国会質問

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■2018年6月4日 消費者問題に関する特別委員会 消費者契約法改正案 参考人質疑/包括的な救済ルールを
<赤旗記事>

2018年6月14日(木)記事

包括的救済ルールを
大門氏 契約法改正で参考人質疑

質問する大門実紀史議員
=4日、参院消費者特委

 参院消費者問題特別委員会は4日、消費者契約法改正案について参考人質疑を行いました。日本共産党から大門実紀史議員が質問に立ちました。

 衆院で与野党合意のうえで修正された同法案は、不当な勧誘の類型に霊感商法などを加え、対象は「年齢にかかわらず」と付帯決議を付けました。

 大門氏が、類型を示すと悪徳業者は類型から外れる手段を考えるものだと指摘し、「包括的な救済ルールを示すほうが現場で使えるのでは」とただすと、山本健司弁護士は「ご指摘の通りだ。刑罰法規ではないのだから、包括的な定めであっていい。(法案の答申を出す専門調査会に)包括的な規定がいるという問題意識で法案をと指示していただけたらいいのでは」との考えを示しました。

 大門氏は、現場で被害者を救済するさい大事なのは何かと質問。全国消費生活相談員協会の増田悦子理事長は「生活状況や経済的状況、判断力など包括的に説明して理解してもらう作業をしている」と説明しました。

 大門氏は、消費者委員会の答申を消費者庁が取捨選択していいのかと述べ、委員会と庁の関係について尋ねると、山本氏は「適正な消費者被害の救済へ相携えて尽力いただくべきだ」と述べました。

