国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2018年7月19日 内閣委員会 カジノは日本の将来に禍根を残す
<赤旗記事>

2018年7月20日(金)記事

カジノ、将来に禍根 大門氏
ギャンブル性制御できない 提案側「ゲーム種目未定」答弁できず

質問する大門実紀史議員
=19日、参院内閣委

 日本共産党の大門実紀史議員は19日の参院内閣委員会で、カジノ実施法案の質疑に立ち、賭博罪を構成する犯罪であるカジノの違法性をなぜ阻却(そきゃく=取り外すこと)できるのか「検証を誤れば日本の将来に禍根を残す」と追及しました。

 大門氏は、カジノ合法化に関して法務省が示している「違法性阻却の8考慮要素」にある「射幸性(ギャンブル性)の程度」についてただしました。

 中川真カジノ推進本部事務局次長は、カジノの数や面積、カジノ施設へのアクセス制限などを組み合わせれば「賭博禁止の法制度と整合性がとれている」と答えました。

 大門氏は、公営賭博では馬券(車券)等の種類の制限、パチンコでは出玉規制などで一つ一つの賭博行為のギャンブル性をコントロールする方策がとられているのに、カジノでは「海外の基準」をあげるだけで、射幸性をコントロールする具体的な方策がないことを指摘しました。

 中川次長は「カジノでどういう種目のゲームが行われるかはまだ決まっていない」と答弁。大門氏は「後から決めるというのでは、違法性阻却の要素をクリアしていないことになる」と批判しました。

 大門氏は、八つの考慮要素にある「運営の主体等の性格」について、民間であっても厳格な管理下にあれば可能だとする今回の法案での解釈は成り立たないことを指摘。「このまま通して(カジノは)合法だということにしたら際限もなく民間賭博を広げることになる」とのべました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。
 今、白さんからもありましたとおり、今回のこのカジノは、依存症や暴力団、様々な心配、懸念が指摘されているわけでありますけれども、だから今まで賭博は禁じられてきたわけですね。だから、今まで民営賭博は刑法で禁じられてきたわけであります。
 それがなぜ急に合法化されるのかと、これが最大の今回の法案の問題点でありまして、前回も、前回は入口しか入っていませんけど、この違法性の阻却ですね、なぜできるのかということを議論しようと思って、判例もコメンタールも、競馬法からパチンコ、風営法まで引用した膨大な資料を用意させてもらって、これだけで十時間ぐらいは議論したいなと思っていて、前回実質二十分で今日十五分ですから、まだまだこれで終わるわけにいかないですよね。
 この違法性を本当に阻却しているのかどうかという検証というのは、誤ると後々、本当に日本の社会に、民営賭博ははびこる、公営ギャンブルも民営化しろ、パチンコの換金もいいじゃないかと、こんなふうになっていくところに開いていく大変な問題なんですよね。だから、きちっとした検証をしなければいけないと。そういう点では、今日質疑終局なんというのはとんでもない話で、本当に歴史的に禍根を残すことになるというふうにまず申し上げておきたいというふうに思います。
 御存じない方いらっしゃるかも分かりませんので、そもそも、例えば法務省が違法性の阻却に当たって八つの観点と出してきましたけれども、これは何なのかということなんですけれど、実はカジノ推進議連は長い歴史がありまして、元々、自民党が主導のときは公設民営のカジノを考えていたんですね。今の公営ギャンブルというのは、公設ですけれども、業務委託して公設民営というふうになっているんですね。その枠組みならば法務省も、今ある形なのでいいですよと、公設民営のカジノならいいですよというのが当初自民党が議連の中心にいたときの案だったわけですね。
 ところが、民主党政権になって、民主党の中にもカジノやりたいという人たちが、で中心になって、今度は民主党中心の議連になったときに、民営でいいじゃないかと、役所なんか駄目だと、何でも民営でいいんだということになって、極端に民営、民設民営のカジノ論が出てきて今につながっているわけですね。
 ところが、二〇一二年のときに、民主党政権でしたけれども、小川さんが、しっかりした小川さんが法務大臣のときでしたけれど、そういう民主党の中の議論があったけれども、あったけれども、二〇一二年の四月に、民主党の中の内閣、国土交通、そして法務、三つの部会の合同部会があって大激論になったんですね。そのときに、これは駄目だと、民営カジノなんか駄目だということを頑張ったのが参議院の民主党の法務部会のメンバーでありました。そして、そのときに呼ばれた法務省が民営カジノは無理ですと難色を示したのが、実はこの間私が示してきた八つの観点なんですね。
 そのときに、八つの観点の中の目的の公益性の中に、前回触れました収益の使途を公益性のあるものに限ることを含むということ、あるいは、運営主体についても括弧付けで官又はそれに準じる団体に限ると。この括弧付けを出したのは、そのときの、自民党の方もいらっしゃいましたけど、民営カジノをやりたいという人たちに、駄目ですよと、無理ですよということを示すために出したのがこの八つの観点の始まりでございます。
 ですから、これに照らしていくと、この見解でいくと、これは歴史を踏まえての、判例とかいろいろ前回用意しましたけれど、コメンタールも用意しましたけど、踏まえたものですから、それに照らすと、民営カジノは違法性を阻却できないというふうに思うわけであります。
 ところが、今回は、あれこれ理由を付けて、できるんだ、できるんだということでおっしゃっていますから、前回は目的の公益性について、そんなものは駄目だということを申し上げましたけれども、今日は、次の射幸性の程度というのが八つの要件の中にあります。
 中川さんで結構です。なぜ今回の法案がこの射幸性の程度という八つの観点のうちの大変重要な一つをクリアしているのか、説明してもらえますか。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 このIR整備法案の中では、八つの観点の一つであります射幸性の程度の観点に関しましては、まず第一に、カジノ行為の種類及び方法をカジノ管理委員会規則で制限するということ、それから、そもそも論になるかもしれませんけれども、IR区域の数を法定の上限数をもって厳しく限定しているということ、さらには、カジノ施設の数ですとか、数といいますのは、一IR区域には一IR施設、そして一IR施設の中にはカジノの施設は一つに限ると、そういう意味でのカジノ施設の数の制限でございますけれども、数の制限、そして、ここでも御議論いただいておりますように、カジノ施設のそもそもの規模の面積の制限、そういうものが入れております。
 それから、さらには、このカジノ施設に国民などがどれぐらいアクセスできるのかというアクセスなどを制限するということもこの射幸性の程度の観点から盛り込んでいる措置でございますし、それから、最後には、カジノ事業者は公正なカジノ行為を実施しなければならないということで、カジノ管理委員会規則が定めますカジノ行為の基準に準じて、それから、当然ですけれども、ゲーミングの種類、方法についてもカジノ管理委員会が定めるものに従ってやると、そういったようなことが全部重なり合わせまして、この射幸性度の観点について、従来から刑法が賭博を禁じてきているその法制度の趣旨と法制度の体系としての整合性が取れているというふうに考えている次第でございます。

