<議事録>
○委員長(中西健治君) 休憩前に引き続き、情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
○大門実紀史君 大門です。
今回の改正案は、暗号資産あるいは店頭デリバティブ取引への対応など、必要な措置が盛り込まれているというふうに思っております。これだけだったら賛成をしたいところなんですが、ただ、金融機関グループの業務範囲の拡大と、この点については様々な問題が、大変重要な問題があるのではないかということで、この点に絞って質問もしたいと思いますけれども。
とにかく、今データビジネスが発展しております。フィンテック、キャッシュレスといったこういう技術革新、イノベーションというのは国民の利便性を向上させるというふうに思っておりますし、安倍内閣の成長戦略においてもこのデータ分野の重要性が強く意識されているところでありますので、データビジネスが健全に発展していってもらいたいという点では、皆さん、みんな同じだというふうに思うんですよね。
ただ、現在、そうはいっても、デジタル化のマイナス面、特にいろんなルールがまだ未整備だということで様々な問題点も指摘されている、どんどん問題が出てきている最中であります。午前中、大塚さんから個人情報保護の問題がありましたし、あとスコアリングですよね、勝手に人を格付すると、信用格差の問題、それによって排除されて、あるいは人権にも関わるというような問題も指摘されるようになっております。ですから、急がれるのは、デジタル化のマイナス面を解消するためのルールや制度づくりだと思うんですが、それ、その前にどんどんどんどんやってしまおうというところに大変危険性を感じております。
もう一つは、これはちょっと違う観点なんですが、そもそも今回のこの法改正が、本当に金融機関の立場に立ったとしても、あるいは産業全体を見ても、イノベーションにつながるのか、本当にこれがイノベーションにつながるのかというちょっと大きな太い筋での問題意識でありまして、金融庁にこの問題で最初にレクを受けたときに、日本の金融機関はこういうデータビジネスで世界に後れを取っているんです、遅れているんですと非常に焦った認識を伺いまして、だから金融庁が今回の改正によって日本の金融機関にいろいろできるようにしてあげると、後押ししてあげる必要があるというふうな認識かなというふうに伺ったわけでありますけれども、それが本当に今どき金融機関にとっていいことなのかと、データビジネス全体にとって本当の意味での革新、イノベーションになるのかと、そういう問題意識を持っているところでありまして、まず、そもそも金融機関とはどんな存在なのかという点を一点確認したいと思いますけれども。
独占禁止法の十一条では、一般の事業会社に対する出資について、銀行は五%まで、保険会社については一〇%までという上限を定めております。そもそも論でありますけれど、公正取引委員会に伺いますが、この独禁法十一条の趣旨、出資制限をする理由をちょっと簡潔に教えてください。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
委員御指摘の十一条でございますが、銀行五%、それから保険会社一〇%を超えて他の国内の会社の株式を取得、保有することを禁止しておりますが、その趣旨は、銀行又は保険会社による事業支配力の過度の集中などを防止して、公正かつ自由な競争を促進するということにございます。
○大門実紀史君 資料の二枚目にもいろいろ書いてございますけれども、要するに、銀行や保険会社がグループ会社などに対して出資制限あるいは業務範囲を規制している理由というのは、こういう金融機関ですから過度な事業支配力を、資金も豊富に持っておりますので、持つおそれがあると。こういうただでさえ強い支配力を持つ銀行だという位置付けがあるわけですが、その独占禁止ルールを緩和したのが三年前の銀行の出資制限規制緩和だったわけですね。今回、更に保険会社にも緩和を進めようとしているということなわけであります。前回の三年前の改正で銀行はフィンテック会社の買収が可能になって、自分のグループの中に囲い込むということができるようになったわけでありますが、今回は親会社、銀行本体もデータを提供、データビジネスに参加するということでございます。
こういった方向が、特に銀行の権限を強めてフィンテックを後押しするという政策に対しては、これは我が党だけじゃなくて著名なエコノミストからも、こういう方向というのは公正な競争を阻害してイノベーションの妨げになるのではないかという批判の声が幾つも上がっております。
