<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
まず、私も、新型コロナ対策について幾つかお聞きします。
金融庁は、中小企業事業者への資金繰り支援ということで、幾つか積極策を出されてきております。今日夕方発表される中にも入っていると思いますけれども、三月六日に、麻生大臣、金融担当大臣が談話を発表されまして、民間金融機関との関係なんですけれども、金融庁として、金融機関に柔軟な対応を求めると、そして金融機関が条件変更などに応じるかどうかウオッチングして、それをまた公表するということ。そして、従来は、この円滑化法そのものの仕組みなんですけれど、条件変更しても、その相手先が経営健全化計画を出せば不良債権にはみなしませんというのがあったんですね。これは、検査マニュアルがなくなったということも含めて、もうそういう判断は金融庁としてやりませんと。ただし、それはやりませんというのは、金融庁としてはやりませんが、各金融機関の個別の判断でやってもらいます、やってもらいたいというようなことを打ち出されて、これはいいことだと思うんですけれども。
大事なことは運用でございまして、その個別の各金融機関が相手先に条件変更をする、そのときに、金融庁からは経営健全化計画を取れということは求められていないけれども、独自に、条件変更するけど、後で返せるのかということで、返済計画といいますかね、計画出してくれというようなことをやり始めると余り効果がないというか、同じことになってしまうわけですね。
その点でいいますと、今大事なことは、緊急事態ですので、できるだけ条件変更に応じてほしいというメッセージが一番大事だと思うんですよね。その点、そこが大事だということは、大臣としてメッセージとして出していただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう、金を自分で借りたことのない人は全然この種の話分からないんですよね。お役所なんか特にありませんから。そういった意味で、経営計画を出す手間と暇があるんだったら、それは資金繰りなんかまだ余裕のある方ですよ。そういうところじゃない人たちの話ですから、私どもとしては小口行きの話だと思いますので、そういったものに関しましては、私どもは、とにかく、まずは経営改善計画提出のために何か月なんていう余裕はない話を今していますので、即やるんだという話をするためには、後。だから、検査マニュアルなんていうのは、そういうのは外して、こっちからという話を今回ちょっと指示を出して、かつ後追いしますよと、調査させてもらいますと、その結果を公表させてもらいますということを申し上げておりますので、それなりの効果は出てくるだろうとは思っておりますけれども、引き続きそういった問題があるというところは是非通報いただきたいという話を申し上げております。
○大門実紀史君 是非、金融庁の方も、もう一押しそういうことを徹底するようにお願いしたいというふうに思います。
これ、今日通告していないんですけど、午前中、中西先生から大事な提案があったので、私も一言申し上げたいんですが、今大変な状況なので、申告納税の二週間ですかね、延期をしているという話がありますよね。中西先生は、それは何か混乱を取りあえず避けるためとか感染避けるためみたいな話だけど、そうじゃなくて、もっとちゃんと延ばすべきだという御提案ありまして、それに対して国税庁がその場合は納税猶予の制度もありますからみたいな答弁をされたんですけれど、これはちょっと、実態分かっておっしゃっているとは思いますけれど、納税猶予の制度ってありますよね、確かにね、いろんな災害とか大変なときですね。
ところが、これは一個一個申請をして、一応検討してもらって返事をもらってというような手間が掛かるし、全部オーケーになるとも限らないような制度なんですよね。もちろん、柔軟に現場では対応してもらっているのは聞いておりますけれども、例えば、一応担保が必要とあるけれど、こういう場合は必要ないよということで、いろんな柔軟な対応を今までしてきてもらっているのは、私自身がいろいろ相談も乗ってもらったことあるから分かっているんですが、非常事態のときに、そういうことがあればどうぞ申請してくださいということになりますと、大量に申請が来るかも分からないし、税務署もそれが対応できるかも分からないしと。
