≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
今日は、法案関係に絞って質問をしたいというふうに思います。
今回の旅客税は、安倍内閣の観光戦略の、言わば安倍観光戦略の財源をつくろうというものでございますので、したがって、安倍観光戦略そのものがまず問われなければならないというふうに考えております。
外国人観光客が増えるのはいいことですし、たくさん来てほしいなと私も思いますけれども、ただ、商業ベース、コマーシャリズムに走り過ぎて、日本の自然とか文化とか文化遺産とか、そういう価値を毀損したり、あるいは日本の住民の生活環境を壊すということはあってはならないというふうに思います。中長期的に見れば、そういうことを大事にしてこそ将来的に観光客も増えるのではないかと思います。
ところが、この間各地で実際に進んでいることを見ると、観光振興の名目での開発事業とか、歴史文化遺産の価値そのものを高めるというよりも、何といいますかね、安易な周りでイベントをやったり訳の分からないお祭りをやったり、何というんですかね、とにかくそこでお金を落としてもらえばいいというふうな、近隣開発とか含めてですね、民泊もそうですけれども、そういうものがどうも先行してきているのではないかと。
特に、私が今日取り上げたいのは、この間私が懸念しているのは、こういう取りあえずもうかればいいというような観光戦略の中で、文化財保護行政にも相当ゆがみをもたらしてきているのではないかという点でございます。
私、ヨーロッパ行ったときにドイツとフランスの文化庁の役所の方とお話をしたことがあるんですけれども、ヨーロッパはもうはっきりしておりまして、本当にありのままのその文化財の価値を大事に大事に継承していくと、伝統と歴史をですね、厳格に保存して継承していくと。そのことが現代人の知的好奇心を高めて、何といいますかね、文化財の現代的価値を高めるというような話を伺ったことがあります。
そういう、五十年、百年先まで見越したきちっとした文化財保護と歴史の継承ということがあるからこそたくさん人が来てくれるというような関係にあるんだということを伺ったことがありますが、日本は、先ほど申し上げたように、文化財行政にも目先の利益、もうけることが大事だと。文化財の周りに商業施設を造るとかホテルを造るとか、そういうことが先行されて、お金を落とさせることばっかりこの間走っているんじゃないかというふうに思います。
その象徴が、山本前地方創生大臣が、学芸員はがんだと、あいつらは稼げないやつらだというような言い方をしたところに象徴的に表れるように、何か軽薄なといいますか、知的水準の低いといいますか、取りあえず何かもうけろみたいな、非常にレベルの低いようなことが進んでいるのではないかというふうに危惧しているところです。
資料を配付いたしましたけれども、一枚目が、実は文化財保護法の改正が今予定されております。その中のことをいろいろ書いてあるんですけれども、何が今までと大きく違うか。もちろん、この文化財保護法改正案の中身いろいろ問題がありまして、これはこれで後でしかるべきところで議論されると思いますが、基本的な考え方のところで、上の方で赤の波線のライン引きましたけど、とにかく文化財を経済の振興の核とすると、こういう言い方が出てまいりました。今までにないことであります。要するに、経済振興の核と、経済効果だということなんですよね。
文化財というのはそもそも何だろうと考えますと、これは人類の知的財産でございまして、人類が生きてきたあかしであります。それはもちろんきちっと大事にして、いろんな方に鑑賞してもらう、学習してもらう、子供たちにも勉強してもらう。そして入場料が入ると。そういうことでの結果としての経済効果はあると思うんですけれども、最初から経済振興の核、稼げというふうに位置付けられてきたわけであります。こういうふうになりますと、文化財の中にはもうからない文化財もあるわけですね。大事だけれども、歴史的価値は高いけれども、もうけの対象にならないようなものもあるわけであります。そういうものが置いてきぼりになる可能性が、危険性があるということですね。
