国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2019年3月27日 本会議 増税前提の改定に反対 所得税法等改正案
<赤旗記事>

2019年3月28日(木)記事

地方税法・所得税法 増税前提の改定に反対
山下・大門氏
参院本会議

反対討論に立つ山下議員
=27日、参院本会議

 
反対討論に立つ大門議員
=27日、参院本会議

 改定地方税法、改定所得税法などの採決が27日、参院本会議で行われ、いずれも自民、公明両党などの賛成多数で可決・成立しました。採決に先立ち、日本共産党の山下芳生議員と大門実紀史議員がそれぞれ反対討論を行いました。

 山下氏は、改定地方税法などについて、消費税増税を前提としていると指摘。景気が急速に悪化し、地方税収の総額も減らした1997年の消費税5%への増税を例に、「政府は今月、景気動向指数と月例経済報告で景気判断を下方修正せざるを得なくなった。10%への増税強行は、坂道を下る日本経済を後ろから蹴飛ばし、谷底へ転げ落とす」と警告しました。

 さらに、10%増税は、安倍政権による国民健康保険料(税)の都道府県単位化がもたらす保険料大幅値上げとの「ダブルパンチ」となり、「家計消費はいっそう冷え込み、地方税収は抑えられる」と強調。富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革で10%増税を中止し、高すぎる国保料を値下げするよう求めました。

 大門氏は改定所得税法などが「10月に予定する消費税増税を前提としている」として反対しました。

 消費税は低所得者ほど負担が重くなるため「所得の再分配を意図する社会保障の財源にはふさわしくない」と指摘。消費税導入後の30年間をみると「法人税や所得税の減収の穴埋めに使われてきた」と批判し、社会保障の財源は「応能負担を原則とした税制改革でまかなうべきだ」と主張しました。

