国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2020年1月30日 財政金融委員会 必要性ない大企業支援/国際協力銀行の予算を追及
<赤旗記事>

2020年2月3日(月)

必要性ない大企業支援
大門議員 国際協力銀行の予算を追及

質問する大門実紀史議員
=1月30日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は1月30日の参院財務金融委員会で、国際協力銀行が大企業の合併・買収(M&A)の支援に財政投融資など安倍政権下で約4兆円もの巨額の公的資金を提供していることについて、「必要性のない大企業支援だ」と厳しく指摘しました。

 大門氏は、国際協力銀行に当てられた約1・5兆円(外国為替特別会計の0・75兆円含む)もの公的資金がソフトバンクなどによるアメリカ企業の買収に投じられていることを批判。「ソフトバンクグループは連携ベースで利益剰余金(内部留保の一部)は安倍政権下で約1・2兆円から5・6兆円、4倍以上に増え、独自で資金調達する力がある」と指摘しました。

 麻生太郎財務相は「公的資金の活用は政策的に必要性が高いものや、民間では手が出しにくいというものが必要条件」と応じましたが、国際協力銀行の林信光代表取締役副総裁は「わが国の経済構造全体のグローバル競争の強化に資する」などと正当化しました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門でございます。
 後の討論は行いませんので、本法案に一言態度だけ申し上げておきます。この本法案による剰余金を財源とする補正予算に反対だから反対ということになるわけであります。
 主な理由としては、災害対策費等は必要でございますけれども、特に、補正予算に軍事費を計上する問題とか、後で申し上げますが、大企業のMアンドA、あと高級ホテルを造ろうというときの民間都市開発ですかね、そういうものに使われる補正予算のその財源となるというところから反対だということを一言申し上げた上で質問しますが、補正予算だけでなく本予算とも関わるんですけれども、国際協力銀行、JBICの問題を取り上げさせていただきたいというふうに思います。
 まず財務省に、参考人に聞きますが、補正予算と本予算において、財投、財政投融資と外為特会からJBICに対してどれぐらい予算を付けたのか。補正と本予算合わせた金額で結構ですから、教えてくれますか。

○政府参考人(岡村健司君) お答え申し上げます。
 JBICに対する財政投融資の措置といたしまして、令和元年度補正計画と令和二年度計画を合わせまして、一兆四千九百三十五億円を計上したところでございます。
 また、これに加えまして、JBICの成長投資ファシリティーの補完的原資といたしまして、令和元年度と令和二年度合わせまして、外為特会において七千五百億円の資金供給枠を想定しているところでございます。

○大門実紀史君 ありがとうございました。
 資料の一枚目、細かいですけど、その内訳が出ております。
 それで、政府保証も含めて大変巨額の公的資金がJBICに手当てされるわけでありますけれど、その資料の二枚目にありますけど、その使い道の重要な柱になっているのがJBICが新しくつくった成長投資ファシリティーという制度でございます。先ほどあった外為特会の貸付け七千五百億円も、これに充てられることになっております。
 まず、この成長投資ファシリティーとはどういうものなのか。先ほどもありましたけど、今、国会中継をインターネットで見られる方も多いので、ちょっと分かりやすく説明をしてもらえますか。

○参考人(林信光君) お答えいたします。
 成長投資ファシリティーでございますが、昨年十二月五日に閣議決定されました安心と成長の未来を拓く総合経済対策に基づきまして、日本企業の海外MアンドAやグローバルバリューチェーンの再編等の海外展開支援及び質の高いインフラ整備支援のため創設することとされているものでございます。

○大門実紀史君 それだけですか。もうちょっと分かりやすく何かないですかね。
 まず、私、このファシリティー問題、JBICのね、一番最初に取り上げたのは二〇一二年なんですよ、もう八年前なんですけどね。そのとき、このファシリティーという言葉そのものを、財務省の政府参考人、木下さんでしたかね、その後、事務次官になられましたけど、木下さんでさえ、ちゃんと説明できなかったんです、ファシリティーという言葉をね。で、日本語で言えばいいのにと思っていたんですけど、まだずっとこれ使っておられるんですけど、その時々によって政府参考人もこのファシリティーとは何かという解説が違うんだけれども、これ、日本語で言うと何になるんですか。

○参考人(林信光君) 融資のための制度、仕組みといった意味でございます。

○大門実紀史君 昔はメニューとか基金とかいう解説をされておられて、だったら、融資スキームとか何かもっと普通の人が分かりやすい言葉を、融資支援制度とか、日本語で言った方がいいんじゃないかと思うんですよね。やっぱり片仮名使うとうさんくさい感じがするんですよね、何かごまかしているような。で、聞いている人は分からないというのがありますので、まあそういうことらしいです。
 じゃ、この中の外国企業の海外MアンドAなんですけれど、JBICは既に、先ほど申し上げましたけど、私もずっと取り上げていますけれど、多くの実績がありますけれども、そうしたら、二〇一三年度から二〇一八年度、安倍政権になってから、このMアンドAの、何件やって、支援額は幾らになっているか、ちょっと教えてくれますか。