何よりも、今、こういう先ほどのことも含めて、資金繰りを応援しようということになっているわけですね。そういうときに、消費税にしろ法人税にしろ所得税にしろ、納めるときに中小事業者というのはかなりしんどい資金繰りをして納めているわけですよね。そういうときに、納税だけは資金繰りが、何とか資金繰りして納めろということではなくて、やはり納税の猶予をもう少し考えるべきだと、法人税、所得税があって、消費税が来ちゃうわけですからね。
そういうやっぱり納税の猶予ということが資金繰り対策としても当然国として民間に求めるならば、あるいは政策金融公庫に求めるならば、国の制度としても納税の猶予というのを真剣にやっぱり考えるようなときに来ているのではないかと、資金繰り支援という意味でですね。
本当に中西先生も、自民党も共産党も言うことでありますので、是非これは検討していただきたいと思うんですけど、できれば一言、方向だけでも大臣からコメントいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これはいわゆる、中西先生と大門先生の関係が近いというのは初めて知ったんですけれども。個々の納税者の方において一時に納付するというのが困難な場合という、これ今回の場合は間違いなくそうなんだと思いますけれども、これ税務署へ申請していただくことなどによって納税の猶予等を行うことができるということなんだと思っております。
これらの申請については、法令等に基づいて、納税者の置かれた今の状況とか個々の事情に配慮しながら、これ国税庁において適切に対応いたします。
○大門実紀史君 通告しておりませんので余りしつこくやりませんけど、要するに、猶予制度ではなくて、やっぱり納付期限を延長するという政治決断を是非検討してほしいというふうに思います。
もう一つは、もうずっとありましたし、今、音喜多先生からもありましたけど、今の状況、経済全体の状況をどう見るかということなんですけど、私も本会議で、月例経済報告というのはただの作文だと、もう率直に申し上げましたけれども、そういう議論をしているよりも、実際問題、今何が起きているかということだと思うんですけど、これも中西先生が補正予算を視野にということをおっしゃいまして、麻生大臣の方は今の対策を打ってから、打って、全部見てからというような話をされましたけど、そういうことなのかなというふうに、ちょっとこの間、昨日今日の株の急落も含めて思うわけでございます。
つまり、コロナウイルスのこの問題によって起きた直接被害とか直接の対策とか、それだけの話でもう済まなくなっているのではないのではないだろうかと。先ほどありましたが、アメリカのトランプ大統領は、株の急落を受けて、給与の減税と各産業の対策、大きな対策を打ち出すということをもう宣言をされております。つまり、株が急落すると、日本ではインバウンドが崩壊すると、世界的に、中国中心にですね、ヨーロッパもそうですけど、アメリカも日本もそうですけど、サプライチェーンがもうストップしてしまうと。
そもそも、本会議で申し上げましたように、このコロナの前に、まあ日本は消費税ありましたが、もっとその前に、世界経済そのものが減速していくんじゃないかと懸念があったわけですよね。各国は、もうそのときにいろんな減税をするというようなことを打ち出していたわけなんですね。しかも、今はコロナが加わって、資産まで動き始めていると。安全資産を求めて円に、円を買うと。で、円高になると。そうすると、また日本の輸出が打撃を受けると。何かこう悪循環がずっと始まっているような、つまり、コロナ対策だけじゃなくて、何といいますかね、コロナの影響というよりも、コロナをきっかけに、きっかけに世界同時不況とかリセッションがむしろ始まっているんではないかとか、始まろうとしているんではないかというふうな見方をすべきではないかなとちょっと考えるわけですね。
だから、コロナが、例えば、コロナのこの感染が例えば一、二か月で落ち着いたとしても、経済そのものはすぐ立ち直れないんじゃないかと、コロナをきっかけにリセッションにもう入っていっているんじゃないかと、元々悪かったわけですからね、そういうふうな捉え方もすべきではないかと。ですから、悲観論という意味じゃなくて、そうならないように、あるいはそうなり始めていたら早くそれから抜け出すように、そういう点で今大変大きな決断を必要とするんじゃないかと。今日の夕方発表される中身も大体伝わってきておりますけれど、それほど、それほど大胆な、びっくりするようなものはないわけですよね。やっぱりコロナ対策、直接の今起きていることの対策なんですよね。