一つ二つ紹介いたしますと、あの野口悠紀雄さんなんかは、三年前の法改正についてこうおっしゃっているんですけど、あの三年前の法改正が経済原理の利用を促進するものなのかどうかは疑問だと。要するに、銀行が手っ取り早くフィンテックを取り入れて、その技術力のあるフィンテック企業を利用する、買収するだけで終わる、自社に取り込むだけで終わってしまうというようなことになるのではないかと。こんなものイノベーションでも何でもなくて、ただの囲い込みじゃないかということで、実際、大手のIT企業はどんどん新興のベンチャーを今買収していますよね。それと同じじゃないかということを野口悠紀雄さんは指摘されておりますし、野村総研の淵田康之さんは、そもそもこの議論の出発点がおかしいんじゃないかと、日本のですね。銀行がフィンテックをいかに取り込めるようにするかという、そういう問題意識からの、先ほど言いました金融庁のですね、フィンテック政策の議論がスタートしていると。そこに我が国の特殊性が表れていると。イギリスやアメリカ、欧米では、既存の銀行がフィンテックを取り込もうというような、取り込むことを政策的に促進しようというふうな発想は皆無であると。日本だけだと、金融庁挙げて銀行が取り込めるようにしてあげようというような議論はですね。これは、既存の金融をディスラプト、つまり、何というんですか、破壊的創造をして新たなものを生んでいくというようなイノベーションが発揮されなくなると、阻害するのではないかというふうなことを指摘されております。
つまり、銀行がフィンテックベンチャーを囲い込むだけでは銀行そのものの革新につながらないと、市場のベンチャー企業の発展にもつながらないと。逆に、自由な競争を阻害してしまって、逆にイノベーションの足を引っ張るというようなことにつながるんじゃないかということは、現場のエコノミストや研究者からもたくさん出されているというふうに思います。
これは政策方向の基本的な問題ですので、麻生大臣に伺いたいわけですけれども、今申し上げたように、銀行がデータやフィンテックの囲い込みを後押しするということは、逆に今の世界の流れから、あるいは市場原理の発展という点から、そういう振興からいっても、それを阻害するものに逆になってきている、なるんではないかというふうな問題意識を持っているわけですけど、麻生大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今言われた可能性を、元経営者的な感覚からいったら、それやったらその銀行は多分潰れますな。その銀行は買ってもそれ使わないわけでしょう、育たぬわけですから。今ある程度育ったやつを買って、それを使わなきゃその銀行が駄目になるというだけの話なんだと。経営者側の立場に立てば、多分それだけで、必ず使う、使う当てがないので買わないだろうなと思うんですけれども。
いずれにしても、今御指摘の、言われたとおり、これイノベーションというのを促進しなきゃどうにもならぬというんで、それを通じて利用者、使用者の利便を向上させていくということの上では、これはフィンテック、いわゆるファイナンシャルテクノロジーって会社、いろいろ今たくさんありますけれども、そういった新規参入していく事業者とか伝統的な昔からの金融業者とか、これは互いに、何というか、切磋琢磨するというんですかね、そういった指摘が行かないとどうにもならぬのだと思いますが。
今回のことは、金融制度につきましては、いわゆる事業者の新規参入というのを促すという観点から見直しを検討していくということと、もう一個は、よく言われるこのファイナンシャルテクノロジーという技術の発展とか、それから社会とか経済情勢の変化に応じて既存の金融制度というものに関する、金融機関に対して制度の見直しを行っていくという、これは両方重要なんだと考えておりますが。
前の話については、これは平成二十年、二十一年か、二十一年のあの制度改正によって、従来の銀行のみ取扱いを認めてきた為替取引については一定の額以外のものについては一般の事業者が取り扱うことを認めるとか、最近ではフィンテック事業者による為替の取引の扱いも増えてきておると思いますが。
後者の方につきましては、これは御指摘のとおり、平成二十八年の制度改正とか今回出させていただいております改正案の中でも、銀行などの既存の金融機関というものが今の利用者の要求に沿った業務を営むことができるように見直しを図っていくというところなんでして、こうした取組は、全体として見れば金融分野全体のイノベーションというものを、競争というものを促進していくのに資するんだと思いますけれども、必ずしも既存の金融機関の競争上の優位というんですかね、そういったようなものは、優位が確保されるものだとは考えておりませんので、昔のような護送船団方式みたいなイメージは今私ども金融庁にはありませんので。
