国会質問

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■2019年10月16日 予算委員会 消費税減税 今こそ/大企業・富裕層優遇 見直しを
<赤旗記事>

2019年10月17日(木)

参院予算委
消費税減税 今こそ
大門氏「大企業・富裕層優遇 見直しを」

 参院予算委員会は16日、質疑を行い、日本共産党の岩渕友、井上哲士、大門実紀史各議員が質問に立ちました。岩渕氏は台風19号で甚大な被害を受けた福島県内の被災者の声を紹介し、政府に避難所の生活環境の整備などを求めました。井上氏は関西電力による原発マネー還流疑惑を追及し、大門氏は安倍政権による消費税10%増税の強行に対して「緊急に5%に減税すること」などを求めました。


質問する大門議員
=16日、参院予算委

 大門議員は、政府が社会保障や財政再建のためだとしてきた消費税の導入・増税の歴史が、結局は財界・経団連いいなりに「直間比率の是正」を忠実に実行してきただけであると指摘しました。その上で、大企業・富裕層増税による財源確保策を示し、「今こそ消費税減税が求められる」と迫りました。

 「直間比率の是正」を目的として導入された消費税。大門氏の指摘に対し麻生太郎財務相は、実際に直接税と間接税の比率が導入前には8対2だったものが、67対33になった事実を認めました。安倍晋三首相は、大門氏が示した消費税収が大企業・富裕層減税の穴埋めに使われた事実には目をつぶり、消費税は「あらゆる世代が広く公平に分かち合う観点で社会保障の財源」と強弁しました。

 大門氏は「社会保障の財源を所得の低い人に重い消費税に求めるのは日本だけだ」と批判。直間比率が2対1になった結果、経団連の思惑通り大企業は巨額の内部留保を積み上げ、富裕層は資産を増大させたと述べ、「そろそろ消費税以外の財源を改革のテーマと考えるべきだ」と訴えました。

 大門氏は、世界経済悪化の中、欧米の主要国が庶民減税を進めようとしていると紹介し「日本だけ逆方向だ。増税どころか減税こそ求められている」と強調。富裕層優遇税制である証券優遇税制や研究開発減税などの大企業減税を見直せば「消費税増税は必要なく、減税にも道を開ける」と重ねて求めました。

 直間比率の是正 所得税・法人税などの直接税中心の税制から、消費税などの間接税中心の税制へ転換するというもの。1980年代後半あたりから財界、経団連が強く政府に求めてきた政策。

再稼働費増え金品拡大
井上氏「原発推進と還流一体」

質問する井上議員
=16日、参院予算委

 関西電力幹部が福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から多額の金品を受け取っていた問題について、日本共産党の井上哲士議員は16日の参院予算委員会で「国策として進めてきた原発推進政策と一体で原発マネーが還流したものだ」と指摘し、国の責任を追及しました。

 福島原発事故(2011年)後、再稼働反対の世論が広がるなかでも政府は原発に固執し、再稼働に必要な安全対策は電気料金値上げのもとで進められてきました。安全対策費は関電だけで1兆円を超え、そのうち高浜原発1〜4号機は5千億円超とされています。

 井上氏は、高浜原発3、4号機などの再稼働(16年)が進む中で、役員報酬は倍加し、さらには安全対策工事に深く関わる森山氏からは3億2千万円も関電幹部が受領する事態となっていることを指摘。森山氏からの金品受領額は、再稼働のための安全対策工事費が増えるにつれて拡大するなどの関連性を明らかにし、「森山元助役からの関電幹部への金品の提供は、『一企業の金銭不祥事』などと矮小(わいしょう)化してはならない」と強調しました。