そういう点でいきますと、もういろんな先生からありましたけれど、本当にもっと大きな、中身も規模も大きな経済対策ですね、打ち出す必要があるかというふうに思います。減税でいえば、確かにもうゼロという話が出たんで五%と言いにくくなりましたけど、まず五%に下げて、まず五%に下げる。もう減税だけじゃなくて、いろんな、何といいますかね、もう派遣切りみたいなものが起きているわけですね。もう仕事がないから切られている人がどんどん増えていると。まあ労働対策も含めてそうですが、そういう大きな経済対策が必要じゃないかと思います。
これは、もう同じ答弁がずっと、質問がありましたんで、強いてお伺いするとすると、麻生大臣の大局観といいますか、今何が起きているかと、コロナ対策だけじゃ済まなくなっているんじゃないかという点で麻生大臣の御認識を伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) まあ簡単に言えば、リセッションという話になっているんじゃないのかという御指摘なんだと思いますが、一つ、今までヨーロッパが落ちていた割にはアメリカは極めて好調な状況が続いておりましたんで、その意味では、今のような感じではなかったんだと思いますが、今回株価が大きく落ちております。まあこれまでちょっと、二万八千ドルはちょっと上がり過ぎじゃないかという感じはなきにしもあらずだったと思いますけれども、いずれにしても、大きくダウ・ジョーンズが、ダウ高平均が落ちておりますんで、その意味では、確かにおっしゃるようなものかな、端が出てきているように見えないわけではありませんが。
傍ら、御存じのように、日本の場合は大量の石油を輸入していますけれども、その輸入する日本の貨幣価値が上がって、石油の価格は、六年前は百ドルちょい、ついこの間は六十ドル、今日が三十二、三ドル、WTIですけれども、そんなものまで下がってきているというような面もありますんで、こちらの面はいい方に回ってくるはずなんですけれども、いわゆる輸出するものは高くなるんじゃないかという、そっちのもある。
これはいろんなことを考えにゃいかぬのだと思いますけれども、いずれにしても、この間のG7の緊急の電話会談やった方がいいんじゃないのという話から始まって、やらせていただいた、G20をやらせていただきましたけれども、私どもとしては、みんなで、少なくともその後のG7の方でもとにかく我々は適時に効果的な施策をちょっと協力していかぬといかぬと、これだけの話じゃないかもしらぬという話はそのときにみんなである程度検討したということは確かなんですけれども。
いずれにしても、一つの御意見としてきちんと参考にさせていただかないかぬところだと思います。
○大門実紀史君 是非よろしくお願いいたします。日々動く問題でございますので、是非いろんな判断をしてもらいたいと思います。
次に、先日本会議でも取り上げましたジェンダー平等と経済の問題をお聞きしたいというふうに思います。
本会議でも簡単に紹介させていただきましたけれども、ジェンダーギャップの解消は、人権の問題だけではなくって、経済そのものにもマイナスを与えるということで、お手元にIMFの簡単な資料を配付させていただきましたが、IMFも、男女格差を是正した方が経済成長の推進力になるというリポートを発表しておりますし、ゴールドマン・サックス以下いろんな投資家の面から見ても、男女の格差を是正した企業の方が将来性があると、なぜならば、多様性、これからの経済は多様性がキーワードになると、それに応える企業の方がこれからは伸びるんだという点で、企業価値という点からも、ジェンダーギャップの解消を進める企業ほど価値が上がるというようなことを発表しております。事実、北欧などのジェンダー平等の進んだ国ほど一人当たりのGDPも高くなっているということがございます。
そういう点で、まず基本的な認識を伺いたいんですけど、麻生大臣、ジェンダー平等の推進というのは経済にも企業にもプラスになるというふうに思うわけですが、大臣のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆるダイバーシティーというものを重視するという、この話、経営というふうに限りませんけれども、これは今、多分世界の先進国の常識になっているんだと思っておるんで。
