<議事録>
○大門実紀史君 本当にもう外もだんだん暗くなってまいりまして、本当に皆さん大変お疲れだと思いますけれど、ちょっと小難しい経済の高度な議論をさせていただきたいというふうに思います。
まず、今の経済情勢どう見るかということですけど、もう一々中身は触れませんが、この間の景気動向指数、月例経済報告、日銀短観、どれを取っても景気が悪い方向に動いているということを示しております。特に、消費の低迷だけではなくて中国経済の減速、つまり輸出と生産を直撃しているということで、外需に依存してきた日本経済の脆弱さが露呈している形になっているわけです。
その点でいいますと、安倍総理は予定どおり増税すると昨年言われたときと状況が随分悪くなってきているんじゃないかというふうに思いますし、二〇一六年のときは安倍総理は、中国を始めとする海外リスクの高まりを挙げて消費税増税を延期と、こう言われましたが、今の状況はリスクというよりも実際に落ち込んでいるという状況になってきたわけであります。
この状況で増税をいたしますと、またまた日本経済に深刻な打撃を与えるんではないかというふうに思いますし、要するに、申し上げたいことは、立場は違うと思うんですけれど、景気が悪くなってしまうと増税しても税収も落ち込むし、また長引きますから、要するに元も子もないんじゃないかというふうに思うわけでありまして、やはり、何が何でも増税するというよりも、一旦ここで立ち止まって……(発言する者あり)そうですよね、考え直してみるべきときではないかと思いますが、麻生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先般、三月の二十日でしたか、出されましたあの月例経済報告におきましても、これは、景気は、このところ輸出や生産の一部に、何というの、弱さも見られるけれども、緩やかに回復しているというように認識を示されているんだと承知しております。
今言われましたように、中国の経済の話等々、またイギリスのブレグジットの話とか米中の貿易摩擦とかいろんな話が一部にあることはよく分かりますし、一部の製造業等々においても同じような指標というのが出ているというのでありますけれども、基本的にこれまでと同様、雇用、また、そうですね、基本的な給与等々を見ましても、消費や設備投資などの内需を中心とした経済成長が続いているという認識には変わりありませんので、緩やかに景気は回復しているという基調はこれ変わっていないので、少なくともマイナスではなくて〇・何%とか一%とか、期待ほど高くはないとはいえ、きちんとした方向に進んでいると思っておりますので、私どもとしてはそういう前提に立っております。
加えて、この一〇%に上げるのは、元々税と社会資本の一体改革という大前提がありますので、そういった意味では、私どもとしては、少子高齢化という中にあって一部勤労所得者だけに税の負担を過重に掛かっていくという、いわゆる人口構造上起きてくる話を、きちっとした対応を今のうちにしておかねばならぬということから今回の消費税というものを対応させていただいておりますので、過去二回延期をさせていただいておりますけれども、その頃にやっておけばとか、いろんな御意見はあろうかと思いますけれども、いよいよ待ったなしのところまで来ているんだと思っておりますので、そういったことのないように、いわゆる反動減とかそういったようなことのないように、いろんな対応をさせていただいた上で実行させていただければと思っております。
○大門実紀史君 申し上げたいことは、増税してもそれを乗り越えられるような経済状況かどうかということを申し上げているわけで、後で申し上げますが、その月例経済報告とかそういうことだけじゃなくて、そうは至っていないんではないかという点を危惧しているわけでありまして、今も麻生大臣からありましたけれど、政府は景気の悪化をこうやって危険性指摘されますと、必ず二〇一四年増税の話で、あのときは駆け込み需要とその反動減が大きくて、その対策が不十分だったと、今回は対策に力を入れるから大丈夫だという、そのことをおっしゃってこられていますけど、確かにあの二〇一四年のときは駆け込み需要と反動減、大変大きな需要変動がございましたね。ただ、それだけが原因ならば、いずれ元に戻ったはずだと思うんですね。
最初に、先に資料の三枚目に、ちょっと外国と見てほしいんですけど、日本とドイツ、イギリスですけど、ほかの国は結局戻っているんですね。反動減、若干ありますけどね、戻っているんですが、日本は戻っていないですね、消費のところ見てもらえば。