<参考人>

弁護士 森大樹君
全国消費生活相談員協会理事長 増田悦子君
弁護士 山本健司君

<意見陳述>

○参考人(森大樹君) 弁護士の森大樹と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、私のような若輩者にこのような貴重な機会をいただきましたことを、本当に心から感謝申し上げます。
 私は日頃から、企業側に助言する立場として、消費者と企業をめぐる様々な紛争やトラブル、また契約書や利用規約の作成、改訂などについて関与させていただいております。そこで、そのような企業法務に携わる者の視点から、僣越ではございますが、若干の意見を述べさせていただきたいと考えております。
 なお、本日の私の意見は全て私見であり、私が所属しております法律事務所その他のいかなる団体の意見をも代表するものではないことをあらかじめ御承知おきくださいますよう、お願い申し上げます。
 まず、私としましては、本改正法案が真面目な企業の事業活動に悪影響を与えるものではない、特に不当な萎縮効果を及ぼすものではないという理解の下、本改正法案について賛成するものであります。
 なぜならば、本改正法案は、消費者被害の実態を踏まえて、被害防止、被害救済を促進することによって、消費者契約法の目的の一つである消費者の利益の擁護を図るものであるとともに、その一方で、事業者の予測可能性を担保し、真面目な企業による事業活動が円滑に進むための一定の配慮も見られるものであり、我が国における事業活動を不当に萎縮させることにはならず、むしろ適正な方向に導くものであり、消費者契約法の究極的な目的である国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与するものであると考えているからであります。
 次に、本改正法案の内容について個別的に意見を述べさせていただく前に、まだまだ経験は浅いですが、私自身がこれまで企業法務に携わってきた中で日頃から消費者立法について感じていることを、大変僣越ながら一言申し上げたいと考えております。
 御承知のとおり、我が国には、非常に真面目に事業活動に取り組んでいるすばらしい企業が多数ございます。そして、事業者に対する規制を強化した場合には、その新しいルール、規範が不明確であれば、真面目に取り組もうとする企業ほど、あれもやってはいけないのではないか、これもやってはいけないのではないかと考えてしまい、結果として不当な萎縮効果を与える恐れがございます。
 そして、そのような萎縮効果はイノベーションを阻害して、本来であれば消費者に提供できたはずの商品、サービスの提供を妨げる、そういうことにもつながりかねません。そのようなことは本改正法案に限るものではございませんが、消費者関連法の立法においては重要な視点だと考えておりますので、個別の条文に関して意見を申し上げる前に一言述べさせていただきました。
 さて、前置きが長くなりましたが、本改正法案の内容について、条文ごとに、気になる点や賛成する理由について私見を述べさせていただきたく存じます。
 まず、第三条の改正案については、従前から存在する努力義務の内容を明確化又は敷衍したものであると理解しておりますので、今回の改正案に賛成いたします。
 第一項第一号については、商品、サービスの複雑化が著しい昨今、率直に申し上げまして、弁護士であったとしても、解釈について疑義が生じない契約条項を作ることは非常に難しくなっております。特に、契約の相手方として想定される消費者には、私たちの想像以上に様々な方がおります。また、日本に居住する外国人の方々も増えております。そのような現代の日本社会において、どのような消費者にとっても解釈について疑義が生じない契約条項を作ることは、理想的ではありますが実際にはかなり難しいという実態も御理解いただければ有り難く存じます。
 第一項第二号についても、必要な情報を提供すべきという規定の内容については全く異論ございません。事業者としてもできる限りそのように努めるべきだろうと考えております。
 しかしながら、実際には、事業者として、大量生産、大量消費のケースなど、一人一人の消費者の個性に着目せずに販売活動を行っている場合もございます。つまり、条文で言うところの個々の消費者の知識及び経験を事業者として知らない事案もあるということです。この点、本改正案は、消費者契約の目的となるものの性質に応じと定められておりますので、このような企業実務をきちんと踏まえて規定されたものだというふうに理解しております。
 次に、第四条第二項の改正案において、重大な過失を要件として加えることについて意見を申し上げます。
 このような改正は、事業者にとっては民事ルールの規制強化に当たります。しかし、私としては、この改正についても反対するものではございません。価値判断の問題として、第四条第二項が定めるような場面において事業者に重大な過失があるときに消費者契約が取り消されるのはやむを得ないことだと考えています。ただし、重大な過失があるか否か、その判断は人によって大きく異なる場合があります。つまり、その解釈の幅は非常に広いものと理解しております。
 私自身、消費者契約に関する事案ではございませんが、現在代理人を務めている訴訟で二件ほど重大な過失について争いになっている事案がございます。いずれの件についても当事者間での主張は激しく対立しており、裁判所がどのような判断を下すのか、そう簡単に事前に予測できるものではございません。実務では、重大な過失と通常の過失、いわゆる軽過失の線引きは非常に難しいと感じております。
 したがって、裁判所を何ら拘束するものではございませんが、消費者契約法を所管する消費者庁が重大な過失の有無について参考例を多数示すなどして、消費生活相談等の現場の実務が混乱を来さないように十分に御配慮いただくことを望んでおります。
 次に、第四条第三項第三号、第四号及び第五項の改正については、法制上やむを得ないと考えますが、規範的な文言や開かれた文言が幾つか用いられているため、少なくとも立法当時に考えられていたその文言の意義を明らかにして適用範囲がいたずらに拡張することのないようにしておくことが、事業者に対する不当な萎縮効果を与えないためには大切だと考えております。
 このような点には留意する必要があると考えておりますが、条文の内容面に着目すれば、例えば、第五号については、不安をあおりという要件が適切に設定されていることからしますと、すなわち、事業者が不安をあおるような行為をしない限り取消し権の要件を充足することはないということなどからしますと、真面目にビジネスを行っている事業者であればまず問題になることのない規定であると思われますので、私としては、この改正案の内容についても妥当な規定になっているものと考えております。
 また、第四条第三項第六号においても、いわゆる霊感商法に限定的に適用されるものであって、社会通念上我が国の社会において広く受け入れられているような一般的な厄払いなどについては、重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してという要件、又は確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げるという要件を充足しないものと考えておりますので、やはり規定の内容について妥当なものになっていると考えております。
 次に、第四条第三項第七号について申し上げますと、この条項において典型例として想定されているのは、悪質商法を行っているさお竹屋のような事案だと理解しております。そして、そのような事案について適用される規制を新設することは全くもって正当だと考えております。しかしながら、例えば、自宅内での水道管の破裂や急病人の治療など、至急の対応が必要な場合にまで本号が適用されるようなことがあってはならないと考えております。
 結論としては、今私が申し上げたような事例は、第四条の柱書きの勧誘をするに際しという要件を充足しないため、本号が適用されることはないものと理解しておりますので、本改正案の内容はやはり妥当なものだと考えております。
 第四条第三項第八号、第八条及び第八条の二につきましては、いずれも改正案の内容について賛成であり、私から特に付け加えさせていただくことはございません。
 第八条の三の内容につきましては、後見開始等の審判を受けたことのみを理由とする解除権と規定されているところ、こののみという要件が設定されていることからすると、適切な規定になっていると考えております。しかしながら、実務上は、様々な事業分野の消費者契約において、今もなおこの条文の要件を満たすような条項が用いられているケースが少なからず存在するのではないかと思われます。
 したがいまして、事業者が今回の改正を知らずに有効な規定と誤解をして当該規定を使い続けることのないように、改正法の施行に先立ち、なぜこのような規定が無効とされるのかという説明も含め、消費者庁におかれましては、広く事業者、特に中小零細事業者に対する情報提供、啓蒙活動を行っていただきたいと考えております。
 最後になりますが、私に与えられた時間が若干残されているようですので、もう一つだけ私見を述べさせていただきたく存じます。
 委員の皆様方にとっては釈迦に説法ではございますが、私自身、消費者関連立法においては、立法事実の慎重な検討が特に必要ではないかと考えております。目の前に被害に遭われた消費者の方がいると、その方を救済しなければならない、そう思われて立法に臨まれるということはごく自然なことだと思いますし、我々国民が国会議員の先生方に期待しているところでもあると思います。
 しかしながら、ごく一部の事例だけを見て、その事例に対処できる法律を制定すればそれで足りるというのかということを改めて考えてみますと、時として、被害者のことを思うが余りに過剰な規制の内容になっているのではないかと、そういうおそれもあるのではないかということも場合によってはあり得るのではないかと考えてございます。消費者関連の立法に当たっては、立法による反射的な効果の大きさ、社会への影響力の大きさというものにつきましても是非十分に御配慮いただきたく存じます。
 ともすれば、消費者契約法が裁判規範として機能するということから、その改正を検討する場面においては、消費者と事業者が対立構造にある、そのような理解で検討されてしまうこともあるのかもしれません。しかしながら、冒頭にも申し上げさせていただいたとおり、世の中には真面目な事業者も非常にたくさんおります。消費者と事業者は必ずしも対立構造にあるものではないと考えております。
 したがいまして、消費者利益の擁護及び増進を図ることの重要性は論をまちませんが、それとともに、適正な事業活動の推進は消費者の暮らしを物心共に豊かにするという、これもまた重要な消費者利益の実現に欠かせないものではないかと考えておりますので、是非、適正な事業活動を阻害しないようにということにも御留意をいただいた上で、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現のために、是非とも委員の先生方にはこれからも御尽力いただきたくお願いを申し上げます。
 そして、本日の議題となっている消費者契約法のような民事法につきましては、法律が生まれた後には消費生活相談の現場で活用されることが重要なことはもちろんですが、その運用において決定的に重要な意味を持つのは、やはり司法、裁判所の判断ではないかと思います。
 裁判所においては、法律の趣旨及び目的を踏まえて、条文の文言が拡張解釈されるケースも少なからず存在します。そのこと自体はもちろん司法権の適正な行使であり、何ら異を唱えるようなものではございませんが、この国会で生まれた、作られた法律は、生みの親である皆様の手を離れると、その意図に関わらず拡張解釈されることも十分にあるということを御理解いただきたく存じます。
 そして、事業者が、消費者契約の内容を、その解釈について疑義が生じない明確なもので、かつ消費者にとって平易なものになるように配慮することを努めるのと同様に、国会においてもできるだけ、解釈について疑義が生じない、明確で、国民にとって平易な分かりやすいルールを定めていただければと望んでおります。
 これで私の意見陳述を終わらせていただきます。御清聴いただき、誠にありがとうございました。

