<議事録>
○大門実紀史君 大門でございます。
税制の質問をいたしますが、先ほどちょっと気になるやり取りがありましたので確認させていただきますが、ヨーロッパの付加価値税が高いことの理由、背景として、麻生大臣が高福祉、高負担だからというふうなことをおっしゃいましたけれど、これは少し違うんじゃないかなというふうに思いますので、確認しておきたいと思いますが。
ちょうど、もうお忘れかと思いますが、二〇〇九年の、たまたまちょっと今手元に資料があったので、三月二十六日のこの財政金融委員会のこの所得税法等の税法の審議のときに、必ず最後に総理が出てきていただいて、今回もやる予定ですけれど、そのときは麻生内閣で、麻生総理が出てこられたとき、与謝野財務大臣のときですね、ちょうど議論をさせてもらったんですけれども、ヨーロッパの高福祉、高負担といいますか、なぜ付加価値税が高いのかということとかヨーロッパの社会保障財源の内訳について議論をさせてもらったんですが、要するに、ヨーロッパは付加価値税率が高いのは、元々歴史が違いまして、戦費調達とかいろんな歴史があって、いろんなことをやって高いということがまず基本にあるということですね。
もう一つは、ヨーロッパは付加価値税だけで社会保障を賄っているわけではありません。付加価値税、法人税、所得税、社会保険料、全体で賄っておりますし、バランス良く、応能負担の原則、再分配がありますので、本会議で申し上げましたけど、負担しているわけですね。
ちなみに、そのときに示した資料で、ほとんど変わっていないと思いますけど、例えばスウェーデンは付加価値税率二五%、今もそうかなと思いますが。ところが、スウェーデンの社会保障財源に占めるその付加価値税の割合というのは僅か一二・三%ですね。ドイツは付加価値税率一九%でありますけれども、社会保障財源全体に占める付加価値税の割合は一〇・七%と。つまり、社会保険料ですね、事業主負担と本人保険料、そしてそのほかの税金、全体で社会保障財源を賄っていて、それで高福祉をやっているということでございますので、正確に言いますと、付加価値税が高いから高福祉なのではなくって、税と社会保険料全体の負担が高いから福祉が高いということになりますので、付加価値税だけ取り上げるとちょっと話が違う話になってしまって、全体の負担は重いのは確かですね、だからですね。
したがって、正確に言いますと、実は与謝野さんともそのとき議論をいたしまして、与謝野さんはもう同意見だということを、私の指摘と、おっしゃっていただきましたけれど、もう十年前の話ですけど、ということがありますので、正確に言いますと、付加価値税のことではなくって全体ですね、税と社会保険料全体の負担が高いと、で、福祉も高いということだと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃられた与謝野先生の話ですけれども、これはもう与謝野先生と当時話し合ったこともありますけれども、少なくとも、今言われましたように、日本の場合も、いわゆる国民皆保険といいながら、あの保険は全部保険だけで賄っていたかといえば、税金を大量に投入していましたからね、あそこは。そういった意味では、私どもとしては、今おっしゃるように、保険というものは消費税だけじゃなくて、いわゆるいろんなもの、保険料やら何やら吹っ込みで今言われたような形になっておると。与謝野先生と、いわゆる、大門先生が話された話の内容、全く間違いありません。
○大門実紀史君 ですから、やっぱり財務省のいろんな宣伝が気になるんですけれども、どうもヨーロッパ、まあマスコミも財務省の宣伝に乗っかっているというか、わざわざ宣伝をしてあげているというか、ヨーロッパのような福祉を求めるならば消費税の増税をのむべきだみたいな単純なことを言うわけですね。そうじゃなくて、全体の話なんですよね、負担というのはですね。というふうに思いますので、余り財務省、星野さんはそういう宣伝はしない方がいいんじゃないかと思います。
税の問題は本当に立場によって考え方が違いまして、どこに負担を求めてどう使うかというのは本当に極めて政治的な問題になりますので、当然、政党によって立場が違うのは当たり前であります、だから議論して切磋琢磨するわけなんですが。ただ、当面の景気との関係とか、今、取りあえず余裕のある人からいただくか、苦しい人から取るかというのは、これはそれほど政党の違いが出るものじゃなくって、やっぱり政治家、どの政党でもいろんな方の代表ではありますから、余り違いはないんじゃないかというふうに思います。
そういう点で、今日も質問していきたいと思うわけでございますけれど、研究開発減税でございます。
現在の法人税の改正について、成長志向の法人税改革というふうに安倍内閣は持ち上げ、持ち上げというか打ち出しておられますけれども、本当にそうなのかというのがこの研究開発減税、税制については特に思うわけでございますので、取り上げたいというふうに思います。
