国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2018年7月10日 内閣委員会 カジノ「違法性の阻却」まともな検討せず
<赤旗記事>

2018年7月11日(水)記事

「違法性」 議論1回だけ
「推進会議」に利害関係者も
大門議員が追及

 日本共産党の大門実紀史議員は10日の参院内閣委員会で、カジノ実施法案の焦点であるカジノの違法性の阻却(そきゃく)(取り外すこと)について、政府内で客観的な議論が行われていないことを示し、「違法性の高い法案を強引に通すことは後世に禍根を残す」と厳しく追及しました。

 政府は、カジノ推進本部(本部長・安倍晋三首相)の下に置かれたカジノ推進会議(特定複合観光施設区域整備推進会議、議長・山内弘隆一橋大学教授)の検討を経たことを違法性阻却の根拠としています。

 大門氏は、同会議が審議の「迅速化」のためわずか8人で構成されていること、カジノ解禁を望む業界や企業から経済的利益を得ている人物が選任されており、公正性・中立性を欠く人選となっていることを指摘しました。

 カジノ推進本部の中川真事務局次長は指摘を否定できず、「専門分野の知見を生かし中立公正に議論いただいた」と根拠もなく答弁しました。

 大門氏は、自らが国会に提出した違法性阻却についての資料が推進会議で無断で配布され、批判の材料とされた事実を指摘。「なぜ私を呼んで話をきかないのか。ひきょうなやり方だ」とただしました。中川次長は「率直におわびする」と謝罪しました。

 大門氏は、「推進会議」には刑法の専門家がおらず、違法性阻却についての議論は1回しか行っていないこと、1人の刑法学者の「個人的所見」を聴いただけで結論を出したことを指摘。「あまりにも軽々しい会議がまともな検討もせずに違法性が阻却できるという結論を出した」と述べ、違法性阻却の要件にそって、さらに追及すると表明しました。

<議事録>

○大門実紀史君 大門です。

   〔委員長退席、理事藤川政人君着席〕

 もうずっとありましたけれども、やはりこれだけの大災害、特に国交省が手を打つべき土砂災害が起きて、今この瞬間も大変な事態が続いているときに、やっぱりこんなときに、土砂災害、直接担当されている国交大臣がカジノ、賭博の審議などしていていいのかということは、本当にずっと聞いていても思います。委員会開催を強行した与党の見識も問わなければならないんですけれども、同時に、石井大臣そのものの姿勢もやっぱり問われていると思いますよ。被災地の人たち、今どういうふうに見ているのか、どういうふうに思われるのかと、後から知ってもですね。
 委員会開催は確かに国会が決めることではありますけれど、ただお聞きしたいのは、石井大臣御自身の意思として、少なくとも今日とあしたぐらいは自分の仕事に専念したいと、そういう責任者としての意思表示とかは一切されなかったんですか。

○国務大臣(石井啓一君) 国会の運営に関しましては、私の意思というよりも国会の意思で運営されているものというふうに承知をしております。

○大門実紀史君 いや、だから、それは分かっているというんですよ。大臣として、しかしながらというような意思表示はなかったんですかということを聞いているんですよ。

○国務大臣(石井啓一君) 私は、国会の意思に従っているものでございます。(発言する者あり)

○大門実紀史君 本当、おかしいですね。
 今現在、この時間も、我が党も、先ほどありましたが、与党も含めてそうだと思うんですけれど、国会議員が現地に入って支援とか救援の活動をやっているわけですよね。肝腎の、一番肝腎の担当の大臣が災害よりもこんな議論を、賭博の議論をしていると。これはあり得ないことですよね、普通ならば。それに対して、決められたからということしか言えないことそのものが、私はもう大臣というよりも政治家としていかがなものかということを本当に思います。
 災害について一つだけお聞きしたいんですけれど、そういう姿勢だから申し上げたいんですけれど、同じ災害がいつまでも、何年たっても繰り返されると、これ一体何なのかということなんですけれども。
 今回の豪雨災害、またこの前の大阪北部地震における特に危険ブロックの倒壊ですね、ああいうものを見てきて、私も東日本大震災から、被災地、災害問題ずっと取り組んできましたけれど、豪雨災害も大阪北部の地震による危険ブロックもまた繰り返されていると、前にもあったと。なぜそういうことがずっと繰り返されるのかという点なんですね。
 例えば、危険ブロックのことでいきますと、一九七八年、昭和五十三年にあの宮城沖の地震がありまして、ブロックが倒壊して多数の死傷者が出たんで、三年後の一九八一年、昭和五十六年に建築基準法が改正をされるということがあったわけですね。それでも現実として多数の違法の危険ブロックがそのままたくさん残っていると。
 土砂災害についても同じですよね。毎年、全国で土砂災害が起きてきました。国交省は土砂災害防止法に基づいて、いわゆるイエロー、レッドの警戒区域を調査して指定されると、全国六十六万か所ですかね。特に今回の広島県はもう既に分かっていたわけですね、一番、危険箇所、警戒区域が多いということは。そういう調査とか指定はされてきて、一応仕事はしましたと、指定はしました、警鐘は鳴らしましたというようなことはあるんですけれど、その危険なところはずっとそのまま来て、で、こういうことが起きると、毎年同じようなことが起きるということで人命が失われていっているわけですね。
 根本的なことを私、問われているんではないかなと思うんですけれども、なぜ同じ災害が後を絶たないのか、繰り返されるのか、個々の政策じゃなくて根本問題はどこにあるのかという点、石井大臣はどういうふうに認識されていますか。