○参考人(増田悦子君) 公益社団法人全国消費生活相談員協会の増田と申します。
 今日はこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本協会は、自治体の消費生活相談窓口に勤務します消費生活相談員を主な構成員としております。会員は約二千名おります。本協会の事業として、週末電話相談室、団体訴訟室、そして消費者契約を三本柱といたしまして、そうした中から相談を、生の声を、消費者の方からの生の声を受け付けて、そして今日ここで皆様の方に意見をお伝えしたいと思っております。
 まず初めに、現状の高齢者の消費生活相談の状況でございますが、高齢者に関する消費生活相談は依然として多く、中でも認知症等の高齢者の相談は依然として高水準にあります。高齢者全体では本人からの相談は約八割になりますけれども、認知症等の高齢者からの相談は二割に満たないという状況にあります。したがいまして、今後も引き続き、周りの方からの見守りというものが大変重要になっているというふうに感じております。
 スライドの四を御覧いただけますでしょうか。高齢者の消費者被害の特徴でございます。
 加齢とともに、それまで積み重ねてきた社会的経験が経験として生かせなくなるということがございます。判断力が低下している場合、契約していたことを忘れてしまったり、被害に気が付かないということもございます。家族に知られると叱られるから言わない、相談しない。また、独り暮らしの場合、被害が発覚しにくいため、次々販売となり、高額な契約につながるということもよくございます。生活に不安があるため、親切にされると頼ってしまう。また、コミュニケーションが少ないため、近寄ってくる人に疑いを持たないことが多い。被害に遭っても、自分にも落ち度があったと思い諦める傾向があり、被害回復のために積極的にならないということがございます。
 こうした状況において、消費者契約法の改正を御審議いただき、本当に感謝申し上げます。同時に、早急に成立させていただきまして、私ども消費生活相談の現場でしっかり活用をしていきたいと強く願っております。
 ただ、現実の問題として、消費生活相談において幾つかの問題がございますので、三点ほどお伝えしたいと思います。
 まず一点目でございますが、社会生活上の経験が乏しいことについて、一般的にはこの文言では中高年はもう対象となると解釈することが大変難しいのではないかと考えております。そのため、消費生活相談の現場で事業者に説得をするということは大変困難が予測されます。また、要件が複雑でございますので、適用範囲が狭くなる可能性が高く、活用できる事例がどれだけあるのかということも懸念されます。被害救済のためには、消費生活相談員は、聞き取る力、法律の解釈と当てはめ、事業者への交渉、説得が不可欠です。今回の改正案を活用するためには、より高い技術が必要とされると考えております。
 次に、消費生活センターにおいて相談を受け付けた場合の対応について少し御説明したいと思います。
 まず、相談が寄せられた場合、被害回復のために、特定商取引法、消費者契約法、民法などの活用を考えます。その当てはめをするために相談者から聞き取りをするわけですが、全てをしっかり話してくださる相談者というのはおりませんので、その詳細な聞き取り、要件に合うかどうかを検討するための聞き取りが非常に重要になります。その上で、法律の解釈をしっかり理解した上で検討するということになります。それを踏まえて、事業者の方に説得をするということになります。
 消費生活センターに寄せられる相談というのは、金額が少額でございます。最近はあっせん不調になるということも数多くありますけれども、実際に弁護士委任、あるいは裁判所に申入れするというようなことは非常に少ない状況でございますので、消費生活相談の現場で解決できる、そうした法律になってほしいと思っております。消費生活相談員、事業者、そして消費者の方たちに分かりやすい法律であってほしいと思っております。
 スライド七からは事例を御紹介しております。
 高齢であるがゆえに生活に不安があり、人との関係が薄くなる状況において、長きにわたって関係を築き、その間に次々と契約させるケースがございます。
 この事例は、二十年以上にわたって販売員や事業者と依存する関係が続き、次々と契約を重ねてしまったケースです。高齢になりますと楽しみも少なくなりますので、事業者が開催する食事会やイベントに参加することは大変楽しかっただろうと思います。その商品が欲しいとか、必要性があるというよりは、事業者との関係を維持しないと現状の楽しみがなくなってしまうということから契約を続けていたのではないかと考えられます。
 次の事例は、やはり二十年間、部分かつらの契約を繰り返していたという事例でございます。
 毎月、地肌とかつらのメンテナンスで店に通っていました。美容院に行くのと同じですので、販売員とのコミュニケーションは楽しかっただろうと思います。ですから、新しい形のものはどうか、下取りに出すと安くなるなどと勧められて、本当は断りたいと思っても、楽しみがなくなるとか、行かないとせっかく買ったかつらのメンテナンスができないということから通っていたものと推測されます。かつらが老後の生活を破綻させるというようなことまで必要なものだとは、というふうには思いません。
 また、スライド九の事例は、付け込み型勧誘の類型として、高齢者等の知識、経験、判断力の不足を不当に利用し過大な不利益をもたらす契約を勧誘するケースだと考えております。
 自作絵画の出展契約や画集作成等の契約を複数していることが分かった。判断力が不足しており、記憶が定かでない。家に来訪しての契約と電話による勧誘のようだというものです。これらは、いずれも過量販売での取消しということになりますと、現場では争いがあるという、そういう可能性がある事例でございます。
 スライド十を御覧いただけますでしょうか。
 今回の改正内容についてお願いしたいことでございます。
 社会生活上の経験不足の不当な利用、不当に利用して、不安をあおる告知、恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用をした場合に取り消し得るということを提案していただいております。本来であれば、この社会生活上の経験不足の要件は削除していただきたいと思っておりますけれども、もし削除が困難であるとしても、中高年へも適用されることを明確にしていただきたいと思います。
 加齢等による判断力の低下の不当な利用についてですが、ここに著しいという文言が入っておりますので、これについても柔軟な解釈をお願いしたいと思います。高齢者の判断力の低下にはばらつきがございます。消費生活相談においては、日常のスーパーでの買物などは可能であっても、判断力については波がある状態の方が多くいらっしゃいます。まだ要介護認定の申請をしていない方、申請をしていたとしても要支援であったり要介護一、二の方の相談が大変多いと思います。
 それから、霊感等による知見を用いた告知についてですが、せっかく追加していただきましたので、是非とも活用したいと思っております。ただ、霊感、占い以外の適用も是非検討していただきたいと思います。例えば偽科学などのケースというのもございますので、是非よろしくお願いいたします。
 最後に、お願いしたいことでございますが、消費生活相談においては消費者庁解釈や判例に基づき主張することになります。相談員が勝手な解釈で主張をするという反論があると思います。事業者を説得しやすい柔軟な解釈、及びそれをしっかり広報していただくということをお願いしたいと思います。
 状況を利用した付け込み型勧誘とか平均的損害の立証責任の軽減について、今後の被害の状況を把握して迅速な改正をしていただきたいと思います。
 消費者契約法は、本来、消費者自身が活用できるものであるべきと考えております。事業者、消費者への周知をしっかり行っていただきたいと思います。そして、今後、消費者志向経営を目指す事業者においては、年齢や状況に応じた配慮を行っていただきたいと強く思っております。
 最後に、消費生活相談員は高い技術が必要とされています。研修や消費生活相談の環境整備、地方消費者行政の強化もお願いしたいと思います。
 以上でございます。本日は誠にありがとうございました。

