<議事録>
○大門実紀史君 大門です。
私、消費税について質問をしようと思うんですけれど、森友事件というのは国民の皆さんの間ではまだ終わっていないと、悶々とまだ分からないこといっぱいあるということが世論調査でも六割、七割出てくるわけですから、いつまでも出せるものも出せないということじゃなくて、出すものは出してはっきりさせるということをやらないと、これはみんな忘れてくれるだろうとかいずれ終わるだろうという問題ではないということは厳しく指摘しておきたいというふうに思います。
消費税の問題なんですけれども、本題に入る前に、本題というのはちょっと経済論で質問したいんですけれど、その前に、先ほど一点、星野さんの答弁で一点指摘しておきたいことありますのでさせていただきます。
先ほど熊野さんの答弁で、軽減税率で逆進性が緩和される云々という話なんですけれど、資料いただきましたが、〇・一とか〇・七という数字で出てきましたけれども、要するにこれ、軽減という言葉のレトリックといいますか、だと思うんですけど。つまり、先ほどの星野さんの答弁というのは、一〇%にこのまま上げたときの逆進性の広がりに比べたら、食料品八%に、これ軽減じゃないですよね、据え置くだけですよね、軽くなるわけじゃないんですよね、据え置いたことによって、その一〇%だけだったら広がった逆進性が縮まりますというだけの話であって、何か今よりも逆進性が縮まるとか、そういうことではないわけであります。
つまり、軽減軽減と言いますけど、そもそも何か今より軽くなるわけじゃなくて、そもそも据置きでありますし、軽減税率というよりも複数税率というふうに理解してもらうが正確な理解だと思うんですよね。
それで、次に、私も今日ちょうどそういう資料をお配りいたしましたので、二枚目なんですけれど、これは財務省が先ほど答弁されたのと違いまして、今に比べてどうなるかという資料でございます。
今、この黄色いのが、今現在は逆進性ですから、所得の低い人と高い人との負担率の差ですね。これは八・九と一・四という差が今現在あるわけですね。一〇%にして軽減税率を入れたとしてもこの赤い数字になるということでございます。つまり、今から比べると逆に、今ポイント差が七・五ポイント差なんですけど、一〇%にして据置きをしたとしても八・七ポイントの差が出るということでありまして、今の七・五に比べて八・七というふうに逆進性は広がるということであります。
普通に消費者、国民にとっては今よりどうなるかということが大事でありまして、今回の増税と据置きを入れたとしても今より逆進性が広がるということになるわけでありますので、そういうこともきちんと丁寧に説明されないと、上げて下げてみたいな話じゃなくてですね、ということは指摘だけしておきたいと思います。
逆に言えば、これは私どもで何度も計算していろいろ確認して作った資料でありますから、財務省としてこの統計出してほしいんですよね、財務省の資料として。私たちは何度も数字を確認しましたけれども、財務省として、今よりどうなのかという点で、そういうことを国会で答弁するなら、二つの数字があります、増税して据え置いた場合と今よりどうかと、二つの数字をきちっと持って、事務方ですから、正確な説明を聞かれたときはすると。誤解しちゃいますからね、今より逆進性、今よりも縮まるというふうにですね。というふうに、これはもう主題じゃありませんので、指摘だけしておきます。そういう資料をお願いしておきたいと思います。
本題の方は、消費税は本当にもう正面から対決する話でありますけれど、経済論として少し議論をしてみたいというふうに思います。
資料をお配りをいたしましたけれども、先ほど大家さんのお話にもございましたけれど、公共事業。公共事業を増やす国土強靱化という点では、財政再建論の違いはあっても、自民党の皆さんと一致するわけでありますけれども、そのブレーンであります、公共事業を増やせ、国土強靱化のブレーンであります藤井聡京大教授が赤旗にとうとう出られたと。これ、自由新報ではありません。赤旗にとうとう出られて、はっきりと、一〇%増税は日本経済を破壊するというふうにおっしゃっております。
先日刊行されました藤井先生の著書も読みましたけれど、ほとんどもう我が党と同じことをおっしゃっております。まず、実質賃金、実質消費が低迷しているから、このときに消費税増税したら内需が立ち直れないから駄目だと、これ同じですね、我が党と。そもそもデフレの不況下で消費税を増税すれば、経済が停滞してかえって税収が減って財政再建も悪化すると、これも我が党と同じでございます。消費税よりも、今利益を上げている法人税、あるいは富裕層の所得税の応能負担に財源を求めるべきだというのも同じこと、同じですね。財政再建は経済成長を進めてこそ実現できる、特に内需拡大が大事だと、この間GDP増えていっても輸出主導じゃないかということでおっしゃっておりまして、その点、財務省とは長年議論しておりますけど、財務省は財政再建、財政再建ということ、もうそればっかり狭い目で見ますけど、大きく見れば、もっといろんなことを考えないと財政再建はできないんじゃないかと。増税だけで財政再建に成功した国は一つもありませんので、そういうことも含めて広い視野で、財政再建を本気で考えるなら考えるべきじゃないかと思いますが、藤井先生も同じようなことをおっしゃっております。
