国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2019年3月19日 財政金融委員会 不公平税制見直せ
<赤旗記事>

2019年3月21日(木)記事

不公平税制に風穴開けた 大門氏の“グラフ”と追及

 「著作権を登録しておけばよかった」。19日の参院財政金融委員会で日本共産党の大門実紀史議員のジョークに、与野党議員の多くが爆笑し、拍手を送りました。

 大門氏が、最初に2008年3月14日の参院予算委で出したと主張したのは、年間所得が1億円を超えると税負担率が下がる不公平税制を示すグラフ。いまでは経済同友会の意見書や経済協力開発機構(OECD)の対日経済審査報告書でも使われ、この日の委員会では他党議員から財務省提出資料として示されました。

 「なぜ1億円を超えると税負担率が下がるのか」とグラフでただした大門氏に、歴代財務相は「分からない」と答えただけでしたが、麻生内閣の与謝野馨財務相がついに金融所得課税のあり方に問題があると認めたと大門氏。財務省が高額所得者の統計資料を出さなければつくれなかったグラフだとして、「証券税制10%は上げなければいけないというスタンスだったのでは」と“本音”をただした同氏に、星野次彦主税局長は、国税庁と相談してまとめた資料だと明かし、“本音”も否定しませんでした。

 長年の追及の結果、金融所得課税は20%に引き上げられましたが、1億円超の高額所得者の税負担率が低い傾向は変わりません。しかし、政府・与党が税制の不公平さを認めるまでに風穴を開けた成果は、大門氏のグラフと、諦めずに追及し続けた姿勢と切り離すことはできません。(信)

2019年3月25日(月)記事

不公正税制見直せ
大門氏 所得1億円超で負担減

質問する大門実紀史議員
=19日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は19日の参院財政金融委員会で、2014年に株主配当などへの金融所得課税が10%から20%に引き上げられて以降も、所得が1億円を超えると税負担率が減少する傾向は変わっていないとして、不公平税制の見直しを要求しました。

 大門氏は、18年の与党の税制改正大綱が分離課税の金融所得を総合課税に改める見直しを打ち出したものの、その後見送られたとして、総合課税を導入した場合の税収への影響を質問。星野次彦主税局長は、13年以降、毎年数千億円、最大1兆260億円(16年)の増収が見込まれた試算を明らかにしました。

 大門氏は、総合課税への抵抗の大本に、株主資本に対する利益率(ROE)を過度に重視する株式資本主義があると指摘。安倍政権がROE向上を企業目標とする“大号令”をかけた結果、人件費などのコスト削減を招いたと批判しました。

 麻生太郎財務相は「株主だけ相手にしても、なかなかうまくいかない」「中長期的に企業価値の向上を目指して実現していくことが重要ではないか」との見解を示しました。

 大門氏は「消費が落ち込み、企業の売り上げも伸びず、実体経済がよくならないという悪循環を繰り返している」「払える人に払ってもらうべきだ」として、消費税10%増税の中止を求めました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 今日は、消費税増税するならお金持ちから税金を取るべきだという質問で、証券税制について取り上げますが、既に議論もあったかも分かりませんが、ダブっていたら御勘弁をいただきたいと思います。
 この証券税制については、もう何度も何度も取り上げてまいりました。今日は少し、何といいますか、ざっくばらんに大きな流れで質問したいというふうに思うわけですけれども。まず、資料をお配りいたしましたが、これは所得税負担率のよくいろんなところで使われているグラフで、先ほども中山先生も配付されたやつをちょっと大ざっぱにしたものでございます。
 これ、国税庁の申告所得に関するデータを使用して負担率を計算したものでございます。何を言っているグラフかといいますと、要するに、所得一億円を超えた辺りから負担率が減少していくと、所得税というのは累進制ですから、所得が高いほど負担が上がるはずなのになぜ負担率は下がるのかという、不思議じゃないかというグラフでございます。
 実は、このグラフを最初に作って国会に出させてもらったのは私でございまして、二〇〇八年の三月十四日の参議院予算委員会でございました。当時は資料がそれほどなかったので、もっとがくがくとした非常に大ざっぱなグラフでございましたけれども、その後、我が党だけではなく、ほかの野党の先生にも使っていただいて、民主党政権のときは峰崎先生がいらっしゃって財政金融委員長で、民主党の税制大綱を作られましたから、そのときにこのグラフを民主党の税制大綱の中に入れてもらったりしました。今や経済同友会の意見書にも、OECDの対日経済審査報告書にも使われております。中山先生の資料を見たら、もうとうとう財務省提出資料になっておりまして、著作権を登録しておけばよかったと思うぐらいでございますけれども、使っていただくことは結構でございます。
 ちょっと議論の経過言いますと、最初は、最初に二〇〇八年の三月は尾身財務大臣だったんですね、予算委員会でね。尾身財務大臣にこれ見せて、何でここ下がるか分かりますかと聞いたら、分からないということで、財務省も実は分かっていたと思うんですけど、答弁書を用意しなかったんですね。次は額賀大臣がここで、あのときもこのグラフ示して、やっぱり分からないということだったんですが、麻生内閣の与謝野さんが財務、金融兼ねた大臣のときに、さすがですよね、答弁書はなかったと思うんですけれど、金融所得の在り方が影響しているということで、聡明な方でぴんときて答弁されたという辺りから、財務省も、金融所得のつまり税率が低いということと、総合課税になっていないので累進が掛からないので高額の配当、株の所得のある方が負担が下がるということを、財務省もそういうふうに言うようになってきたということでございますけど。
 麻生大臣、何度も聞かれていると思いますけど、このグラフ、御覧になってどういうふうにお考えか。御感想でも結構です。