○参考人(山本健司君) 弁護士の山本健司と申します。本日は、このような意見を述べる機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
 私は、本日、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の委員として消費者被害の救済に取り組んでいる弁護士という観点及び今回の法改正に消費者契約法専門調査会の委員として関与させていただいた者としての観点から、現在御審議をいただいております消費者契約法改正法案について、七点意見を述べさせていただきたいと思います。
 お手元の意見要旨と別冊の参考配付資料を御覧ください。
 第一は、賛否の意見です。
 この法案は、我が国の消費者保護を一歩進める法案であり、今国会での成立をお願いしたいと思います。ただし、一部の要件については、専門調査会報告書の趣旨、内容に適合した解釈、適用範囲を明確にしていただきたいと思います。
 第二は、三条三項三号及び四号の社会生活上の経験が乏しいという要件に関する意見です。
 この要件は、専門調査会報告書には存在しなかった要件です。専門調査会報告書では、不安をあおる告知や人間関係の濫用といった方法で合理的な判断ができない心理状態の下、消費者に契約をさせる行為そのものを不当勧誘行為として取消し権の対象としております。対象者の年代による法範囲の限定などは設けておらず、高齢者や中高年など、若年者以外の者に対する法適用も念頭に置いております。
 具体的には、添付の配付資料六、四枚目の表から裏になりますけれども、第三十一回専門調査会資料一抜粋のとおり、専門調査会において不安をあおる告知の具体的事例として議論されていた問題事例は、就職への不安や頭髪への不安や家族の健康への不安をあおって契約させるような行為です。これら就職への不安、頭髪への不安、家族の健康への不安といったものは若年者に固有の不安要素ではありませんし、これらの問題事例も若年者のみを対象とした事案内容ではありません。
 また、添付の配付資料五、これは三枚目裏になりますが、専門調査会報告書抜粋、及び配付資料七、五枚目の表から裏になります。第四十四回専門調査会報告書一抜粋のとおり、専門調査会において人間関係の濫用の典型例とされていた問題事例は、婚活サイトで未婚女性に近づきマンションを買わせるといった被害事例です。そして、添付の配付資料九、これは七枚目裏からになりますが、国民生活センター報道発表資料のとおり、婚活サイト事案の被害者の多くは三十代、四十代の女性であり、被害者の平均年齢は三十五・一歳です。人間関係の濫用は、このような婚活サイト事案の被害者等を典型的な救済対象として立案されたものです。
 さらに、添付の配付資料八、これは七枚目、表になります。四十四回専門調査会議事録抜粋のとおり、専門調査会における議論では、人間関係の濫用の具体的事例として、婚活サイト事案以外にも、高齢者の依存という人間関係を濫用して契約させた事例も含まれることが確認されておりました。
 このように、専門調査会における議論及び報告書では、不安をあおる告知についても、人間関係の濫用についても、高齢者や中高年など若年者以外の者に対する法適用も念頭に置いておりました。
 ところが、専門調査会終了後に、法案作成の過程で消費者庁により、社会生活上の経験が乏しいという要件が付加されました。もし万一、本要件が、不安をあおる告知や人間関係の濫用の規定による被害救済の範囲を若年者に限定するとか、若年者以外の消費者の被害救済を劣後されるといった意味内容なのであれば、先ほど述べましたような専門調査会報告書の取りまとめ内容を逸脱した極めて問題のある要件の付加であると言わざるを得ません。
 もっとも、消費者庁は、この要件はそのような意味内容の要件ではないと説明をしておりました。具体的には、本年五月十一日の衆議院本会議における福井大臣の答弁のように、この要件が付加されても専門調査会で問題とされていた被害事案は基本的に全て救済される、高齢者等であっても、契約の目的と勧誘の態様との関係で本要件に該当する、霊感商法等の悪徳事業者による消費者被害については、勧誘の態様に特殊性があり、通常の社会生活上の経験を積んでいた消費者であっても一般的に本要件に該当するという説明がなされておりました。
 確かに、社会生活上の経験が乏しいという要件の意味内容が、この衆議院本会議答弁のように、悪徳事業者による消費者被害の被害者は一般的に本要件に該当するという意味内容なのであれば、この要件があっても、先ほどの婚活サイト事案のような悪徳商法における三十代、四十代の女性も問題なく保護できるのかもしれません。ただ、そのような意味内容の要件であるということは、法文を一読しただけでは分かりにくいという問題点は残るように思います。
 このように、法文の意味内容が分かりにくい社会生活上の経験が乏しいという要件については、三号、四号の規定の適用範囲を若年者に限定しかねない、専門調査会報告書で救済対象と位置付けられていた婚活サイト事案等の被害事案を問題なく全て救済できるのかについて懸念を生じさせるという意味において、本来的に削除が最も望ましい対応であろうと考えます。この点は、衆議院の参考人意見で河上前委員長や野々山弁護士も述べておられたとおりであり、私も本来的に同意見です。
 しかし、もし諸般の事情から、社会生活上の経験が乏しいの削除がどうしても難しいという場合には、不安をあおる告知、人間関係の濫用による消費者被害の救済範囲を専門調査会報告書の取りまとめ内容から縮小、後退させる結果とならないよう、この要件に関する柔軟な解釈とその明確化が必要不可欠であると考えます。
 具体的には、本年五月十一日の衆議院本会議における大臣答弁のように、この要件は柔軟に解釈されるべき要件であることや、悪徳事業者による消費者被害の被害者は一般的に本要件に該当するといった解釈指針を明確化しておいていただくことが必要不可欠であると考えます。
