<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
今日は、税の問題について質問をさせていただきます。
消費税については、十月十六日の予算委員会で詳しく議論をさせていただきました。何よりも、景気の悪化が懸念される下で増税していいのかという点を強く指摘させていただきましたけれども、むしろ今は増税どころか減税したらどうかという提案も含めてさせていただいたところでございますが、その後も、増税の後も心配な経済の状況が続いております。
政府も、そういう状況を踏まえて、最終的にまだ分かりませんが、十兆円を超える規模の経済対策を組まなければというふうにおっしゃっておりますが、そんな規模の経済対策を組むぐらいならば、増税しなきゃよかったんじゃないかというふうに改めて申し上げておきたいと思いますし、むしろ、本当に今減税に踏み出した方が景気が良くなって、景気が良くなる中で税収を増やすということにもつながるんではないかということを改めて申し上げておきたいと思います。
その上でですけど、ところが、早くも一〇%以上に上げろという声が出てきております。経団連は、一〇%以上にと、もう、もう言うかという感じですけれども、言い始めておりますし、財政審の建議でも、一〇%は一里塚だという言い方が出ております。一方、安倍総理は、今後十年程度は一〇%でいくということとか、甘利税制調査会会長は、自民党のですね、税調会長は、一〇%以内で済む努力を続けるというふうにおっしゃっております。
麻生大臣の今後の消費税の税率に対するお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) パーセントでどうというような話の今段階とはとても思いませんけれども、少なくとも、世界経済というのに関しましては、いろいろ言われておりましたけれども、米中貿易を始めとするいわゆる通商関係等々、これは、緊張のリスクというのはこれは注意をしておかないかぬところですけど、いろいろ話合いができつつあるところ、決裂しているところ、いろいろあろうかと思いますので、注意深く見ておかないかぬところだと思っております。
世界経済の減速等々の影響は見られるとは思いますけれども、雇用・所得環境が改善しておりますし、高い水準にある企業の収益等々を踏まえますと、これは内需を支えているファンダメンタルズというものは従来同様、これはしっかりとしておりますので、緩やかに回復しているという認識は変わらないというところなんですが、税率を引き上げさせていただいた後の経済動向全体につきましては、これは台風十九号等々、いろいろ需要もありましたし、各種データをまだきめ細かく見ておく段階で、まだ十月が出たばっかりなので、何となく言えないところですが、今後とも、何というんですかね、経済の大宗を占めますのはこれは個人消費ということになろうと思いますので、国内の消費というものをよく見ながら、きちんと対応していかねばならぬところだろうと思っております。
○大門実紀史君 まあ、いいです。
それで、ちょっと長いことこの消費税の議論をしてきて、一〇%のまま、十年間一〇%でいいというのと、今までと違うと思うんですよね。今まで、私たちは増税するべきじゃないと、むしろ減税すべきだと言ってきましたけれど、今までは財務省も、八を一〇に、一〇を一五に、一五を二〇にと、経団連等の提言も、そういう上がっていくというような前提の消費税議論がずっとされてきましたけれど、十年間一〇%でということならば、これちょっと違う考え方で、甘利さんがおっしゃっているように、成長が先だと、成長すればいいんだということで税収も得るんだというような考え方でしたら、元々八のままでもよかったじゃないかと、八のままでもそういう考え方ならば税収のやりくりはできるという考え方になったんではないかと思うんですよね。
ちょっと今までの財務省とか今までの財界の、八を一〇に、一〇を一五に、二〇にというようなのと違うことを安倍政権は打ち出されたと思うんですけれども、それならば、八でもずっとやりくりするというようなことだって経済の運営手法としてあったんではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、御意見として、八のまま据え置いておけばよかったんじゃないか、八を五に下げた方がよかったんじゃないか等々のいろいろな御意見がありますけれども。
