国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2019年5月23日 財政金融委員会 小規模校の短所だけ 統廃合提言告発
<赤旗記事>

2019年5月25日(土)

小規模校の短所だけ
大門氏が統廃合提言告発

質問する大門実紀史議員
=23日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は23日の参院財政金融委員会で、財務省が16日の財政制度等審議会で義務教育の小規模校(1校11クラス以下)を統廃合で「解消」するよう提言した際、小規模校の「デメリット」(短所)ばかり資料に列挙していたことを告発しました。

 問題の財務省資料には、文部科学省の「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引き」から「クラス同士が切磋琢磨(せっさたくま)する教育活動ができない」「集団学習や協働的な学習に制約が生じる」など、小規模校の「デメリット」ばかりが引用されています。

 大門氏は、「手引き」では「目が届きやすい」「人間関係が深まる」「通学時間が短い」など「小規模校のメリット(長所)にも言及している」と指摘。「削るだけではなく、“必要なものには(予算を)出す”という総合判断をすべきだ」と述べ、短所だけを根拠とする小規模校解消の提言は「行きすぎだ」と批判しました。

 麻生太郎財務相は小規模校は「悪い話ばかりではない」と認め、「さらに検討していかねばならない」と表明。大門氏は「物や経費の無駄ではなく、人間の問題だ。しっかり総合判断してほしい」と要求しました。

 また大門氏は、日本銀行が4月25日に「強力な金融緩和の継続」のため、国債補完供給(SLF)の銘柄別売却上限額の撤廃を決めたのは、海外投機筋による国債の「空売り」(日銀が貸し付けた国債を売り抜いて相場を下落させ、安値で買い戻し利ざやを稼ぐ手口)の横行を招くと批判しました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 今日は、日本銀行、日銀中心に質問したいと思いますけれど、本題に入る前に一つだけ。財務省の関係で、十七、十八の各新聞に一斉に報道された問題でありますけれど、一点だけ財務大臣に伺いたいと思います。
 小規模校の統廃合問題ということでございまして、資料をお配りいたしておりますけれど、財務省は十六日に、全国の小規模校について統廃合による解消を進めるという提言を財政制度審議会に提出をいたしました。普通は、財政審で審議されて、建議になって、予算案とか法改正になったところで国会で質疑、議論がされることなんですけれど、これについてはちょっとおかしいなと思うことがありますので、財務省の提案の仕方、中身がですね、ちょっと取り上げておきたいといいますか、見解をただしておきたいと思います。
 財務省は、この資料、二枚あるのはこれは財務省のインターネットで公開されている資料ですね、財政審のなんですけれども。この提言、財務省が提言したものですが、これは、小規模校についてデメリットだけを挙げて、で、統廃合すべきだと、解消すべきだという、そういうこと、そういう結論で財政審に提案しているわけですが、これ、報道を見た地方の学校関係者とか自治体からいろいろ懸念とか示されているわけですが、問題はこの資料でありまして、デメリットだけ、これ文科省が言っているよと、文科省の資料なんですけれども、デメリットだけ挙げて、で、解消すべきだとやっているんですけど、しかし、実は、文科省はこの小規模校のメリットについても言及しているわけですね。目が届きやすい、人間関係が深まる、通学時間が短いと。だから、文科省は、もちろんデメリットもありますが、メリット両方を言っているにもかかわらず、財務省はこのデメリットのところだけ取り上げて、解消だというようなことを審議会の人たちに提言していると、これはちょっと違うんじゃないかと。
 財務省というのは、いろいろありますけど、立場違いますけれど、ただ削る削るだけじゃなくて、必要なものには出すと、無駄なものには出さないというふうに総合判断するところじゃないのかと、ですよね。その結果が立場違ってもそれが姿勢だと思うのに、一方的に文科省のデメリットの資料だけで解消すべきだということを財政審に財務省が提言をするというのはちょっと違うんじゃないかと。やっぱりメリットもデメリットも含めて総合判断をしていただきたいという提案をすべきじゃないかと思うんですけれど、これはちょっと行き過ぎの財務省のフライングじゃないかと思うんですが、財務大臣、いかがですか。