○大門実紀史君 ですから、全然理解されていないんですよ。射幸性の程度というのは、分かりやすく言いますと、おっしゃったように、入場制限とか回数とかですね、こういうものと、もう一つは、その賭博行為そのもののギャンブル性を余り高めさせないという二つがあるんですね。もちろん、まあ全然なっていませんけど、それでも入場制限やるとか回数制限あるとか、非常にひどいですけど、一応それはあると。
 しかし、大事なことは、一個一個の賭博行為のギャンブル性をコントロールする、これが実は公営賭博の場合は、もちろん回数制限、競馬なら開催日数とか制限ありますよね。それだけじゃないんですよね。払戻金とか払戻し率、あるいは発行馬券、モーターボート、競輪なら車券というんですかね、こういうものを、この種類が非常にギャンブル性に関わるわけなんですね、連勝式とか単勝式等ありますけど、私よく分からないですけど。だから、そういうものでひどいギャンブル性もつくれるわけですね。それを制限することはちゃんとビルトインされているんですよ。
 パチンコの場合は、風営法の中に、国家公安委員会がちゃんと出玉規制をすると。出玉がですね、あの例の爆裂何号機とありましたけれど、物すごいギャンブル性を生むと。それで、それは駄目だという規制ができるようになったんですね。こういうことがビルトインされるということが射幸性の程度を求めている、法務省が求めてきたことなんですね。
 今回、これ見てみると、探してみて一つあったんですよ。管理委員会がコントロールするといいますかね、何か、中でその賭博行為の種類、機械、どういう物差しでコントロールするのかというと、海外の基準だと。だったら、今世界中でやっているカジノと何も変わらないですよね。日本だけ特別に厳しい規制なんかできるわけありませんよ、それでは。
 だから、そういうことからいえば、射幸性の程度はクリアしていないんですよ、クリアしていないんですよ。どうしてクリアしていると言えるんですか、こんなもの。

