国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2020年3月19日 財政金融委員会 森友改ざん再検証を
<赤旗記事>
質問する大門実紀史議員
=19日、参院財金委

森友改ざん再検証を
財務省答弁と「手記」に相違
大門議員

 日本共産党の大門実紀史議員は19日の参院財政金融委員会で、財務省による森友公文書改ざんを強いられ自殺した近畿財務局職員の赤木俊夫さんの手記と同省幹部の国会答弁に相違点があり、答弁に信ぴょう性がないと追及しました。

 大門氏は、安倍晋三首相が18日の夜の記者会見で改ざんは全て財務省の責任だと、人ごとのように発言をしたことについて、「非常に怒りを感じた」と強調。「憤りを感じないか」と追及。麻生太郎財務相は「コメントを差し控える」と述べるにとどまりました。

 大門氏は、改ざんに関する同省の調査報告書には赤木氏へのヒアリングがないと、欠陥を指摘し、再検証を求めました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 まず、森友問題について質問をいたします。
 昨日の今日なんで、もうちょっとじっくり吟味してからと思ったんですけど、昨日の夜の安倍総理のぶら下がりというんですか、あの記者会見を見ていて、率直にひどいなと非常に怒りを感じたわけですね。自死された赤木さんのことを全く人ごとのように、始まりは安倍昭恵さんの関与、関わりがあったことは間違いないわけでありまして、何か、それにもかかわらず、改ざんは全て財務省の責任だと。財務省が、何というんですか、財務省が財務省の判断で財務省のためにやったんだとみたいなですね、麻生大臣の下で今それは直されていくだろうというような、何か全くこう、何というか、本当に人ごとで、全ては財務省だというような会見を聞いて、非常に憤りを改めて感じたわけでございます。
 私、国会に長くいさせてもらって、財務省のお役人さんとはいろんな意味で長く付き合いをさせていただいて、優秀な方多いですしね、本当に国家のため、自負を持っている方が多いと思っておりますけど、この問題を全て財務省の責任のように言われて、昨日の会見、茶谷さん、みんな御覧になったと思いますけど、ちょっと何か、財務省として、そうなんですか。ああいうの憤り感じませんか、ちょっと正直言ってですね、ああいうふうに全て財務省の責任にされて。
 率直な御意見は、いかがですか。

○国務大臣(麻生太郎君) コメントは差し控えさせていただきますけれども、今、私どもの立場で、役人に責任を負わせるわけにはいかぬでしょう、そのことに関しては。

○大門実紀史君 役人に責任を負わせたわけではありません。役人の方の感想を聞いているわけです。茶谷さん、いかがですか。

○政府参考人(茶谷栄治君) お答えを申し上げます。
 これについては、もう調査報告書に明記してありますように、応接録の廃棄や決裁文書の改ざんは、国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中で更なる質問につながる材料を極力少なくすることが主たる目的であったと認められるということで、我々認定しておるところでございます。