女性の目線とか女性の力を生かせない企業というのはマーケットから評価されないんじゃないかという話をいろいろやっておられるんだと思いますけれども、これは結構やっている会社はさっさとやっていたところだと思いますけれども、いずれにしても、ジェンダー平等というのなくして、いわゆる、何というの、これからの未来ってなかなか切り開くことは難しいんじゃないかなと、私自身もそう思っております。
安倍内閣発足以来、これはいろいろ女性活躍を掲げておられますけれども、金融庁においても、これは有価証券報告書に男女別の役員数と役員の女性比率の記載を義務付けたりしたりしておりますし、コーポレートガバナンス・コードを改訂して、取締役会の構成についてもこれはジェンダーを含む多様性を確保するよう促してきたところなんで。
これは、今後とも女性の活躍ができるという社会というものをつくっていくのは極めて重要だと思いますし、事実、それによって、今の高齢化と言われる日本の、特に日本の場合は深刻な話になっていると思いますけれども、高齢化に対応できるということになっていく一番の基本はここかなという感じもしますけれども。
○大門実紀史君 若干御紹介いたしますと、ジェンダー平等が進んでいる国ほどGDPが高いという点でいきますと、北欧だけじゃないんですよね。フランスやカナダ、イギリス、いわゆるいろんな意味で効率的な社会というか、新自由主義的な経済を目指したイギリスでさえ、日本よりもジェンダー平等進んでおりますし、GDPも高いということがありますので、やっぱり、どういう社会を目指すか、どういう企業を目指していくかという点で、ジェンダー平等を推進していくというのは大変大事かというふうに思います。
そういう点で、内閣府が、女性活躍を資本市場で、資本の市場で見える化しましょうという報告を出しております。これは平成二十四年ですかね。要するに、企業価値を判断する際も、女性活躍の度合いを、あるいは男女格差を是正することに努力しているかどうかを見える化しよう、見えるようにしようということが大事だということを打ち出しておりまして、そして、お手元の資料の二枚目ですけれど、厚生労働省も女性活躍推進法の中で、掲載項目と書いてございますが、要するにこの項目にあるようなものを見える化、情報開示といいますか、見える化していこうということを打ち出されているわけであります。
全体としては積極的だと思うんですが、一番大事な給与のことがないんですね。男女別の給与がどれだけ是正されているかという、表現の仕方はいろいろありますが、給与に対する項目がないんですけれど、これはなぜなんでしょうか、厚労省。
○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。
男女間の賃金格差について、その改善を図っていくことは重要な課題であるというふうに認識をしております。その男女の賃金格差の要因には、管理職の比率であったり、あるいは勤続年数の差異を始め様々なものがあるというふうに承知をしてございます。
おっしゃいましたように、その男女の賃金差異の状況の見える化、公表でございますけれども、昨年の労働政策審議会での議論におきまして、男女の賃金差異は複合的な要因の結果指標であること等から、単純な企業間比較が難しく、一律に公表すると求職者の誤解を招くおそれがあるといったような意見がございまして、女性活躍推進法に基づきます情報公表の対象項目とはしておりません。
私どもといたしましては、昨年五月に成立をいたしました改正女性活躍推進法に基づく情報公表義務の対象企業の拡大などの着実な施行でございますとか、出産や育児に関係なく女性が働き続けられる環境等のために、保育の受皿の整備といった両立支援体制の整備を推進していくなど、様々な取組を総合的に進めていくことによりまして、男女間の賃金格差の改善に努めていきたいと考えております。
○大門実紀史君 いや、私はなぜ給与を項目に入れなかったか理由を聞いているんですが、今ちょっとあったのは、それを入れると、簡単に言うと、数字が独り歩きをしてその企業に対する判断が誤解されたりということがあるんではないかみたいな話を、当時の労政審の分科会でそういう議論があったのは承知しております。