 この点、衆議院における審議では、本要件に関する大臣答弁の内容が、五月十七日、五月二十一日の答弁で、悪徳事業者による消費者被害は、若年者であれば一般的に本要件に該当するという狭い解釈に修正されるという出来事がありました。
 五月二十一日及び二十三日の衆議院委員会審議で問題となりました添付の配付資料一、一枚目表の大臣本会議答弁の修正についてと題された書面では、悪徳商法の場合の本要件の一般的な該当対象を、通常の社会生活上の経験を積んできた消費者から若年者に答弁修正した、これまでの柔軟な解釈よりも本要件の適用範囲が狭まったという記載があります。
 しかし、本会議での法案の内容説明にも反し、専門調査会報告書の取りまとめ内容にも反するこのような答弁修正ないし解釈変更は、手続的にも内容的にもあってはならないものであると考えます。
 また、この書面については、衆議院の参考人の意見引用が不正確、不相当であるという問題点や、もし仮に、この書面に記載されているような狭い解釈に答弁修正、解釈変更がなされたと仮定すれば、婚活サイト事案など重大事案の被害者が救済範囲から抜け落ちかねないという問題が生じてしまうように思われます。
 これらの点に関する参考資料として、添付資料四、二枚目裏の野々山参考人の意見書、配付資料二及び三、一枚目裏及び二枚目表の説明図面を本日、委員会の皆様に配付させていただいております。時間の関係でこれらの書面に関する詳細な説明は割愛させていただきますが、御参照賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 幸いにして、このような大臣の答弁修正については、五月二十三日の委員会で大臣御自身により謝罪、撤回され、五月十一日の答弁内容が維持されました。また、その後の衆議院の委員会審議及び参議院の審議でも、五月十一日の本会議答弁を維持するという答弁が繰り返しなされており、その点は極めて重要なことであると思います。
 一方、本要件を満たすのは若年者及びこれと同視すべき者であるという答弁については、もし仮に、悪徳事業者による消費者被害の被害者は、一般的に本要件に該当するという五月十一日の答弁内容との整合性のない答弁内容なのであれば、問題が残されているように思われます。
 参議院の今後の審議におかれましては、本要件の解釈問題について、本年五月十一日の衆議院本会議における大臣答弁のように柔軟に解釈されるべき要件であること、特に霊感商法等の悪徳事業者による消費者被害については、通常の社会生活上の経験を積んできた消費者であっても一般的には本要件に該当するということを立法者である国会の意思として附帯決議で明確にしていただき、そのような解釈と運用を消費者庁に逐条解説等で周知させていただきたく、よろしくお願い申し上げます。
 第三は、三条三項三号及び四号の告げる、困惑という要件に関する意見です。
 実務への指針という観点から、専門調査会における論議の際に確認されていた、告げるという行為には黙示に告げる行為も含まれること、困惑とは、精神的に自由な判断ができない状況をいう広い概念であり、恋人商法に見られる幻惑といった表現の方がふさわしいような消費者が精神的に自由な判断ができない心理状態も包含するものであることという要件解釈について、国会質疑や逐条解説で明らかにしておいていただきますよう、お願い申し上げます。
 第四は、衆議院で新たに付加された五号、六号に対する意見です。
 これらの規定は、原案より消費者保護を一歩前進させるものであり、その立法に賛成いたします。ただ、著しく低下という評価を伴う要件については、高齢者等の救済範囲を不当に狭いものにしないか懸念があります。高齢者等の救済範囲を不当に狭めることがないよう、著しくを削除するか、削除が難しい場合には厳格に考えるべき要件ではないということを国会の附帯決議で明確にしていただき、そのような解釈と運用を消費者庁に逐条解説等で周知させていただきたく、よろしくお願い申し上げます。
 第五は、いわゆる付け込み型不当勧誘取消し権等に関する意見です。
 添付の配付資料十、九枚目表になります。内閣府消費者委員会の答申書で喫緊の課題として付言された三つの事項に関しては、追加措置の可及的速やかな実現をお願いいたしたいと思います。
 特に、同答申書二の高齢者、若年成人、障害者等の知識、経験、判断力の不足を不当に利用し過大な不利益をもたらす契約の勧誘が行われた場合における取消し権、いわゆる付け込み型不当勧誘行為に対する包括的な取消し権の創設は、高齢化の進展に伴って我が国で増加している高齢者の消費者被害への抜本的な対応策であるという観点からも、もし民法の成年年齢が引き下げられた場合に増加することが懸念される若年者の消費者被害への抜本的な対応策であるという観点からも非常に重要な立法課題です。
 添付の配付資料十三、十四枚目から十六枚目になります、のとおり、消費者の知識、経験、又は判断力の不足に乗じて契約の締結を勧誘する行為は、既に全国の地方自治体の消費生活条例等で規制されている不当勧誘行為です。
 また、添付の配付資料十二、これは十枚目以下になります、のとおり、大阪府、京都府、東京都などの地方自治体が付け込み型不当勧誘取消し権の創設を求める意見書を採択しております。付け込み型不当勧誘行為に対する包括的な取消し権の創設について、可及的速やかな立法措置をお願いいたしたいと思います。
 第六は、九条一号、平均的損害に関する消費者の立法責任の緩和に関する意見です。
 専門調査会報告書で措置すべき事項とされながら、今回の法案に含まれていない九条一号、平均的損害に関する消費者の立証責任を緩和するための規定について、可及的速やかな立法措置をお願いいたしたいと思います。
 最後に、第七、消費者契約法専門調査会報告書で継続審議とされていた諸事項に関する意見です。
 専門調査会報告書では、実務上は重要な問題ながら検討時間の不足等の理由によって継続検討事項とされた論点が少なくありません。それらの諸論点に関する検討の継続と、できるだけ早い追加措置の実現をお願いいたしたいと思います。
 これで私の意見陳述を終わらせていただきます。御清聴いただき、ありがとうございました。