○大門実紀史君 まあ、あの会見を見て妻の昌子さんが本当にどう思われたかなというふうに本当に思います。ネットでも、ひどい、ひどい会見だという批判が広がっているところでありますし、私も佐川さん自身はよく知っておりますけど、秘書官されていたときからですね。あの手記は、佐川局長、佐川局長、出てきましたけれど、佐川さんも自分の判断で勝手にいろいろやったとは到底思えないんですよね。誰かの指示で佐川さんもいろいろやったと。やり過ぎた面はあるかも分かりませんが、基本的に誰かの指示だったんではないかというふうに肌で感じてきた問題であります。
 昨日、財務省の報告書が出て、昨日ここで申し上げましたけど、その報告書は、改ざんをさせられた、そのために命を絶った当事者である赤木さんのヒアリングをしていない報告書だから、それで完璧なのかと、検証ぐらいすべきじゃないかということを申し上げました。麻生大臣は、最後は検討してみるみたいなことをおっしゃったが、後で大臣の記者会見で再検証する必要はないというふうにおっしゃったんで、結局今の時点ではされないということだと思うんですけれど。
 今日も、先ほど、川合さんの答弁ですね、ちょっとあんまりじゃないかと思うんだけれども、ちゃんと訴状も手記も読んでいないけれども、既に、まあ織り込み済みといいますか、ほかから聞いた話の範疇だと。読んでいないで、なぜそういうことを言うのか。せめて誠実に、読んでからお答えさせていただきますとか、せめてそれぐらい赤木さんに対して、赤木さんの死に対してそういう姿勢、態度を取るのが当たり前で、余りにも何というか、失礼といいますか、冷たいんじゃないかと思うんですよね。それはちょっと申し上げておきます。また同じことを読むしかないんでしょうからね、あなたの立場でいえば。
 それで、一点だけお聞きしておきたいんですけれども、報告書じゃなくて国会答弁と赤木さんの手記の食い違いです。これは報告書とは違う話ですね。
 これは、二〇一七年の委員会で法律相談記録の存在というのが大変問題になりました。法律相談記録というのは、要するに森友学園との土地の貸付け、売買、あと、地中のごみの撤去や値引きについて法務担当部局に問い合わせて、法的立場からその妥当性を検討したという文書ですね。それが法律相談記録です。これが、実は二〇一七年の四月と六月の会計検査院の実地検査において、提出してくれと会計検査院から求められながら、具体的な説明も文書も提出しなかったということだったんですね。会計検査院の報告書が公表されるその後の、半年後の二〇一七年の十一月二十二日の前日に、会計検査院にどういうわけか前日に提出されたわけであります。この事実そのものが明らかになったのは更に後で、二〇一八年の一月二十九日ということになったわけですね。
 当時、いろんな各野党から、我が党からも議論があって、一月二十九日の衆議院予算委員会で麻生大臣と、まあ太田さんも同じような答弁されておりますけれども、その法律相談記録については、検査の過程で、会計検査院の検査の過程でその記録があることに気付く状態には至らなかったと、気付く状態には至らなかったと。その後の情報開示請求の対応の中で文書の存在が判明して、可能な限り速やかに提出したというような釈明をされたわけですね。太田さんもそういう答弁をされておりました。これが全く手記と、赤木さんの手記と異なるわけであります。
 太田理財局長の答弁を基にいたしますと、太田理財局長が当時言ったのは、当初の段階で、法務担当者に伝えて、資料に気付く状況に至らなかったんだと、法務担当に聞いていれば気付いたはずだというようなことをおっしゃったわけですけど、それはもう全く違うということをこの手記の中でおっしゃっております。
 なぜならば、この文書の存在は、法務担当に聞かなくても、法務担当以外のいろんなところでもう作成されているということは当然認識されていたことですし、赤木さんがいらっしゃった近畿財務局は、本省主導で資料として提示しないと、本省主導で資料として提示しないとの認識の上の対応だったと、それに従っただけだということをこの手記でおっしゃっているわけですね。全く違うわけですね。
 もう一つは、その会計検査受けたときには、佐川理財局長の指示を受けて、本省理財局から幹部職員、田村さんですね、国有財産審理室長でしたかね、あのときは、あと課長補佐さん等々が派遣されて、その会計検査院の検査会場に同席して、そして、近畿財務局からの説明を本省幹部が補足する形で対応したと、こういうことです。
 しかも、その際の本省の会計検査院への対応の基本姿勢は三点ありますと明確に書かれておりましたが、これはそういう指示を受けたということだと思うんですけど、そういう意思統一をしたということだと思うんですけど。決議書等の関係書類は検査院には示さず、示さず、本省が持参した一部資料の範囲のみで説明すると。二番目に、現実問題として、それだけだと答えられない質問が来るかもしれないと、その場合は、田村室長が、近畿財務局に保管されている決裁文書を使用して説明することはやむを得ないと、田村さんが説明することはやむを得ないと。三つ目には、法律相談の記録等の内部検討資料は一切示さないことと、一切示さないことと、検査院への説明は文書として保存していないと説明するというように事前に本省から指示がありましたと、これは近畿財務局におられた赤木さんの証言ですね。
 これは、報告書とどうこうじゃなくて、国会答弁と赤木さんの手記との違いになるわけであります。つまり、麻生大臣や太田さんが答弁されたその答弁の信憑性が問われるわけであります。したがって、報告書はもう織り込み済みだと、変える必要はないということと別の話でございますので、少なくとも、茶谷さん、太田さんいらっしゃるわけだから、太田さんに、これらのことを本当に知らないで答弁したのかどうか、これだけは確認をすべきではないかと思うんですが、いかがですか。