 これに対して安倍晋三首相は「関西電力は第三者委員会を設置し、調査を行っていると承知している」と答弁。井上氏は「まるで人ごとみたいだ」と批判しました。

<議事録>

○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史です。最後の質問でございます。よろしくお願いいたします。
 また、今日は最後、私の質問のために、NHKの放映時間に入るようにということで、自民党の皆さんが大幅に質問時間を短縮していただきまして、十分収まりそうな気配でございますが、御配慮にお礼を申し上げておきたいというふうに思います。是非とも、総理も、野党に譲るべきときは譲って、前向きな度量のある答弁をお願いしたいというふうに思います。
 私の方は消費税について質問いたしますが、先ほど井上議員からもありましたが、政府として、今回の災害について、従来の支援の枠にとらわれず被災地の救援活動、復旧支援に尽力をしていただきたいとお願いをして、重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。我が党も引き続き全力を尽くしてまいります。
 政府は、消費税増税に当たり、ポイント還元など中小の商店などに万全の対策を取ると言ってきました。しかし、万全どころか、既にもう破綻しているのではないかというふうに思います。
 例えば、大阪の天神橋筋商店街というのがございます。二・六キロに及ぶ日本一長いアーケードの商店街でございまして、私もよく行きますけれども、約八百店舗ございまして、生鮮から衣料品、日用雑貨、飲食店など、たくさんのいいお店が並んでおります。調べてみましたら、十月十一日現在ですけれども、キャッシュレスポイント還元に登録したお店、僅か全体の一一・六%にすぎません。
 全国の商店街もほぼ同じような状況と聞いておりますけれども、経済産業大臣、なぜポイント還元事業に参加するお店がこんなに少ないのか、ちょっと説明をしてください。

○国務大臣(菅原一秀君) 十月の一日から始まったこのポイント還元事業でございますが、現在のところ参加店舗が五十二万件でございますが、来週二十一日、月曜日には六十一万件がスタートをいたします。毎日、今でも毎日毎日約一万件ずつその事業申請をする業者が増えておりまして、今、八十六万を今超えるような状況でございますが、これをしっかりと決済事業者がチェックをして使えるような状態にしていくということであります。
 今御指摘のあった件でございますが、中小店舗にとっては、やはり現金で仕事をしたい、現金で仕入れをして現金で売りたいという方もいらっしゃる。一方で、この事業はまだちょうど二週間でございまして、ただ、毎日一万件ずつ申請が増えてくるということは、徐々に、テレビなど、あるいは地域において一軒、三軒あったらば、この店とこの店はポスター貼っていてやっているけれどもここはやっていない、そうすると、うちもやろうかしらというような話になってくる中で、そうした中で、大変恐縮ながら、この決済事業者が入力のミスを二万件した、それは九割終えていますので、今週中に全て終わって、そうしたリカバリーをしながら、一件でも増えるように努力をしていきたいと思っています。

○大門実紀史君 十月一日過ぎてもこんなに参加者が少ないのは、手続とか周知徹底の問題ではないと思うんですよね。ポイント還元に参加しないともう決めているお店の話を聞きますと、もちろん、大臣からあったように、手数料が高いとか仕入れに現金が要るからというような声もありますけれど、一番多かったのは、なじみの現金のお客さんや高齢のお客さんがいるのに、商店街多いですよね、カードやスマホ決済の人だけ値引きするというわけにはいかないんだと。まさにお客さんのことを考えて選択しないという判断が多いんですよね。
 先ほど言いました天神橋筋六丁目、通称大阪では天六と言われていますけれど、そこで以前からもうカードを導入している、ある大変繁盛しているお店のおやじさんに聞いたら、こんなことをおっしゃいましたね、現金でやるかキャッシュレスでするか、それはもう経営者自身が経営判断でやればいいことで、それを政府がポイント還元みたいなものをぶら下げて餌にして、無理にキャッシュレスを誘導するなど押し付けがましいと、安倍さんにそう言っておいてくれと、だから言っているわけですけれども。
 とにかく、万全の対策どころか、かえって反感を買っているんですよね、反感を。だから、そもそも消費税増税というのは、中小事業者にとって身銭を切る部分がまた増えるわけですよね。その上、複数税率だのキャッシュレスだの、さらにこの先インボイスだの、余計な重い負担が加わるわけでございます。
 総理、改めて聞きたいんですけど、この、何というんですか、今回の消費税増税で中小事業者にとって何かいいこと一つでもあるんですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大門委員から様々な御意見を伝えていただいたと、御礼を申し上げたいと思いますが。
 前回、八%への消費税引上げの際には、予想以上に消費の低迷を招き、その後の景気回復にも力強さを欠く結果となりました。その際、中小・小規模事業者は大企業に比べて体力が弱く、自己負担でセールなどを実施することも困難であることから、中小企業団体からも、強力な需要喚起策などを講じるよう強い要望が寄せられてきたのは事実でございまして、今回も、事実、大手の企業はセール等も行っています。
 こうした現場の声を踏まえまして、中小・小規模事業者に限定した上で、税率引上げ幅の二%を上回る五%の大胆なポイント還元、地域の商店街などで使えるプレミアム付き商品券などの施策により、中小・小規模事業者に対する需要をしっかりと下支えすることとしたところでございます。
 特に、ポイント還元については、海外で急速にキャッシュレス決済が普及する中で、日本を訪れた外国人観光客の七割がキャッシュレスがあればもっとお金を使ったと回答しておりまして、キャッシュレス化を進めることで、来年の東京オリンピック・パラリンピックなどのチャンスを生かして、十二分に生かして、インバウンド消費の拡大を通じて、全国津々浦々の中小・小規模事業者の皆さんの持続的な成長へとつなげていきたいと、こう考えているところでございます。
 押し付けがましいと感じられた方がおられるとすれば私の不徳の致すところでございますが、今申し上げたような考え方を持って、今回、まさに中小企業・小規模事業者の皆様にとって、そこでのお買物がより喚起されるような施策として今回打ったところでございまして、御理解をいただくべくこれからも努力を重ねていきたいと思います。
 さらに、今回は軽減税率が導入されることから、軽減税率に対応したレジの導入補助を実施をしました。最新式レジの導入は、キャッシュレス化とも相まって、レジ締めに掛かる時間の低減などを通じて、中小・小規模事業者の皆様の生産性向上にも貢献するものと考えております。