違うのは方法論だけですね、国土強靱化、成長投資と。もちろん我が党も、公共投資はこれから維持補修型、防災型にすべきだということと、そして何よりも、社会保障の充実ということを消費税以外の財源で手当てしていって不安を解消していくということが大事だというふうに思うわけですけれども、その消費税、狭い範囲で議論すると麻生大臣とはもう全くこれに関しては相入れないと思いますけれども、この内閣官房参与で西田先生の大好きな藤井先生がここまでおっしゃっていると。
成長が非常に大事だという点では、増税より、経済を良くする中で財政再建もというようなことをやっぱりちょっと考えないとと思うんです。その点いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、西田が帰ってこない、待ってから議論をさせていただいた方がいいのかなと思いながらも伺っておりましたけれども。
少なくとも、これは大門先生、前からこの話は、ここ四、五年ほぼ同じことしか言っておりませんので、繰り返しになって恐縮ですけれども、基本的にデフレによる、正確には資産のデフレーションによって不況が起きたという一九三〇年代以来のことが起きて、少なくとも我々は一九四五年この方、この種のことをやったことがありませんので、結果として、インフレ不況対策しかやったことのない日本がデフレ不況に対しての対策を間違えた。はっきりしていると思いますね。少なくとも日本銀行の金融政策も財務省の財政政策も、少なくともデフレ不況下においては対応としては極めて不適切なものだったんだということは、私もそう思っております。
したがって、私どもとしては、金融というものに関しては、少なくとも金融は緩和してということを申し上げ、財政も緊縮ばかりではなくて、財政出動によってある程度の景気浮揚といって経済を成長させない限り、今のGDPの中に占めます消費と民間設備という二つが完全に止まった中では、政府支出がそれを更にマイナスということになれば、間違いなく景気はおかしなことになっていくと。これはもう二十年間それを証明しておりますから、これを変えねばならぬということを申し上げてこの五年間やらさせていただいたんですが、結果として、少なくとも税というものでいけば、税は伸びましたし、GDPも伸びましたし、新規国債発行も減りましたし、いろんな形での効果はそれなりに出てきたんだと思いますが、おっしゃるように、経済の成長を無視して財政再建を考えるのは難しいと思います。
○大門実紀史君 資料の一番最後のやつなんですけど、これはもう税の在り方として見ていただきたいなと思うんですけれど、消費税導入三十年間になりますけれど、消費税収入の累計が三百七十二兆円になります。この間の、まあちょっとピークをどこに置くかというのはあるんですけど、要するにこの同じ間の法人税三税の減収、減った方ですね、これが、もちろん減税だけじゃなくて景気の悪化もあるんですけれども、マイナス二百九十一兆円になります。所得税、住民税のこれも減収、減った方ですね、これも、減税もあるんですが、景気の悪化も大きくて、マイナス二百七十兆円になります。
三十年前は国債の残高も百六十兆円以下だったんですけれど、今、国の国債だけで五倍の八百兆円超えていますし、財務省が、財務省って本当、社会保障どうでもいいと思っていると思うんですよね、財政再建ひたすらだと思うんですけれども、それでも、財政再建といいますか、借金膨らみ続けてきたと。
振り返れば、九〇年代は、最高時に年間五十兆円もの公共投資やったり、いろんなことありまして借金増やして、で、二〇〇〇年代に入って竹中さんが出てきて、私も国会来たばかりでしたけれども、構造改革論が始まって公共事業は減らすと。その代わり、新自由主義的な税のフラット化とかを進めて、このグラフ見たとおり、大企業や富裕層への減税をやってきたと。そうやってやりますと、何といいますか、消費税増税をやってきましたから景気悪くなって税収が減って、それをまた消費税で埋めようとすると。