○政府参考人(可部哲生君) お答えを申し上げます。
 ただいま委員から御指摘がございました会計検査院への対応につきましては、二つのことが調査報告書に書かれております。
 まず、保存期限を過ぎた文書一般、応接録等につきましては、「平成二十九年三月以降、森友学園案件に関する会計検査院の会計検査が実施に移され、会計検査院から、廃棄していない応接録等を提示するよう繰り返し求めがあったが、本省理財局においては、国会審議等において存在を認めていない文書の提出に応じることは妥当ではないと考え、存在しない旨の回答を続けた。」と認定をされております。
 また、「会計検査院による会計検査に対して、廃棄されずに残された応接録の存在を明かさなかったり、改ざん後の決裁文書を提出したことは、不適切な対応である。この会計検査が、参議院予算委員会の要請に基づき行われているものであることを踏まえれば、国権の最高機関である国会との関係でも、問題のある対応だったと言わざるを得ない。」、このように三十年六月の調査報告書において認定をいたしております。
 他方、ただいま委員からお尋ねがございました法律相談文書につきましては、異なる認定が行われております。その認定が先ほどの答弁に……(発言する者あり)それについて国会で財務省から御答弁を申し上げている内容、これにつきましては、当時の職員の認識を御説明させていただいているものであり、かつ、これは改ざん発覚後の二回目の会計検査院の報告書、これは平成三十年の十一月に出たものですが、これにも合致しているほか、調査報告書においても、情報公開請求への対応のため、ほかの部門も含めて文書の探索が行われた結果、統括法務監査官において法律相談文書が保存されていることが確認されると、会計検査院への連絡、提出、情報公開請求に対する……

○委員長(中西祐介君) 簡潔に御答弁ください。

○政府参考人(可部哲生君) 開示請求といった対応を行ったとされているところでございます。

○大門実紀史君 報告書を聞いているわけじゃないんですよ。答弁と、この赤木さんの手記に非常にリアルに書かれていることですね、非常に。ここまでのことは報告書にはありませんよね、ありませんよね。
 だから、こういうことを、ここまでのリアルなことを御存じで太田さんが、あるいは麻生さん、麻生大臣の答弁書を書いたり、誰が書いたか知りませんけど、そういう答弁書になったのかどうかということを太田さんに聞いてもらいたいということ。報告書を聞いているんじゃないんですよね。それぐらい茶谷さん、確認できないんですか、太田さんいるじゃないですか。違うなら違うでいいし、それは知らなかったら知らなかったでいいし、確認ぐらいできるでしょう。茶谷さん、あなた、官房長でしょう、責任あるでしょう、あなたに聞いているんだけど。

○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。
 今、可部理財局長が申し上げたとおり、太田局長は、まさにその管財部においては一年未満としたことから法律相談文書を破棄していると、部門をまたがる一覧性のある文書のリストはないことから、統括法務監査官に法律相談文書が保存されていることに気付かず、会計検査院からの要求に対して提出できなかったというように答弁をまさにしておられるところでございまして、その答弁には何ら変わらないところでございます。