資料をお配りするのがちょっと間に合わなかったんですけど、何年か前、財務省の資料が出されまして、法人税の実質的な、表面税率じゃなくって実質的な負担率、つまり、表面税率からいろんな、租税特別措置とかですね、いろんなことを引いて、実際にどれぐらい負担しているのかという法人税の実質負担率を財務省が平成二十五年、二〇一三年度ベースで出されたことがあります、その後、出していないということなんですけれども。簡単に言いますと、今も余り変わらないと思いますが、資本金が十億円を超えるまでは負担率が上がっていくんですけれど、十億円超えると下がっていくと、どういうわけか下がっていくということが財務省の資料でも出ておりました。当時、そういう質問を私もしたことがございます。
で、それ以降の財務省の資料がないので、私どもでもいろいろ計算をしましたが、要するに、簡単に言いますと、五億から十億、資本金が超えていく、大きな会社に、企業になるほど負担率が逆に、それまで上がっていくんですけど、下がっていくと。ちなみに、我が党が試算してみましたら、二〇一六年度ベースでございますが、資本金一億円以下のところは実質的な負担率が一八・六%なんですけれども、十億を超えてきますともう一〇・四に下がってくるというふうな現象が起きております。
これは財務省がかつて出した資料でもそういう傾向が出ておりましたけれども、なぜ、資本金が大きくなっていく、つまり巨大な企業になるほど法人税の実質負担率が下がっていくのかと、この辺はどこに原因があると大臣、お考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、利益を出しておられます利益法人のみを対象にした財務省の推計について申し上げさせていただければ、これは大企業と連結法人の法人税の負担割合が比較的小さく示されることは、これは間違いなく事実であります。
それはどうしてそうなるかという理由は、これはグループ経営を行っております大企業においては、これは損益不算入とされております国内外のいわゆる子会社から受取配当等々が入ってきますので、それが大きくなるということや、企業内のグループがグループ内の企業間の損益通算ができる、いわゆる連結納税を行う場合の影響額によるところが極めて大きいものだと思っております。
もっとも、大法人、一億円超ということでありますけれども、中小法人とでは、これは税制上の取扱いとか利益計上法人の割合などの実態が大きく異なっておりますので、法人税の税負担率については的確にちょっと比較することは困難なんですが。
その上で、受取配当金損益を不算入にするという話は、これは子会社の段階で法人税が既に課税をされておりますので、そういった意味から二重課税ということになります。それを避けるための税制制度でありますし、この連結納税の場合は、企業グループを一体とみなして取り扱う制度で、これは税制が企業の組織形態に影響を与えないようにするためのいわゆる制度なので、これいずれもこのやり方は、国際的には大体こういった一般的な制度でありますので、こうしたことの影響を携えて、大企業の法人税の負担率が割合が低いんじゃないかという大門先生の、これ単純にちょっと結論付けることは必ずしも妥当ではないのではないかというような感じがします。
また、租税特別措置につきましては、時々の政策課題に対応することのためで、有効な政策手段となり得るということもありますので、ちょっとこれ前々から議論がよく出てくるところではありますけれども、この問題につきましては、これは単純にちょっとやめればいいというような話、というわけにもいかぬのではないかという感じがいたしております。
○大門実紀史君 平成二十五年の財務省が出された資料は、まあ説明はそういうことなんですけれども、言ってしまえば、財務省とは長い付き合いなんですけど、わざわざ大きくなると負担が下がるというのは何らかの問題意識を持って出されたということが当時のいろいろやり取りにもありましたので、一個一個の理由はそのとおりだし、大きくなればなるほど外国取引増えますからいろんなことがある。
ただ、その制度は問題だというわけ、全部問題だというわけにいかないんですけど、そこでやっぱり本当に諸外国に比べて、国際的な物差しからいって、特別に優遇になっていないかということはやっぱり問われなきゃいけないという点が当時もあったということでございます。
今大臣も言っていただいた中の一つ、租税特別措置も大きいわけでありまして、今日はその租税特別措置のところに絞って質問したいと思うんですけれども、その租税特別措置の中で最大のものは何か、星野主税局長、教えてくれますか。