<議事録>

○大門実紀史君 会派を代表して、所得税法等改正案に反対の討論を行います。
 反対する最大の理由は、消費税の増税を前提にしていることです。
 消費税は、低所得者ほど負担の重い逆進性のある税金であり、所得の再分配を意図する社会保障の財源として最もふさわしくありません。
 ところが、安倍内閣は、消費税は負担が特定の世代に集中せず税収が景気の動向に左右されにくいことから、社会保障の財源にふさわしいと説明してきました。
 しかし、消費税の負担が特定の世代に集中しないのは、収入のある現役世代だけでなく、収入がないか、あっても少ない高齢者にも課税するからではありませんか。税収が景気の動向に左右されないのも、どんなに景気が悪く国民の暮らしが苦しくても、容赦なく課税するからではありませんか。このことにこそ、消費税の厳しい逆進性が表れています。
 この逆進性があるから、高福祉高負担と言われるヨーロッパ諸国でも、社会保障財源に占める付加価値税の割合は一割前後にすぎず、法人税や所得税、社会保険料などを組み合わせて賄っています。付加価値税を中心にすると、所得の再分配機能が損なわれるからです。
 そもそも、安倍内閣が社会保障を本気で充実しようとしているとは到底考えられません。消費税が導入されてから三十年、社会保障は、充実どころか給付の削減と負担増で、改悪の一途をたどってきました。安倍内閣になっても、社会保障の自然増は、来年度予算も含め一兆七千億円も削減されました。
 元々消費税は、直間比率の見直し、すなわち、法人税や所得税などの直接税を減らして消費税のような間接税を増やしたいという新自由主義的な税制改革の目玉として、八〇年代に財界を中心に打ち出されたものでした。
 実際、経団連などは、大企業や富裕層向けの減税を行うための財源として消費税を導入するよう、あからさまに要求していました。しかし、直間比率の見直しだけでは国民の理解を得ることができなくなり、途中から社会保障のためと言い換え、増税に対する抵抗を和らげようとしてきたのです。
 この三十年間の累計で三百七十二兆円の消費税収入がありましたが、ほぼ同期間に、法人税は累計で二百九十兆円の減収、所得税、住民税の税収は二百七十兆円も減ってしまいました。結局、消費税は社会保障の充実には回らず、法人税や所得税の穴埋めに消えてしまった計算になります。
 直間比率も、消費税導入前の約七対三から現在の六対四に変化してきました。税収に占める消費税の割合も、導入時の六%から現在の約三〇%に、五倍にも増えてきました。社会保障のためと言いながら、実は、財界が求めていたとおり、直間比率の見直しが実行されてきたのです。
 社会保障の財源は、消費税ではなく、応能負担を原則とした税制改革で賄うべきです。アベノミクスのおかげで空前のもうけを上げ、十分に負担能力のある大企業、富裕層に欧米並みの負担を求めれば、消費税増税分を超える数兆円の財源が生まれます。特に、政府の税制調査会も見直しの提言をしている研究開発減税や、与党税調や経済同友会、OECDも見直しの提案をしている証券税制については直ちに見直しに着手すべきであります。
 また、この間、トランプ政権の言いなりに爆買いさせられてきている巨額の兵器の購入はきっぱりやめるべきです。アメリカに差し出すお金があるなら、日本国民の暮らしのために使うべきではありませんか。
 安倍内閣は、都合のいい数字だけを持ち出して景気は良くなっていると言い張り、消費税の増税を強行しようとしています。しかし、国民の多数に景気回復の実感は全くありません。最近のマスコミの世論調査を見ても、景気回復の実感がないが八割以上、消費税増税に反対も過半数を超えて増え続けています。政府の発表した景気動向指数に続き、月例経済報告でも景気判断を三年ぶりに下方修正しました。鉱工業生産指数や法人企業の景気予測調査など、いずれの経済指標も景気の悪化を示しています。
 中国経済の減速が日本企業の輸出と生産を直撃し、外需依存の日本経済の脆弱さを露呈する形になっています。
 二〇一六年に安倍首相は、中国を始めとする海外リスクの高まりを挙げて消費税増税を延期しました。今の状況は、リスクではなく実際の落ち込みです。この状況で増税を強行すれば、日本経済に深刻な打撃を与えることは間違いありません。まさに経済の自殺行為です。
 今大事なことは、将来の消費税の在り方に対する考え方の違いを脇に置いてでも、本当にこの経済状況で増税していいのか、立場の違いを超えて真剣に議論することではないでしょうか。
 安倍内閣は、景気悪化の危険性を指摘されると、二〇一四年増税のときは駆け込み需要とその反動減が大きく、その対策が不十分だった、今回は対策に力を入れたから大丈夫だと説明してきました。しかし、駆け込み、反動減だけが二〇一四年の消費の落ち込みの原因なら、いずれ元に戻ったはずです。問題は、なぜ現在に至るまで消費が元に戻らないかということです。
 二〇一四年度の内閣府経済財政白書は、消費税増税による物価上昇が消費に与える影響は二つあったと的確に指摘しています。一つは、安倍内閣も注視をする駆け込み需要と反動減です。もう一つは、価格上昇に伴う実質可処分所得の減少が消費に与える影響です。
 実質可処分所得の減少は、購買力を低下させ、消費を押し下げます。逆に言えば、実質賃金を引き上げるか、あるいは社会保険料や税の負担を軽減しない限り、幾ら駆け込み反動減対策だけを行っても消費は回復しないということです。安倍内閣は、経済財政白書のこの指摘を全く無視をしています。
 それどころか、先ほど我が党の山下芳生議員が指摘したように、消費税増税に加えて国民健康保険料の大幅引上げまで国民に押し付け、国民の可処分所得を一気に奪おうとしています。これでは、幾ら小手先の対策を取っても景気が上向くわけがありません。
 また、インボイス制度の導入も、中小零細事業者に多大な負担を負わせ、取引から除外されるリスクにさらすものであり、倒産、廃業の増大を招き、景気悪化を加速するだけです。
 今年十月からの一〇%増税は、きっぱり中止することを強く求めます。
 本法案には、中小企業の軽減税率の特例措置の延長や事業継承を支援する制度の拡充など、必要な改正も含まれておりますが、以上述べてきたように、日本経済と国民の暮らしに深刻な打撃を与える消費税増税を前提としている点から断固反対であることを重ねて申し上げ、討論を終わります。

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