もう一つは、こういうことがいろんな随所に出てきたんです。二枚目の資料に、これもちょっと、今までにない文言が出てきます。明日の日本を支える観光ビジョンの中で、これも左の視点一の途中で書いてございますけど、文化財を、保存優先から観光客目線での理解促進、そして活用へと書いてあります。私は何も、文化財全部鍵を閉めて、人に見せるべきじゃないと、保存だけだと、保存が一番大事だということを言っているわけじゃないんです。そうではなくて、とにかく、今までが保存優先なのかどうか分かりませんけれども、とにかく稼げと、活用して稼げということがここにも出てまいります。
こういう、さらに、もっと驚いたのは、ちょっと資料は配っていませんけど、文化庁の概算要求ですね、平成三十年度の、その中に、文化財で稼ぐと。文化庁の概算要求の中に、文化財で稼ぎますから予算をお願いしますと、とうとう文化庁までこういう表現を使うようになってきております。
細かいことは今申し上げませんけど、こういう方向について日本歴史学協会等々が非常に懸念を示されてきております。先ほど申し上げたように、もうかる文化財、もうからない文化財、大事な文化財でももうけられなければ置いてきぼりになるんじゃないかと、保存されないんじゃないかということも含めて、非常に危惧されている。そういう方向が今進んでいるということなんですけど、今日は文化庁から文化財部長の山崎さんに来ていただきました。山崎さんとはこの間いろいろ議論しておりますけれども、いかにも文化庁というか、文化財というか、そういう雰囲気を持った、私、すばらしい方だと思っているんですけど、こういう文化財で稼ぐという表現に、山崎さん、どうですか、抵抗感、抵抗はないですか。
○政府参考人(山崎秀保君) お答え申し上げます。
文化財は、我が国の歴史、文化等の正しい理解のために欠くことのできないものであると同時に、文化の向上、発展の基礎となる国民的財産であり、その価値を維持し、次世代へ継承していくことは極めて重要なことであると考えてございます。
御指摘の文化審議会の第一次答申、お話ございましたが、文化審議会におきましては、将来にわたって文化財保護を確固なものとするという観点から文化財保護制度について検討が行われ、昨年の十二月に文化審議会答申が行われたところでございます。
御指摘の箇所は、答申におきまして、「社会状況の変容に伴い危機に瀕した文化財について、地域の文化や経済の振興の核として未来へ継承する方策を模索し、文化財保護制度を、これからの時代を切り拓くにふさわしいものに改めていくことが必要である。」と記載されておるところでございます。文化審議会におきましては、文化の振興はもちろん、観光振興の側面からも重要なものと位置付けて、積極的に文化財の保存、活用に取り組む事例が地方公共団体にも多く見られるということから、このような表現になったものというふうに理解しております。
また、文化財関係の予算につきましては、平成三十年度予算におきまして、文化財を次世代へ確実に継承するために適切な保存修理や防災・防犯対策等を支援するための経費について、対前年度十億円増の三百七十六億円を計上するなど、文化財の保存のための取組の充実を図っておるところでございます。
文化庁としましては、引き続き、文化財の保存と活用の両面から適切に取り組んでまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 戦後、様々な経済要求といいますか、乱開発とかあったわけですけど、かたくななまでに文化財を守ろうとしてきたのが前身の文化財保護委員会であり文化庁だったわけですけれども、先ほど申し上げたように流れは今変わってきておりまして、ある文化庁の職員が私に言っておりましたけれど、なかなか文化財保護というのは予算が付かないと、人員も少ないと、その中でどうするか、ずっとみんなで苦労して考えてきたんですというような中で、こういう安倍観光戦略で、山本前大臣が言ったように、もうける文化財と、もうけろという戦略に乗ったら予算を増やしてやるというような流れで実際に十五年ぶりの予算が大幅増になったのではないかということは、その職員の人が言ったわけじゃないですよ、その流れを聞き取ると、明らかにこの路線に文化庁が魂を売り渡したというか、貧すれば鈍するといいますか、乗っかったために予算を増やしてもらったということは、私は客観的に見て取れると思うのでね。もちろん、文化庁の役人の人はそれでも保護したいという気持ちはうそだとは言いませんけれど、危ないところに踏み出しているということは言えるのではないかと思うんですね。