○大門実紀史君 今日は税法の審議なのでこれぐらいにしておきます。続きは隣にいる小池書記局長が来週の予算委員会でやる予定でございますので。まあ、それぐらいのこと聞いたらどうかと思いますけどね。
 じゃ、時間の関係で、税法の質問に入ります。
 今日は国際課税の問題で質問いたします。
 デジタルエコノミー、デジタル、IT企業に対する課税問題というのは、この間、大変問題になってきておりました。いわゆるGAFAですね、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルが代表格と言われていますが、そういうIT、デジタル企業に対する課税が抜け落ちてきたということが問題になっておりました。
 なぜ抜け落ちてきたかといいますと、そういう企業はネットを通じてビジネスやりますから、ビジネスで稼ぐ市場と拠点が違うという点で、ところが、課税というのは、法人税を含めて拠点がないと、拠点に掛けるという仕組みになっておりますので、稼いだところで掛けられないというようなことがあって、タックスヘイブンなども使ってこういうデジタル、IT大企業は課税逃れをしてきたわけでございます。その問題がG20やOECDで問題になってまいりました。
 国際課税の問題は、私、何度もこの委員会で取り上げてきました。今、その国際課税でみんなで協調して対処をしようという中で、このデジタルエコノミーの問題が大きな問題になっているということでございます。
 お配りした資料の一枚目に、グーグルの問題が、新聞記事を載せておきましたけれど、昨年、東京国税局がグーグルとフェイスブックに対して申告漏れを指摘したということです。しかし、これはまだつかめていない申告漏れがいっぱいあるということの前提の話でございます。
 OECDは全体として国際協調で本当に把握していこうという動きが強まっておりまして、これ資料の二枚目でございますが、G20日本議長下での国際租税アジェンダでございますが、ちょっと分かりにくい言葉もありますので、何が今議論されているのか、何が今大きな問題になっているのか、これを見ながら簡潔に説明をしてもらえますか。

○政府参考人(矢野康治君) お答えを申し上げます。
 経済のデジタル化の進展に伴いまして、いわゆる巨大なデジタルプラットフォーマーなどは、消費者やユーザーがいる市場国、いわゆる消費地国といいますか、において、物理的拠点、PEを持たずにビジネスを展開することが今委員御指摘のとおり可能となってまいっております。現在の国際課税制度におきましては、外国企業の事業所得に課税するためには自国内に物理的拠点の存在を必要といたしますために、市場国で適切な法人課税がなされないという問題が顕在化をしてきております。
 こうした経済のデジタル化に伴う課税上の対応につきましては、OECDの中で麻生大臣が、日本国がリーダーシップを取ってきたBEPSプロジェクトの一環として、その流れの先にあるものとして、昨年、日本が議長国を務めましたG20におきましても優先課題の一つと掲げまして、二〇二〇年末、本年末までのグローバルな解決策の合意に向けた作業計画を承認するなど、G20による強い政治的な後押しができたと思っております。
 本年のサウジアラビア議長国の下でのG20におきましても、この経済のデジタル化に伴う課税上の対応というものが引き続き優先課題の一つとして掲げられておりまして、日本国といたしましては、本年末までに解決策をきちんと合意できるように、国際的な議論に積極的に貢献してまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 要するに、国際協調でデジタル、IT、GAFAなどに課税していこうという取組がいろんな面で始まっているということですね。
 左の下にありますピラー1、ピラー2とありますけれども、それが今特に話し合われている、現在話し合われるテーマということでございます。ピラー1というのはネクサス及び利益配分に係る国際課税原則の見直しと、ピラー2が税源浸食への対抗措置ということでございます。ピラーというのは柱という意味で、第一の柱、第二の柱ということでございます。
 今日はそのピラー1、第一の柱を取り上げますけれど、ここに書いているこのネクサス及び利益配分に係る国際課税原則の見直しということなんです。これそのものがちょっと分かりにくい言葉なんですが、要するに、ネクサスというのはつながりとか結び付きという意味なんですが、要するに、何というんですかね、先ほど申し上げましたように、物理的拠点がなくても法人税をどう掛けるかと、こういう企業にですね、ネットで商売をやっているところにですね、というような仕組みづくりに関わるのがこの第一の柱、ピラー1でございます。
 問題は、それに物理的拠点がなくても税金を掛けていこうというところまでは今合意が進んだと。これもいろいろ今まで苦労があったんですけど、こう進んだと。問題は、じゃ、その課税するとしても、その利益配分に関わる原則をどうつくっていくか、見直していくかと。つまり、そういう多国籍大企業の利益を、その企業が所在している国とその企業が実際に商売で稼いでいる国、市場国でどのように配分するかとか、そういうことが議論になっているということでございます。
 資料の三枚目に、その具体的な見直しの課題になっているものがございます。これちょっと分かりにくいと思いますから、ちょっと丁寧に、分かりやすく説明をお願いしたいと思います。