○大門実紀史君 大門です。
 もういろいろ議論ありましたけれど、私、現場の消費者被害、マルチとかジャパンライフ、割と際どい問題やってきまして、実は、今回の消費者契約法そのもの、改正そのものは、何といいますか、正直言って冷ややかに見ていたんです、これで何が解決できるのかなというふうにですね。例えばジャパンライフ問題なんかは、衆議院で若干議論がありましたけど、ほとんどこれでは救えません、救えません。
 そういう点で、何といいますか、現場的に考えると、何か議論の仕方が、非常にいろんな複雑な議論がありましたけど、最初からちょっとボタンの掛け違えといいますか、議論の仕方が、消費者契約法というのは何なのかということからちょっと違う方向に来ているんではないかなと思って、その点でちょっと大本のそもそもの話を伺いたいんですけれど、消費者契約法というのは、もう御案内のとおり、包括的なルールでありますし、包括的な救済のルールを定めるものでありますから、本来でいえばもっと大きな、基本的なところで救済する仕組みを、きちっとした、現場で使えるような、そういうものを枠組みを示すというものにもかかわらず、ところが類型を示していくというふうなことになってきて、先ほど森本先生からもありましたけど、類型を示すと悪徳業者は必ずその類型から外れる手段を、手口をまた考えますよね。だから、モグラたたきですよね。こういうことばっかりやってきているわけですね。しかも、社会生活上の経験云々なんて限定付けると、更にたたかなきゃいけないモグラが増えるということになるわけですね、狭くなりますから。
 私、院内集会のときにも、今日は傍聴に来られておりますけど、消費者団体の方々にも申し上げたんですけれど、消費者団体の方々、日弁連も含めて、削除してくれとは言うんだけれど、削除しなければこうしてほしいとかですね、そういう問題なのかなと。私は、もうすっぱり削除をもっと強く何で求めないのかと思ったんで、もう結構厳しい言い方もさせてもらったんですけれど、やはり案の定、あの後衆議院で議論が始まって、消費者庁は詰められて、それについて補足の答弁やる、そうすると若干保守的なこと言ったりする、で、また大混乱して、結局この議論って何だったのかというふうに思うわけですよね。
 これはもう削除、当然削除すべきと思いますけれど、このことをめぐってこういう膨大な時間を掛けてやってきていますけど、本来はもっと基本的な包括的な救済ルールをもうちょっと、答申にあったように、消費者委員会の答申にあったように、もっと基本的なものを示すということさえやってくれれば、現場で、ジャパンライフも含めて、消費者相談員の方々も含めて、もっと使える改正になったんではないかと。ちょっと議論の仕方が違ってきているんではないかなというふうに思うんですけれども、その点で山本先生に、皆さんの中にも付け込み型に対する取消し権入っていますけど、本当はここを中心に議論すべき、法改正もすべきだったんじゃないかと思いますけれど、山本先生、いかがお考えでしょうか。