○政府参考人(星野次彦君) 租税特別措置の適用実態調査、これ毎年国会に報告させていただいておりますけれども、これに基づきますと、平成二十九年度におきまして減収額が最大となった法人税の租税特別措置は、これは研究開発税制でございます。
○大門実紀史君 研究開発減税も長くやられている税制でありますけど、改めて、その研究開発減税の大半が、資料をお配りいたしましたけど、これややこしいんですけどね、全体。総額型というのが一番、全体の中で九七%、二〇一七年度で額を占めるわけなんですけど、この総額型というのはどういう仕組みなのか、ちょっと簡潔に説明をお願いいたします。
○政府参考人(星野次彦君) お配りいただきました資料、総額型がこの研究開発税制のメーンの制度になっております。
これは、企業が支出する研究、試験研究費の一定割合について税額控除ができる仕組みでございまして、具体的には、税額控除率につきましては、企業が支出する試験研究費の増加率に応じて増減、六から一四%ということで、増加率が大きいほど控除率も大きくなるという制度を取っております。
また、控除限度額につきましては法人税額の二五%となっておりますけれども、中小法人や試験研究費が平均売上金額の一〇%を超えるというような高水準の研究をしている企業につきましては、最大一〇%上乗せされるというような制度になっております。
○大門実紀史君 まあちょっと複雑なところがあるんです。要するに、研究費の総額に一定の比率を掛けて控除するという仕組みでございます。
この総額型は、二〇一七年度分の減税総額と、そのうち上位十社の占める金額と割合について教えていただけますか。
○政府参考人(星野次彦君) お答えを申し上げます。
二〇一七年度の研究開発税制、総額型の適用実績でございます。全体の適用総額が六千百二億円、上位十社の適用総額が千九百億円、したがいまして、全体の適用総額に占める上位十社の適用総額の割合、三一・一%となっております。
○大門実紀史君 つまり、この総額型が、もう数十万の会社があるわけですけれども、上位十社だけで六千百億のうち千九百億で三割を占めると。千九百億円というのは、中小企業予算と匹敵するぐらいの金額を十社が恩恵を受けているという制度というふうになっているわけですね。
これは、マスコミでも、一般のマスコミでも取り上げられておりますけれども、減税額の一位はトヨタで七百九十四億円、約八百億で、このたった一社で、トヨタ一社で全体の一二%ですから一割超えているということで、これマスコミも、何だこの税制はということで指摘しているところでございます。
ちなみに、トヨタは安倍政権の下で、研究開発税制、総額型以外も含めると、この研究開発税制全体で約五千億の減税受けております。なぜ二兆円以上の利益を上げている企業にこれだけの減税が必要なのかというのが、マスコミを含めて疑問が出されているところでございます。
問題は、なぜこういう大きな、この研究開発税制がですね、大きな規模の巨大企業にこの減税が集中するのかと。この仕組みは、仕組みといいますか、制度上なぜそうなるのかですね、星野さん、ちょっと説明をしてください。
○政府参考人(星野次彦君) 研究開発税制でございますけれども、これは民間企業のまさに研究開発を、その基盤を強化するということが日本の成長にとってクルシアルであるということでこういった制度を設けているわけでございますけれども、上位十社、確かに適用額の割合三一・一%になっております。ただ、この税制、特定の企業ですとか特定の研究分野を特別に優遇すると、制度上優遇するといったような制度ではございませんで、研究開発投資を行っていれば広く適用の対象となる制度、仕組みでございます。
こういった中で、適用額が大きいということは、ある意味その企業が研究開発投資に積極的に取り組んでいるということ、それから、その企業の所得が大きく、法人税を多く負担していることの表れでもあると考えております。
また、上位十社が全体に占める適用額の割合は近年低下傾向にございますことに加えまして、総額型の適用件数、これは四千件を超えておりまして、幅広い企業に利用されているところでございます。
こういった状況を考え合わせれば、総額型は特定の企業、これのためにあるとかこれを優遇しているというふうには考えておりません。
○大門実紀史君 これは仕組み上なぜ、結果論かも分かりませんが、なぜ大きな企業に減税が集中するのかということなんですが、そもそもこれが始まったのは、総額型という仕組みは、小泉内閣のときに、二〇〇三年度から導入された制度ですね。それまでは、そもそも始まりは、もっと研究開発頑張ってほしい、日本の企業、国際競争で勝ち抜いてほしいと、だから研究開発費を増やした。増やしつつインセンティブ、頑張れと、そのインセンティブのためにやったんですね。ですから、最初は、研究費を増やした部分だけに減税をしていくという仕組みだったんですけれど、二〇〇三年の小泉内閣のときに今言った総額型と、減らしても総額に掛け算して減税してあげると。だから、増やす、増やしてくれとかいうインセンティブじゃなくて、もうとにかく増やそうが減らそうが結果に対して減税してあげるんで、これ、政府税調なんかでも、これは補助金と同じじゃないかと、もうこうなるとという指摘がされるようになってきたわけであります。