○政府参考人(矢野康治君) 今御指摘の第一の柱の方でございますけれども、これにつきましては、本年一月に、自動化されたデジタルサービス及び消費者向けのビジネスを行っております大規模な多国籍企業が活動する市場国に対しまして、支店などの物理的な拠点がない場合であっても新たな課税権が配分される方向で検討を進めることが合意されたところであります。
 具体的には、多国籍の企業が、通常の利益率として国際的に合意された一定の利益率、みなし通常利益率、このお配りされた資料の右側の絵の通常利益の上にある点線、その部分ですけれども、それを超える超過利益を得ている場合においては、その超過利益の一部は、Aとされる部分ですが、この部分については、市場国におけるブランド価値あるいはデジタルサービスのネットワーク効果などの貢献に由来するものだとみなして、売上げ等に応じて新しい課税権を消費地側の市場国に配分するということが提案されているところでございます。

○大門実紀史君 分かりましたかね。要するに、市場国ですから、そういうネット、国際的な股を掛けたネット大企業が稼いでいる、拠点を持つんじゃなく稼いでいる国に課税権を配分しようという話の中でどうするかというところで、ちょっとこの通常利益と超過利益、これをもうちょっと、もうちょっと丁寧に説明をしてもらえますか。

○政府参考人(矢野康治君) いわゆる、文字どおり通常に上がるであろう利益と、通常を超えて、経済学で超過利潤などということを言ったりする場合、ちょっとこれは学術的な話になりますけれども、通常の利益を超える超過利潤があると観念される場合というのは、よく分かる例でいえば独占利潤とか寡占利潤とかいうことがあったりします。
 ここで観念されておりますのは、そういう面もございますけれども、特にこのデジタルサービスを配信することによって得られている非常に大きな利得といいますか、プロフィット、利益というものが得られておる場合に、それは発信している国においてのみ享受されるべきものではなくて、受信し消費されている側の国の協力ないし消費活動があってこそ生まれる利得であるということから、その一部については、一部といいますか、通常の利益を超える非常に高い収益の利幅を生んでいるものの一部については消費地側の国に課税権を認めよう、配分しようという議論であります。
 広く申しますと、元々国際的な課税権のぶつかりというのは、どっちが取るかという取り合いというところからずっと、数十年来、先進国と先進国、あるいは先進国と途上国などで取り合いが行われて、それをどう整理付けるかという議論がずっとされてきたわけですけれど、この議論はそれとはちょっと性質を異にしておりまして、むしろどちらも取れなかったりする、取れないという言葉はちょっと下世話ですけれども、どちらにも課税権が及びにくいといいますか、ということがデジタルなビジネスであるがゆえに起こってきたりするというところから、ありていに申しますと、二重非課税みたいなことが起こりかねないという問題からこの話が始まっておりまして、それをどういう主体が発信しているかというところを見ていくと、このように非常に効率的に付加価値を発出し、そしてまたそれが、オキュパイゼーションとは言いませんけれども、非常に限られた企業体によって物すごく占められているということからすさまじい収益が上がっている、その部分がこの超過利益であり、その一部はその本社がある国においてのみ課税権が認められるのもいかがなものかという議論からこの議論がなされているわけです。

○大門実紀史君 そういうことだそうでございまして、要するに、実は、この通常利益と超過利益を何%とするか、そのものは、今言ったように、折衝といいますか、国によって利害が絡むわけですよね。それが今回一番取り上げたい問題なんですけど、その前に、この自動化されたデジタルサービスというのは、今申し上げてきたGAFAとかというのは分かるんですが、消費者向けビジネスまで入っていると。消費者向けビジネスといえば、別にGAFAとかネットだけじゃなくていろいろ入っちゃうんじゃないかと、こう思うわけですけど、ちょっとこれは簡潔に説明してもらえますか。