その実例として次に取り上げたいのは、奈良公園の中に高級ホテルを建設するという問題が去年から起きておりまして、資料の次にありますけれども、要するに奈良公園の中に奈良県と民間事業者が高級ホテルを建設したいと、それを文化庁が認可してしまったという話であります。
資料の三にありますとおり、ここは、ホテル建設予定地は、まだ建っていませんけど、これからなんですけれども、国指定のいわゆる名勝でありますし、文化財保護法等に基づいて歴史的風土特別保存地区に指定されているところでございます。奈良公園内で百年以上鹿も入っていない、鹿が入っていないという唯一の場所で、貴重な動植物が存在するところですね。
こんなところに、厳しい規制のあるところに、そもそも一切の構造物を構築すると認められないと、みんなそう思ってきたわけですけれども、ましてや民間の高級ホテルを建てるなんということはあり得ないと、これには文化庁が現状変更という許可をしなければならないので、そんなことはないだろうというふうに思ってきたわけであります。ここについては、大変貴重な場所でありまして、次のページに、自然保護協会も意見を出しております。
私も行ったことがありますが、うっそうとした特別の雰囲気を持った大変いい空間でありまして、これをこそ県民公園とかにしてその良さをアピールしていけば、奈良公園の新しいスポットとしてそれこそ観光客を呼べるというふうに思うんですけれども、どういうわけか、奈良県は、今の荒井知事さんというのは、私少し一緒にやったことありますが、参議院議員の方でしたね、その方が知事になって、まあとにかく開発大好きなんですよね。若草山にモノレール造るとか、もう本当、荒唐無稽なことばっかり考える方で、こんなところに一泊十万も二十万もするホテルを建設するということで、異様な異様な計画ということで住民運動、反対運動が広がって、署名も四万筆を超えたというようなことになっております。これは、名前は言いませんけど、ある大企業の有名な社長さんも反対運動の先頭に立って共産党と一緒に頑張っていると、大企業と共産党が一緒にこの反対運動をやっているというような構図。だから、もう全ての人がおかしいと思うような計画であります。
それを、次のページにありますけど、いろんな反対運動があるにもかかわらず、とうとう去年の六月に、大西課長さんというのがあると思いますけど、私に返事があったんですが、許可いたしましたと。とうとう許可しちゃったわけですよね。どういう根拠で許可したのかいまだよく分かりませんけれども、現状変更を許可したと。これはもう、文化庁、今までの文化庁なら許可するわけがないというような案件だと思うんですけれども、許可をしたということですね。あれこれ理由を付けて許可をしたわけであります。
これは余りにもおかしいと、これについてはもうとんでもないということで、次のページにございますけれど、住民の皆さんが不服審査請求というのをやったわけであります、文化庁に対して。おかしいと、この許可はおかしいという不服審査請求をやったわけですね。これが半年間も文化庁は、この住民の方々、代表は弁護士さんの方がこれだけずらっと並んでおりますけれども、返事をしないと。半年もほったらかしにしていたわけですね。私が催促したら、その何週か後にすぐ、すぐといいますか、やっと裁定が出たわけでありますが、裁決が出たんですが、その裁決書がこれでございます。
何を書いてあるかというと、住民の皆さんは、ああいうところに建てるのはおかしいと、その一個一個もう一遍ちゃんと審査してくれという意味なんですけれど、この裁決書は、七枚目なんかに書いてありますけど、何を言っているかというと、そういう、住民の皆さんが中身を問うているのに、これを許可していいのかという中身を問うているのに、それには応えないで、住民の皆さんは、あなたたちは利害関係者じゃないからこの不服審査請求をする資格がないと、こういう切り方をしたわけであります。なぜかというと、景観の利益、その景観を楽しむ景観利益というのはその住民の方だけのものではないと、国民一般のものであると、あなたたちはその特定の利益を代表する人じゃないから審査請求をする権利はないと。