○参考人(林信光君) お答えいたします。
 二〇一三年度から二〇一八年度の過去六年間に行いましたMアンドAの案件でございますが、累計で百七十五件、三百七十八億米ドルでございます。

○大門実紀史君 三百七十八億ドルというと、約四兆円と思ってもいいですか。いいですかね。

○参考人(林信光君) そのとおりでございます。

○大門実紀史君 巨額のMアンドA支援が行われてきたわけでございますけれども、麻生財務大臣に基本的な考えをお聞きしたいんですけど、何度もこの問題取り上げてはきているんですけれども、八年前からですから、基本的に、財投にしても外為特会にしても、公的資金ということである以上、何でもかんでもというわけにいかないと思うんですよね。やっぱりルールあるいは厳格な基準が必要かと思うんですけど、私、質問するたびにずっと申し上げてきたんですが、最低二つの物差しが必要じゃないかと。当然、対象とする、MアンドAであれ何であれですけれども、事業に政策的な必要性といいますか公益性といいますか、当たり前のことなんですけど、それが必要ということと、もう一つは、JBICが支援しなければできない、民間だけではリスクが高いとか与信枠が超えているとかいう、民間が、公益性があるけれど民間だけではできないというふうなことが最低限の条件にならなきゃいけないと思うんですけれど、大臣のお考えを伺いたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 国際協力銀行、片仮名ではありません、国際協力銀行というんですけれども、JBICというのは。何だい、JBICとよく言われますので、国際協力銀行ですとお答えすることにしているんですけれども。
 この国際協力銀行において資金供給するに当たりましては、これはいわゆる政府資金ですから、簡単に言えば、だから政府銀行みたいなものですから。そういった意味では、いろいろ今、いろんなところがそういったものを、新興国とは言いませんけど、中国始めいろんなところがそういった、結構激しくやってきているところはありますけれども、そういったものに当たって、一応仮にも先進国の日本のやるこういった国際協力銀行ですから、私どもとしては、今、大門先生言われたように、言われた二つのテーマは絶対原則です。
 これは、何といっても一番最大の原則は、民間の業務の補完というのが第一なんですけれども、あと二つは、やっぱりこれやるに当たって政策的必要が高いと、例えば、資源の何とかということになるとみんなどの銀行も手を出さないところを、国際協力銀行が出ていくとみんなわあっと乗ってくるというようなところがありますので。そういった意味では、民業の補完プラス必要性の高いもの、これはもう絶対だと思っております。政策的な必要性が高い、国益に沿うとかいろんな表現があろうと思います。
 それから、今最初に、一番最初に申し上げたのと重なりますけど、民間じゃちょっといま一つ、ちょっと度胸なくとか、ちょっとうちには大き過ぎるとか、いろんな形で各社みんな引いているところに、ちょっと国際協力銀行が出ていくと、あそこが行くならというのでみんなわあっと出てきて、結果的にそこそこの金がまとまるというふうな、資金供給が困っているときにというこの二点というのは、最初のやつを含めまして三点かもしれませんけど、まあ大きく言えば二点、この二つは、大門先生言われたように、これはまずやるときの最低必要条件だと思っております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 国際協力銀行は、確かに、経済大国の日本が開発途上国のいろんな案件を、そういう時代ももちろんありましたし、全て何も否定的に見ているわけではないんですが、ただ、この何年間でいきますと、このファシリティーという言葉が出てきてからどうもちょっと違うなというのが思ってきているんですけど。
 資料の三枚目に、MアンドAの支援実績というのを下の括弧のところに載っけて、掲載されていますよね。これはJBIC自身の資料ですけれど、ソフトバンクによるアメリカの通信事業者であるスプリントの買収とか武田薬品とか、アメリカの企業まで買収して、それに巨額の公的資金が投じられているということなんですね。基本的に、MアンドAというのは企業の個別戦略だというふうに思うんですよね。それを国が支援することに本当に公益性があるのかということなんです。
 今大臣も言っていただいたように、自力で資金調達ができるかどうかということもまたあるんですけれど、実は、ソフトバンクグループは、もう大臣と何度も議論している内部留保だって、今、利益剰余金だけでも五兆六千億ですね。この何年かで四倍にもなっているわけですよね。つい先日も、ソフトバンクグループの一つである通信子会社のソフトバンクは社債を一兆円も発行して資金調達をしていると。独自でそれだけの力があるわけですよね。なぜそんなところにまで公的資金を使って支援する必要があるのかと。
 JBIC、例えばですよ、例えばでいいんだけど、ソフトバンクになぜそんな理由があったんですか、支援する。