○国務大臣(麻生太郎君) これは間違いなく、私の記憶では、与謝野さんのときにこの記録が出たんだと、あのときに最初に見た資料だと、私の記憶ではそうなんですけれども。考えてみると、福田内閣のとき、私、閣内におりませんでしたので全くこの種の話に縁がなかったんだと思いますが。
 与謝野さんのときに、これ、与謝野さんって、まあ与謝野財務大臣のときにこの資料を初めて拝見したんだと記憶しますが、これは一億円を超えるといわゆる所得というか、所得税の負担率が下がってくるという話をこれ絵にしておられるんですけれども、これは高所得者ほど所得の中に占めるいわゆる株式などの譲渡益の割合が高いということの一つの表れなんだと思いますが、株式の譲渡益を含めまして、金融所得につきましては御存じのように原則として今一律二〇%ということになっておりますので、それから生じたものなんだというように考えております。
 したがいまして、この金融所得課税につきましては、平成の二十六年から、これ一〇%まで落としたものを二〇%に上げさせていただいたのが二十六年だったと思いますけれども、これによって、高所得者ほどいわゆる所得税の負担率が上昇するという傾向が見られましたので、所得税の再分配機能というものに関しましては一定の効果が出たのではないかと思っておりますが、いずれにしても、今後この話をどうするかという話でしょうけれども、家計というものの安定的な資産形成というものを考えていく上におきまして、税負担の垂直的ないわゆる公平性というものを確保するという観点からもこれは検討しようということが平成三十一年度の与党税制改正大綱の中に示されておりますので、今後、この点につきましては総合的によく検討していくべきものであろうと考えております。

○大門実紀史君 実は、財務省の基本的なスタンスもありますので当時のことを若干申し上げたいなと思うんですけど、なぜこういうグラフが作れるようになったかというようなことも含めて申し上げますと、一つは実務的なことがございまして、何年前ですかね、これ作れるようになったのは二〇〇六年以降のデータによって作れるようになったんですね。それ以前は所得五千万以上は皆同じ区分でしたので、こういう細かいのが作れなかったんですね。
 なぜこういう細かいデータを公表するようになったかと申し上げますと、二〇〇四年までは例のあの長者番付というのが発表されておりまして、高額納税者でございますね、最後が二〇〇四年だったんですけど、忘れもしませんが、国会議員で一番高額所得者が、ベスト、トップスリーが民主党議員の方だったんですね。この委員会におられて、方で、今は九州で秘書をやっていらっしゃる、私、仲いい方なんですけど、びっくりしましたけどね、あれが最後で公表されなくなったんですよね。その代わりにこの高額所得者の統計データが出てきたのでこういう資料が作れるようになったというのが実務的な意味でございます。
 政治的な意味が実はございまして、先ほど私が自分で勝手にみたいなことちょっと申し上げましたけど、実は、やっぱり資料は財務省から提供がないと作れないわけですね。当時やっぱり財務省は積極的にこのデータを提供してくれて、むしろ私の質問のフォローしてくれるぐらいのことがあったわけですね。それは何かというと、もう当時から、財務省のスタンスとしては、証券税制については一〇%というのは低過ぎる、やっぱり上げたい、上げなきゃいけないということを財務省のスタンスとしてあって、なかなか働きかけが難しくて私が代わりに質問するようなこともあって、という関係があったんですね。
 したがって、申し上げたいこと、あっ、星野さんはその頃主税局にいらっしゃいましたから、当時の主税局というのは上げたかったんですよね。どうですか。いかがですか。