だったら何かと、国民一般でなきゃ不服審判ができないのかと。裁判というのはそうじゃなくて、特定の利益の人しかできませんから、それをこんな理屈でやると、今後、文化庁がこれからいろんなものをこうやって許可しちゃうと思うんですけど、しちゃいけないんだけど、やっちゃうかも分からないんだけど、そのときに不服審査請求が出ても、その周りの人だけのこの景観は利益ではないと、国民一般のものだと、あなたたちだけのものではないから、あなたたちが特定利益ということで審査請求をするのはおかしいというような理屈で全部切られていくんじゃないかと。こういうことをよく半年間も返事をしないで、こんなこそくなことをずっと考え続けていたのかというふうに思うわけなんですね。
山崎さん、真面目な方だから聞きたいんだけれども、こんなことで裁決して却下していたら、これから文化庁の認可に対して誰も不服審査請求できなくなるじゃないですか、特定の利益と言われちゃったら、景観利益はあなたたちだけのじゃないと言われちゃったら。そういうことになりませんか、この裁決、文化庁が下した裁決というのは。
○政府参考人(山崎秀保君) お答え申し上げます。
御指摘の件につきましては、平成三十年二月二十六日付けで審査請求を却下する旨の裁決を行ったものでございます。
この裁決は、行政不服審査法に基づいて行うものでございますが、行政不服審査法は全面改正されまして、平成二十八年四月一日から施行されております。それ以来、文化庁における不服審査請求の初の事案として前例がない中で対応させていただいたことと、また裁決の内容によりましては審査請求人の方々にも大きな影響を与えるものであるということから慎重に検討を行ったということで、こういったことから時間を要したものでございます。
○大門実紀史君 何で時間を要したかは聞いていないんですよ。こういう裁決を下すと、今後住民の人たちは、京都だってそうですよね、いろんな観光地のそばに住んでいる人いますよね、何か現状変更をやったと、嵐山で、現状変更をやったと、住民の人たちがおかしいと言ったときに、あなたたちは、この景観は国民全体のものなんだと、あなたたち特定利益代表できないんだと却下したら、誰もこれから訴えられないじゃないですか。国民一般という名前で訴えることができないんだから。こんな裁決おかしいんじゃないですか。それを聞いているんです。
○委員長(長谷川岳君) 山崎文化財部長、正確にお答えください。
○政府参考人(山崎秀保君) はい。
行政不服審査法は、その第一条で、目的としまして、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民が簡易迅速な、簡易迅速かつ公正な手続の下で広く行政庁に対する不服申立てをすることができるための制度であると書いてございます。
処分についての審査請求につきましては、行政事件訴訟法の原告適格の規定に準じて解釈するという運用がなされておりまして、したがいまして、法律上の利益があるかどうかということが審査請求人としての要件になるというふうに理解しております。
○大門実紀史君 ですから、半年も掛けて法律家に相談して、こういうやり方、これでやればこれからいろんな不服審査が出てきても全部却下できると、よくまあこんなことを考えたなと思いますよね、こんなやり方。次はこれを、これそのものを裁判で問うことになると思いますから、この裁決を下した文化庁、問われますよ、こんなことをやったら。これから住民訴えられなくなりますから。それは本当に今から考えておいて、ちゃんと反省した方がいいですよ。
もう一つは、しかも文化庁が更に前のめりに住民の方々の要求をはね返しているという事態がこの間進んでおります。高級ホテルを建てる目の前の住民の方が、入口が正面なので、ホテルの、ちょっと入口移動してくれないかということを言ったら、何と奈良県が回答したのは、文化庁の役人が駄目だと言っていると、入口を変えるとまた現状変更になるから駄目だと言っているというふうなことではね返されたんですよね。これ、ちょっとおかしいんじゃないですか、山崎さん。
住民とホテルが話し合って、やっぱり今何でも住民と環境とかいろいろ話し合いますよね、マンション建設、何でも。そのときに、分かりましたと、ホテル側、奈良県が。じゃ、ちょっと入口ずらしましょうとかそういうまず相談があって、仮に何かの合意があって初めて県なりホテルが現状変更をしますと申請を文化庁に出して、それを審査して駄目ですとかいいとか言うはずなのに、最初から、最初から、申請も出ていないのに文化庁が駄目ですなんて一担当者が言うなんてことはおかしいんじゃないですか、これ。ちょっとこれ、訂正してください、これ、おかしいですよ。