○政府参考人(矢野康治君) 委員御指摘のように、この議論は最初は、GAFAというとちょっと企業名ですので我々の側からは申し上げにくいですけれど、いわゆるデジタルビジネスの話から端を発したわけですけれども、それがどうして消費者向けビジネスの世界までカバーするようになっていったかと申しますと、二〇一五年にOECDから公表されましたBEPSプロジェクトの最終報告書の中におきまして、デジタル化の影響は経済全般に及んでおりますので、税の観点からデジタル経済だけを取り出して、切り出して、その他の経済と線引きをする、抽出するということはもう事実上困難であると。これは個々の企業を考えてもそうですけれども、デジタルサービスあるいはデジタルビジネスとしてやっている分野とそうでない分野というのをどう切り分けるかというのはやや観念的になってまいりますし、定義が難しくなってくるということがございます。そういうこともありまして、切り分けということではなくて、取り込む形での議論に発展していった経緯がございます。
 その上で、経済のデジタル化に伴います課税上の対応につきましては、既存の国際課税原則を見直して、市場国に新たな課税権を配分するための考え方といたしまして、検索エンジンですとかソーシャル・ネットワーク・サービスの使用といったユーザーの積極的な参加によって生じた利益に対する課税権をユーザー所在地国に対して配分すべきという考え方ですとか、それから、商品やサービスのブランド価値などのマーケティング上の無形資産を市場国で形成している場合には、そのマーケティング上の無形資産により生じた利益に対する課税権をやはり市場国に対して配分すべきだという考え方、これらが提案されたところでございます。
 こうしたことを踏まえまして、消費者向けビジネスというものにつきましても、デジタル化によってマーケティング等を通じて市場国の経済に能動的かつ持続的に関与しておって、それによって生じた利益に対する課税権をやはり市場国に配分すべきという観点から、この同じ第一の柱の中に含めて検討を進めてきているものでございます。

○大門実紀史君 要するに、デジタルだけだと、アメリカなんかはそればっかり、それ中心ですから、ほかのも入れろというような、いろんなやり取りがあって入ったわけですね。
 ただし、そうはいっても、全ての、消費者向けビジネスだと全て入っちゃいますから、そうではなくて、例えば部品を作るとか何かそういうものは除くといいますか、そういうような、大まかそういう考え方だということだと思います。
 時間がないのでもうぱっぱっとやりますが、資料の四枚目は、そういうデジタル課税を導入していったら、仮の試算でございますが、どれぐらいの収入になるかというと、全世界で一千億ドル税収が増える、十兆円余り増えるという取りあえずの試算が出ております。
 その次の五枚目の英文の資料で申し訳ないんですけど、これが今日一番質問したかったポイントなんですけど、先ほどの図で、その超過利益の部分を売上高の何%とするかというところが今せめぎ合いになっているんですけどね。で、一〇%と取った場合と二〇%と取った場合の比較をOECDが出しております。赤いのが二〇%、青といいますか紺色が一〇%ですね。
 つまり、一〇%、超過利益一〇%以上のところを対象にするとたくさんのところが対象になるので、税の配分の是正が一気に進んで、例えば、これはあれですね、ハイインカムというのは所得の高い国、ミドルインカムは中所得の国、ローインカムは低所得の国、インベストメントハブというのは、これは投資拠点、実際にはタックスヘイブンのことですね。タックスヘイブンはマイナスになって、一〇%で取ると、高所得も含めて税収が増えるという図です。二〇%だとそれほどタックスヘイブンは是正されなくて、ほかも増えないということですね。これはやっぱり対象が狭くなるということになるわけです。
 一〇%か二〇%かという点でいきますと、日本の大企業、経団連はより狭い方にしてくれと、つまり、二〇%以上の限られた大企業だけにしてくれという要望が出たりしております。
 OECDが出しているこの資料そのものは非常にメッセージが込められていると思っておりまして、明らかに一〇%にした方がタックスヘイブンがマイナスになるということは、それぞれの本当に仕事をしている国に、税逃れを防いで税収が増えますよというメッセージだと思うんですよね。
 私、一〇%か二〇%という点でいくと、まず、今の財務省はどうお考えなさっているか、ちょっとお聞きしたいと思います。