○大門実紀史君 ですから、今おっしゃったような対策がほとんどもう外れているといいますか、中小事業者にとってそんなに喜ばれていないということでございます。だから、この消費税の申告の時期になると大変なことになるかと、相当の身銭を切って払うと、更に深刻な事態になるということでございます。
 しかし、消費税の最大の問題点は、お金持ちより所得の少ない人の方が負担が重いという逆進性、これが最大の問題でございます。
 パネルを用意いたしましたけど、(資料提示)しかも、今格差がどんどん広がっておりまして、グラフの上の方ですね、これは株や証券などの金融資産を一億円以上持っているいわゆる富裕層の世帯数が、二〇〇〇年の八十三・五万世帯から、まあリーマン・ショックでちょっと落ち込みましたけれども、二〇一八年の百二十六・七万世帯に一・五倍に増えております。保有する金融資産の額も、百七十一兆円から二百九十九兆、三百兆円に一・七倍にも増えております。
 一方、下の方の棒グラフでございますけれども、いわゆる年収二百万円以下のワーキングプア、働く貧困層とマスコミでも言われておりますけど、昨年は一千九十八万人、またちょっと増えましたね。要するに、十三年連続一千万人を超えているわけでありまして、いわゆる、いわゆる貧困の固定化になっているということでございます。
 また、グラフにはありませんが、日本銀行の調査によりますと、貯蓄ゼロという世帯が、片やこれだけ金融増やしている人がいらっしゃる中で、貯蓄ゼロという世帯が、若い人だけじゃなくて、五十代、六十代で三割にもなっているというような大変深刻な事態が進行しているわけでございます。
 安倍総理に、そもそも税金とは何かという点で伺いますけれど、やっぱりこの所得の少ない人ほど重くのしかかるような消費税を増税するんじゃなくて、税金というのは苦しい人から取るんじゃなくて、もうかっている人から、余裕のある人から取るのが当たり前ではないかと思うんですよね。それが政治の役割ではないかと思うんですが、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 所得再分配は税制の持つ非常に重要な機能の一つであると私も考えております。
 例えば、所得税については、再分配機能の回復を図る観点から、最高税率の引上げ、金融所得課税の税率の引上げ、基礎控除の見直し等の施策を既に講じたところでございまして、また、相続税についても、資産、資産再分配機能を回復する観点から、平成二十五年度税制改正において基礎控除の引下げや最高税率の引上げ等の見直しも行ったところでございます。