しかし、例えば、ある企業があって、元々今は賃金格差ありますね、男女のね、で、その企業は積極的に女性を採用を増やしたと。そうすると、当然、男性の勤続年数の長い人がいる中に女性がたくさん増えるとその企業の女性の平均賃金が下がって、いかにも格差のあるような、その会社は男女格差あるように見えるかも分からないけれども、それは、これだけの項目があって、うちの企業は積極的に女性の採用を増やしていますと、その結果たまたま賃金格差はそうなりますと言えばいいだけの話で、何も言わないから誤解を生むんじゃないんですかね。
これだけの項目、例えば男女の賃金格差だけしか表示しないとすると、しか開示しないとすると、いろいろ思われるかも分かりませんね。だけど、これだけの項目があるんだから、女性の採用を急にこの間増やしてきた企業は、当然、勤続年数の長い給料の高い男性がいますから、平均すると女性の賃金が低くなって格差が広がった会社に見えるかも分からないけど、これだけの項目があるんだから、その中でちゃんと説明ができるんですよね。うちは積極的に女性を採用していますよということをアピールできるわけなんですよね。だから、その独り歩きするとか誤解を招くということは当たらないと思うんですよ、私は。そのためにこれだけの項目があると思うんですよね。
だから、次のときには恐らくいろんな、先ほど申し上げましたけど、いろんな投資家サイドからも、別に女性役員の数だけを言っているわけじゃないですよね、男女格差がどれだけ是正されているかという大きな意味で言っていますから、当然給与のことも、海外の年金基金なんかはそれを見ていたりするわけですよ、企業の。だから、大きな意味ではその流れになっていると思うので、ここは厚生労働委員会じゃないのでこれ以上言いませんけど、そういうこともちょっとこれからやっぱり念頭に入れて検討していってもらいたいなということだけ申し上げておきたいと思います。
金融庁の関係でいきますと、有価証券報告書の問題でございます。
これは、隣にいます小池晃議員が予算委員会でも取り上げた問題で、大変大事な問題なので、本会議でも私も取り上げさせていただきました。
有価証券報告書、企業のいろんな情報を開示する中で、実は本会議でも評価させていただきましたが、二〇一四年には積極的な改正が行われたと。つまり、企業の女性役員の比率、数を有価証券報告書で開示するようにということで、これは、さっき言った、投資家からもどういう企業かと見るときに、ジェンダー平等がどこまで進んでいるか、男女格差がどれだけ是正されているかというのが一つの物差しになるので、そういう時代なのでということで、先ほどあった、日本再興戦略にもありましたが、そういう流れの中で有価証券報告書にも入れるようになったわけですね。
ところが、元々、元々ですね、これは小池議員が指摘いたしましたが、一九九九年の前には、前は男女の、男女別の給与額、男女別の従業員数、男女別の平均年齢、全部出したんですね。それをやめちゃったんですね、九九年にね。ちょっとやめた理由は何だったのか、改めて教えてくれますか。
○政府参考人(中島淳一君) ただいまお尋ねの一九九九年の省令改正の前は、提出会社単体の男女別の区分を含む従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均給与月額を有価証券報告書に記載することとされておりましたけれども、省令改正によりまして一九九九年三月期をもって男女別の区分の記載については廃止をされております。
これは、当時、有価証券報告書の記載内容について連結情報を中心とするディスクロージャーへの転換を図る観点から、投資情報としての有用性が乏しくなると考えられる個別情報等については可能な範囲内で簡素化の措置を講じたものということでございます。
○大門実紀史君 そうですね、九九年当時ですから、ジェンダー平等とかそういう意識がまだなかった時代ではあるかと思いますが。簡素化する、つまり簡単にしてあげる、負担を減らすみたいなというようなことが、予算委員会の答弁でも、負担だからみたいなのあったんですけど。
ちょっと資料を見ていただきたいんですけど、資料三枚目はスバルですね。スバルはいまだ男女別に、従業員数、平均年齢、勤続年数、発表しております。これは、労働組合との関係とか男女格差を積極的に是正していこうということの表れの一つだと積極的に受け止めておりますけど。次の四枚目、五枚目なんですけど、四枚目は今のトヨタですね。男女別は書いてございません。五枚目は一九九八年当時のトヨタです。これは男女別打ち出しております。