○政府参考人(星野次彦君) 資料について、そういうことで、一応五千万以上の資料について、国税庁とも相談をしてというか、当時、資料をまとめてこういう形で整理をして出したという、そういう経緯については委員御指摘のとおりでございます。

○大門実紀史君 ですから、まあ表の場で私がさんざん追及をして、財務省の資料の提供を受けて追及して一〇から二〇に上がったというような、連携でやってきたというのは、ちょっとそういう背景もあるという問題でございます。
 実は、今申し上げたように、この問題、十年ぐらいで振り返りますと、優遇税制を見直したい財務省と、金融庁の意見に代表される金融業界とのせめぎ合いといいますか、でずっと来ているなというふうに振り返ると思います。
 ただ、この前ちょっといろんな議事録振り返っていたら、与謝野大臣というのはさすがでございまして、二〇〇九年三月二十七日のこの委員会でこんなことをおっしゃっていますね。金融庁が要求した、したいと思った税制は全部無理だといって止めたこともあるんだ、金融担当大臣を兼ねているから金融庁の味方をするということは決してない、税制として正しい姿を追い求めるというのはどこにいても同じことであると思っておりますと、なかなかいい御発言をこの委員会でもされているわけで、政治家というのはそういう観点が必要だというふうに思います。
 それで、具体的な話に、今回の話に入りたいと思うんですけれども、そういうことがありまして、確かにこのグラフ、一〇から二〇になる前、一〇%のままのときはもっとがくっと落ちていて、確かに二〇になって少し、少しこう是正されたんですよ、それは分かっているんですけれども、それでもまだこういうカーブを描いているということで、このままでいいのかということを再三質問しているわけですけど。
 その上で星野さんにお聞きしたいのは、一昨年末ですね、二〇一七年末に公表された前回の与党税調の税制改正大綱ですね、見直していくということが書かれておりますけど、どのように見直すというふうに書かれているのか、ちょっと御紹介をお願いしたいと思います。

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 お尋ねは平成三十年度の税制改正、一昨年の年末に出ております税制改正大綱でございますけれども、これ、関連部分が二か所あります。
 一つは、金融所得課税につきましては、家計の安定的な資産形成を支援するとともに税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から、関連する各種制度の在り方を含め、諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ、総合的に検討するという記述があります。
 それからもう一つ、所得税についても全体議論されておりまして、所得税につきましては、働き方の多様化等を踏まえた諸控除の一体的な見直しを行い、今後の課題として老後の生活等に備える資産形成を支援する税制の在り方について検討を行う旨大綱に記載をされているということでございます。

○大門実紀史君 私、この与党税調の、与党の税制改正大綱ですね、大変重要な一語、一言一言、一つ一つ言葉を丁寧にきちっと選んで方向を出されているなと思うんですけど。ですから、この言葉ちょっと一つ一つにこだわりたいんですけれど、吟味されて書かれているなと思うんですね。
 で、家計の安定的な資産形成を支援するというのがございます。これと、この一億超えると負担が減るということとは、私違うんじゃないかと思うんですけれど、この家計の安定的な資産形成を支援するということで金融所得の課税の在り方について検討というのは、ちょっとこのグラフとは結び付かない、別のことをおっしゃっていないかと思うんですが、これどういう意味ですか、家計の安定的な資産形成を支援する金融所得税制にするというのは。どういう意味でしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) これ自体、与党の税制改正大綱でございますので、この文言が直接的に何を意味しているかというのはなかなか政府としても解釈するのはあれなんですけれども。
 基本的に家計の安定的な資産形成ということでございますので、金融がある意味いろんな形で自由化していく中で、家計がその資産形成を行っていく上で必要な制度改正を行うということでございまして、それは例えば、今日も議論になっておりますけれども、総合課税から分離課税にするというようなことも含めて、家計にとって貯蓄から投資を行うというようなそういった環境をつくっていくということも含めて、全体として家計がアクセスしやすい、そういう税制をつくっていくという意味が含まれているんだというふうに考えております。