○大門実紀史君 その問題、後で取り上げますけれども、要するに、まだまだ不十分だと思うんですね。後で取り上げますけれども、その富裕層、麻生財務大臣になって、一定頑張ってそういうところをやってこられたのは知っておりますけれども、こういう消費税増税する前にもっともっときちっとやるべきことがあるだろうと思っておりまして、それは後でまた取り上げますが、こういうときにまずやるべきは、こういう大変な方々から税金を取ることが先ではないということだけは先に申し上げておきたいと思います。
 とにかく、税金というのは、生活の苦しい人よりも余裕のある人、もうかっている人から取るべきだというのが当たり前の話でございます。
 更に言えば、今上げるべきは消費税ではありません。賃金でございます。今回の増税で、この十月一日から、同じ日からですけれども、僅かな最低賃金の引上げも吹っ飛んでしまうと、政府は一体何をやっているんだということになるわけでありまして、政治の根本が間違っているとしか思えないわけでございます。
 消費税というのはそもそも何なのかということで、ちょっとグラフを作ってみましたけれども、導入されて今年で三十一年目になります。そもそも消費税とは何のための税金だったのかということですけれども、このグラフは三十一年間の消費税の収入と法人三税、所得税、住民税のマイナス、減収、減った分を示したものでございます。
 消費税は累計で三百九十七兆円の税収が入ってまいりました。国民一人当たりにしますと、三百万円以上支払った計算になります。同時期に法人三税の税収は累計で二百九十八兆円減りました。所得税、住民税の税収も二百七十五兆円減ったわけでございます。
 麻生大臣、このグラフは一体何を表しているとお考えでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) スタートの時期が少しちょっとずれていますけれども、基本的には、この前の年は少しあれが違いますので、わざとこのようにされたんだと思いますが。
 平成元年、いわゆる昭和が終わりまして、一九八九年のこの消費税の導入というのがスタートした年ですけれども、これは税負担の公平につなげるということで、これは、中というか低所得層等々を始めとする個人所得課税の負担というものを軽減して、いわゆる広く薄く負担を求めるという、いわゆる資産に対する負担を適正化する税制改革の一環として行われた。当時、三十年前の話ですけど、そういうものだと承知をいたしております。
 また、平成九年、一九九七年の消費税率の三%から五%の引上げというのは、これはもういわゆる活力ある福祉社会の実現というのを目指す視点に立って、いわゆる何というのかな、中低所得者からを始めとする個人所得課税の負担の軽減と消費税の充実というものを柱とする税制改革の一環として行われたのだと理解しておりますけれども、さらに、いわゆる人口構成が大きく変わっていく中身がはっきりして、いわゆる少子高齢化というのがはっきりしていく中で、少なくとも日本の社会保障等々は、高齢者一に対して勤労者六ぐらいの比率でつくり上げたものが、今は二・幾つ対一という比率になってくると、これはなかなかそういったものを、負担とあれの割合が非常に難しくなってくるということから、国民が広く受益する社会保障の費用というものを、これはあらゆる世代が、高齢者から若い人まであらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点から、いわゆる社会保障の財源というものをこの消費税にすべきではないかという位置付けに変わっていったんだと理解をしております。その後、平成二十六年に税率が五%から八%に引き上げ、また本年十月に八%から一〇%に引き上げさせていただいております。
 また、この状況におきまして、所得税につきましては、これは再分配機能の回復を図る、先ほど総理から申されたとおりですけれども、最高税率というのを四五%に引き上げ、高所得者に対する基礎控除というのの適用制限というのも上げさせていただきましたし、株式譲渡も、あれ、当時一〇%まで下がったのを、アメリカ、イギリス等々並みに二〇%に引上げ等々の施策を講じてきたところだと思っておりますので、そういったような形をさせていただいて、いろんな形で、この直間比率というようなものは当時よく言われた時代でしたけれども、当時、七九、八〇ぐらいまであったか、八対二ぐらいだったものが、今は六七対三三、四にまでなってきているんだと思いますけれども、そういった形で、払える人に、働いている方々の直接税に極端に幅寄っていたものを少しずつ少しずつずらさせてきていただいて、間接税の比率を高める努力をさせていただいたというのが全体としての流れと言えると思っております。