ですから、総額型という仕組みそのものが、やろうがやるまいが、だから、巨大企業ほどいつも、いつも全体の研究費に掛け算しますから大きくなるということになるわけですね、増えた分じゃなくて。
もう一つは、控除上限、どこまで法人税から控除してあげるかというこの上限ですよね。これが今は、今回の改正の前は、控除上限は期限なしの恒久措置としては二五%で、時限措置合わせれば三五%になっているわけですね。
実は、この減税の一極集中については、共産党じゃなくて、二〇一四年段階の税制調査会において批判的意見が出まして、見直すように提言されております。資料の三枚目に付けておきましたけれど、星野さん、線も引いておきましたけれど、この政府税調では、この法人税の改革についてという報告書を出して研究開発減税についてどのように指摘しているか、ちょっと、読んでもらっても結構ですが、説明してもらえますか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
御指摘のありました二〇一四年六月政府税制調査会が法人税改革に関して取りまとめた報告書の記述でございます。この中で、研究開発税制のうち総額型の税額控除につきましては、元々平成十五年度税制改正において法人税率引下げが見送られる中で導入された経緯があること等を踏まえ、今回の法人税改革の中で、税率引下げに合わせて大胆に縮減し、研究開発投資の増加インセンティブとなるような仕組みに転換していくべきと提言されております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。
ここで言っているのは、もう税額控除が結果的に補助金と同じになっちゃっているということと、課税ベースの、引き下げるなら課税ベース拡大と、だったらば大胆に縮減しろとあったんですけれども、同時に、増加するようなインセンティブになるような仕組みに転換していくべきだと言われても総額型を維持しているということでありまして、この政府税調がせっかく検討して問題点を指摘したものが実行されていないといいますか、逆の方向にずっと来ているということなんですね。実際、この政府税調の提言の後に、その前は、当時、上限三〇%だったんですけど、今申し上げたように最大三五にしたということになります。
したがって、政府税調の提案というのは何なのかとちょっと改めて思うんですけれど、これを明らかに、あれだけ問題になってマスコミからもいろいろ取り上げられたのに、政府税調の提案をここまではっきりと無視したことはないんじゃないかと思うんですが、星野さんどうですか、大臣でも結構です。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど星野の方から答弁をさせていただいたとおりなんですが、この政府の税制調査会で法人税改革に関して取りまとめた報告書の指摘も踏まえて、今言われた平成二十七年度の税制改正なんですが、大胆に縮減すべきとの提言があった総額型においてはその減税幅を縮減しております、この二十七年、もう御存じのとおりで。平成二十九年度の税制改正においては、研究開発税制の総額型に増加インセンティブの視点を入れろという観点から、研究開発投資の増減に応じて減税幅を変動させるという仕組みに改めさせていただいたという経緯であります。
それで、今般の平成三十一年度の税制改正においては、この研究開発税制の増減に応じたインセンティブを強化するという観点から見直しを行うことといたしておりまして、これらの一連の見直しというのは、政府税制調査会の問題意識とは整合的なのではないかと考えております。
なお、産学連携などを促進するオープンイノベーション型というのは今般拡充する方向なんですが、これは多様な主体との連携というものを通じて質の高い研究開発というものを促進するというのを目的といたしております。
いずれにいたしましても、今回のオープンイノベーションの一層の促進とか積極的な研究開発投資というものに関しましては、我々もその方向で進めさせていただければと思っております。
○大門実紀史君 私は、この政府税調よく読みますと、確かに若干の増加インセンティブの仕組みとか、何もやっていないという意味じゃないですよ、ここでは、かなり大胆に縮減してという、かなり問題意識を強く持って提案されたのに比べると、何か小手先と言ったら申し訳ないかも分かりませんけど、どうも何かちょっとアリバイ的な、見直しやったけれど、結局、額はトヨタも含めてそんなに減らないということになっているわけですね。