これは何なのかということが問題でございまして、これは私、二〇一四年七月に出された政府の、内閣府の経済財政白書が大変正確に、的確に指摘をしているんです。二〇一四年四月の消費税増税による物価上昇が消費に与えた影響は二つあると白書が言っていますね。
一つは、今、この間言われている駆け込み需要とその反動減の問題です。もう一つあるんですね、白書が指摘しているのは。これが大事でございまして、経済用語でいくと所得効果と言うらしいですけれども、つまり、増税が所得に与える効果といいますか、影響ですね、要するに所得を減らしてしまうという意味の効果であります。具体的には、増税に伴って価格が上昇いたします、そうすると実質可処分所得が減少すると、これが継続的な消費の押し下げ要因になるというふうに二〇一四年の経済財政白書は指摘しているわけであります。当たり前のことといえば当たり前なんですが、大変正確に二つの点だという指摘をしているわけですね。
したがって、反動減対策だけではなくて、この所得効果対策ですよね。つまり、実質可処分所得ですから、賃金から税と社会保険料を引いた名目の可処分所得を物価上昇率で割り引いた実質の可処分所得ですね、それが減少すると購買力を低下させて消費を低下させるというふうに分析しているわけですね。
私、この経済財政白書は大変優れた分析をしていると思うんですけど、茂木大臣、私、経済財政担当大臣にお聞きするのもなんなんですけど、このときの経済財政白書は大変的確な指摘をしているというふうに思うんですけれど、皆さんが出されたのに言うのも変ですけど、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) ありがとうございます、御評価いただきまして。
その上で、確かに、二〇一四年、消費税の引上げ行いましたときに、一つは、その駆け込み需要、そして反動減、これが二四半期反動減続きまして、経済の回復力、これを弱めてしまったと。同時に、その所得効果の問題もあるわけでありますが、まさにこの所得効果というのは経済が良くなっていくかどうかということによって決まってくる。そして、そこの中で可処分所得を増加させていくということは極めて重要でありますし、その基になります賃上げというのが鍵になってくると。
じゃ、賃上げの動向、今どうなっているかといいますと、連合の調査によりますと、中小企業も含めて今世紀に入って最も高い水準の賃上げ、五年連続で実現をしておりまして、現在まさに行われております本年の春季労使交渉においても多くの企業でベースアップが継続し、力強い賃上げの流れ、これは続いていると考えております。
そして、反動減対策につきましては、今回、大体恒久的に行います軽減税率の導入、そしてまた教育の無償化等によりまして国民の皆さんにお返しする部分を除いた影響、これが二兆円なのに対しまして、予算、税でそれを超える二・三兆円程度の対策を講じることによってこういった影響を乗り越えていきたいと考えております。
同時に、賃上げに前向きな投資、そしてそういった企業マインド、これをつくっていくことが必要だと考えておりまして、生産性革命に取り組む企業の労働生産性を着実に高め、技術革新、それを生産性向上につなげていくことが極めて重要だと思っております。
二〇一六年当時と比べまして状況が似ているのではないかという話でありますが、二〇一六年当時で申し上げますと、これは、リーマン・ショック後の世界経済の成長、これを牽引してきた新興国経済、さらには資源産出国の経済全体が悪くなりまして、それによって世界経済全体がリスクに直面する、こういった共通認識が持たれたわけでありますが、例えば、現在でいいますと、アメリカ経済、これが世界経済の大体四分の一を占めておりますが、この成長、これは潜在成長率が二・二%に対しまして二・六%と極めて堅調でありますし、また日本経済を見てみましても、個人消費、そして設備投資、これが大体GDPの七割を占めるわけでありますが、これはしっかりしていると、このように考えております。
○大門実紀史君 お聞きしたこと以外延々とお話しされましたけれども、もう少しかみ合った答弁を時間の関係でしてほしいんですけど。
かつて竹中平蔵さんが経済財政担当大臣だったんですよ。私、五十四回議論させてもらいましたけれど、答弁書なんか読まないで、聞かれたことをすぱっと、かみ合った議論を結構させてもらいました。まあ好き嫌いは別として、なかなかいい論戦相手だったなというふうに思っているところでございまして、やっぱり経済財政担当大臣というのは聞いたことにすぱっと、こちらもすぱっと聞いているわけですから、答えていただきたいと思います。
