の基準を満たせば法律違反とはみなさないというふうな方式なんですけど、要するに、国際課税の新しい法人税課税のルールができてもその適用を受けるかどうかは企業が判断すればいいというような、せっかくみんなで議論しているのを全部ひっくり返すようなことを言い始めたわけであります。こんなことを許したら、もう制度せっかくみんなでつくっても骨抜きになっちゃうわけであります。
このセーフハーバー方式について、前回少し麻生大臣が、コメントはいただいたんですけれど、改めて、日本はどう対応するか、お考えを聞かせていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この通称BEPS、ベーシック・エロージョン・プロフィット・シフティング、略してBEPSというものが今国際金融社会の中で大きく取り上げられて、六年間掛かりましたけれども、ようここまで来たなというところまでは来たというところだと思っておりますが。
今、大門先生が言われた、これ物すごく大事なところでして、いわゆる多国籍企業と言われる、日本でもよくグーグルとかアップルとか使っておられる方はいっぱいいらっしゃいますが、そこで本を発注した方が日本で本屋へ行って本を買うより安いというのが現実。皆さん、安いのでそれ買っているわけですよ。しかし、それは日本には一円も税金は落ちませんから。しかし、それは全て何でそういうことが可能なのかといえば、グーグルはここに、パーマネントエスタブリッシュメント、PEと称する物理的拠点を持っていないから税金が掛からないという点を目を付けた。これ、デジタルにならなければ、通信というものがこれだけ発達しなければ、ICがこれだけ発達しなければ絶対に成り立たなかったんですが、それが今できるようになっております。これは何も本だけじゃありませんよ、全てのものです。そういったような形になっておるので、こんなふざけた話があるかと。
そして、税金を払わない上に、この人たちはそこで得た利益をケイマンアイランドとか税金のやたら安いところに本社を移してという形をしておりますから、早い話が二重非課税になっておるんじゃないかというのが我々がついた一番のポイントです。
そうした問題を解決するために、これ全部やらないかぬというところまでやっと来て、今、課税権という、いわゆるそこで、日本なら日本で生み出された価値に関しましては、俺たちはそこに、おまえらの車が通れるように道路も造ってやっているし、全部インフラだってやっているのは俺たちだということで、課税権というものは俺たちにもあるということで、その利益に対して、俺たちで使うべく、売られたそのマーケットの中における課税権というものに関しましては、国際課税の原則の見直しというものを我々断固やるべきだと。これがいわゆる今言われた第一の柱なんです。
これも、やっと三年ぐらい前に、いや、二年ぐらい前にやっとここまでたどり着いたんですが、そうしたところに対して、我々アメリカは今のルールは分かったと、しかし、その国際課税のルールの適用は、どのルールにするかは企業の選択にさせろということを言うておる。それは、セーフハーバーという言葉を使っていますけど、港の、大事な安全なハーバーという意味でセーフハーバーというのを使っておるんですけれども、そういうことを言って、それが、まあ無理が通ればですが、今度は新しいルールを選択しないという企業ばかりになったらこのルールを作った意味がねえじゃねえかと。
こんなもの駄目ということで、私どもとしては、法人課税を行うという、本来の、適切な法人課税を行うという本来の目的が全然実現できなくなるので、日本はこれは懸念を表明ということで、過日の二月の二十二、二十三、まだコロナの騒ぎが余り激しくなる前の頃でしたけれども、サウジアラビアのリヤドで開かれたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議において、日本はこれに対しては懸念を表明ということで話をしております。
がちゃがちゃありましたけれども、最後には、米国の提案を含め主要論点の隔たりというものを解消して、二〇二〇年度末まで、今年度末まで、失礼、今年末までに国際合意に基づくという解決策をやるということに関しましてみんなで共同でコミットに参加させて、アメリカもその中に入れてちゃんと決めるということをさせておりますので、一応グローバルな解決策ができるように国際的な議論がそこまでは来ておりますけれども、まあこの種の話は最後の最後までよう詰めができないかぬところなので、きちんと今年末まで、あと何回か会議がありますけれども、本当はこの四月あるはずだったんですが、コロナのおかげでできなくなりましたので。
ちょっと今、電話会談というのを昨日もやりましたけれども、今言われたように、もうこんな話よりは今コロナの対策で、ドイツ、建国以来とは言わぬけど、少なくともこの四十年間で初めて財政出動。ドイツが財政出動を表明なんというのは、何で日本の新聞で一面トップに載らないのか不思議でしたけれども、正直、ドイツが財政出動すると言ったとき、電話会談でどよめきが出るほどの、みんな驚くほど、ドイツもえらい追い詰められたなという感じがするぐらいで。是非、日本が、一番うまくやっているのはどう考えても日本なんだから、日本のやり方を教えろとか、何かいろいろ言っていましたけれども、とにかくすごく焦っているような感じがしました。
ちょっと今、大門先生御質問のこの点に関してはちょっと今止まっておると思いますけれども、いずれにしても、その下の財務官クラス、その下の国際局長クラスだとか、全国みんな、各所みんな、各国みんな動き始めておりますので、それなりの成果は少しずつではあるけど上がってきていると思っております。
○大門実紀史君 丁寧にありがとうございました。