○国務大臣(麻生太郎君) 少子高齢化、地域や過疎化等々いろいろな理由があって、今、御存じのように、小中学校の規模というのは学級数というのが激減をしてきておるというのは事実です。大体、小学校で十二学級というのは二クラス六学年、三クラス六学年、まあ十二から十八ぐらいが適正規模だと言われておるんですけれども、現実問題、それ未満というのが中学で五二、小学校で四四%というのが、今現実としてそういうことになっておるというのを踏まえた上で、文部省の諸調査におきましては、これ集団の中で、いわゆる児童生徒というのは切磋琢磨する教育活動ができない等々の話やら、教員一人当たりの事務負担が重くなるといった運営上の課題が指摘をされているものと承知をしておりますが、同時にメリットと言われた、今先生の言われた話で、一人一人がリーダーを務める機会が多いというメリットがあってみたり、また学校運営上は児童生徒の家庭の状況を把握しやすいといったメリットがあると。
 事実、私らが、私というのは昭和十五年生まれですから、まあ敗戦の年に学校へ入ったんですけど、全校四人ですから、私の場合は。二年生になって全校十何人になりましたかね、そういう学校に行きましたので。小さな学校へ行くと私みたいに立派なやつになるとは言いませんよ、それほどずうずうしいことは言わないけど、現実問題として悪いばっかりの話じゃねえというのは、事実、自分としてもそれはそう思っておりますので。
 御指摘のとおり、財政審の資料におきまして、統廃合の余地というのがあるとは考えていて、実現に至っていない学校が存在するという実態につきましては、これはいろんな点から小規模校の統廃合を図るべきと指摘をしたものであるというのは事実です。
 しかし、いずれにしても、これは、児童生徒にとって社会性とか規範性を身に付けられるような教育環境を整えていくことは重要であると承知しておりますので、今言われましたように、メリットもあるではないかという点も踏まえつつ、なかなか現実問題としては難しいという現実等々も踏まえて、教育上の効果、統廃合を判断して、これは更に検討していかねばならぬところだと思っております。

○大門実紀史君 是非総合的な見地で、これ、物の無駄とか経費の無駄じゃなくて、人間の問題ですからね、本当にきちっと総合判断をお願いしたいと思います。
 いずれにせよ、午前中の西田さんの話にもありましたけど、何というんですかね、こういう何でも削ろう削ろうみたいなこの緊縮財政、緊縮政策ですよね。だから、藤井先生とかおっしゃるように、これが「プライマリー・バランス亡国論」ですか、もうそういうものが、すぐこういうのが出てきちゃうんですね、この財務省にですね。ですから、かえって、かえってといいますかね、緊縮財政が経済をかえって悪くしていると思いますし、暮らしも圧迫しているということで反発が広がって、この前のMMTの議論とかにつながってきているんだというふうに思います。ただ、若干、MMTといいますか午前中の議論でいいますと、全体としてそういう緊縮政策というのはまずいと、問題だというふうに思いますが、ただ、日銀の財政ファイナンス容認という点だけは長年この場で日銀政策を議論してきた者の一人として違うのかなと思っておりますので、あるところまでは西田さんと一緒なんですけど、違うところになると、どちらを相手に議論するかとなると三角関係みたいなところがありますけれど。
 今日は、その財政ファイナンス容認論は違うという意味といいますか、財政ファイナンスを容認していくとやっぱりリスクが大きいという点で、一つは、インフレリスクはあるんですが、このインフレリスクの問題は、何といいますか、こうすれば、ああすればいいというような知的シミュレーションといいますかね、それだけじゃなくて、生の今の経済の世界ですね、つまりグローバル経済、グローバル市場の下でのリスクというのをやっぱりきちっといつも念頭に置いておく必要があると。ああすれば、こういうときはこうやればいいんだというような、何というか、この閉鎖経済とは言いませんが、クローズの世界で考えるようなシミュレーションでは済まない世界がグローバル市場にはあるということでございます。
 今日は、国債の供給の補完制度ですけれども、一言言っておきますと、財政ファイナンス容認論、高インフレになっても抑えられると、止めることができると。そうしますと、国債価格をインフレになりますと維持しなければならなくなりますけれども、そうするときに、名目金利を、何か人為的にといいますかね、政策で抑え込もうとすると、実質金利が低下すると。そうなると、このグローバル化の中で考えなきゃいけないのは、円建ての資産がリターンが下がりますからフライトすると、資本逃避が起きると。そうすると、円安が進んでまたインフレにつながるというような、そういう悪循環に入らないとも限らないというふうな、グローバル化の中でのこのファイナンスとか、自国の中だけではなくて、そういうことも見ておく必要があるのかということは思いますけれど、今日はもっとリアルな生のお話で、去年の五月と十二月に取り上げたんですけど、海外マネー、まさにグローバルの中で現実に起きていることですが、海外マネー、ヘッジファンドを含めた海外マネーが、日銀の保有している、主に保有している国債の空売りを仕掛けているという問題を取り上げましたが、それに、後で申し上げますが、日銀の制度そのものが利用されているという問題を取り上げましたけど、その後の動きも含めて質問したいと思います。
 資料をお配りいたしましたけれど、まず、先月の二十五日の政策決定会合で日銀が決定を行われた、債券市場に係る決定を行われた中で、別紙というものがございます。別紙というものが配られまして、強力な金融緩和の継続に資する措置ということでございます。これは、この中の三番目にあります国債補完供給、SLFの要件緩和とございます。これについて質問したいと思いますが、まず改めて日銀の方から、この国債補完供給制度とは何かということを簡潔に概略説明してもらえますか。