○大門実紀史君 一言申し上げますけれども、あらゆる世代に公平な負担というような考えは、実は近代国家では、税の公平性というのは世代間の公平じゃありません。負担能力のある人ない人の間の公平のことを税における公平と言います。世代間の公平と言っているのは日本ぐらいのもので、日本と財務省ぐらいのもので、ヨーロッパというのはそんな考え方を取っておりません。
 したがって、ヨーロッパも高齢化しておりますけれど、社会保障の財源も応能負担でやっております。ヨーロッパは付加価値税が高いから、いかにも付加価値税で社会保障財源を賄っているかのようなマスコミも宣伝しますが、あれ、全部でたらめですね。ヨーロッパの、欧米の高い福祉の社会保障財源というのは、所得税、法人税、社会保険料、そして付加価値税、バランスよく賄っております。ですから、所得の再分配に反するから消費税で社会保障をやるというようなことをやらないわけですね。ということはちょっと申し上げておきたいと思います。
 その上で、これをどう見るかなんですけれど、要するに、この三十一年間、全体として見れば、消費税の税収増、増えた分は法人税、所得税などの税収が減った分に消えていったということですよ。もう数字から明らかですよね。したがって、結果として、消費税は社会保障の拡充、プラスにも、財政再建にも貢献しなかったということでございます。仮にもし法人税、所得税がこんなに減らなくて、あるいはプラスになっていたら、もしかしたら消費税は、社会保障の拡充とか、あるいは財政再建に一定貢献したかもしれませんけれども、実際はそうならなかったということを明確に示しているのがこのグラフでございます。
 ですから、年金、医療、介護など、社会保障は切下げの連続でございました。国と地方の借金もこの三十一年間で二百四十六兆から一千六十九兆円に四倍にも膨れ上がったわけでございますね。ですから、そういうふうにもう数字が示しているということでございます。
 もう一つは、なぜ法人税や所得税、住民税の収入が減ったかなんですけれども、一つは税制改正ですね、麻生大臣が言われたとおり。ただ、低所得、低所得ということを言われましたけれど、一つは法人税減税でございまして、これは四〇%から二三・二%にと、後でも触れますが、更に大企業向けの優遇税制が導入されております。所得税も、もちろんサラリーマン減税もございましたけど、一番大きいのは最高税率を七〇%から四五%に引き下げたお金持ち減税を進めたことにあります。つまり、消費税の増収分はそういうものに消えていったというのが事実。
 もう一つは、景気との関係でいえば、もちろんバブルの崩壊がございました。しかし、その後、消費税の増税をやって、景気が悪くなって、法人税や所得税の税収が減ったと、そういうふうに客観的にも見られるのがこの数字、グラフだというふうに言っておきたいと思います。
 そこで、麻生大臣が言われた、最後に言われた直接税と間接税の比率ですね、直間比率がどうなったかということを麻生大臣の方から言ってもらいましたけど、実は、この消費税の導入のときは社会保障だの財政再建だのという言葉はなかったんですよ。直間比率の是正ということが目的で消費税は導入されたわけでございます。それがもうその目的どおり、八対三から、麻生大臣に言ってもらったように二対一に変化してきたということでございます。
 じゃ、直間比率の見直しは誰が言ってきたのかといいますと、これはもう御存じの方多いかと思いますが、八〇年代後半から経団連が強く強く要望してきたことでございまして、当時の経団連の提言には、所得税、法人税に偏った税体系を改めて消費税の比重を高めるべきだと具体的に、更に具体的に言っているんですよね。大企業の減税、富裕層向けの所得税の最高税率の引下げ、代わりの財源として消費税の増税とあからさまに言ってきたわけでございます。
 結局、総理に伺いたいんですけれども、あれこれ、その後、直間比率の見直しだけ言うとなかなか納得されないということで、社会保障のためとかいろんなことを途中で言いましたけれども、そもそもこの三十一年間を振り返りますと、要するに、実際には経団連が当初から求めていた直間比率の見直し、これを忠実に実行したということになるんではないでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど麻生大臣からも答弁をさせていただきましたが、少子高齢化社会における国の財源調達においては、いわゆるまず基幹三税、所得税、法人税、消費税の中でも、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、そして働く世代など特定の層に負担が集中することなく経済活動に中立的等の特徴を有する消費税の役割が一層重要になっていることは確かであります。
 いずれにせよ、各税目やそれらの比率は時々の経済社会の変化を踏まえつつ改正を行ってきた結果を反映したものでありますが、消費税については、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で社会保障の財源と位置付けておりまして、今般、全世代型社会保障制度への転換を進めていく上で重要な安定財源となっているわけでございますし、今回、三歳から五歳の幼児教育、保育の無償化を行う、そして真に必要な子供たちへの高等教育の無償化を行っていく上の財源としても我々はふさわしいものであろうと、このように考えております。