いずれにしても、金融制度につきましては、事業者同士、事業者って金融業者に限りませんけど、事業者同士の適切な競争を通じてイノベーションの促進とか利用者の、利用していく人たちの利便の向上とか、そういったものの観点から更なる改善の余地というものがないか、これは今後ともこのファイナンシャルテクノロジーというものの技術の進歩とか利便者の利用の仕方とかいろいろ考えて、今後も引き続きこれは検討を進めていかなければならないと思っておりまして、御心配されております、従来の護送船団方式になるんじゃないかというイメージが多分おありになるんだと思いますけれども、そういった意思等は私どもにはないということだけは申し上げられると存じます。
○大門実紀史君 実際問題、世界の金融行政で、金融庁にも調べてもらったんですけれど、こういう銀行、金融機関本体がデータビジネスに直接関与をするといいますか、そういうことをやっている国はあるのかというふうに聞きましたけど、いろんな形でやっているのはある、日本でもそうですけど、ただ、そういうのは今のところ見当たらないということでありまして、日本だけなんですね、これ、銀行がこういうことをやることを、金融行政が。まあ護送船団と言うかどうかは別としてですね。ちょっとそういうことは逆にいろんなことを生むんじゃないかという点がありまして、私、突き放して、この荒波にメガバンクを、自らの知恵で船出してもらった方がよっぽど中長期的に見てもメガバンクのためになるのではないかとちょっと思っているところはございます。
具体的に、違う面も出てくるかと思うんですけれど、今急成長している、資料の三枚目ですけど、信用スコア事業、ジェイスコアを例に考えてみたいと思うんですけれども、配付資料三、三枚目のところですね。信用スコアサービスの分類があってジェイスコアというのがございますけれど、現在この信用スコアサービスは十社以上も参入してきているんですが、ジェイスコアというのは非常に典型的な話だと思うんですけど、これはみずほ銀行とソフトバンクの合弁会社で、一昨年九月に設立されました。ジェイスコアは、スコアリング融資ですね、日本で初めてAI、人工知能を導入したわけでございまして、ソフトバンクに集積されたビッグデータをAIが分析してスコアリング、人間を格付するわけですね。
ジェイスコアの場合はすごいんですよ、これね。勝手に資産とか年収とか取引データで、ビッグデータをAIが分析して、人をランク付けするんですね。ダイヤモンド、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズ、ピューター、ピューターというのはスズですね、金属でランク付けをするというようなことをやるわけですね。藤巻さんがダイヤモンドで、私がピューターみたいなものでございますけど、そういう、人間をとにかく勝手にランク付けするわけですよね。そのスコアリングに基づいて、あなたにはお金貸しますとか貸さないとかをもうスマホで判断する、ダイヤモンドなら幾らでもお金貸します、融通しますと、ピューターならほかに行ってくれと、こんなことですよね。
そういうスコアリング融資を、このジェイスコアは、ジェイスコアというのはみずほ銀行とソフトバンクが折半で出資した合弁会社ですけれども、銀行関連会社ですね。したがって、いろんな規制があるわけですけど、まずちょっと確認したいんですけど、一般論で結構です、ジェイスコアのことと思わなくて一般論で結構なんですけれども、銀行の関連会社で貸金業を行っている、実はソフトバンク、貸金業の登録もやっていますが、そういう企業は、新たに信用スコア販売などのデータビジネスを始める場合、どのような規制を受けるのか、金融庁と公正取引委員会両方に、簡潔にちょっと説明してください。
○政府参考人(三井秀範君) 今先生の御質問にありました、信用格付をシステムにおいて定量的に算出してデータ、スコアリングなどの販売を行うという、これを銀行の関連会社で行うということについて、どういうやり方があるかということでございますけど、一例としては、平成二十八年に銀行法の改正でお認めいただきました銀行業高度化等会社によるというふうなことも考えられるところでございます。
