<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
安倍総理、お疲れさまでございます。
今回、予算委員会で総理と質問する機会がなさそうでございますので大変寂しい思いをしているんですけど、もし質問するならば、しようと思ったら、やっぱり消費税を中止すべきだということと、もう一つは賃金の問題なんですけれど、これは、今まで賃金上がったかどうかとか、それはもうああ言えばこう言う世界がいろいろあるんですけど、要するに、これから更に上げなきゃいけないという点は総理と一致するというふうに思うんです。これから賃金を上げていかなきゃいけないと、更にですね。
その点でもう絞って、時間が短いのでお聞きしますけれど、この十九日の日経新聞にも出ておりましたが、やはり日本は最低賃金水準が世界でもとても低いと、遅れているというのが指摘されております。
この点については、私も再三予算委員会で総理に質問してまいりました。要するに、我が党の主張は大幅に引き上げるべきであると。それをただ、中小企業は大変でございますから、中小企業にも必要な支援ということですけど、私は再三申し上げてきたのは、フランスやアメリカでは、単に最低賃金上げるから、中小企業大変だからということよりも、最低賃金を上げるということと中小企業に大胆な支援をやるということをセットで、経済対策として大胆に、規模も大きくやることが重要ではないかということを提案してきたわけでありますけど、これ、最初に安倍総理に提案させていただいたのは二〇一三年の二月二十日の予算委員会、安倍内閣がスタートして間もないときの予算委員会でございました。
そのとき総理は、もう大変積極的な御答弁をいただいています。ただいま大門議員から重要な指摘があったと思いますと。言わば中小零細においてなかなか賃上げというのは勇気が要ることですけれども、結果として業績が改善していくということになれば、最低賃金を上げても中小企業の業績が改善していくということになれば話は別になっていくでしょうと。我々もそうした研究をしなければならないと、今委員の質問を伺ってそう思った次第ですと。日本の支援の仕方については、使われないと、制度ですね、などもあるので、使い勝手がいいようにと、そういうことも含めて検討していきたいということでおっしゃっていただきまして、私も是非頑張りましょうということで、何かエールの交換のような質問をやったことを覚えております。
事実、その後、厚労省の担当者の方が私の部屋に見えて、今日の質問の資料を大臣からもらってくるようにと言われたということで来られて、確かにその後、その前のよりは最低賃金を上げていくということに踏み出されたということは理解しております。理解しております。
ただ、金額からいきますと、大胆なと大幅にはちょっと程遠くて、物価の後追い的な最低賃金の引上げになっておりますし、中小企業に対する支援というのは余り拡充していないということがあって、提案させていただいた景気浮揚効果といいますか、経済対策といいますか、アメリカやフランスは、さっき言ったようにもう大きな経済対策としてあって、規模も何兆円規模のセットでやるということをやったわけですね。
私は、あのとき総理が関心を寄せられたというのは大変重要だと思っておりまして、改めて、今やっぱり最低賃金を引き上げるということが全体に波及する、大変大事で、景気も良くするという意味で、改めて、ああいうような経済対策として関心を持っていただいたと、それを今、これから改めてやるべきではないかと。ちなみに、フランスやアメリカは、最初は中小企業団体が懸念を示したんですけれど、それを何回か繰り返すうちに消費が上向いて、自分たちの中小企業の売上げも伸びるので、むしろ中小企業団体の方からまたやってくれというような声が出るぐらいに今変わってきているというのがあるわけですね。
それを、二〇一三年ですからもう今から六年前ですか、に議論させていただいたんですけれど、もう一度その最低賃金の引上げ対策について大きな規模で御検討いただけないかと思うんですが、いかがでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済の好循環を回していくために賃上げを進めていく、同時に最低賃金も上げていく意義、意味については、これは大門委員と大体、共産党の大門委員と大体これは共通認識でございますし、大門委員にも今までの努力について少しだけ評価していただいたと、こう思うわけでございますが。