○政府参考人(山崎秀保君) 御指摘の件につきましては、奈良県によりまして近隣住民の方々への説明会を昨年の十二月に開催されまして、その際に近隣住民からの要望としまして、現状変更の実施敷地の南側私道からの工事車両の進入路を敷地の東側に変更してほしいという要望があったということは承知してございます。これについては、奈良県から文化庁に対して照会がございまして、東側に入口を設置するためには相応の土地の掘削を伴って土地形状の変更度合いが大きくなることなどから、東側への入口の変更は名勝に与える影響が大きいのではないかと、こう助言をしたところでございます。
ただ、奈良県に対しましては、近隣住民の方々に対して十分に説明をし、御理解を得ながら進めるよう指導もしているところでございまして、それらを踏まえた計画の変更について奈良県から御相談があれば適切に対応してまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 ですから、勝手に文化庁の役人が今の段階で、申請もする前から駄目だなんて言っちゃ駄目なんですよ。ちゃんと言っておいてください、その担当者に。
最後に麻生大臣にお聞きしますけど、やっぱり、そもそもを言えば、この文化庁がこうやってちょっとゆがんできているのは、お金がない、予算がないというようなことから来ているようにちょっとおもんぱかったりするんですけれど、文化財行政というのは、今回のこの観光旅客税とか何かとかじゃなくて、そういうのはやっぱり国の財産としてきちっと守っていくというような予算措置をきちっと押さえていくということは、やっぱり今回のこの税法、新税どうのこうのじゃなくて、必要だと思うんですけれど、財務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、今おっしゃるように、これは日本の場合、そうですね、誰か偉い学者でしたけど、文化圏というものの中に日本というものは一国で一つの文化圏が成り立っている希有な国であるという考えを述べられて、何か余り頭の良くない東大の先生が何か反論していましたよね、あれ、たしか。あほな人がいるんだなと思って、そういう話を聞いて、今はそれが主流になりましたよ。当時はもうぼろかすでしたよ。日本がいつからそんな文化圏なんだ、中国の一派じゃないかとか何とか言って、何か訳の分からぬことを言った人がいたなという記憶が、僕はすごく、学生時代だったと思いますけど、そんな記憶があるんですけれども、今おっしゃるように、日本の場合はそういう独特の文化圏が成り立っているという自覚が元々足らぬものですから、何となくそういったものを大事にせにゃいかぬという意識も余り欠落しているというのは正直な実感です。
おまけに、何となく、何でしょうね、明治の御一新のときに何かいろいろな文化が急に入ってきたせいもあって、カード、いわゆるトランプはいいけど花札は駄目だとかね、何か訳の分からぬ基準で決めたわけでしょう、あのときも、学校で。三味線は駄目だけどギターはいいとか何とか訳の分からぬ、決めたじゃないですか、あのとき。ああいったようなものというのは結構残っているんだと私はずっとそう思っていますよ。
百何十年間残って今日まで来ているというのは否めない事実だと思いますけれども、ただ、おかげさまで、外国からいろんな影響が来たおかげで、浮世絵なんというのは、全く日本の本流じゃなかった絵が、浮世絵をゴッホが使ったりいろいろしたらいきなり海外から浮世絵が逆輸入してくるというようなところもあったりして、ちょっと寂しいところはあるんだと思いますけれども、いずれにしても、こういったものに対する理解というのはこれよほどきちんとしておかねばならぬと思って、それを政治家に期待すると、政治家が文化レベルが高いかどうかは別にして、そういったようなことも考えてやっていかないかぬのだと思っておりますけれども。
今は、海外からの方はいずれもこの日本の良さというものを改めて再認識をされて、一回来られたらまた来るいわゆるリピーターの数が物すごく日本の場合は多いんですけれども、そのリピーターが増えてきております今の状況というのを見ますと、私どもとしては、こういったようなものが逆に荒らされないようにしておかないといかぬというところで、大門さんは京都か、京都だったら苔寺なんてのは、人が行き過ぎたらコケは生えぬのですよ。当たり前でしょう。だから、コケの中へ入らせないようにしなくちゃどうしようもないわけでしょう、あれ。あの苔寺の和尚の言ったせりふは正しいですよ。こんなに来てもらっちゃ迷惑だって言ってのけたといって、何かそれが観光に反するとか何とか、えらい騒ぎになったこともありましたけれども、あれはあの人が言っているのが正しい。だから、入場制限したら、あのお寺の住職が正しい判断をしたんだと、私そう思っていますけれども。