○国務大臣(石井啓一君) ブロック塀につきましては、現在の建築基準法に違反しているブロック塀もある可能性はございますが、現在の建築基準法以前に設置をされたいわゆる既存不適格のものももう相当あろうかと存じます。
 今回の地震の被害を踏まえまして、建築物のブロック塀等については六月の二十一日に塀の所有者等に向けて安全点検のチェックポイントを公表するとともに、特定行政庁に対しまして、所有者等に向けて安全点検の実施、安全点検の結果危険性が確認された場合に付近通行者への速やかな注意表示及び補修、撤去等が必要であることについて注意喚起をするよう求めるとともに、建築士関係団体に対して協力を要請をしたところでございます。
 一方、土砂災害についてでありますが、ハード対策につきましては、人命を守る効果が高い箇所等について砂防堰堤等を計画的かつ重点的に整備をいたしますとともに、ソフト対策につきましては、土砂災害警戒区域等の指定や円滑な避難のために土砂災害警戒情報の発表などを進めているところでございます。
 国土交通省としましては、ブロック塀につきましては、今後同様の被害を防止すべく災害軽減に努めてまいりますとともに、土砂災害につきましては、今回の災害の状況等も検証いたしまして、今後どのような更なる取組が必要か検討してまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 私、昨日、丁寧な通告をしてあるんです。個々の対策とか当面のことじゃなくて、なぜこういうことが何年も繰り返されるのかという点について、もっと基本的な問題としてどう認識しているのかということを丁寧に通告をしてあるんですけれど、そういうテクニカルな、どうなっているのかですね、あれだけ丁寧に通告したのに。
 申し上げたいことは分かっているんです、そういうことは、今まで何やってきたかもですね。危険ブロックをやって法改正したけれども、それでも違法に建ててしまう、ブロックを積み上げる人がいると。それを発見されるか、自治体に指摘されるか、あるいは自治体がパトロールして発見するかと。ところが、次どうするかというと、何とかそれを直してください、しかしお金がない、だけどなかなかやらない、とうとう命令を出すと。命令は出すけれど、従わなければやっと罰則を掛けるということですね。しかし、そこまで行くまでにずうっと放置されている、これは何なんですか、この事態はどうしたらなくせるんですかということを考えるべきだと。
 土砂災害も同じですよね。指定はするけれど、指定して、その後どうするのかは自治体任せであります。二分の一国が補助するといっても、二分の一のお金を、あれだけの膨大な箇所ですね、出すお金は自治体にはありません。したがって、ずうっと危険なところが放置されて、何かがあればこうやって人命が失われるわけですね。
 こういうことを、一個一個の何やりました、何やりましたじゃなくて、もっと根本的に考えるときに来ているんじゃないかということで、もう少し深い検討をすべきじゃないかということを、昨日、そういうことの見解を聞きたいというふうに通告したわけであります。そういう制度じゃありません。
 もうこの問題ばっかりやるわけにいきませんけれども、申し上げたいのは、国交省として法改正しました、国交省として危険、警戒区域を指定いたしました、あとは自治体ですと。やらないのは自治体みたいな、何かお役所仕事で、これだけはやりましたということを示すことは重要じゃなくて、その次の、それでもこれだけ人命が失われるということになれば、次の手をどうするかということを、あとは自治体とかじゃなくて、やっぱり被災者を出さない、人命を尊重するという立場で踏み込んだ研究なり検討なり施策を考えるということが求められているんではないのかということを思うわけであります。