○政府参考人(中川真君) 御答弁申し上げます。
 今、大門委員御指摘の点は、個々のゲームによってその払戻しの倍率ですとか払戻し率がどのようにコントロールされるのか、またそれがこのIR整備法案の中にどういう根拠を持って措置されているのかという御質問だと思いますけれども、委員の御指摘のこの問題意識は十分理解するところでございます。
 しかし、一方、カジノの中で行われるゲーム、これはまだどういうものにするということが決まっているわけではございません。競馬の場合でしたらば、これは競走場で基本的にレースが行われるという形態がございますけれども、カジノではそういう多様なゲームが展開される可能性がありますので、このIR整備法案の中では、先ほど大門委員御指摘のように、将来行われるカジノ行為の種類、方法については、海外に一般的に認められているゲームを参考にしつつ、それに加えて、我が国においても行われることが社会通念上相当と認められるものをカジノ管理委員会が規則で定めていくということになります。その際には、射幸性に関する倍率ですとか払戻し率を含めて、カジノ行為の種類、方法を定めていくことになるというふうに考えている次第でございます。

○大門実紀史君 この八項目、八つの観点というのは、特別立法を、違法性を阻却する特別立法に当たっての要件ですよ。そこにビルトインすることを要請しているわけでありまして、後から決めますですよじゃないんですよ。だから、クリアしていないんですよね。
 中川さんね、あなたね、財務省出身で、ぺらぺらぺらぺら、頭回るのかも分からないけれど、もっときちっとした、本筋のところで考えなきゃ駄目ですよ。取りあえず何か答弁してりゃ過ぎていくと思っちゃ駄目ですよ、本当に。また財務省へ戻るんでしょう。私と財金委員会でやるんでしょう。そんないいかげんなことやっちゃ駄目だよ、財務省出身の人間が。
 それで、運営主体の性格もそうなんですけれど、括弧付きで官又はそれに準じる団体に限るとありますよね。これは、さっき言ったように、民営賭博は駄目ですよということを民主党の部門会議で示すために法務省がわざわざ括弧付けをしたわけですね。
 これについて今回の法案はどうなっているかというと、簡単に言いますと、いろいろ、民間なんだけれどもいろいろ管理、がんじがらめに管理しますと、こういう発想なんですね。これは間違っているんですよ。この法務省の八つの観点の中の運営主体の性格というのは、そういうことではなくて、とにかくがんじがらめに、公の代わりに、公と同じぐらいにがんじがらめにやればいいということではなくて、前回申し上げました目的の公益性と今日申し上げました射幸性の程度と両方をなし得るのは公的主体だという解釈がこの運営主体の性格、だから括弧で法務省はわざわざ官又はそれに準じる団体に限るということを示したわけであって、民間でもがんじがらめに縛ればいいと、また縛れないですけどね、縛れないんだけれども、縛ればいいというような発想で今回の法案の立て付けをされていること自体がこの八要件といいますか違法性の阻却の要件を全く理解していない。もう素人が考えたようなですね。そもそも解釈が、さっきもそうですけど、誤っていると、これ指摘しておきたいんですけど、いかがですか。

○政府参考人(中川真君) 御答弁申し上げます。
 この八つの観点のうちの二番目の運営主体等の性格につきましては、ただいま大門委員が御指摘のとおり、法務省が大門委員に提出した資料などによりますと、その後には括弧が付いていて、官又はそれに準ずる団体に限るなど、括弧閉ずという形で表記されているということは理解してございます。
 また、この表記をめぐって、大門委員と法務省刑事局との間では、一昨年の十二月のたしか十三日の当内閣委員会での審査のときだったと思いますけれども、法務省の方から、ここの括弧の中は例示を示しているものであるという答弁があったというふうに認識をしている次第でございます。

○大門実紀史君 そのとおりなんですよ。その部門会議で例示をしないと分かってもらえないだろうと。一例ではありませんからね。例示と一例は違いますからね。民間でもいいですよっていうなら、何もこんな必要ないんですよ。だから、例示というのは、この解釈についてこういうことですよと。
 限るなどのなどは何かというと、もう先ほど申し上げましたように、今や完全公設ってないんですよ。公設民営で業務委託は民間にやっていることが多いんですよね。それを含めて限るなどのなどを付けたということでありまして、そういうふうに、そこまで分かっていらっしゃるなら、こういうふうな今回の法案のこの処理ではこれは全然クリアできていないということを指摘したいと思います。
 時間が来ました。
 本当にまだこういう問題いっぱいあるんですよ。このまま通して、これで合法だとやったら大変なことになりますよ、本当に。そのことを指摘して、質問を終わります。

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