要するに、その連合の話とかもう聞き飽きた話じゃなくて、いろいろ言われますけれど、この経済財政白書が指摘しているのは、要するに一人当たりの実質賃金が、実質可処分所得、つまりその所得効果、消費税押し上げをクリアするぐらいの一人当たりの実質賃金上げるか、あるいは税と社会保険料のがくっと軽減をするか、どちらかしかクリアできないということを茂木さんの内閣府が出しているということでございますので、その点にかみ合って答えてもらいたいわけですけれども、そうなっていないというふうに思います。
次のところでも同じ議論になりますので入りますけれど、先ほどからございました駆け込み反動減対策なんですけれど、政府はいわゆる平準化しようということでガイドラインを出されましたですね。お手元に配付いたしましたけれども、消費税率の引上げに伴う価格設定についてのガイドラインと。このガイドラインを出された趣旨と基本的な考え方を、これ本当に簡潔に教えてもらえますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 昨年十一月二十八日にガイドラインを公表したところでありますが、基本的な趣旨、これは、経営判断に基づきます自由な価格設定は認めておりますが、一方で、コスト上昇や需要の増加など合理的な理由のないいわゆる便乗値上げに対しては、引き続き消費者庁において適切に監視し、厳格に対応していくと、こういう考え方で、このガイドラインに沿って事業者、消費者に需要変動の平準化、これを徹底していきたいと思っております。
○大門実紀史君 この傍線引いたところに書いてございますけれども、要するにヨーロッパは、増税に伴う価格引上げ時の事業者がいつ増税に伴って価格を引き上げるか、あるいは幾ら引き上げるか、これは自由設定になっているということが実は今回の肝だと思うんですけれど、そういうヨーロッパのようなやり方を日本でも進めていこうという趣旨でよろしいですか。
○国務大臣(茂木敏充君) それで結構ですが、その一方で、先ほど申し上げたように、コストの上昇や需要の増加など合理的な理由のないいわゆる便乗値上げ、これにつきましては引き続き適切に監視し、厳格に対応していきたいと考えております。
○大門実紀史君 それではお聞きいたしますけれども、そもそもなぜヨーロッパで税率引上げに当たって事業者がいつ幾ら価格を引き上げるかということが自由に判断するようになっているのか、あるいはなってきたのか、その背景を説明していただけますか。
○国務大臣(茂木敏充君) ヨーロッパにおけますいわゆるバリュー・アデッド・タックス、付加価値税、日本と若干制度は違っておりますが、導入は一九六〇年代から七〇年代前半、そして何度にもわたって税率の引上げの経験積み重ねてきておりまして、そういった中で、税率の引上げに当たっては、どのようなタイミングでどのように価格設定するか事業者がそれぞれ自由に判断する、こういった慣行といいますか、そういった形になっているということです。
○大門実紀史君 もう少し詳しく申し上げますと、ヨーロッパの付加価値税と日本の消費税、日本は消費税という名前ですけど、実質付加価値税なんですね、名前、呼び方を消費税にしているだけですね。この付加価値税というのは、納税義務者は事業者ですね、日本もそうですね。何に掛かるかというと、文字どおり付加価値に掛かると。事業者の売上げから仕入れを引いた粗利益ですね、これに掛かる税金というのが本質的にそういうものがあるわけでございます。
ですから、言ってしまえば税務署は、その事業者がお客さんから、消費者から税金をもらえようがもらえまいが、計算した付加価値に税率掛けて納税してもらいますよと、こういう仕組みなんですね、基本的にですね。これ、日本も同じでございます。
ヨーロッパは、そういう税金だということが最初から意識されてきて、長い間の歴史がありますので、結局、付加価値税が引き上げられたということは、付加価値税そのものが事業者が払うコスト、コストの一つというふうにみなされてきて、あれこれコストがあってそれに利益を上乗せして価格に転嫁するわけですけど、コストに見合ってですね、そういうふうに考えてきておりますので、この付加価値税が上がっても、それはコストが上がったと、どう価格に転嫁するかだと、価格の転嫁の仕方は、これはまさにほかのコストが上がったときと同じようにその事業者が判断をすると、判断するものだというふうになってきたわけでありまして、そういうところがちょっと日本と違うわけですね。