   〔理事藤川政人君退席、委員長着席〕

 そういう点で、これは実は私、思うんですけど、昨日も国交省の人と、皆さん御苦労されているの分かりますから、いろいろ話聞いたんですけれど、それぞれの役所の人は頑張っているんですよね。やっぱりこれは政治が、政治が次の段階を考えなければいけないというように踏み出さないといけないと思うんですね。したがって、問われているのは、役所仕事の次を進めてもらうための政治の役割、政治姿勢が問われているというふうに思うんですけれど、大臣、いかがですか。

○国務大臣(石井啓一君) ここ数年、毎年のように大規模な災害が起きております。
 国土交通省としては、これまでも河川改修あるいは土砂災害のための砂防堰堤等の整備をやってきましたが、予算も限りがありますし、時間的にも大変な時間が掛かるところであります。ハード対策、ソフト対策を組み合わせて災害を最大限軽減するために努力していかなければいけないと思いますが、ハード対策を着実に実施するとともに、よりソフト対策、しっかりと早めに避難をするということがより重要ではないかということで、土砂災害対策につきましては、今回の災害もよく検証して更に取り組むべき対策を検討していきたいと考えております。

○大門実紀史君 とにかく政治の役割が非常に重要だというふうに思います。
 カジノ、IR法案について質問いたしますけれども、今回の法案の最大の問題点は、民営賭博が合法なのかどうかと、つまり違法性の阻却をしているのかどうかという点であります。
 この民営賭博というのは、これ、歴史的に初めて解禁する話なんですね。前にも、二年前に申し上げましたけど、これは西暦六八九年ですね、持統天皇のときに、すごろく、ばくち禁止令、ここで民営賭博が禁止されて、延々ずっと続いている、もう千年以上続いているんですね、民営賭博駄目だと。まあ陰ではいろいろやっていますけどね。それを初めて公に認めるかどうかですから、これは本当に、何といいますかね、経済政策の話じゃないんですよ、刑法に関わる、つまり国民を、たくさんを罰する、刑法に関わる重大問題であります。判断を間違うと後世に大きな禍根を残します。今回の国会での判断が後世に大きな禍根を残す可能性があると、そういう問題であります。
 本法案が本当に合法なのかというのは大変大きな問題でありますので、何回かに分けて議論を、指摘をしたいと思うんですけれども、今日はまず申し上げたいのは、中身の議論に入る前に、これだけの重大問題がどういう人たちによって議論されて決められたのか、その際、この歴史的な解釈変更にどれだけの深い検討、議論が行われ、そして結論を出したのかと、この点をただしておきたいと、まず入口としてですね、思います。
 IR、カジノ全体の在り方を検討し、違法性の阻却についても結論を出して、総理に意見を出して法案化する前提として出したのは、特定複合何とか会議、通称IR推進会議ですか、IR推進会議ですね。
 まず、石井大臣に伺いますけど、そもそもこのIR推進会議というのは何なのか、簡潔に説明をしていただけますか。

○国務大臣(石井啓一君) IR推進会議は、IR推進法第二十一条第三項におきまして、IR区域の整備の推進のために講ぜられる施策に係る重要事項について調査審議し、本部長に意見を述べるものとされており、IR推進会議の委員は、同条第二項において、学識経験を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命することとされております。
 平成二十九年四月から七月にかけて計十回開催をされまして、同年七月末に法制化に向けた制度の大枠に係る各論点について取りまとめが行われたところでございます。