連結だから負担という言い方はちょっと違って、今連結でもこうやって提出会社ごとにありますから、全部とは言いませんけど、重立った私たちが知りたい大企業の本社については今でも提出しているわけですね。男女別だけやめていると。では、男女別に打ち出すのは大変かといったら、大企業はほとんど男女別に把握していますよ、こういう時代ですからね。だから、何か計算するとか統計を取るのが負担とか何かじゃなくて、ただ公表していないだけと。これ、実は金融庁にも問合せしてもらったら、余りそういう負担にはなっていないと、求められていないから公表していないというようなことなだけなわけですよね。
先ほど厚労省からあったように、出すと誤解されるということならば、それはその出しよう、採用数増やしたとか、いろいろ項目増やせばいいわけですよ。今、投資家から、何度も言うように、九九年の当時は投資情報として余り必要とされなかった、有用ではなかったと。今は違って、先ほど申し上げたように、投資家からも注目されているわけですからね。
有価証券報告書の今後の在り方、一遍に元に戻すかどうかはちょっとおいておいて、ただこのままでいいというふうにいかないと思うんですよね、今こういう時代でございますので。給与、待遇についても何らかの有価証券報告書の中に、投資家が求めておりますから、今の時代は、そういう記載を検討していってほしいと思うんですが、これは参考人で結構ですが。
○政府参考人(中島淳一君) ただいま委員から御指摘ありましたように、有価証券報告書においても、法令上一律に記載が求められている項目に限らず、投資者の投資判断に当たって必要であると考える場合には個別企業の判断で記載をするということができるとされておりまして、ただいま御紹介のありましたように、男女別の従業員に関する情報を有価証券報告書で任意に開示している企業もあるというふうに承知をいたしております。
こうした企業の判断で行っております情報開示も含めて、企業における女性活躍の取組を促す方策について、例えば、金融庁で現在作成しております開示の好事例集といったことも活用できないかといったことを始めといたしまして、検討をしてみたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 今最後におっしゃった、私、説明を受けて、いいなと思ったんですね、もちろん、有価証券報告書そのものも引き続き検討してほしいんですけど。
その記述情報の開示の好事例集というのが出ておりまして、これを積極的に、私は思うんですけど、企業情報というのは決して有価証券報告書だけではないと、いろんな、コーポレートガバナンスのいろんな報告書、報告できますよね、今。むしろ積極的に企業はアピールした方がいいと思うんですよね。
男女の賃金格差が日本はひどいというのはもうみんな知っていることですから、それをどこまで改善したか、うちの会社はというふうな意味で、積極的に開示していくことが必要だと思うんですね。
その点で、ちょっと最後に、もったいない、もう少し説明してほしいなと思うんですけど、その記述情報の開示の好事例集、これをもっともっと発展させてもらって、この中に、いろんな開示の例がありますけれど、ジェンダー平等に関する開示、これについてももっともっと積極的に出していってほしいと思いますが、その点、ちょっともう一遍お願いします。
○政府参考人(中島淳一君) ただいま、少し先ほどお話しいたしました記述情報の開示の好事例集というものは、投資家、アナリスト及び企業から成る勉強会を開催しまして、投資家が期待する好開示というものについて金融庁として取りまとめて、好事例集というもので公表をしているものであります。
そうした中に、ただいまお話のありましたジェンダー平等に資するような開示というものについても取り上げることについて検討していきたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 是非よろしくお願いします。
ジェンダー平等といっても、まだ私自身もどこまでつかみ切れているのかなと、長い長いいろんなことがありましたので思うところなんですけど、私、岩波新書で「女性のいない民主主義」という新書を読んで大変衝撃を受けまして、是非、麻生大臣も時間があれば読んでもらいたいなと思うんですけど。