○参考人(前田栄治君) お答えいたします。
 国債補完供給制度でございますけれども、これは、市場において、国債市場において個別の国債銘柄の需給が逼迫した場合に、国債決済の円滑確保に資する観点から、日本銀行が保有する国債をその市場参加者に対して一時的かつ補完的に供給することを目的として、翌営業日に日本銀行に戻すことを条件に売却するものでございます。
 少し具体的に申し上げますと、例えば、顧客、投資家に対して特定の銘柄、十年債、三百五十回債みたいなものを売り渡す約定をしている証券会社が、当然証券会社が手元に持っていればそれを渡せばいいんですけど、持っていない場合に、まずは自助努力によって市場調達していただくと。ただ、できない場合に、私どもの国債補完供給が利用され得るところと、こういうものでございます。

○大門実紀史君 分かりやすい説明、ありがとうございます。
 今回の決定会合では、このSLFの様々な緩和措置がとられたわけでございますけれど、もう一枚めくっていただいた資料四というところでございますが、の二に、銘柄別の売却上限額の撤廃ということで緩和措置がされております。これは上限を、貸付上限額を撤廃するということでございますが、日銀の保有残高の一〇〇%又は一兆円、いずれか小さい額という扱いだったものを、この一兆円の上限を撤廃したと、するということでございますね。
 これは何のために今回撤廃するということなんでしょうか。

○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 日本銀行が大規模な国債買入れを継続する下で、長期国債の先物の現物決済に用いられますいわゆるチーペスト銘柄という特殊な銘柄ございますけれども、そうした銘柄も含めまして、市中の流通残高が少ない銘柄が増加しております。こういうある特定の銘柄が少なくなりますと、そういった受渡しに不便が生じ、国債市場全体の流動性が低下する、市場機能が低下するという問題がございます。これに対応するためにこの国債補完供給制度ということを提供しているわけでございますけれども、近年、この国債買入れを継続する下で、市場参加者から更なる要件緩和を要望する声が聞かれておりました。
 これ、こういう制度を考えるときには、この二つの両立、言わばトレードオフを考える必要があるわけでありまして、一方で市場機能がきちんと流動性等も含めた機能が発揮できるようにするということ、一方で市場の規律が失われないように、日本銀行がそのサービスを提供することによって市場のディシプリンが低下する、あるいは悪用されるということでは困るわけでありますので、この二つを両立する必要があるわけであります。
 今回につきましては、私どもとしては、最近の国債市場の流動性と低下の状況を踏まえますと、ここで思い切った措置を講ずることが適当であると。同時に、私どもはこれは市場実勢よりもやや高めの品貸し料を課しておりますし、基本的には利用はオーバーナイトであるということですとか、あるいは昨年以降、これはあくまで一時的かつ補完的に供給するものであるという、先ほど御説明申し上げたようなことを再度確認するといった言わば歯止めがあることを前提に今回の上限の撤廃ということを決定したものでございます。