○大門実紀史君 名簿をお配りした資料に付けておきましたけれども、最後から三枚目にありますけれども、まず本部長というのは総理大臣のことですね。総理大臣に意見を言う会議だと。非常に重要な会議であります。まあカジノ、IR一般について検討、方向を出すだけなら、この会議で何が議論されたか、特に、法案そのものになっていますので言及する気はないんですけれども、この違法性の阻却という先ほど申し上げました刑法解釈に関わる、国民生活全般に影響を及ぼす重大問題までこの会議が結論を出したとなると、本当にそんな資格のある会議なのか、会議そのものの構成、性格、検討の仕方まで問われなければならないというふうに思います。
 この資料にあるんですけど、実は二年前の推進法でこのIR推進会議は、実は法律に委員二十人以内と書いてあるんですね。二十人というのは、あれは議員立法でございましたけれども、与党の皆さんは、やっぱり二十人というのは幅広く意見を聞くべきだという目安があったということでしょう、趣旨があったと思うんですよね。ところが、実際には八人に絞ったと。大体こういう場合、委員が十人といえば七人ぐらい、二十人といえば十何人ぐらいというふうに、相場じゃないですけど、大体そういうものがあるんですけど、その法律で決められたものの半分以下の人数で、たった八人で構成したということなんですね。これ、事務方に聞いたら、大変正直に教えてくれましたけれど、迅速な審議と機動性ということを言われていますね。つまり、議論の深さより結論を出すスピードを重視したから八人になったということなんですね。ほかはともかく、違法性の阻却ですよ、刑法の解釈ですよ。こんなもの、中身よりスピードを優先されたら困るわけですね。
 ここに私はこのIR推進本部自体の見識の軽さが露呈しているとまず指摘しておきたいというふうに思いますし、また、この方々、一応総理が任命するという形なんですけれども、一々総理が一人一人経歴見てやるわけじゃないと思うんですよね。これ、事務方がこれこれこういうメンバーでやりたいと思いますということを総理に上げて、まあ総理直接か秘書官かに上げてだと思います。だから、人選そのものは、決定は総理としても、人選そのものは事務方がやったと思うんですけれど、これ、中川さん、どういう基準に基づいてこういう方々を総理にリストアップして上げたんでしょうか。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 先ほど石井国務大臣から御説明ありましたように、IR推進会議の委員の組成につきましては、IR推進法第二十一条第二項において、学識経験を有する者のうちから総理大臣が任命するということになってございます。これを踏まえまして、このIR推進会議においてIRの具体的な制度設計のための専門的あるいは実務的な検討を行うためには、法律、会計の専門家ですとか、あるいはゲーミング産業の有識者、あるいは観光政策の有識者などの学識経験者を選任したところでございます。
 こういうIR推進会議の委員を中心に個々の論点について議論を積み上げ、また、個々の分野での議論をする際に必要に応じてIR推進会議の中でヒアリングをして、例えばラスベガスなどでライセンスを有するカジノ関連機器の製造事業者の方からお話を聞く、あるいは依存症に知見を有する専門家の方からお話を聞く、あるいは刑法の専門家から聞くといったような形で、そういう基準でこの議論を積み上げてきたというふうに理解をしております。

○大門実紀史君 私は、そういう方ならまだいっぱいいるんですよね。推進派の方も、私もっといっぱい知っていますよ。なぜこの人なのかということ、非常に分からないんですね。
 まあ推進会議ですから、慎重派とか反対派は入れにくいというのは分かりますよね。それを入れろと言っているわけじゃないですよ。なぜこの人たちなのかということと、聞いておきたいのは、少なくともカジノが、民営賭博が解禁されたら仕事が増えるとか、ビジネスチャンスが広がるとか、あるいは今までそういうカジノ関連企業あるいは業界、そういうところから講演料とかアドバイス料とか研究費の支援とか、そういう人たちは少なくとも除くべきだと私は思うんですね。何らかの名目で収入を得ている人、それは御遠慮願うべきだと。なぜならば、今言ったギャンブリングがどうかとか機器がどうかとかじゃないんですよ。違法性の阻却を扱うんですよ。違法性の阻却を扱うということは、違法性の阻却はオーケーといったらもうかる人に加わってもらったら困るわけですね、国民全体に関わりますから。少なくともそういう人はこの委員の中に入っていないでしょうね。いかがですか。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 事務局といたしましては、選ばれた委員の皆様、自らの専門分野の知見を活用して公正中立に審議をいただいたものだというふうに理解しておりますし、また、ただいまの大門委員のこの御指摘、具体的な御指摘でございますけれども、この委員の選定に当たりましては、委員の候補者の方から、特定複合観光施設区域の整備に係る利害関係を有する特定の者との利益関係ですとか、あるいは推進会議の委員として公平性、中立性を疑われるような事実の有無について問題がないという確認書をそれぞれから提出をいただいておりまして、政府としてはこれらの事項について確認を行いました。
 いずれにしましても、この推進会議の委員は、非常勤の職員、国家公務員の扱いを受けますけれども、非常勤の職員ということでございまして、兼業自体が禁止されているわけではないということは御理解を賜りたいというふうに思います。