○大門実紀史君 投資家を増やすといいますか、そのために金融所得課税の在り方をこうするという、その趣旨は分からなくないんですけど。そもそも、さっき申し上げたように、この所得再分配がゆがんでいる、格差是正がゆがんでいることの是正からこの見直しは始まっていますので、ちょっとこれはこの意味とは違うんじゃないかなと思ったものですからお聞きいたしました。
 次のフレーズの、税負担の垂直的な公平性等を確保すると、これはまさにこの所得再分配、負担の公平だというふうに思います。
 もう一つは、諸外国の制度は、これは当然あれですかね、税率の引上げとか総合課税も視野に入れた表現ということで理解してよろしいんでしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) 本日、当委員会でも少し議論になりましたけれども、諸外国の制度という意味では、ある意味各国ごとに取っている制度がまちまちでございまして、例えばアメリカ、イギリスで申し上げますと、先生お配りになっておられる資料でもそうでございますけれども、いわゆる段階的課税ということで、所得を積み上げていって、それぞれの金融所得に対応するところの税率について二区分ないしは三区分で税率を張るというのがアメリカ、イギリスでございます。一方、ドイツ、フランスでございますけれども、これは基本的には分離課税を取っておりまして、一定の水準の分離課税の税率を適用するという制度になっておりまして、各国ごとまちまちではございますけれども、こういった実態を踏まえながら制度を考えようと、そういう趣旨だと理解しております。

○大門実紀史君 そうですね、資料用意しましたけど、二枚目等々がそうですが。
 我が党もずっと、私もずっと主張しているのは、個々のどれというわけではありませんが、税率がやっぱり二〇%では低いということと総合課税の問題があるということで何度も提案してきているところでございます。
 これ、報道ベースなんですけれど、この見直しの方向があったんですけど、その前年ですけどね。去年の十月でいきますと、早々と、十月の終わりぐらいにこの金融所得課税の見直しは見送りというふうなことが報道されておりましたけれど、これは、済みませんが、新聞記事でよりますと政府・与党はとなっておりますので、見送りへと、今回見送りというのが十月末、早々と。つまり、税制改正の論議が本当に本格する前の段階で、大変いち早く見送りが決まったというふうに報道ベースでですがされているんですけれど、なぜそんな早い段階で見送りを決めたのか、あるいはなぜ議論しなかったのかという点は、まあ分かる範囲で結構ですが教えてもらえますか。

○政府参考人(星野次彦君) 報道につきましてはなかなかコメントし難いところでございますけれども、先ほど御案内しましたとおり、平成三十年度の与党税制改正大綱にも盛り込まれているように、この問題については、所得税全体の見直しの議論と金融所得課税特有のこういった切り口の議論、両方ございまして、こういった議論は与党の中でも議論されておりましたし、また、政府税調の中でも老後に向けた資産形成をどうしていくかといったようなその議論を中心に議論がずっと行われてまいりました。
 そういう中で、この問題についてどこまで結論を出すかということであったわけですけれども、ちなみにその三十一年度の税制改正の大綱、与党でおまとめになられたものについてちょっと御紹介いたしますと、この老後に備える資産形成について、企業年金、個人年金等の年金税制やNISA等の金融所得の非課税制度などに関するその検討を開始をしていて、その中で金融所得課税の在り方についても議論を行うと、というようなことになっていたわけでございまして、これを受けまして、老後に備える資産形成については来年度以降も引き続き政府税制調査会において議論を続けるけれども、税制改正大綱の中でもこの老後に備える資産形成と金融所得課税の見直しの検討を併せて行っていくと、ということで記載をされておりまして、そういう意味では、全体の議論の中で引き続きこういった議論を行っていく必要があるというふうに判断をされたということでございます。

○大門実紀史君 そういう理由は分かりました。
 もう一つは、その与党税制大綱にもありますけれど、市場への影響を踏まえつつとあります。これは、こういう、前から議論があるわけですけれども、金融所得課税を是正するといいますか、税率を上げるというようなことがありますと、株式市場への影響ということがよく言われてまいりました。
 この市場への影響というのは、株価への影響といいますか、株式市場への影響ということも含んだことと理解していいんでしょうか。