この最低賃金の引上げについては、経済の好循環を実現する観点からも大変重要であると考えておりまして、安倍政権では、最低賃金を政権発足以降の六年間で時給で百二十五円引き上げ、今年度は二十六円の引上げを行ったところでありまして、これはバブル期以来の引上げ幅でございまして、十分に評価していただけなかったんですが、これは大幅な引上げだと私は考えております。
また、引き続きこの年率三%程度を目途として引き上げていく、今年は消費税を二%引き上げさせていただくわけでございますが、これを上回る形で引き上げて、目標として引き上げていきたいと、全国加重平均で千円を目指していきたいと、こう考えているところでございます。
今までのこの六年間におきましては物価の上昇率を超える形で引き上げることができたと、こう思っておりますが、またこうした積極的な引上げを可能とするためには、大門委員がおっしゃったように、中小・小規模事業者に対してちゃんと支援もしていくべきだと、私もそう思っておりまして、生産性向上に向けた設備投資やコンサルティングなどの費用の助成、あるいは賃上げに積極的な企業への税制支援や生産性向上に向けた固定資産税ゼロの税制、また最低賃金引上げの影響が大きい業種の収益力向上に向けたセミナーの全国展開や下請企業の取引条件の改善など、中小企業が賃上げしやすい環境整備に向けて今後とも政府一丸となって取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○大門実紀史君 やっぱり、この最初の二〇一三年二月のところから普通の話に戻っちゃっているなというふうに思うんですよね。
アメリカは二百円、三百円規模で引き上げておりますので、まあ経済対策ですから、そこまで思い切ってやろうというようなことはあったと思いますけれど、それを是非お考えいただきたいのと、やっぱりGDPの六割家計でございますので、GDPを本当に、今数字は少しいいのが長く続いているというのはありますけれど、本当に良くしていくには、やっぱり家計の部分をどうしても伸ばさなきゃいけないと思うんですよね。それの決定的な鍵を握るのが、御提案申し上げている、ほかの国で成功しておりますので、是非研究をしてほしいというふうに思います。
最後に、これはもう質問いたしませんけれど、この間の予算委員会の議論を、経済の議論を聞いていますと、何かもう、ああ言えばこう言う話ばっかりで、先に進まない。つまり、何か今の認識をやり合っているだけでということがあって、今日のような次の点の議論を本当はしてほしかったと、したかったというのがあるわけでございます。
そうはいっても、一つだけ、ああ言えばこう言う話になりますけど、実質家計消費のグラフを配らせていただいております。
これは何かといいますと、議論の中で、実質家計消費については二〇一四年以降落ち込んでいるんじゃないかということで、我が党もほかの野党の皆さんも、これに似たグラフを使って議論をしてきたところでございます。そのとき総理は、一世帯当たりの人員が減っているということも繰り返し述べておられましたので、そこで、参考までにということでこの資料を御提供するわけでございますが、これは、下に注がありますとおり、総理のおっしゃるような世帯人員の減少の影響を除いたものでございます。家計消費のデータの一つとして公表されてまいりました消費水準指数、これを年額換算したもので、二〇一八年十二月までしかちょっと数字ありませんけれど、要するに、世帯人員が減少したことの影響を入れてもやはり同じの形のグラフになるということでございますので、もう数字がああだこうだ言い合うよりも、やっぱり実態がどうなのかというところで、確かにちょっとしばらくは伸びているか分かりませんが、まだ落ちるかも分かりませんよね。まだ低い水準でございますので、これをどうするかということをやっぱり謙虚に耳を傾け合って考えるべきではないかというふうに思います。
ですから、消費を引き上げるには購買力を引き上げると。購買力というのは実質賃金が大事でございますので、私は名目が上がることを否定しませんけれどね。結局、物を買うとき、もらったときじゃなくて、物を買うときは幾らの物が買えるかはやっぱり実質になりますので、そういう点では実質消費を引き上げるという点では、今日、今申し上げた最低賃金の引上げというのに本格的に取り組んでいただきたいということを改めて申し上げて、質問を終わります。