○参考人(山本健司君) 御質問いただきまして、ありがとうございました。また、重要な御指摘をいただきまして、ありがとうございました。
 御指摘のとおりで、消費者契約法というのは刑罰法規や行政規制法じゃありませんので、それによって刑罰権が発動されるとか行政処分がなされるとかそういう法律ではございません。したがって、罪刑法定主義のような要件のぎりぎりとした詰めというのは必要なのかどうかというのは疑念があります。
 民法がそうでありますように、消費者契約法というのはもう少し包括的な定めであっていいのではないかというふうには、それは考えております。日弁連の改正試案、今回の配付資料でも最後に付けさせていただいているんですけれども、その立法提案でもそういう民法のような抽象的な法規になっております。
 しかしながら、専門調査会の議論ではなかなかその議論がコンセンサスを得られなかったと。専門調査会は基本的に全会一致方式なんです。したがって、反対意見が出るとなかなか取りまとめの内容にならないというところがございました。その中で、他の委員の方からは適用範囲の明確化、客観性、要件の明確化といった御意見もある中で、今回コンセンサスできたというのがこの報告書の内容になっているわけでございます。
 したがって、ある意味、先ほどイタチごっこという御指摘がありましたけれども、そういう状況を打破するために、個別の行為を規制するものとは別に、そういう包括的な規定も要るんじゃないかという問題意識から法律を考えるというふうな取組を指示していただいたらいいんじゃないかなというふうに私も思います。
 以上でございます。