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 市場への影響、これは景気や市場の動向、これは金融所得に対する税率の水準のみでもちろん決まるものではございません。様々なことが影響するということでございます。
 例えば、二十六年一月に一〇%から二〇%に税率を戻したということのときに市場への影響がどうだったかというのは、なかなか一概に申し上げることは難しいわけですけれども、それほど大きな影響が出なかったと。ここについては、マーケットの状況としてかなり買い意欲が強かったというようなこととか、それから、例えば株式を売ってもすぐに買い戻すクロス取引みたいなものが行われたとか、まあそういったようなことがいろいろ言われておりますけれども。
 繰り返しになりますけれども、そこはなかなか税率の水準だけで決まるわけではございませんので、もちろんいろんなことを勘案していくということではございますけれども、そこはストレートに結び付いた議論ではないというふうに考えております。

○大門実紀史君 私もそうだと思うんです。これに課税強化すると、金融庁なんかは株式市場に影響があるというような言い方をしたりする、まあ業界の方もそうですけど。実際には、前回の二〇一四年のときに一〇パーから二〇%にしたときに、株価はむしろ上がりつつあったというようなことがあるので、いろんな条件で決まりますので。ただ、海外から特に何か日本が重ければいろいろ言われるかも分かりませんが、まだ海外よりも負担が軽いわけですから、そういうことはないのではないかというふうに思います。したがって、余りそういうことに左右されないできちっと課税強化をすべきではないかと、見直しと出しているんだから見直すべきではないかということを思います。
 実際に財源的にもどうなるかということなんですけれど、まず、我が党は、配当所得については総合課税の対象とすべきではないかということを再三提案してきておりますけれども、もしも配当所得が確定申告、今は配当所得というのは分離課税の下ですから確定申告を要しないという仕組みになっているんですけれども、どういう聞き方をすればいいんですかね、これ提案していいのか分かりませんが、安倍政権発足後ですから二〇一三年から二〇一八年度まで、各年度における確定申告を要しない配当所得等に関わる措置に基づく減収見込額、これは財務省が発表している、言い方がそうなっているので聞くんですけれど、はそれぞれ幾らになりますかね。二〇一三年から二〇一八年、それぞれの金額をちょっと教えてください。

○政府参考人(星野次彦君) 個人が受け取る配当所得等のうち、上場株式等の配当等及び非上場企業の配当等のうち、一回に支払を受ける金額が年十万円以下のものにつきましては確定申告をしないことを選択できるという租税特別措置が設けられております。
 今委員お尋ねになっておられるその数字は、この租税特別措置によるその減収見込額を取りまとめているものでございますけれども、これは毎年度国会の求めに応じてお示ししているものでありまして、その配当の税制に関する部分であります。
 ただ、この数字につきましては、利用可能なデータに大変制約がある中で、例えば平成三十年度分であれば、二年前、平成二十八年度の個人が受け取った配当税収、実はこの配当税収の中には例えば投資信託の分配金なども含まれているんですけれども、そういったその取り得る配当税収の中の実績値を基に二年間、何というか、数字を延伸して、それで一定の前提を置いて試算を行ったものであるということで、そういう意味では非常に仮定を置いた数字であるということを御理解いただきたいんですけれども、その上で、お尋ねの平成二十五年度から平成三十年度までの各年度の減収見込額として、国会の資料として提出したそれぞれのそのときの見込額を申し上げますと、平成二十五年度は三千百十億円、二十六年度が四千三百億円、二十七年度が八千九百十億円、二十八年度が一兆二百六十億円、二十九年度が七千三百二十億円、三十年度につきましては五千億円ということになっております。