○大門実紀史君 あのね、本人が問題がないと言ったから問題がないんじゃないんですよね。
 民間の方々なので個別に言及は避けたいと思いますけれども、民営賭博を解禁を望む業界や企業から何らかの経済的利益を得ると、そういうような人を入れたことそのものがこの推進会議の結論に大変説得力を失わせているということだけは言っておきたいというふうに思います。民間の方々なのでこれ以上言いませんが、そういう方々いらっしゃいますから、いらっしゃいますから。だから、そういうところから講演料もらったことありませんか、アドバイス料もらったことありませんか、研究費の支援受けたことありませんかと具体的に聞けば、ありますと丸しますよね。そういうことを申し上げているんですね、そういうことをやっぱり、違法性の阻却を議論させるならば、もっと厳格にすべきだったということを申し上げているわけであります。
 もう一つは、違法性の阻却というと、八つの観点ということが絶えず議論になってきてまいりました。それで、これは資料、この資料そのものはIR推進会議で違法性の阻却について議論したときの、七月、今年のですね、七月十日の資料であります。この資料の二ページ目を御覧いただきますと、二ページ目の下段に光栄なことに私の名前が入った資料が配られておりまして、これは二年前に違法性の阻却についてこの委員会、内閣委員会で議論したときの資料をそのまま使っております。
 要するに、若干経過言いますと、この八項目というのは、私が最初に法務省に出してもらった、そこから八項目が出てきたわけでありまして、そういうことから八項目、八項目とあって、二年前もこの八項目を民営賭博はクリアできるわけがないというのが私の主張でありました、経過から言って。いや、できるんじゃないかと、できる。要するに、二年前は推進法でしたけれど、実施法のところでちゃんとクリアするような制度設計をしてもらいたいという、参議院の附帯決議にもその八項目を制度化するようなものに、実施法にしてもらうというのが入ったという経過なんですね。その八項目がクリアできるかをこの推進会議で検討されたということなわけであります。
 ただ、この推進会議での私の資料なんですけど、最初はそういう議論のために使っていただいて光栄かなと思ったんですけれども、議事録を読んでみると、そうじゃないんですよね。この資料とか私の質問を批判の材料に使って、民営賭博はオーケーだという話に持ってくるための批判の材料に使っていたのが議事録を読んで分かりました。これはとんでもないことだと私は思うんですけれども。
 まず、IR事務局に聞きたいんですけれど、そもそも国会議員が国会審議のために提出した資料ですね、私が提出した資料を、私の断りもなくこの推進会議に配付すると、名前入りで配付すると、これ少なくとも最低限本人の、私のですね、了解を得てやるべきじゃないですか。これどういうことなんですか、これ。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 ただいまの大門委員の御指摘のとおり、平成二十八年十二月七日付けで法務省が作成をし、その翌日に大門委員が当内閣委員会に配付した資料の内容を昨年の七月の十八日の第八回推進会議の資料の一部として使用をいたしました。
 政府といたしましては、このカジノ規制の在り方に関する法務省の国会に対する見解を示す同省、法務省作成資料として使用いたしましたけれども、その際、大門委員に事前に御了解を得ずに大門委員の委員会質疑での配付資料である旨を記載し使用いたしましたこと、この場を借りまして率直におわびを申し上げたいというふうに思います。
 なお、ただいま大門委員もこの質問の中でお触れいただいておりましたけれども、政府、事務局としてこの資料を使わさせていただいたのは、この附帯決議の中でも触れられていた違法性阻却という重要な論点に関する法務省の考え方がよくまとめられていた資料であるということもあり、使わさせていただいたという事情がございます。改めまして、この場でおわびを申し上げたいというふうに思います。