そういう経過があって、それで今回また二〇一九年度改正で今お話ありましたオープンイノベーションが出てくるわけですけれども、星野さん、そのオープンイノベーション型、これもなかなかややこしいところありますが、ちょっと簡潔にどんなものか、どういうふうに見直すのかちょっと説明をお願いします。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
オープンイノベーション型の研究開発は、複数の企業の共同による相乗効果や埋もれた技術の活用など一企業による研究開発にはない効果が期待されることから、研究開発税制におきまして、控除限度額を総額型と別枠とした上で、一般の試験研究費に比べて高い税額控除率を適用しているところでございます。
今般、平成三十一年度税制改正におきましては、企業の過度な自前主義から脱却しながら、研究開発投資の多様化を図り、質の高い研究開発を促進する観点から、機動的に研究開発投資を行うことが期待されるベンチャー企業との連携、またベンチャー企業への支援を行っていくため、このオープンイノベーション型につきまして、研究開発ベンチャーなどに対する一定の委託研究等を対象に追加した上で、控除上限を五%から一〇%に引き上げるとともに、研究開発型ベンチャーとの共同委託研究の税額控除率を二五%とすることとしているところでございます。
○大門実紀史君 外部との研究協力とか連携とか共同研究、これはオープンイノベーションという概念は何も否定はいたしません。ただ、この研究開発税制の中のオープンイノベーション型というのはそんなきれい事なのかなというのはちょっと思いまして、資料の二枚目に、経団連の実情といいますか、実際のいろんなこれに関する何があったのかということを経団連の方が、常務理事の方が、お亡くなりになられて御冥福をお祈りしたいと思いますけれど、雑誌に書かれたのをちょっと引用させていただいております。経団連の常務理事で税制担当をされてきた方でございます。
おっしゃっているのは、問題、これはあれですね、二〇一五年改正のときにオープンイノベーション型が創設されたと。この時期はさっき言ったように、総額型に対する厳しい意見が出されて、控除上限額、上限三〇%が高過ぎるということが問題になったときですね。そういった中で、このオープンイノベーション型が創設された背景について、経団連の当時の常務理事、税制担当の方が内幕を語っておられます。
問題になったのは、控除限度額の法人税額の三〇%を本則二〇%に戻すかというような政府税調の提案とか意見とかいろいろある中で、話が出ている中で、一度は三〇%を二五%にするということに決まりかけたんだけれども、経済産業省が重点を置くオープンイノベーションの試験研究費については維持したいという意見があって、そこで、今総額型の中に入っている、既に入っていて、既に存在したオープンイノベーションを別枠に取り出して、別枠に取り出して、五%の控除限度を付けると。
まあ何というか、普通の人分かりにくいですけれども、そういう何か、三〇を二〇に減らしたけれども、ほかのところで五を付けるというような、まあちょっと国民には分かりにくいからとあったのか、何か本当に国民をだますようなことをやったということが、当の経団連の方が書かれているわけでありまして、つまり、二五に下げてプラス五で三〇のままだというようなことがあったんだというような内幕を暴露されているわけでありまして、つまり、政府税調のその本来的な提案、批判的な意見について、それをごまかすために、ここは減らすけどここは増やすと、そのときに、総額型の中に含まれていたイノベーション型を外に取り出して、これが最初の経過であります。
したがって、そもそも論でお聞きしたいのは、このオープンイノベーション型が創設されたことそのものが、つまり財界、トヨタも含めて財界の、まさに経団連の方が語っているように、財界の、経団連の方の、経団連の要望でできたのではないかというふうに思いますが、経団連の方がそう言っているんですけど、いかがですか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
先生がお配りいただいたこの経団連の方のコメントは、もうこのときのいろいろな状況を踏まえてコメントをされておられるんだと思いますけれども、このときの議論は、法人税改革の一環としてその税率を引き下げていくと、その財源として課税ベースをどう拡大するかという議論が盛んに行われました。研究開発税制についてもどうするかということだったわけですけれども、先ほどお配りいただいた提言もそうですけれども、研究開発投資の増減にかかわらず、当時一律の控除率だった総額型を見直して、増加インセンティブを働くような仕組みにするよう求めるものでありました。