○政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。
 御指摘のみなし通常利益率をどのような水準にするかということにつきましては、まさに今国際的に議論が行われているところでありまして、どの国がどうのというよりも、それぞれの国の中においても高い方がいいか低い方がいいか議論が分かれているというのが現状でございます。
 そういう、言わば国際的な交渉の状況にございますので、その方針についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じますけれども、この経済のデジタル化に伴う課税上の対応を議論するに当たりましては、税収への影響ということも非常に大事ですけれども、加えまして、対象となる企業の事務負担であるとか予見可能性、透明性といったことも併せてしっかりと幅広い見地からきちんと議論をしていきたいと思っております。
 なお、タックスヘイブンについて、その資料もございましたし、委員からも御指摘がございましたけれども、課税当局といたしましては、日本のという以前に、いわゆる租税回避ということが行われるということは決していいことではございませんので、そのタックスヘイブンが是正されるように、もうこれまでもいろんなタックスヘイブン税制をあの手この手やってまいりましたし、国際協調をしながら進めてまいりましたけれども、租税回避というものは、トートロジーかもしれませんけれど、租税回避というものは是正されるようにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

○大門実紀史君 最後に麻生大臣に姿勢をお伺いしたいと思うんですけど、もちろん経団連の気持ちは分からなくはないんですけど、二〇%以上の高いところにすれば外れる大企業が増えるから、自分たちはだから二〇%がいいと、実務的なことも含めてですね。ただ、このグラフで明らかなように、一〇%以上というところで取れば、より広く取れば、それだけGAFA等の日本で稼いでいるああいうデジタル企業から日本に対する、日本の税収が増えるということになりますから、国の国益にとっては当然一〇%の方がいいんではないかと思うわけですけど、今は手のうち明かせないというのもあるかも分かりませんが、基本的な考え方として、国益に沿った対応をしてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) これは最初から、大門先生御記憶かと思いますが、これは八年前の五月にイギリスのバーミンガムシャーというところで開かれたG7ですね。これ、安倍内閣が再スタートして一回目の会議だったんですが、そのときにこの話、日本から持ち出したとき、全く反応ゼロ。まず、こんなことできるわけないと。全く反応ゼロ。日本だけ言い募って、最後に乗ってきたのがドイツ。あとは、ずっと会議の残り後半、一言もしゃべらず。特にアメリカは、最初から最後まで一言も発せず。それが最初です。ようここまで来たと思っていますわ、私自身は。
 会議をやって、まあこっちも長いこと居座っていますと、どんどんどんどん向こうの方が変わってきましたので、もうどんどんどんどん問い詰めていく立場はこっちは強くなりますから、結果的に、最後にアメリカも乗らざるを得なくなって、トランプという人になって、まあ経済というか財政というか金融というのを分かるのが財務大臣、財務長官に来ましたんで、おかしいじゃねえかと。これは、おたくらが損すると思っているけど、おたくらだって税金取れていないんだから。だから、少なくとも、今はアメリカは、取れる部分は全部タックスヘイブンに行っちゃっている、ケイマンアイランドに行っちゃっているんだから、その部分を取り戻してという話で、そっちだって少なくとも税収が増えるだろうがと。こっちだって、もちろん増えると。こっちだって、使った公共施設はただで使われて、利益は全部持っていかれる、そんなあほらしいことはやっておられぬというような話で、これ、だんだんだんだん声が大きくなってきて、四十か国、六十か国、八十、百六十まで来たんですかね、今は、それくらいまで来たんだと思いますけれども、やっとこれまで来れて、今はセーフハーバーっていう話やら何やらがもう一回アメリカがまた振り出して、駄目という話をして返してあるところで、日本のところは終わったんですが。
 いずれにしても、それだけアメリカが反対して何しても、最後にはG20で今年、二〇二〇年度中にこれを合意するということでアメリカが合意しましたから、トランプいるところで。そこまで追い込みましたんで、一応これは形なりに、取れる形になるんだと思いますが、大門先生、最初からがばっと取ろうといったってそれは取れぬですから、まずは少しずつ少しずつ増やしていかにゃしゃあないですよ、これ。僕はここまで払うようになっただけでも、アメリカにしてみれば、随分議会に対する圧力はすさまじいものだったってみんな言いますから、よほどこのGAFAはロビイストを使ってえらかったんだと思いますけれども、よくここまで追い込めたなと思ってはいるんですけれども、いずれにいたしましても、私どもとしては、これは是非ともやらないといかぬ税法だと思って、BEPSっていうのはこれはもう我々としては是非、これは日本の国益に資すると確信しておりますので、是非やらせていただければと思っております。

○大門実紀史君 終わります。

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