○参考人(林信光君) 私どもが海外MアンドA向け融資について、ソフトバンクも含めて融資を行っている理由についてお話しさせていただきたいと思います。
 激しいグローバル競争における生き残りのため、海外のMアンドAは、自社の技術力や営業力を短期間で向上させる上で重要かつ有効な手段となっております。こうした海外MアンドAは、我が国の経済構造全体のグローバル競争力強化に資するものと考えております。
 こういった案件におきましては、自社と同規模の企業を買収する例も珍しくなく、企業規模にかかわらず、自社にとっての買収先の相対的規模は大型化しております。また、短期間に一括支払を行う必要性もございますので、長期借入れを含む良質の資金手当てが不可欠でございます。民間金融機関のみではそのような資金需要への対応が困難な場合もございまして、こういった観点から、私どもとして融資を行っているわけでございます。

○大門実紀史君 だから、ソフトバンクは資金調達、困難じゃないんですよ。自分たちで社債発行して一兆円調達するんだから。自分たちで資金調達、困難じゃないんですよ。しかも、このアメリカのスプリントの買収なんというのは、まさにソフトバンクの個別戦略ですよ。資金調達をする力もある。にもかかわらず、これを支援すると。
 私、ずっと見てきているんですけど、先ほど言いました二〇一二年のときは名前が違ったんですよね。あのときは円高がちょっと問題になっていたので、円高対応ファシリティーといったんですよね。その後は海外展開支援ファシリティーといったんですよね。で、もう名前が飽きたのか、今度は成長投資ファシリティー。何か看板はいろいろ変えるんですよ。結局やっていることは同じで、必要があるかないか分からないところの海外MアンドA支援なんですね。
 国際協力銀行とか政投銀の問題というのは、いろんな議論があって、一遍整理しようかというときもあったわけですよね。思うのは、こういう企業そのものが支援してほしいと、どうしても欲しいというよりも、JBICが自分たちの存在意義を示すために、絶えずどこかの企業に支援させてくれ支援させてくれと話を逆に持ち込んでやっているんじゃないかと。もうどう見たって必要ないですよね、これ、それぞれの企業は。強いて言うなら、JBICがかんでくれているから、ちょっと名前が、信用度が上がるかも分からないぐらいのものでね。
 先ほど麻生大臣と確認した二つの点でいえば、必要性がほとんどないところをやっている理由としては、相手先が支援を望んでいるというよりも、JBICそのものが、自分たちの存在、何かやらないと、前みたいに、もうJBIC要らない、国際協力銀行要らないとか整理しろとか言われるから、そういう理由でやっているんじゃないですか、違いますか。

○参考人(林信光君) いろいろ御指摘をいただきまして、ありがとうございます。
 私どもは、あくまで各企業の要請に応えて、一般金融機関の補完として様々な融資を行っております。その際には、日本国にとって必要な重要な資源の確保でありますとか、我が国企業の競争力の向上とか、そういった国の政策に沿った形で融資を行っているということでございますので、是非御理解いただきたいと思います。

○大門実紀史君 もう日本国にとって役に立っていないと思います。
 最後の資料、せっかく配りましたので、これはもう質問求めませんが、御紹介だけしておきます。
 これは何の資料かといいますと、外為特会からJBICへの貸付残高ですね。その利回りが三つ目の欄にありますが、〇・五二%、安倍政権が始まったときでいえば、二十五年度末でいえば〇・五二%でございます。外為特会が外貨建てで資産運用利回りした、一番右の欄ですけど、特に米国債での運用が中心なんですが、これは二・〇九%です。
 JBICに貸し付けると〇・五二%しか利回りにならない、で、米国債含めてそういう運用をすれば二・〇九%、差額は一・五七ですね、二十五年度で見ればですね。ほか、ずっとそうなっています。ただし、三十年度末だけ外貨建て資産の運用利回りが下がっておりますが、これはアメリカのFRBが利下げをしてきたという関係で、ちょっと特異な事情で、大抵はJBICに貸し付けることが利回りが少なくなる、ほかで運用した方が高くなると。つまり、これだけ外為特会でのお金が損をしているというか、損失を生んでいるということになります。
 ですから、JBICへのちょっと融資というのでなく、米国債でやれやれと思っているわけじゃないですけど、ほかの運用を考えていれば、もっと外為特会の運用収入があって、それをほかの国民的なインフラとか中小企業支援に回すことができたんではないかというふうに、ただの支援にお金回しているだけじゃなくて、国の富といいますか国のお金が損をしているんではないかというふうに思います。
 この問題はまた取り上げていきますが、今日はこれで終わります。ありがとうございました。

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