○大門実紀史君 もっと全体像を申し上げますと、日本銀行が大量に国債を買って市中にある国債が少なくなってきたということですね。で、これが決算期含めて国債で決済するときのいろいろ不都合が起きるんで一時的に貸してあげて買い戻すということが基本でありますけれど、それで今までだんだん増やしてきたんですね、上限。これは日本銀行がたくさん買えば買うほど上限増やしてきたということになるわけですが、今回その上限をもう取っ払っちゃうと、撤廃しちゃうと。この意味なんですけど、これは、事務方とも議論させてもらいましたけど、要するにいろんな副作用問題と言われる問題も起きていて、いろんなことが新たな、日銀がこれだけ買いますと、保有しますと起きていると。そういう中で、はっきり言って、いろんなことに、いろんなことが起きても対応できるように、そのために撤廃したんだと。
 つまり、一兆円を三兆円にじゃ駄目なんですか、五兆円になぜしないんですかと。今までも段階的に上げてきましたよね。いきなり撤廃ですから、その意味は何かというふうに聞いたときに、いろんなことに備えるためというように事務方からは聞いているんですけど、大きな意味でいいますと、正常化といいますか、出口といいますか、あるいは今ここまで日銀が国債保有すると副作用が指摘されていろいろなことが起きると、そういういろんなことに対応するためにも上限はなくしておこうという、大きな意味ではそういうことではないんですか。

○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げたとおり、私ども大規模な国債買入れを継続しておりますので、だんだん日本銀行の保有残高が増えるにつれて市場の流動力というのがだんだん不足してくるわけであります。私ども、物価安定目標の実現にはなお時間が掛かるということを前提にいたしますと、この大規模な金融緩和を更に長期間続ける必要があるということを考えますと、これは政策として必要ではございますけれども、これが市場機能等に与える副作用については配慮すべきであると、市場機能の低下に歯止めを掛けるような措置は講ずるべきであると考えているところであります。
 今回、最近の市場動向あるいは市場参加者の声、あるいはこうした制度の海外での運用事例ですね、フェデラル・リザーブですとかバンク・オブ・イングランドの運用事例も踏まえまして、今回は上限を撤廃するという措置が適当と判断したところでありますので、備えると先生が御指摘の意味は、これからなお金融緩和を継続すると、そういう中で市場機能に与える影響をできるだけ小さくするという意味で備えるということでございます。

○大門実紀史君 次の資料なんですけど、どれだけこのSLFが膨らんできたかということの落札金額と実施回数というのを、右下のグラフですね。急速に、この国債補給、供給、SLFが膨らんできているわけですね。それと、二〇一八年の数字も日銀に出してもらったら、最新の数字が二十二兆二千七百七十三億ということで、これよりも増えているということでございます。
 これそのものが私はもう異常な事態になっているというふうに、日銀が市中の国債を買うからこんなことになってきて決済のときにこれだけ融通しなきゃいけないと。問題は、去年の十二月、その前の五月にも取り上げましたが、このSLF制度が、国債の補完供給制度が、本来の目的といいますかね、だけではなくて、海外のヘッジファンドとか海外の投機マネーとか、国内も含めてなんですけど、そういう国債の空売りに悪用されているんではないかと、活用されているんじゃないかということを指摘して、これは私だけじゃなくて、いろんなエコノミストの方も指摘していた問題を去年の十二月に取り上げたわけであります。要するに、日銀が国債の価格を維持しようとしますと、金利を下げるために国債を買うと。そうすると、投機筋が国債を売って下落を仕掛けると。その際、空売りで、借りて売ると。どこから借りたのかというと、何と日本銀行から借りていると。その国債で売りを仕掛けたということですね。
 だから、変な話でございまして、国債価格を支えるために国債を買う日銀がいて、逆に、反対に国債を売って国債の下落を仕掛けて空売り含めてもうけようという投機筋があって、その空売りをする投機筋に国債を貸しているのは日銀と。何かもう全体図として、日経新聞によるとこれはいびつな構造と言っていましたけど、私はもうあのときに言いました、これはもう滑稽だと、悪い冗談かと、こんなことをやっていて、日銀と投機筋でという指摘をしたわけですけれども、それが、十二月の時点で黒田さんは、いや、投資家はしっかり理解しているはずだという答弁をされていたわけですけれど、私はその十二月の質問のときには入手できなかったんですが、その後、実は日本銀行は、私の質問をしたときには既に、資料の六枚目、七枚目にありますが、要するに、こういう空売りの問題点を指摘したときに黒田さんは、投資家はしっかりしているはずだというふうに私にはお答えになったんですが、そのときにはもう既に、この資料、通知を市場参加者に出していたということですね。要するに、何といいますかね、このSLFを前提にした空売りを含めた取引が行われている疑いがあるということを日銀はもう認識されていて、こういう通知を出して、ペナルティーまでかざして強い姿勢を示してきておられるというふうに思うわけですね。だから、やっぱり問題意識はあったのではないかというふうに思うわけですけれども。
 そこで思うのは、今回のこの緩和措置、上限の撤廃ですね。これはさらに、日銀も問題意識を持っておられたということが分かりましたけれども、この投機筋の空売りに利用されるというリスクは否定はできないと思いますが、どういうふうに対処されていかれるのでしょうか。