したがって、そういう方向の見直しを行ったわけでございますけれども、もう一つは、その研究開発投資についてはオープンイノベーション型を増やすことによって産学官連携などを促進していくということで行ったわけでございまして、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるという税収中立の法人税改革の中で政策の重点化を図ったということでございまして、政府税調の提言とも整合的でございますし、何か財界寄りにその制度をうまくつくったというようなことではありませんで、まさに政策的な方向性をかなり明確に出しながら改正を行ったというふうに理解をしております。
○大門実紀史君 いや、星野さんの理解を聞いているわけじゃないんですよ。それは建前であって、建前がそうだったのは分かっているんですけれども、実際には経団連の税制担当の方がおっしゃっているのが実情ではなかったのかということを聞いているわけでありまして、その建前の説明を求めているわけではありません。それは百も承知でこの資料を基に聞いているわけでございます。
いずれにせよ、今回、一応資料の一枚目、更にそのオープンイノベーション型の上限を五%から一〇%に拡大して、全体として最大四五と。もちろん、オープンイノベーションというのは、大企業中心とかそういうことを言いたいわけじゃないですよ、ただ大企業も使いますので、どこかに集中しているということが是正されないんではないかというふうに思いますし、本来の、私は大企業だって中小企業だって同じように研究開発頑張ってほしいと。しかし、もっと中小企業にシフトするような仕組みに変えるとか、どんどんどんどんお金がたまっているところにそんな減税をする必要があるのかというような、そういう政治判断も含めて、もう少し日本が技術で勝ち抜いていくという点で本当に大事、本当にインセンティブになるような制度にやっぱり変えていく必要があるんじゃないかという意味では、本当に政府税調が真剣に議論されて提案をされたことを改めて、改めて考え直すことが日本全体の企業の発展にも役に立つんではないかと。別に大企業憎しとか大企業敵視とか、それで言っているわけじゃないんですよね。私の兄弟はみんな大企業ですし、仲よくやっておりますし、そういう意味で言っているんじゃなくて、ちょっと隔たっているから、このままで本当に日本が伸びるのかという意味で質問しているんでございますけれど。
最後、麻生大臣に、やっぱり大きな意味で研究開発減税の在り方、やっぱりいろいろ検討するところがあるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃっていることは、これはもう何回もこのお話は大門先生とさせていただいたこれまでの経緯もあるんですけれども、これは間違いなく日本としては、いわゆる研究開発という極めてリスクの高いものをやるというのには、企業には体力がないとやりたくてもそれができないというので、少なからずそういった企業というのは、日本の中小零細の中には極めて特異な技術を持った会社が実はいっぱい今でもあります。そういった会社が今の現状で極めて利益を出していることは確かなんですけれども、更にこういったことをやろうかというのに関してはいま一つ意欲がない。一つは、年取ってもう一個新しいものをやる気がねえ、息子が後継ぐ気もないからやる気もねえというような理由が一つ。で、傍らこっちには、もう一個新しいことやって、これまでゼロから始めてここまでやったやつを元も子も全部なくなるほどのことになりますので、それまで掛けて七十になってからやるかよというと、なかなかやらない。そういったような、あの当時、そんな話がいっぱいあって、何も事業承継税制の話というのは近頃出てきた話でも何でもありません、昔からこんな話はある話なんですけれども、そういったものを含めて、こういった企業の研究開発というものに関してもうちょっとこうというのがそもそものスタートだったんだ、あのとき。
ところが、何となくそういったようなものに関して意外と積極的にそれを利用してといってやっていったのがトヨタなんで、慌ててあとの自動車会社もそれにつながっていったんですけれども。何となく、まあトヨタというのが豊田という人の、個人のオーナー的なところもありますので、ばあんとそういうところに突っ込めるという度胸もあったのかもしれませんし、ちょっとサラリーマンの社長じゃそれやり切れなかったというところもあるんだとは思いますが、いずれにしても、そういったいきさつで出ちゃったんですが、今言われたように、結果として十何%はトヨタじゃないかという事実としてそれは挙がっていますので、それをもう少しほかのところにもっと行くようなためにはどういった、これまたトヨタだけ駄目よというわけにはいきませんから、というやり方をちょっと考えにゃいかぬかなという感じはしております。
○大門実紀史君 終わります。