何が書いてあるかというと、今まで民主主義とか政治とか、こう思ってきたことが実は男性だけの、男性だけの民主主義、男性支配、男性が主導の民主主義であって、それを民主主義とただ呼んでいただけで、本当の民主主義だったんだろうかということを大変衝撃的に示している本なんですね。
例えば、何でしょうね、フランス革命、一七八九年のフランス革命の人権宣言ってありますよね。あれは男性市民の民主主義、人権であって、当時、フランスの女性たちは、家庭では貧困に押し込められて、外に働いては酷使されて、そういう労働をしていたわけです。そういう女性の人権というのがない人権宣言だったと。あるいは、第一次世界大戦のときのウィルソンがドイツに宣戦布告したときに民主主義を守るためだと言ったけれども、その民主主義に女性は含まれていなかったと。なぜならば、当時、アメリカでは女性参政権を求める運動があったんですけれども、それをウィルソンがその活動家の女性たちを逮捕するというようなことを一方でやっていたわけですね。
だから、民主主義と私たちが今までずっと思ってきたことが本当に完全な民主主義だったのかということを改めて問うている本で、大変ショックを受けたといいますかパラダイム転換といいますかね、そういうふうにやっぱり捉え直さなきゃいけないんではないかというふうに、それが根底にあってこの問題を捉えなきゃいけないというふうに思っているところでございますが、最後まで、この問題は、何といいますかね、最後ですので、麻生大臣にお聞きしたいのは、基本的なジェンダー平等に対する、麻生さん、時々誤解されることもおっしゃったりしておりましたけど、やっぱり大事なことではないかというふうに思うんで、その点お聞きして終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、ウィルソンの話が出ていましたけれども、国際連盟をつくるといったときに、そのとき日本で主張したのは人種差別撤廃だったと思うんですね、国際連盟で。それで、御存じのように、国際連盟ができ上がったときには人種差別撤廃の話はきれいに消えていて、かつ、それを提唱したウィルソンの率いるアメリカは国際連盟に入っていなかったと、その程度の人ですよ、あの人は。まず、僕はそう思っています、基本的にね。悪いけど歴史として事実ですから、そういったようなことだと思っているんですけれども。
少なくとも、この話は極めて歴史の長い話ではありますけれども、幸いにして日本の場合は、アマテラスオオミカミというのは女性の神様で、これが一番偉い神様ですからね。これ、したがって、日本の場合は圧倒的に女性家族、女系家族ということになっていたんだと思いますけれども、少なくともそういった長い伝統というのがあって、そのアマテラスオオミカミも機織り小屋で働いていたと御存じのように古事記に書いてありますから、そういった意味で、一番偉い神様も働く。だから、労働は、キリスト教みたいに、若しくは旧約聖書に書いてあるように、罰として神が人間に与えたもうた、労働は罰ですから、それに比べて日本では神も働いていると。その女性の神様だったアマテラスオオミカミは、機織り小屋から出でたまい、神々はいかにしておわすぞと天の岩戸を開けたまい、高天原を眺むれば、神々は野に出て働いていたかな、何かそんな文章だったと記憶していますけれども。
そういったことなんで、元々一緒にやっていたところはあったんだと思いますけれども、やっぱり戦争とか戦国時代という時代長く続くと、だんだんだんだん男性の方がということになっていったのが後になったかなという思いがしないではありませんけど、長く平和が続いた平安とか江戸時代というのは女性の地位が極めて高いとどの本にも書いてありますので、そういった意味では、我々はそういった点をもう一回思い起こしてきちんとやっていかないと、いわゆるダイバーシティーというような話になったときに、やっぱり競合してうまくハーモナイズというか、協調しないと世の中は活性化しない、活力が出てこないという時代になりつつありゃせぬのかなと思っておりますので、少なくとも、金融庁、今半分が女性ですかね、入社員、社員、外務省、今年半分が女性になったと思いますけれども、共産党、どれくらいです、今。知らないけど、各党少しずつ増えてきておられるような感じはするんで、私当選した頃は余り女性の存在ってほとんどなかったと記憶していますけど、今は随分おられるような感じ、パーセントは随分上がってきているんじゃないのかなとは思っています。
○大門実紀史君 大変勉強になりました。ありがとうございました。