○大門実紀史君 先ほどと同じことをおっしゃっているんですけど、要するに社会保障の、少子化も含めてですね、社会保障の財源を、特に所得の低い方々に向けたものが社会保障でございますから、その財源を所得の低い人に重い消費税でやるというのはそもそも所得の再分配から反するということで、ヨーロッパではそういう考え方は取っていなくて、そんなことを言っているのは日本だけですよということを再三申し上げているわけでございます。
 直間比率が八対二から二対一に変わった結果、何が起きたかといいますと、要するに、国際競争力云々とありましたけど、後で申し上げますが、一定貢献したかも分かりませんけれども、もう巨額の内部留保にため込まれたわけでありますし、お金持ちへの減税は富裕層、さっきの富裕層が増大するということになったわけであります。ですから、この三十一年間の現実を見ますと、この先、消費税幾ら増税してもどこに消えていくか分からないと、そういう税金ではないかと思います。
 今まで、社会保障の財源といえば、先ほども何か声が出ましたけど、消費税しか思い浮かばないと。この思考停止の議論ばっかりずっとしていて、こういう現実を見れば、そろそろ消費税以外のほかの財源をきちっと改革のテーマとして考えるべきではないかというふうに思います。
 我が党は一九八九年、最初から逆進性のある消費税は廃止すべきだということを主張してまいりましたし、応能負担の税制改革を求めてきました。たとえ将来、消費税、我が党とは考え方が違う方はいっぱいいらっしゃると思うんですよね、将来の考え方は違うとしても、少なくともこれだけ景気が悪くなっているときに増税なんかしていいのかということでございます。むしろ、景気回復の思い切った経済政策として減税を考えるべきではないかと、消費税の減税を考えるべきじゃないかということをこの時点で本当に強く思います。
 世界の経済がまず今どうなっているかということを改めて、昨日ですね、昨日の日本時間の夜の十時に、国際通貨基金、IMFが、今年の世界経済見通しを改定いたしました。どういう内容か、簡潔に麻生大臣、説明してください。

○国務大臣(麻生太郎君) 済みません、今資料は出していませんけど、基本的に下方修正をいたしております。去年に比べて〇・一、実質もあれも〇・一ずつ、〇・一下げて、二〇一九年、〇・二、ごめんなさい、〇・一は日本です。〇・二、IMFの世界経済見通しが三・二だったものを三・〇に上げております、に下げております。そして、二〇二〇年度を三・五を三・四に上げ、日本に関しましては逆に〇・一上げるという形になったというように理解をしております。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 要するに、世界の経済成長率がリーマン・ショック並み、リーマン・ショックの後は五年間平均で三・三%でしたから、既にもうそれ以下なんですけれども、更に落ち込む可能性を昨日の夜、指摘する改定の見通しが出たということでございます。日本の今後の消費についても落ち込んでいくということを判断しております。
 この間、こういう世界経済の悪化に対して欧米各国は何をしてきたかということ、何をしようとしているかなんですが、個人消費を底上げしなければならないということで、実は、実はこの間、大幅な庶民減税を進めようとしております。
 ドイツのメルケル政権、中所得者向けに日本円で一兆二千億円規模の減税を提案しています。フランスのマクロン政権も、所得税、住民税で一兆円以上の減税を提案しております。政府はこれは歴史的な減税だというふうに表明しております。トランプ政権でさえ、中所得層向けの減税構想を浮上がしていると。
 今や、世界の流れは庶民増税じゃなくて庶民減税なんですよね。日本だけ逆の方向に今かじを切ってしまっているわけでございまして、世界経済が悪化の一途でございます。このとき、なぜ日本だけ増税しても大丈夫なのですか。総理、いかがですか。