そういった意味で、きちんとした意識を我々も持っておかないかぬなと思った上で、今の今回の予算に関しては、文化庁の話をしておりましたけれども、今回の予算の中でいわゆる文化庁の予算として三%伸びておりますけど、その中で、国宝、重要文化財建造物の保存修理事業等々いわゆるおっしゃったような部分に関しての伸び率はこの倍の六%、比率としては伸びておりますので、額としては大したことではありませんけれども、そういった方向できちんとやっていかないかぬものだとは私どももそう思っております。
○大門実紀史君 終わります。
参考人
定期航空協会企画委員会委員長西尾忠男君
明治大学公共政策大学院教授田中秀明君
○参考人(西尾忠男君) 定期航空協会で企画委員会委員長をしております西尾忠男でございます。
本日はこのような機会をいただき、航空業界として御出席の先生方に国際観光旅客税に関する意見を述べさせていただくことができますとともに、深く感謝申し上げます。
まず、定期航空協会について簡単に申し述べさせていただきます。
定期航空協会は、我が国航空運送事業の健全な発展を促進することを目的に設立され、現在、我が国の重立った航空会社十五社が加盟している航空の業界団体でございます。本日御審議いただく国際観光旅客税は、出国行為に課税されると伺っております。したがって、国際線を運航し、本税を国に代わり徴収し、お客様に代わり納税する航空業界を代表して、使途や具体的な活用方法について、これまでも関係各所に要望をさせていただいております。このような立場から、本日は意見を申し上げたいと思っております。
まず初めに、観光に関する航空業界の基本的な認識を申し上げます。
御存じのとおり、今日の我が国経済に対して訪日旅客がもたらす影響は非常に大きく、観光産業は既に我が国の経済の成長を支える不可欠な産業へと成長を果たしていると考えております。この中にあって、航空業界は、明日の日本を支える観光ビジョンで掲げられた、観光は真に我が国の成長戦略と地方創生の大きな柱であるという政府のお考えに賛同し、拡大する世界の観光需要、特に近隣アジア諸国からの観光需要の取り込みを図ってまいりました。その結果、昨年は、訪日外国人旅客数が過去最高を記録し、外国人旅行消費額も四兆円を超えるに至っております。
加えて、二〇二〇年には四千万人、二〇三〇年には六千万人に訪日旅客を増加させるという政府目標の実現に向けて本邦航空業界も様々な取組を進めているところでございます。特に地方創生、すなわち訪日旅客の経済効果を地方に波及させるという点においては、航空ネットワークを活用し訪日旅客を地方へ誘客するために、訪日外国人向けの割安な特別料金を用意して、都市部だけではなく地方への訪問を動機付ける、また航空会社として、訪日需要そのものを喚起するために、JNTO、日本観光政府局等とともに海外において日本の地方の魅力をPRする等、多種多様な取組を進めております。
加えて、観光産業というのは、大変裾野の広い産業であり、我々のような輸送サービスはもちろんのこと、飲食や宿泊を始め、小売、農林水産業など、様々な産業に影響が波及する極めて重要な産業であると考えております。少子高齢化などの影響で大幅な経済成長が難しいと予想されている中、今後の日本経済にとって観光産業の発展は不可欠です。もちろん、我々航空業界としましても、より一層の観光産業の発展、ひいては日本経済の発展に貢献をしてまいりたいと強く考えております。
さて、今申し上げましたように、ビザ発給要件の緩和を始めとする政府の外国人旅行者の訪日の促進施策によって順調に伸びてきた訪日旅客数ではございますが、今後更に訪日旅客数を増やそうという中で、空港を取り巻くハード、ソフト両面で様々な施策が必要だという状況も明らかになってきております。これらの問題を解決し、日本が更に成長を遂げるためにも、観光産業を飛躍させる新たな財源が必要だという話の中でこの国際観光旅客税が創設されるものと理解しております。