○大門実紀史君 要するに、一定の仮定はもちろんあるわけでございますけれども、配当所得を総合課税にするだけで毎年数千億から一兆円以上の増収になるということでありまして、今景気が余り上向いていない、消費も低迷しているときですから、こういうところからいただいても、いただくべきではないかということでございます。無理して消費税上げる必要はないというふうに思います。ほかにも財源はありますからね。
 この問題でなかなか見直しが、一〇から二〇にしていこう、進まないといいますか、いろいろ抵抗があることの大本に、今の日本のこの経済の在り方といいますか、そういうものが大本にあるんではないかと思うんですね。
 つまり、株価が非常に物事の指標になって、経営の指標になっているようなんですね。よく株価、株主資本主義とか株価資本主義とか言われますけれど、つまりROEを一番の物差しにして経営を考えるというようなことですね。
 ROEというのは株主資本利益率ですかね、株主資本が分母で分子が純利益ということになるわけですね。つまり、投資家が投資したものにどれだけのリターンがあるかというようなことがROEでございまして、それが今の経営の物差しになっているということと、安倍政権そのものも、このROEを向上しろ、すべきだという企業目標にして、向上すべきだという大号令を発してこられたわけであります。二〇一四年六月の日本再興戦略においてグローバル水準のROEの達成を目標に掲げたわけですが、実現しておりません。いわゆる、何ですかね、伊藤レポートですかね、伊藤さんのレポートでそういうようなものが出たわけですけど。
 本当にこういう考え方が、株価を上げること、投資家に利益をリターンすること、それが一番の経営が本当に日本の経済とか経営にとっていいことなのかというのがやっぱり問われてきているんではないかというふうに思うわけであります。簡単に言いますと、分母が株主資本で分子が純利益ですから、ROEを高めようと思うと純利益を大きくする。これはもうできるだけ人件費を減らしてコスト削減やった方がROEは高まるわけですね。そればっかり追いかけていると、企業の中長期的な発展が人材確保も含めて、研究開発も含めてできないということになって、もうその当面の株主のことばっかり考える経営がいいのかどうかということは、自民党の皆さんも研究会とかやられているところでございます。
 そういうものがやっぱりまだまだ根幹にありますので、こういう金融所得課税についても見直しが進まないのではないかというふうに、大本にそういうものが背景にあるのではないかと思いますけれど、麻生大臣、ちょっと大きな経営の、経済の話ですので、いかが、御感想でも伺えればと思います。

○国務大臣(麻生太郎君) 今言われた中で、株価至上主義とか株主資本主義というののちょっとその定義がよく、あれですけれども、そもそも株価なんてものはそのときの気分で動いたりもして、元々、いわゆるファンダメンタルズというものが一番ですので、企業の将来の収益見込みとか、そういったようなものから市場において決定される、そういうものだと思っていますから、幾らやろうといったってそんな簡単に動くものでもありませんので、株価ばかりを重視して経済政策を行っているということではないんだと思っております。
 政府としては、やっぱり経済再生というのを図って、やっぱり企業収益が拡大、その収益が設備投資、また賃金に回ったり配当にも回ったりということで全体の消費につながっていくという実体経済というものがうまいこと回っていかないと、経済運営というのはなかなかうまくいかぬものなんだと、基本的にそう思っております。
 消費税率を引き上げるとか社会保障の安定財源を確保して、まあ引き上げることによって安定財源を確保して、いわゆる人口構成の変化に伴いましていわゆる全体的な全世代型の社会保障体制というものへの転換を図っていくなど構造改革にも取り組んでおりますので、いわゆるこうした改革は株価だけというものを重視してやってきているのではないということははっきりしているんだと思っています。
 御指摘の企業経営の在り方ですけど、これは株主だけ相手にしたって、それはなかなかうまくいくものではありませんので、従業員もありますし、お客もありますし、また地域、その企業のあります地域社会との付き合い等々ありますので、いわゆる最近の言葉ではステークホルダーというような感じからいきますと、いろんなことを考えてやっていかないといかぬのだということは認識をしておるところでもありますし、東京証券取引所のコーポレートガバナンスというのがこの間出ていましたけれども、そういった経営を行うことが求められているんだということをこの中でもはっきり言っておりますので、そういったいわゆるステーホークホルダーたちとの適切ないわゆる共同作業に基づいて、いわゆる中長期的に企業というものの価値というものの向上を目指していくということ、それを実現していくということが経営者にとっては重要なんではないかなという感じがいたします。

○大門実紀史君 私も、何といいますかね、消費が上向いて企業の売上げが伸びて利益が上がって株価が上がるなら何も否定することではないし、実体経済が温まって株価が上がることは何も否定するわけではありませんが、どうもこの二十年ぐらい違う方向に行って、取りあえずはマネーで上げようとか、マネーが動き回って上がるようなことが多くなっておりますので、ちょっと本当に、資本主義の在り方といいますか、経営の在り方とか経済の在り方、見直すべきときに来ているんで、消費税の話ございましたけれど、そうではなくて、やっぱり今申し上げたように消費が落ち込んでおりますので、国内の、国内相手にしている企業の売上げが伸びないと。
 それが伸びないと実体経済は良くならないというこの悪循環を一つ繰り返している面もありますので、やっぱり今は消費税の増税ではなくて、こういうところに、無理はありませんから、払えますから、みんな、払ってもらった方がいいんではないかと。その方が全体として景気の好循環になって、株価は、本当の意味で株価は上げるんではないかというふうに思うところでございます。
 今日は、もう申し上げることはこれ以上ございませんので、これで終わります。ありがとうございました。

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