我々は、やっぱりこの国の大前提として、少子高齢化というのは、これは長期的には最大の国難と私はそう思っていますけれども、この状況でいきますと、少なくとも少子高齢化ということになるのが前提で、人口推計というのは政府の当たらない推計の中で最も当たるやつですから、その推計の中でいって、少なくとも人口推計の予想が当たるとするならば、少なくともこの皆保険をつくった昭和三十四年、五年、あの頃は勤労者六人で高齢者一人、それが今は勤労者二・何人で高齢者一人というような話になってくると、これはとてもではないけど賄えるはずがありませんので。
いわゆる皆保険という状況を後世に残していくということを大前提とするのであれば、これは、高福祉高負担のスウェーデン、低福祉低負担のアメリカのちょうど中間ぐらいの中福祉中負担ということを狙っているというのが何となく国民の合意というのであるならば、少なくともこの状況を維持するためには、いわゆる全体像というものをつくって、いわゆる高齢者にかなり偏っていたこの福祉の部分を少なくとも全体的にということで割り振っていかないかぬということを考えたときには、今申し上げたように、少なくとも八%から一〇%への消費税の引上げをもってその分に充てるという流れは間違ってはいないのではないかと、私自身はそう思っております。
○大門実紀史君 私たちと財源論は違うんですけれども、その高齢化とか対応のために一〇を一五に、二〇ということをおっしゃっていたものですから、今までも、それが一〇で十年やれるということになったらば、八で十年やることも可能ではないかということを申し上げているわけで、私たちは元々財源論は違いますけれど、ちょっと違う方向が出てきたと考えておられるのかなと思ったから指摘したわけですが。
もう一つ、IMFも、二〇三〇年までに一五%と上げたらどうですかということをわざわざ日本に来て専務理事が麻生財務大臣と、安倍総理にもお会いになったんですかね、おっしゃっていますけど、実は、二〇三〇年までに一五%というのは安倍内閣が十年間は一〇%と言うのと何も違わないわけでありまして、十年後には一五とかもあるわけですよね。だから、IMFが上げたらと言っているのは、別に安倍政権と違うことを言っているわけではないわけですね。
もう一つ、IMFって何だろうということなんですけど、私も参議院の調査団でワシントンのIMF伺いましたけれど、日本が事実上最大のスポンサーと言ってもいいし、財務省の幹部の方が何人も出向されているところでありますので、何といいますか、私は、日本の財務省とほとんど一蓮託生じゃないかと、IMFというのはですね、というふうに思っておりまして、IMFの言うことは、日本に対して言うことは、日本の財務省の意向がかなり反映しているのではないかというふうに見てきているわけであります。ですから、その二〇三〇年に一五%というのは、別に今と違う、今の安倍政権と違うことを言っているわけではないということだと思います。
そのIMFの今回の声明の中に、実は消費税を一五%にしたらどうかというだけではなくて、金融課税、何度もこの委員会でも取り上げさせていただきましたが、証券税制ですね、金融課税について、IMFも今の二〇%から三〇%にしたらどうかと、まさに我が党と同じ考え方をIMFは言っているわけですね。これは財務省、さっき言ったように、財務省の考え方を反映してIMFが代わりに言ってくれているんじゃないかというようなところがあるかと思うんですけど、そういうことなんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) IMFは日本の財務省の言いなりに言っておるのではないかという御期待なり推測なんでしょうけれども、かなり違っておるんだと思っておりますが。少なくとも、現時点で消費税を更なる引上げについて今考えているわけではないんですが、今、金融所得課税の話が出ておりましたけれども、これは御存じのように、今ありますものは、平成二十六年に、この話は一〇%だった分離課税を一五から二〇に、倍に引き上げたのが五年前だったかな、そんなものでしょう、たしか私の記憶ですけれども。
そういうことなので、これによって高所得者の方々の所得税の負担率が上昇するということになるんですが、この高所得者の配分機能に関しての回復というものに対して一定の効果であったのではないかと思っておりますので、更なる高所得課税の見直しについて、今直ちに考えているわけではありません。