ですから、ヨーロッパの場合は、付加価値税が上げられると、二%上げられるとしても、一斉にその会社の製品を上げるとは限らないんですね。会社によっては二%分体力があって吸収力があれば上げないで、そうすると競争力増しますから、上げない場合もあるし、場合によってはこの商品は、全体で二%としても、この商品は三%上げるけどこの商品は一%しか上げないと、こういうことも自由にやれると。
つまり、自分たちのコストの中でそれをどう価格に転嫁するかだけだというような考え方ですね。ヨーロッパは全て総額表示ですから、つまり売れ筋を見極めながら、市場を見極めながら価格設定をすると、付加価値税はコストにすぎないと、こういう考え方、だからそういうふうになっているわけですね。
ですから、時期の問題も、ヨーロッパではクリスマスのときに需要が高まりまして、少々高いものでも売れますから、そのときに税率を上げて、後で、増税した後は若干冷え込みますので、そのときに価格を下げるということもやられているわけでありまして、時期も会社の経営、企業の経営判断でいろいろ自由にやるということがあるということがこのヨーロッパの話なんですね。
それを前提に考えますと、資料の三枚目なんですけど、先ほどの日本とドイツとイギリスなんですけれども、ドイツとイギリスは、真ん中の段ですね、日本はがくっとこの反動減がひどいですけど、ドイツもイギリスも若干の駆け込みと反動減はあることはあるんですけれど、戻っていっていますよね。この戻っていっているというのは、事業者の価格設定の自由度があるから戻っているということの解釈を政府はされているんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 価格の設定、基本的には一つは需給、それはかなり細かい個々の売れ筋商品に対する需給で決まってくる。同時に、コスト競争力がどこまであるかと。
委員おっしゃるように、コストが上がれば当然価格を上げていく、ただ、コスト競争力があるところが上げなかった場合にほかの会社がどうすると、こういったことはあるんだと思っておりますが、そういった中でヨーロッパの価格設定が決められているということだと思いますけど、我が国におきましては、消費税の導入、一九八九年ということでありまして、税率引上げ時に一律一斉に価格が引き上げられると、こういう認識が当時定着していたということで、実際、二〇一四年も同じような状況が起こったんではないかなと、このように分析をいたしております。
○大門実紀史君 私は、なぜこれ今取り上げているかというと、このガイドラインの方向は政府が思っているようにならなくて、かえって中小事業者とかそういう方々を競争に、激しい競争にさらすんじゃないかということと、便乗値上げが起こってしまうじゃないかという問題意識を持っているので、ちょっと今質問をやっているわけなんですけどね。
この資料三のところの外国との比較なんですけれども、一つは、確かに事業者の、ヨーロッパは事業者の先ほど言いました価格設定の自由度があります。もう一つは、この上の欄、物価のところを見ていただきたいんですけれども、物価見ますと、ドイツやイギリスは、これインフレなんですね、インフレトレンドなんですね、インフレトレンド。御存じのとおり、インフレというのは、インフレで賃金が上がるというのがありますので、実質賃金上がっているんですね、ドイツもイギリスも。
OECDの統計で見ますと、九七年を一〇〇とした統計が一番新しいんですけれど、実質賃金指数でいいますと、ドイツは九七年を一〇〇とすると、二〇一六年段階でドイツは一一六、イギリスが一二五、日本は八九・七、マイナス、減少しているんですね。つまり、先ほど言いました経済財政白書が指摘した所得引上げということが実行されているので、消費がその後落ち込まないで元に戻っているというふうに見るべきグラフなんですよね。ですから、あれこれじゃなくて、まさに経済財政白書が指摘したとおり海外はなっているということであります。
それに比べて日本は、じゃ逆に、なぜこうなっているのかということなんですけれど、これはもちろん、何度も指摘しているとおり、賃金が上がらないのに消費税増税を強行してきたという点がありますけれども、もう一つは、日本の場合は、ヨーロッパと違うのは、消費税を導入するときに事業者の方々の抵抗がかなりありました。それは何かといいますと、自分たちが納税義務者になると、お客さんから本当にもらえるんだろうかと、転嫁できるんだろうかという不安があって、事業者の、特に小零細、中小事業者の反対があったわけですよね。