この場合の規制や制約でございますけれども、銀行が銀行業の高度化又は利用者の利便の向上に資する業務を営む会社を関連会社とするためには、まず認可が必要でございます。認可の審査基準でございますけれども、新たな業務が銀行業の高度化又は申請銀行の利用者の利便の向上に資すると見込まれるということが必要でございます。また、その顧客に対して優越的地位を不当に利用して不利益を与える行為が行われるおそれが、著しいおそれがないかどうか、あるいは顧客の利益が不当に害されるおそれが、著しいおそれがあるかどうかといったことも審査することとなってございます。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。
独占禁止法十一条は、先ほど申しましたとおり、その趣旨は、銀行又は保険会社による事業支配力の過度の集中などを防止することでございますが、そうしたことがない場合というのもございますので、あらかじめ公正取引委員会の認可を受けた場合など一定の場合には、例外的に五%を超えて議決権を取得、保有できると、こうされているわけでございます。
お尋ねのように、銀行が議決権を保有する会社が新たな事業を開始する場合には、その議決権の保有状況や事業の内容によっては独占禁止法十一条の規制の対象となる場合がございますが、その場合には、銀行の事業支配力増大のおそれの有無やその程度、さらに市場における競争への影響などを考慮いたしまして、銀行が当該会社の議決権の五%を超えて保有することについて認可するかどうか、これを判断するということになっております。
○大門実紀史君 ですから、そもそも野方図ではないということなんですけれども。
このソフトバンクグループは、実はGAFA、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルと、アメリカの大手IT企業に対抗し得るプラットフォームを目指しているわけであります。このソフトバンクは、膨大な携帯電話通信料、ペイペイですよね、あと関連会社のヤフーの検索サービス、ネット通販、あと位置情報、ヤフーのですね、膨大なデータ、個人情報、これをスコアリングするわけですけれども、それに更にみずほ銀行の膨大な銀行口座情報が加わることになるわけでありますね。
結局、今回の改正は、このメガバンクと大手IT、特にソフトバンクには動向を注視すべきだと思うんですけれど、そういうところにデータを、膨大なデータを集中化する、寡占化することになるというふうに思うわけであります。
ちょっと私思うんですけど、三井さんにちょっと認識を聞きたいんですけど、何かメガバンクがフィンテックを取り入れていくというよりも、私はソフトバンクの戦略をいろいろ見ていきますと、ソフトバンクというのは、まさに先ほど申し上げましたようにGAFAを目指していると。ソフトバンクの方にメガバンクが今回情報提供できますよということで取り込まれていくんじゃないかと。よく見てみると、これはソフトバンク戦略に、あるいはこれから先どうなるか分かりませんが、GAFAが日本に子会社なりつくると、それとメガバンクがやっていくとなると、日本のメガバンクが持っている個人情報がGAFAも含めて相手企業の方に取り込まれていくというふうなことだって起こりかねないと、これからですね。皆さん今メガバンクが取り込むというふうに思っていますけど、そうじゃなくて、向こうに取り込まれるというようなことだって起こり得ることに今道を開こうとしている懸念も私は感じるべきだと思うんですが、ちょっと通告していませんが、三井さん、認識いかがですか。
○政府参考人(三井秀範君) 先生御指摘のとおり、情報はある意味提供するのとそれから取得するのと両方ありますし、また、情報の中身によってはどちらにメリットがあるか、一番望ましいパターンは両者にとってウイン・ウイン、両者にとってプラスになるような、そういった情報の授受の形だろうと思います。
もちろん、金融機関が常に強者であったという時代が、情報テクノロジーの時代で必ずしもそうではないというふうに変わりつつあるように感じていまして、従来は融資活動であるとか預金を集めるであるとか、従来型の銀行業務の中で自然と銀行に情報が集まってきたということがあろうかと思いますし、また、その情報の集まり方、提供のされ方が銀行業務に密接に、不可分一体になっていたところがあるかと思います。