先ほど藤井先生の提案は、共産党の提案もそうですけれど、応能負担のところにはほとんど手を付けてこなかったというようなことで、結局、財政再建も社会保障も良くならなかったというようなことを、三十年間のこのグラフを見ると、要するに消費税入ってきた分がほかの穴埋めに、結果論ですけど、そのつもりでやったとは言いませんけれど、結果論ですけど、そうなってしまっていると。これ、もしも景気が良くて減税をこんなにやらなかったら、消費税で入った分は財政再建にも社会保障にも回ったわけですから、もっと社会保障良くなったはずだというふうに思うわけであります。
ですから、こうやって大きく見ますと、問題の所在というのは、やっぱり新自由主義的な考え方で法人税、富裕層の所得税のフラット化とかそういうことばかりやってきて、その代わり消費税で賄おうというようなことが景気を悪くして、結局、逆に法人税、所得税全体の減収にもなってきたというような悪循環を繰り返しているんじゃないかというふうに思うわけですね。
ですから、やっぱり藤井先生や我が党が言っているような方向で考え直すしかないんじゃないかと思いますが、麻生大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは少々長い時間の説明でありますので、こちらの答弁も少々長くなるのをあらかじめお断りさせていただきますが。
平成元年の消費税の導入というのは、これは、あのときのせりふは、二十一世紀をにらみ、長寿社会への対応を構築しておくべきという問題意識の下、所得税の重税感や消費の多様化、サービス化等も踏まえという大前提が付いた上で、税体系全体として税負担の公平につなげるため、個人所得課税を減税、消費に広く薄く負担を求めて、資産に対する負担を適正化する税制改革の一環として行われたものだとこれ承知をいたしております。
平成九年の消費税の三%から五%への引上げというのは、少子高齢化の加速を背景にして、勤労世代の人口が相対的に減少する一方、社会保障の財政需要の増大が避けられないこと等を踏まえという前提で、活力ある福祉社会の実現を目指す視点に立って、個人所得税の軽減といわゆる消費税の充実を柱とする税制改革の一環として行われたものであります。
加えて、社会保障と税の一体改革の下、消費税については、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で社会保障の財源と位置付け、平成二十六年、税率を五%から八%、また来年十月に八%から一〇%に引き上げさせていただきたいと考えております。
また、所得税というのが出てきますけれども、これは、中高所得層の負担感を緩和する観点から累進構造の緩和が行われてきましたが、最近では働き方の改革等々でいわゆる多様化している働き方の中にあって経済社会の変化というのが起きてきておりますので、所得再分配機能を回復する観点から最高税率等は見直し、約五%上げております。様々な形で働く人をあまねく応援する観点から各種控除の見直しなどを進めてきたところで、御存じのとおりです。
また、法人税につきましては、国内企業の活力と国際競争力を維持するという観点から見直しを行ってきたのであって、近年の法人税改革において、課税ベースを拡大して税率を引き下げるということによって法人課税を成長志向型に改革してきたんだと思っております。
こうした税の構造変化の結果、直間比率というのが一番分かりやすいと思いますが、直間比率が八対二で、正確には七九対二一であったものが、平成三十年度の見込みでは約六七対三三というところまでなってきておるというように理解をしております。
したがいまして、少子高齢化における国の財源調達、いわゆる基幹三税、所得税、法人税、消費税の中でも、これは税収が景気や人口構成の変化に左右されにくくて安定している、また、働く世代の特定の層に負担が集中する少子高齢化の時代、そういった方々の人口構成も考えて、いわゆる経済活動に中立的な特徴を有する消費税の役割が一層重要になってきているんだというように、これは背景はそうなんだと思っております。
いずれにしても、これらの話というのは、この数字というものが、これ多分出された数字なんだと、ちょっとこれ、全体で役所の数字を見たわけじゃありませんので、これがその数字だという前提に立って考えさせていただきますが、そういったいわゆる経済社会の変化を踏まえてやらせてきていただいたんだと思いますので、そういった組合せというものは今後いろんな意味で十分に考えていかなければならぬところだということに関しましては私も同じ意見です。
○大門実紀史君 じゃ、済みません、時間が来ました。
今日ちょっと言いたかったのは、そういう事務方が昨日夜、一生懸命書いた答弁書じゃなくて、財務省の事務方を超えてもっと政治が大きな判断をすべきときじゃないかと、そういう議論をしたかったということだけ申し上げて、終わります。