それに対して、いやいやと、転嫁すればいいんですよということも含めて、付加価値税という名前をやめて消費税と、お客さんに転嫁できると、するんだということを強調するために、ヨーロッパのように付加価値税と付けないで消費税としたわけであります。その流れがあるわけですけれど、二〇一三年、前回の増税前に消費税転嫁対策特別措置法というのを制定されました。それは主に事業者が転嫁しやすいようにバックアップしてあげる。同時に、便乗値上げは駄目ですよと、何々は駄目ですよと。いろんな、これは当時、マスコミが便乗値上げじゃないかとか益税だというようなキャンペーンやりましたから、それへの対応もあったんでしょうけれど、とにかく政府挙げてわざわざ転嫁対策特別措置法を制定して、要するに、事業者の価格設定にいろいろ口を、まあ縛ったといいますかね、まあ善かれと思った部分もあると思いますが、口出しをしたということがあるわけですね。ですから、あらゆる商品は同じ税率で、引き上げた分だけ、増税日、何月何日に一斉に引き上げるということになってきたわけであります。ですから、四月一日からの増税のときに、三月三十一日、一斉に値札を張り替えるということが行われたわけですね。
つまり、日本のこのグラフの反動減、駆け込み需要の反動減というのは、自然にできたんじゃなくて、一つは、さっき言った実質賃金が上がっていないということと、もう一つは、こういう政府が誘導あるいは奨励してきたということがあるんではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 奨励してきたわけではありませんが、便乗値上げ、これは避けなければいけない。同時に、特に中小事業者、体力の弱い事業者が取引先、大企業との関係でしわ寄せを受けないように、増税分を負担させられるようなことがないように転嫁対策しっかり取り組んできた、その趣旨をきちんと伝える、やろうとしていることはそういうことなんですよということで、今回、先ほど申し上げたガイドラインの方を公表させていただいたということであります。
○大門実紀史君 それなら、もう今までどおりでよかったと思うんですよね。わざわざこのガイドラインを出されて、価格の自由設定で進めてくださいとされたわけであります。
資料の二枚目に戻っていただきますと、新しくそのリーフレットも作られました。これは、要するに、やっていいこと、やっちゃいけないこととありますけれど、これは何にも変わっていないんじゃないかみたいなことありますけれど、そもそも、先ほど申し上げました消費税転嫁対策特別法では、消費税値引きしますとか、消費税還元セール、これは駄目ですよという趣旨は、消費税という言い方をするかどうかということよりも、増税時に、増税したときに競争力のある大手は値下げキャンペーンができると、バーゲンができると。それができない中小を守るためにやられた措置であって、消費税と言うか言わないかは、実はあのときには主要な問題ではなかったと思うんですね。
ところが、今回、わざわざこれ出されて、禁止されませんよと、消費税とさえ言わなきゃ二%還元でもいいですよと、二%の値下げでもいいですよと。これを出されますと、実際これやると思うんですよね、大々的に今度は。中小が太刀打ちできるのかということなんですね。
世耕大臣に伺いますけれど、まあこういうことがあるので、あるかも分からないので、近くの、まあ何というんですか、中小の商店は五%ポイント還元ですか、そういうところで支援していくというようなことを答弁されるのか分かりませんけれど、聞けばですね。
その前に申し上げたいのは、こういう大手の、近くの大手スーパー、大規模小売店が二%還元セールと、消費税とは言わないけど、一斉に同時期にやるといったときに、その近くの中小の商店街の幾つかのお店が、うちは五%ポイント還元、大体その大手の方は現金で、レジで何もやらなくて今までどおりで二%やりますと。ところが、中小の方は、キャッシュレスなら、カードなら五%還元ですと、こんなややこしいことを言われて、周りではもう大手スーパーがやっているわけですよ。そのときに、その近場の商店がそういうことで対応してくださいと言われて、そんなややこしいことやれるかというふうに普通は思うんじゃないでしょうかね。世耕大臣、いかがですか。
○国務大臣(世耕弘成君) その辺を、ですからやりやすくするために、端末の補助とか手数料の補助とか、あるいは掲示を統一するということもやらせていただくわけであります。そもそも、これ国が五%のポイント分、中小・小規模事業者が負担しますという意味で、ある意味、大きなキャンペーン的な要素も出てくるというふうに思いますので、この取組で十分、中小企業者の応援になり得るというふうに考えています。
○大門実紀史君 私、先週末、選挙で和歌山に行って、和歌山市内、宣伝カーで消費税増税中止しましょうと言って、そしたらみんな手振っていましたけど、そんなに現場はやれると思っていますかね。