それが情報がデジタル化されまして、それがビッグデータ化されて、それを銀行以外の人が大量に取引をしていると、こういう実態で、その融資活動等から切り離された形で様々な企業情報であるとかが、あるいは金融情報であるとかが取引されていると、こういったところで申しますと、この話は、データ提供するから、あるいは取得するからといって、自動的に銀行がそれによって自分たちだけ有利になるということではなくて、取引の仕方によっては両者ウイン・ウインでしょうし、そこがうまく経営戦略なりビジネス戦略がうまく立っていなければ、先生がおっしゃったような懸念も起こり得るところでありまして、そこは我々としてもよく注視してまいりたいところでございます。
○大門実紀史君 とにかく、GAFAとかソフトバンクというのは、メガバンクが手玉に取られるような先のことを考えているわけですから、そういう面もよく見ておかないと何か違う方向に行く可能性があるということと、そもそもこの今回の提案が、政府の未来投資戦略二〇一八年では、要するにこういうデータの寡占化とか独占化とかがイノベーションを阻害するという点を指摘されていて、それは違うということで、GAFA含めた巨大IT企業を念頭に置いた規制強化、ルール作りが研究されているところで、こういう寡占化、独占化していくんじゃなくて、もっと言わば自由に分散的にいろんなところでやってもらうということが大事だということを政府そのものが提案をしているわけですね、データ戦略として。
そういうことから考えても、先ほどと同じような話に、質問になるかも分かりませんが、今回の、むしろ寡占化を進めていこうと、メガバンクとソフトバンクを含めてそういうところがこうやって、要するに日本でもう一つGAFAを、GAFAは問題だと言っておきながら、もう一つ日本のGAFAをつくろうみたいな、ようなことになっているんじゃないかと思いますので、これは安倍内閣の未来投資戦略と矛盾するんじゃないかと、ここではもっとイノベーションを牽引するいろんなプレーヤーをつくろうじゃないかと言っているところと矛盾するんじゃないかと思いますが、麻生大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今GAFAの話が出ましたけど、我々が今出させていただいておりますこの改正案は、今いわゆる既存の金融機関が保存しておりますというか保有しております情報とかデータというものが第三者へ提供することに関して、本業のいわゆる銀行であれば銀行業に付随するもので、かつ利用者の利便の向上というものに資するものについて業務として営むことができるということは明らかにしているものでして、金融機関のいわゆるデータの集中とか金融機関によるデータの独占というものに関して、それを加速させようと思っているわけではありません。
それで、今回のこの改正案で、従来、基本的に金融機関自身の業務にのみ活用されてきたデータというものが、第三者提供ということを通じて少なくとも金融機関以外にも活用できるようになるということで、これを通じていわゆる地域経済の活性化とか利用している人の利便の向上とかいうものが図られるということが期待されるものでありまして、基本的に、私どものいわゆる未来戦略というものと矛盾するという御指摘はちょっと違っておると思っております。
いずれにしても、金融庁としては、金融機関が今後適切に情報関連業務を営んでいくことを通じて、地域経済の活性化とか、また利用者の利便の向上というものがしっかり図られるよう、これは金融機関の取組というもの自体をきちんと注視していくのが私どもの仕事だろうと考えております。
○大門実紀史君 いろいろ、もっともっと研究をしてもらいたいというふうに思っております。
あとは反対討論で申し上げます。終わります。
○委員長(中西健治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○大門実紀史君 反対の討論を行います。
本法案には、暗号資産への規制強化、店頭デリバティブ取引の法整備など必要な措置が盛り込まれておりますが、金融機関グループの業務範囲の拡大については重大な問題を引き起こす懸念があり、賛成できません。
第一に、質問でも指摘したように、独占禁止法では金融機関の過度な事業支配を規制しているにもかかわらず、本案によりこの規制を緩和すれば、革新的な技術やデータの金融機関への囲い込みが進み、公正な競争、イノベーションを阻害する懸念があります。ルール、規制のないままデータ独占が進めば、GAFAと同様の独禁法上の問題を深刻化させることになりかねません。
また、個人情報保護制度が不十分な中で金融機関の個人情報ビジネスが拡大すれば、プライバシーの侵害や信用格差拡大による社会的排除など、人権上の問題が拡大することは目に見えています。
以上を指摘し、反対討論といたします。