○大門実紀史君 まあ、私の資料を使うんだったら私を呼んでくださいよ、推進会議に。
 なぜそう言いたいかというと、実は議事録読むととんでもない議論になっておりまして、先ほどの名簿にあった一人の弁護士さんなんですけれど、この方はまあ、本当によく分かりませんが、カジノでビジネスチャンスが広がるのかどうか分からないんだけど、一貫して民営賭博推進派で、議事録によりますと、私と法務省の当時のやり取りを、その加藤審議官の、当時の、ああ、今もか、法務省の審議官の不正確な一部の言葉だけを取り上げて、鬼の首を取ったように民営賭博は可能なんだということを自分のブログで展開したりして宣伝してきた人なんですね。全体としていろんな議論があって、法務省もそんな単純なことは言っていないんですよ。言っていないから、附帯決議に入って今回の実施法になったわけですね。
 そういうものにもかかわらず、まあ勝手に自分のブログでやられるのは自由ですよね、それはいいんですけれども、この正式な政府の会議で、その議論は、国会のちゃんとした議論を全然踏まえないで、言葉だけ取って、また合法だ、合法だって、この推進会議でやっているんですよね。これはちょっとひきょう極まりないと本当に思います。こんな、本人いないところで勝手に使って、しかも違う結論に使うと。これは厳重に抗議をしておきたいというふうに思います。
 一事が万事、もう軽過ぎるんですよ、この推進会議というのは。大体この推進会議、さっきのリストに刑法の専門家はいませんよね。で、刑法の違法性の阻却について議論したのはたった一回です。このときだけです。しかも、その一回に呼ばれたのが、この資料の最後の方にありますけれど、中央大学の井田良さんという方でありますけれど、この方は大体法務省の審議会のメンバーでもありますし、いろんな法律の国会での審議の参考人で、与党側の推薦の参考人として来られる方、まあ大体法務省推薦の方なんですけど、別にそれは構わないんですよ、違法性の阻却できるという方を、意見を聞くのは全然構わないですよ。問題は、これだけの問題なんだから、慎重派の意見とか反対と思っておられる刑法学者の意見をなぜ聞かなかったのかということであります。
 しかも、この先生は最低限の見識はありまして、一番最後のところにありますけど、違法性の阻却ができるという意見についてはあくまで私の個人的な意見であり、刑法学者の間で議論の蓄積があるものではないと、刑法学会の定説がどういうものか明らかではないと、その断りの上に意見表明されたことをこの推進会議の取りまとめの最後にわざわざまた載っけてですよ、確かに井田先生というのは刑法ではそれなりの方ですけど、何か権威付けするために使っていると。何か、こういうことの一つ一つが、真面目にこの違法性の阻却について検討したとは到底思えないんですね。思えないんですよ。と思うんですけれども。

○政府参考人(中川真君) お答え申し上げます。
 この第八回目の推進会議におきまして、この刑法の賭博に関する法制との整合性について刑法の専門家から御意見を伺うということで、大門委員御指摘のように、この井田良教授から御意見を聴取いたしました。
 しかし一方、IR推進会議におきましては、刑法の賭博に関する法制との整合性に係る制度設計の各論ですね、この各論の議論がまさしく、それが刑法の賭博に関する法制との整合性を裏付けていくために非常に重要なわけでございますけれども、この各論についての議論は重ねて、その場合、必要に応じて、井田先生以外にも八人の専門家ですとか委員から御意見や御説明を聴取をさせていただいたということ、それから、この推進会議の取りまとめを取りまとめましたけれども、その後、説明・公聴会ですとかあるいはパブリックコメントを広く行って、刑法の賭博に関する法制との整合性の論点も含め広く国民の皆様から御意見を頂戴した上で、今御審議いただいているこのIR整備法案を作成しているということについても御理解を賜れればというふうに考えている次第でございます。

○大門実紀史君 本当に、刑法の解釈というのは、刑法の解釈って、拡大解釈をしてはならないという原則でずうっと刑法のコンメンタールとか刑法学、私、井田先生の本も読みましたけど、非常に厳密に厳格にやるべきだというものなんですよ、解釈を変えるなら、民営賭博をオーケーと言うならばですね。それを、きちんとした専門家、刑法の専門家ですよ、この八人は刑法じゃありませんから、刑法の専門家の意見も聞かないで、一人しか聞かないで、しかも、個人的な意見ですと、学会の定説は決まっておりませんと、蓄積ありませんと、そういう方しか聞いていないと。で、パブコメといったって、すぐ法律化しちゃって広く聞いていないじゃないですか、どこも。
 こんなことでやるから、今日は、次回取り上げますけれど、違法性の阻却の八項目なんかクリアなんかしておりませんよ。しておりませんよ。余りにもいいかげんに、余りにも軽薄に、大体この八人の人の意見しか聞いていないんだから、専門家じゃないんですから、刑法の。それでパブコメといったって、知らないですから、皆さん。なぜちゃんと刑法の学者をきちっと呼ばなかったのかと。そこで、こういう素人がまとめてクリアできると勝手に解釈したような取りまとめで出してきて、それを法案化して、民営賭博が歴史的に一千年ぶりに解禁になるというようなことになったら大変なことになりますよ。
 もう時間が来ましたので、その八項目がいかにクリアできていないのかということは次回一つ一つ点検、指摘をしたいということを申し上げて、質問を終わります。

戻る▲