資料一枚目なんですけど、アメリカはほかにも好き勝手なことを言っておりまして、要するに、この間の議論でいくと、デジタル、まあGAFAですね、アメリカにいる、GAFAのことばっかり課税ばっかり言われるので、それだけじゃ駄目だと、消費者向けビジネスにも国際課税ルールを適用しろというような話で、何かといいますと、例えばトヨタ自動車がアメリカでいろんな顧客データを使う、あるいはいろんな知的財産をアメリカで生む、そういうものも課税の対象にしろというふうなことをアメリカが言って、GAFAだけだとアメリカの企業ばっかり取られるというんで、日本ほかの国の多国籍企業、大企業にも税金掛けろという意味でということを言ったのがこの記事でございます。こういう大変政治的な、牽制的な動きをアメリカがしているということで、これ大変、なかなかアメリカもいろんな点で抵抗しているなというのが分かる資料でございます。
資料の二枚目なんですけれども、これはこの前段の話ですが、そういうアメリカの抵抗はいろいろありますけれど、麻生大臣おっしゃっていただいたように、全体としては課税のルールが作られつつあると。ただ、なかなか、アメリカの動きもありますので、待っていられないということで、ヨーロッパの国々が、次のページ見てもらった方が分かりやすいですね。三枚目ですね。
その国際的な全体の課税ルールができるまで待っていられないということで、いろんな国が独自に課税のルール、課税していこうと。これは、法人税について言えば、条約上のルールになりますので一方的に変えることはできないんで、法人税の代わりに、インターネットによるサービス、その売上高に課税するという仕組みを考えて、これがデジタルサービス税というものですが、これはヨーロッパの各国が、下の方にありますイギリス、フランス、イタリア、スペイン、インド、オーストリア、トルコが先にまず独自課税の方向で動き始めているということでございます。
ただし、先ほどの二枚目にあるように、これはあくまで、全体としては、アメリカがちゃんと合意して全体の課税ルールができるまでの間、できればもう廃止しようと、そういう暫定的、なおかつアメリカに対する、何といいますかね、牽制というのもあって、合意をするようにというふうな働きかけの効果も含めて各国でこういうことが始まっております。
時間の関係で、四枚目の資料を見ていただいて、このデジタルサービス課税、つまり全体の国際的な課税のルールができるまでは独自でやっていこうというところに対して、東京都は、東京都の税制調査会も、この点は進めるべきだということを昨年十月に出した答申のポイントで示しております。
書いてあるとおりなんですけれども、OECDの検討とは別に、イギリスやフランスなど欧州諸国を中心に、各国が独自に実施するデジタルサービス税の導入や検討が広がりつつあると。新ルール、つまり全体での、各国共通の全体でのルールが合意に至らなかった場合に備えて、我が国日本も、このデジタルサービス税導入するオプションを一つの選択肢として議論して、公開の場で検討を始める必要があると。
これは、やっぱり東京都ということもありまして、東京都の都民、消費者が、GAFAとかを使うと、しかし、その税金はアメリカに持っていかれるというふうなこともあって、独自のデジタルサービス課税も暫定措置として、国際的な全体の合意できるまでの暫定措置として検討するということに合理性があるというふうなことを東京都の税制調査会が示しております。
やはり日本としても、このデジタルサービス税の検討を進めておく、選択肢として持っておくということはアメリカに全体の合意を促す上でも大変重要なことではないかと思うんですね。その点で、麻生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) このDST、デジタルサービスタックスのことですけれども、これは御存じのように、フランスが先行して最初に始めて、それでイギリスがそれに続いて今こういったことになってきておるのは確かなんですけれども、それで、効果を上げるためには全員でやらないと効果は、みんな逃げて逃げてというような形になってなかなかうまくいかないんだとは思いますけれども、今、OECDというかヨーロッパ中心にこれやらせていただいて、日本もアメリカもというんで、今年末までにこのグローバルなやつをやりたいということで、その中でイギリス、フランスが暫定的な措置と言い続けてスタートしたと承知しておりますけれども。
これまで我々としては、国際的な議論をみんなでやろうということで、結構それなりに各国、皆、まあ最初から高いことを言わぬで、少しずつ、今は全くゼロですから、そういったものを少しずつやろうというところからスタートしておりますので、この点に関していろんなことを考えておかにゃ、準備をしておかにゃいかぬというのは分かりますけれども、何というのかな、何となく、今年、日本だったらともかく、ちょっとサウジアラビアということになると、なかなかちょっとリーダーシップに欠けるかなと思わぬでもありませんけれども、いろんな方向で進んで、それなりの方向で進んでおりますので、もうちょっとこれ見た上で、我々としてほかの国とやれるって、どことやれるか、どこの範囲まで押さえられるかが非常に大事なところなので、なるべく最大公約数を得るところまで、やれるところまでやった上で考えにゃいかぬところだろうと思っております。
○大門実紀史君 もちろん、目的は、全体で合意して全体で課税のルールをつくると。そのためにも、日本は、一つのオプションとして、選択肢として考えておく必要があるのではないかと思いますので、引き続き検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。