○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。私、経済全般を見ておりますので。
 足下の消費の状況もよく御案内、大門議員よく御存じのとおりだと思いますけれども、失業率も二・二%と二十六年ぶりの低水準でありますし、有効求人倍率も一・五九倍と、そして六年連続で賃上げについても今世紀最高の水準の賃上げが続いております。こうした環境の下で、社会保障の安定のためには我々は消費税の引上げは必要だということで、先ほど来御答弁を申し上げているとおりでございます。
 ただですね、ただ、増税ですので、マインドには、消費者のマインドには十分注意して留意しながら経済運営に万全を期していきたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 通告していないんですよね。西村さんはカジノつくれば経済は良くなると言ってきた人でしょう。マクロ経済なんか分かるんですか。出てこないでくださいよ、本当に。
 総理に伺いますけど、これはもう時間の関係で結論だけ申し上げますが、消費者の一番大事な実感です、実感です、消費者マインドです。これが、東日本大震災のときと、そのときの消費者マインドの冷え込みと同じ規模、更にそれより下がっております。
 申し上げたいことは、世界経済はリーマン・ショック並みの落ち込みです。日本経済は東日本大震災のときの、並みの消費マインドの落ち込みですね。総理は、いっとき、リーマン・ショック級の経済危機あるいは大震災のようなことがあれば消費税増税の延期もあり得ると。これ、実際に起きていたわけではないですよ。しかし、経済や消費の落ち込みは同等のレベルに今落ち込んでいるというふうに思います。
 こんなときに消費税増税を続けたらますます消費は落ち込むというのは、もう経済の、私、自滅行為だというふうに思いますけれど、増税どころか減税こそ求められているときじゃないんでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど西村大臣の方から、担当大臣の方から、現在の雇用情勢あるいは賃金情勢についての分析、足下の経済の指標等についての政府としての見方について御説明を申し上げたところでございますが、消費のマインドを表す指標の中には一部に弱い動きが見られることには十分に注意していく必要はありますが、実際の個人消費は、雇用・所得環境の改善などを背景に持ち直しの動きが続いています。
 引上げ後も、国内消費をしっかりと下支えし、景気の回復基調を確かなものにしていくためにも十二分な対策を打っているところでございますが、円滑に実施をしていきたいと、このように考えております。

○大門実紀史君 消費マインド、消費の持ち直しと言ってもう五年もたつんですよね。何も持ち直しておりません。
 それで、どこから税金を取るべきかということで、次のパネルですけど、これは何度もお示ししているグラフでございますけれど、一億円所得超えると負担率が下がっていくというグラフでございます。
 麻生大臣、これ、なぜこうなっているか、御説明お願いしたいと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) この数字は、基本的によく、一億円のところなんだと思いますけれども、よく大門先生といろいろ議論させていただいたときによく出てくるあれで、前より大分紙が良くなったし、きれいになりまして分かりやすくなりました、本当。前、目が余り、あの委員会の部屋も暗いせいもあるんでしょうけど。
 これ、事実そういうことになっておるんですけれども、高所得者ほど所得に占めるいわゆる株式等のいわゆる譲渡益の割合というものが高いというのが、結果として、譲渡益の場合は、株でありますと分離課税で二〇%ということになりますので、そうなりますと、その分だけそういったような形になるというのが大きな背景だというように、簡単に言って一番大きな理由はそれだと思います。

○大門実紀史君 ちなみに、この資料は国税庁となっていますが、これ、元々私が国会に提出した資料でございます。二〇〇四年ですかね、二〇〇四年じゃない、二〇〇八年ですかね、第一次安倍内閣のときの尾身大臣のときに、これ何でか分かりますかと、分からないと言うので、証券優遇税制ですよと教えてさしあげて、それから政府もお使いになるようになった資料で、その後、OECDでも使ってもらっていますし、ほかの野党の方にも使っていただいております。特に著作権料いただいておりませんので、どんどん使ってもらえればと思いますが。
 麻生大臣とは何度も議論しましたけど、消費税の増税をするならば、世界標準は、一〇から二〇に上げるのは、私たちも何度も質問して答えていただいて、一〇から二〇上げましたよね。世界標準三〇%ですよ。もう消費税上げるのなら、まずそれから先に手を付けるべきじゃないかと思うんですけど、いかがですか。

○国務大臣(麻生太郎君) 一〇から二〇に上げさせていただいたときにも、いろいろ御意見をいただいた結果一〇から二〇に上げさせていただいて、かれこれ五年ぐらいたったと記憶します、しますけれども、今世界はもう少し上がっているのではないかという御指摘は、国によっていろいろ違いますけれども、おっしゃっている国もあることは事実でありますので、この点につきましては、私ども自由民主党の方の税制調査会等々において、この点については今後検討課題というようにするところまで話が来たというように理解しておりますので、これから先、ちょっとどうするか、これから先検討させていただかないかぬところだと思っております。

○大門実紀史君 あともう一つは、これもずっと我が党が追及している問題ですけど、要するに内部留保、しかも現預金、すぐにでも賃金や投資に回せるお金がこんなに増えているわけですね。
 そういう中で、一番の優遇税制が行われているのが研究開発減税でございます。これも見直しを求めております。こういうことをやれば、消費税の増税は必要ないし、減税にも道を開くことができるというふうに思います。
 この研究開発減税も消費税増税の前に直ちに見直すべきだというふうに思いますので、これも検討課題になっておると思いますので、至急進めていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

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