その上で、今、与党税調の方でもいろいろ資産形成に関する話などいろいろしておられると思っておりますので、今の段階でお答えできる段階としては、今申し上げたように、直ちにこれを引き上げるということを考えているわけではないということであります。
○大門実紀史君 そういう御答弁をいただいていたんですが、ちょっとニュアンス変わったかなと思うんですけどね。
実は、甘利さんが税調の会長になられて、ちょっと様子変わってきたなと思っております。甘利税調会長は、成長なくして財政再建なしということで、財務省が借金大変だ大変だと言ってきた、西田さんもよく指摘されている、そういう脅しに乗らないというような点は私も同じ考えで共感するんですけれども、その甘利さんが言われる成長というのは我が党が言う成長とちょっと違って、我が党はやっぱり、国民経済全体といいますか国民生活全体の向上といいますか、そういうものが本当の成長だと思うんですけれども、甘利税調会長が言われているのは、中身からいくと、企業の成長あるいは投資の活性化、言わば経済界の成長みたいなことを掲げておられておりまして、実はその投資の活性化と関わるんでしょうけれど、金融課税ですね、先ほどの、に関して言えば、十月十日の、これはもうインタビューの段階で早くも、今年の税調で結論が出るということではないと、議論する前にですね、もうシャットアウトするというか、今年は結論出さないということをおっしゃっているわけでありまして、早々と見送りを表明されたというふうに思うんですね。
ただ、事実上、もう取りあえずやるつもりはないということではないかと思うんですが、これは十月十六日の予算委員会で私の質問に麻生大臣が検討の課題にはなっていると言われたのと、甘利税調会長のもう今年はやらないというか見送りだと、ちょっとニュアンスが違うと思うんですが、もちろん税調と、自民税調と財務大臣との立場違いますけれど、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 甘利税調会長が税調でどのような発言をされて、それがどのようなニュアンスだったかというのは、ちょっと残念ながら私、存じ上げないんですが、少なくとも私どもの自由民主党というところは、党税調であのMMFを主張される西田さんみたいな方もおられれば、とんでもないという人もおられますので、実に自由に闊達にできるところだと思っておりますので、今の先生の御指摘のありました話ですけれども、その点に関して細目詳しく知っておるわけではありませんので、ちょっとこれまでの答弁、それニュアンスが違うのではないかという御答弁に関しては差し控えさせていただきます。
○大門実紀史君 じゃ、財務省としては今の段階で、もうとにかくこの証券優遇税制の見直しは来年やらないという断言するわけではないということでよろしいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の段階でお答えられる段階にはないということであります。
○大門実紀史君 もう一つ、このIMFは声明で言って出しているのが、富裕税を検討したらどうかと。これ思い切ったことを、これも全く共産党と同じなんですけど、富裕税を検討したらどうかということを打ち出しております。
まず、今の段階で財務省は、格差が広がっているから、世界でですね、いろんなところで富裕税、一遍廃止したところももう一遍踏み出すとかいう動きがあるのを反映してIMFも言っているんだと思いますが、これは財務省の考えは反映していないのかも分かりませんけど、今の段階で富裕税について財務省いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今の段階で富裕税を検討しているかという御質問ですけど、今の段階で検討はしておりません。
その上で、この富裕税というのは、これ資産の把握というのがえらい難しいところなので、把握と、資産の評価の問題など、この富裕税を導入した国というのはほかにもありますのは御存じのとおりですが、いずれもこの問題点が指摘をされております。
日本でも、これはたしか占領中だったと思いますが、昭和二十五、六年ぐらいにこの富裕税を一回導入していると記憶していますけれども、その段階で入れて、後でやめているんだと、独立した後、たしかこれやめたんだと記憶をしますので、そういった意味ではなかなか難しいのかなと思っておりますけど。