○大門実紀史君 例えば、増田さんに伺いたいんですけれども、ジャパンライフで例を申し上げますと、衆議院で川口さんが該当する例もあるみたいに言っていましたけど、ほとんど無理だと思うんですよね。ところが、答申にあった、勧誘に応じさせる目的で緊密な関係を新たに築き、その関係が維持できないといって契約させると、これだったら、ジャパンライフ、救える可能性があるんですけれども、今回のように、恋愛感情のところですね、恋愛感情その他の好意の感情云々とか勧誘で関係が破綻と、ここまで言われちゃうと、もうほとんどジャパンライフなんて救済できないんじゃないかと思うんですね。今申し上げたかったのはそういう意味なんですけど、現場の皆さんが被害者を救済する、お年寄りを救済するときに大事なのはそういうことではないかと思うんですね、こういう細かいことに入っていくんじゃなくて。その一点、いかがでしょうか。

○参考人(増田悦子君) 先生がおっしゃるとおりでございまして、条文を一つ一つ突き詰めて話合いをするというよりは、その方の状況を理解していただき、そして生活状況、それから経済的な状況、それから認識の状況、そういう判断力などを含めて全て包括的に説明をして、そして理解をしていただくというような作業を実際にはしております。

○大門実紀史君 私、ちょっと気になったのが、消費者委員会と消費者庁の関係はどうなっているのかなと。この消費者庁をつくるときに消費者委員会の役割というのは大議論があって、内閣府とはいえど独立した機関で、総理大臣にも勧告できるというようなことで、みんなの期待を担ったのが消費者委員会でありました。そういうものにしようということで私たちで議論したわけですね。
 それが、今回、その答申に入ったことが、先ほど申し上げられていたことも含めて、幾つも重要な念を押した答申が出されたんですけれども、幾つも消費者庁が法案化するときに、何といいますか、取捨選択しているとか勝手に文言を加えていると。これは一体、消費者庁をつくるときから関わらせてもらいましたけれど、この九年ですかね、どういう関係になってしまったんだろうと。消費者庁ってそんなに偉いところなのかと。消費者委員会の答申をすごく簡単に取捨選択とか、もちろん全部やれとは言いませんけれども、こんなに前委員長から抗議を受けるぐらいの取捨選択をしていいのかというふうに思うんですけれども、山本先生、この消費者委員会と消費者庁の在り方、御意見あれば聞かせてもらいたいと思います。

○参考人(山本健司君) 今現在、両庁がどういう御関係になるのかというのは、それは私にはちょっと、済みません、分かりかねますので、能力を超えることですけれども、適正な市場の実現と消費者被害の適正な救済に向けて、本来相携えて御尽力いただくべき二つの庁であろうというふうに認識をしております。
 以上でございます。

○大門実紀史君 まあ委員会で議論すべきことかなと思いますけれども。
 森さんに伺いたいというふうに思います。
 真面目な事業者は今回の改正はオーケーですということなんですけれども、消費者委員会、調査会等の議論では、例の平均的な損害額の立証責任の問題で推定規定のことが議論されて、これは事業者の方も含めて議論して、ものなんですけど、今回、先ほど申し上げたように消費者庁がカットしちゃったんですね。これはあれですか、真面目な事業者にとって、この平均的な損害額の推定の問題、課せられたとしても何か支障があるんでしょうか。

○参考人(森大樹君) 御質問いただき、ありがとうございます。
 平均的な損害の推定規定、平均的な損害を算出するということが多分事業者にとっていろいろな場面で難しいことというのは、私自身も弁護士の活動として直面しております。
 既に事業としてある場合はまだいいんですけれども、バックデータがあるので、これから新しい事業を始めようというときに、いろいろな事業者としては事業計画を描いて、利益がこれぐらい出る、売上げがどれぐらい出る、長期的な契約でこれぐらいやっていくというものを出すんですけれども、その中に実際にどれぐらい解約が出るのかというのは事業をやってみないと分からないような側面もございまして、自分たちとしては商品、サービスの質に自信を持って提供するんだけれども結果的に思っていたよりも解約が多かったとか、市場の環境が変わってきて最初は自社しかなかったのに同業他社が参入してきてどんどん変わってきてしまったとか、実はそういったことがあって平均的な損害を算出するというのが非常に難しい場面というものもございます。
 そういったことも含めて、平均的な損害について、あと、同業他社のデータを会社が持っているわけではないということもございますので、そこの在り方については、私の理解では今後も引き続き検討ということだと思いますので、事業者側からも本当に、真面目にやっている事業者がどういった点で苦労しているのか、こういうふうになってしまうとどういうふうに困るのかということをやっぱり具体的に説明をした上で相互に理解を深めていくことが重要ではないかと考えております。

○大門実紀史君 終わります。

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