万々々が一ですよ、ある商店街で五%ポイント還元セールが大成功したとしますじゃないですか。そしたら、その近くの大手スーパーは必ずそれに対抗して二%以下のをやりますよ。そういうものですよ、今度はそういうことをやっていいということになるわけだから。だから、幾らそのポイント還元とかで対応してくれといっても、このガイドラインの方向はかなり中小事業者に厳しいものになるのではないかというふうに思うわけであります。
もう一つありまして、先ほどの、危惧されるのは、三枚目の方にちょっと戻っていただきますと、先ほど言いましたとおり、ドイツやイギリスはインフレですよね、日本はデフレでない状況とか言いますけれどもまだまだデフレ、インフレまで行っていませんよね。この状況は何なのかということですね。
このインフレの状況というのは、インフレ傾向というのは増税と関係なく上がっていくトレンドがありますから、要するに上げやすいわけですよね。みんなで上げればというような、そういうトレンドですよね。ところが、今度は、今回のガイドラインでは、増税後の値下げも奨励されていますし、増税前に値上げしてもいいと、それが平準化するんだとおっしゃっていますけれど、中小業者の立場で考えますと、インフレならばもう全体の流れでそれできると。しかし、デフレのときになると、よほどの競争力のあるところしかそういうことはできません。そうなりますと、経済状況が違うヨーロッパのやり方を急にやれといっても、これやっぱり中小事業者が置いてきぼりになる、あるいは激しい競争に急にさらされてしまうことになるというふうに思うんですよね。
そこまで茂木大臣、お考えになったでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 基本的に、事業者がビジネスをするに当たっては競争というのはあるわけであります。その激しさ、それはその時々によって違ってくる、また業種によっても違ってくる部分はあると思います。
それで、今回、消費税の引上げに伴いまして、そういった価格設定、自由に中小企業者も行えるようにポイント還元等々の支援策を行う、これは大企業に行うわけじゃありませんから、しかも五%ポイントということでありますので、それによって競争条件、中小企業にとって不利にならないような措置をとったところであります。
○大門実紀史君 だから、そうならないんじゃないかということを最初から質問しているわけです。
最後に一点だけ。これ、便乗値上げが横行する危険性もあるかと思うんですよね。なぜかといいますと、もう税率が上がる前から価格設定上げてもいいということになりますと、今まではそういうことをやるなというのが主要なあれでしたよね、今度は経営判断でやると。
例えば、毎年四月に自分のところの会社の新製品の価格を決めて、一年間の事業計画を立てている企業があるといたします。今までだったら増税のとき以外上げちゃいけないから、九月の三十日までは例えば千円の商品は千円で、十月一日以降千二十円でというふうにやってきたわけですね。ところが、今度はその会社の経営判断で、後で落ち込むかも分からないから値下げすることもあるので先に上げてもいいですよというようなことをヨーロッパのようにやれということになりますと、もう四月一日、その年度のその会社の製品価格を決めて事業計画を決めるときからもう一千二十円にするということをやっていいということになるわけですね、今度ですね。
これは、今までだったら便乗値上げということで、まあ厳しく取り締まったかどうかは別として、そういうことをやらないでくれということでありましたけれど、今度はできるようになってしまうのではないでしょうか。茂木大臣、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、基本的な前提として、一般の民間企業の価格設定、それは公共料金と違いますから、公共料金と違いますので、完全に決めて、その値段を一年なり据え置くということではなくて、その時々の需要変動等に応じながら柔軟に行っているのがビジネスの慣行だと思っております。
そこの中で、コスト上昇が起こっていない、需要の増加もない、こういう合理的な理由がない中での便乗値上げにつきましては、先ほど申し上げたように、消費者庁において適切に監視し、厳格に対応していきたいと思っております。
○大門実紀史君 もう時間なので終わりますけれど、もう少しかみ合った議論をしてもらいたいなということを申し上げて、またこの問題、指摘いたします。
今日は質問を終わります。ありがとうございました。