富裕税の課税として、いわゆる所得の、何というかね、所得税とか資産税とか、そういったものについて近年累次いろいろやってきたのでということもあろうと思いますが、所得税の最高税率は四〇から四五に上げてきておりますし、基礎控除の適用、財源というのは、税率を上げましたし、上げました後すぐに下げましたしと言うべきですか、それから高所得課税の見直しということで、これは例の分離所得税を一〇から二〇に上げましたし等々の策を講じてきたところでもありますし、相続税につきましても、これは三十年、平成、あれも五年前ですか、平成二十五年ぐらいにこの基礎控除ということの引下げとか最高限度額を引き上げるというようなこと、見直しを行ってきたところでもありますので、これで所得再配分に一定の効果があったと、私どもはそう思っておりますので。
今、経済情勢等々の変化を踏まえつつ、今いろいろ検討せないかぬところであろうとは思いますけれども、検討というものは、これ税制の在り方についてはこれいつでも検討しておかないかぬものなんですけれども、そういった意味では、経済の情勢とか社会情勢とか、いろんなものの変化等々を踏まえて検討する必要があるものであろうとは考えております。
○大門実紀史君 富裕税というのは資産課税が中心なんですよね。それで、この前の予算委員会でも申し上げましたが、富裕層が大変資産を物すごく巨額にため込んでいる状況なので、そういうところにきちっと掛けたらどうかと。金融に掛けるというのもありますが、資産にもということで、大体、フランスも不動産ですよね。スペインも、再導入したのもこれも資産ですよね。今、スイスとノルウェーも富裕税、アイスランドでも時限的ですけど導入したと。アメリカが大変、あのアメリカでもといいますか、アメリカでこそなんですけど、資産課税を掲げた民主党の候補は大変人気が上がって、エリザベス・ウォーレンさんでございますが、これは純資産に対する超過累進税制ということで、大体日本円で約五十億円を超える部分に年間二%というようなことを掲げておられて、実は、これは共和党の支持者からも大変な支持を得ているというのが報道されております。
実は、政府税調も、今年の九月の政府税調の中でも今後の税制の在り方の中で資産課税についても触れられておるわけでありますので、是非踏み込んだ検討をこれからしていっていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
ちょっと時間なくなりましたが、資料を一枚配付させていただきました。
これ、今後の議論のために大変重要な資料だと思うので配付させていただきましたが、実は、要するに、資本金階級別、つまり大企業と中小企業の法人税の負担の状況でございます。説明してもらおうと思いましたが、時間が余りないので、要するに、見て分かるとおりなんですけれども。
この前に出してもらったのは、出されたのは平成二十五年版でございまして、そのときは税制調査会に出された、でございます。今回は、私の方から是非最新のものを出してもらえないかということで、作っていただいたのが平成二十九年版でございます。当初、担当の方が、膨大な作業になるのでと断られたんですけれども、忙しいからということで、国会連絡室の文書課長さんとか連絡室長さんが頑張っていただいて、国会審議にきちっと対応すべきだということで、作業して出してもらったものでございます。
大企業の負担と中小企業の負担、法人税の負担について細かくありますので、これはいろんな議論のベースになってくるものでございますので、是非、また他党の皆さんあるいは自民税調や政府税調でも使って、これを基に議論して、立場は違っても議論していただければというふうに思います。
この中身の議論はいたしませんが、一つだけ申し上げておきますと、平成二十五年版と比べてたった一つ何が言えるかといいますと、大きなところは、資本金一千万円、済みませんね、ここに二十五年版ないんですけど、結論だけ申し上げますと、二十五年と二十九年比べて何が言えるかといいますと、資本金一千万以下の小企業の負担は変わりません、ほぼ横ばいになっておりますが、十億円以上の大企業については負担が減少しております。そういう結果が表れている資料だということだけ申し上げて、中身の議論はまたにしたいというふうに思います。
今日はこれで終わります。