○参考人(雨宮正佳君) まず初めに、この間の国債補完供給の利用状況だけちょっと一言だけコメントさせていただきますと、委員御指摘のとおり、一七年、一八年と増えていますが、これ、そのときの金利情勢によって相当大きく変動いたしまして、御指摘のとおり、先行き金利が上がりそうだ、逆に言うと国債の値段が下がりそうだというと仕掛けてくるわけでありまして、それが一昨年とか昨年は多かったんですけれども、昨年の夏以降は、実は七月に月間五兆近く行った後は最近一兆を割っておりまして、この間は収まっているということだけ申し上げておきます。ただし、これだけ我々が国債を大量に買っていますから、基調的には増える方向だろうというふうには思っております。
 それで、基調的にはこうした利用が増えるということを前提にではありますけれども、国債の需給、あるいは、フェールと申しますが、券面がなかなか手に入らなかったということ、いろんな原因で起きるわけでありますけれども、少なくとも我々としては、我々のこの国債補完供給制度の利用を前提とした我々のオペへの応札は受け入れられないという方針ははっきりしておりまして、先ほど先生が御指摘になったとおり、我々のオペのオファー通知においてこういうものは駄目ですよということを明示するようにしたというのも、そういう意識、考えの結果であります。
 今般の要件緩和措置の実施後もこうした取扱いは変わらないところでありますし、今後とも利用金融機関も十分理解が進むよう努めてまいりたいというふうに思っております。

○大門実紀史君 全体、全体像を見ると、本当に日銀がやってきたことがこういうことを招いているといいますかね、全体が自業自得だなといいますかね、行き詰まっている表れが、行き詰まっていることそのものが投機筋に利用されているということでありますので、何といいますかね、この本当に日銀が事実上のファイナンスと私も思っておりますけれど、それが大変な事態になっているということは本当によく、いろいろ考えてはおられると思いますけど、何度も申し上げるように、こういういろんな投機筋の働きかけも含めて、こういうリスクがいっぱい押し寄せてきますからね、いろんな仕掛けが来ますので、そういうことに慎重に対応しながら、早く正常化の道に踏み出していただきたいということは申し上げておきたいと思います。
 最後に、これは、国債の空売り規制そのものは金融庁の管轄になりますけれども、麻生金融担当大臣にお伺いしたいのは、やっぱり金融庁としてもこの国債の空売り、今もう海外の売買は増えておりますから、保有はまだ、保有も増えてはおりますけど売買も増えておりますので、この国債の空売りに対する規制、これは国際的にも今課題になっておりますが、金融庁として更に強めていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 国債の空売りに関しての話ですけれども、これは、現状で今その多くがこれは国内の機関投資家によって取引をされております。若しくは保有されておりますので、空売りによります価格のいわゆる急変動のリスクというのは必ずしも高いと思っているわけではありません。
 その上で、円で取引されているということもありますけれども、いずれにいたしましても、空売りの規制というものが国債のいわゆる流動性に与える影響というものやら、関係者のコストの負担に対するいろいろなことも留意しておく必要があろうと思っておりますので、したがって、現時点で規制を導入する必要性はちょっと早急にあると思っているわけではなくて、その件に関しては慎重に検討する必要があろうと思っております。
 いずれにしても、日本銀行は約四〇数%の国債を保有しておるという状況にもありますし、海外で約六%、七%ぐらいになると思いますが、いずれにしても、今後とも適切に国債市場の状況というのをよく把握した上で、その上で、私どもとしては、必要があれば日本銀行とも連携をしつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 終わります。

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