国際観光旅客税は、我々の要望も受けていただいた結果、受益と負担の関係が明確になっております。また、利用者利便の向上に財源が活用されると伺っております。そして何よりも、当財源を活用した施策により訪日旅客が増加することは、航空業界はもちろん観光産業全体にとって大変喜ばしいことであり、国際観光旅客税法案を成立させていただくことは航空業界としても望ましいことだと考えております。加えて、来年二〇一九年にはラグビーワールドカップ、二年後の二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が予定されており、これら国内で開催される国際的なイベントに対して訪日旅客を受け入れる体制を充実させることは必須であり、そのための財源の確保の必要性は理解できるものであります。
定期航空協会としましては、昨年の夏に国際観光旅客税、当時は出国税と仮に呼ばれておりましたが、本税の創設の検討が始まった初期の段階より、どういう形で観光財源を確保し、仮に税として徴収するのであれば使途をどのようにすることが望ましいかということを具体的に要望してまいりました。
具体的に我々が国際観光旅客税の使途に関してこれまでどのような要望をさせていただいてきたかお話しさせていただきます。それは、受益と負担の関係を明確にしていただきたいという一点に尽きます。つまり、負担者である国際旅客が裨益する使途としていただきたいということです。この要望については、二〇一七年十二月二十二日、観光立国推進閣僚会議において決定いただいた国際観光旅客税(仮称)の使途に関する基本方針等についてにおいて、受益者負担である旨を明らかにしていただきました。加えて、さきの参議院本会議において、国際観光旅客税の使途を規定する外国人旅客の旅行の容易化等の促進による国際観光の振興に関する法律の一部を改正する法律案を可決していただきました。この点について、改めて先生方に御礼を申し上げます。ありがとうございました。
また、この税をどう活用していくかということで、国土交通省航空局や観光庁を始め関係各所の皆様と議論させていただいてきたところであります。航空業界からの要望としましては、繰り返しになりますが、税の負担者である国際航空旅客の理解を得られる使途としていただきたいということです。特に、観光旅客のみならず、ビジネス旅客や日本人出国者からも理解を得られる使途に財源を活用いただきたいと希望してまいりました。これらを実現するために、当財源は、空港環境の飛躍的な向上、特に、全てのお客様がストレスなく快適に利用できる先進的な空港利用環境の実現に活用すべき財源であると定期航空協会は要望してまいりました。
これを具体的に申し上げますと、生体認証技術を活用したスマートエアポートの創設ということになります。この国際観光旅客税(仮称)の使途に関する基本方針等についてに示された、ストレスフリーで快適に旅行できる整備の環境、受益と負担の関係から負担者が納得を得られること、先進性が高く費用対効果が高い取組であること、そういう基本方針にも合致するものであると理解しております。
では、生体認証技術を活用したスマートエアポートの創設とは何かということでございますが、これは、空港において、国際線航空機に搭乗するまでのチェックポイント、すなわちチェックイン、荷物預け、保安検査場への入場チェック、出国検査、そして搭乗ゲート等を全て自動化し、その上で、個人の顔を鍵とすることで手ぶらでストレスなくチェックポイントを通過する仕組みを構築し、空港をストレスなく利用していただこうという考えです。現在は、これらのチェックポイントにおいて係員が作業を行い、本人確認のために都度パスポートや航空券を提示いただくなど、お客様にお手間をお掛けしております。また、それらの確認に時間を要することから、お客様をお待たせして御不便をお掛けする結果となっております。現在の訪日旅客数の人数でもお客様に御迷惑をお掛けしておりますが、これが訪日旅客四千万人、六千万人となった際のお客様のストレス、快適性の毀損は想像に難しくありません。
では、どのように変えるかと申しますと、チェックインの際にお客様の顔情報とパスポート情報、航空券情報等を取得して一つの情報にまとめます。そうすることで、次のチェックポイントである手荷物預けや保安検査場の入場などにおいて、お客様はパスポートや航空券を取り出すことなく、御自身の顔を鍵とすることで全てのチェックポイントの通過が可能になります。また、係員が確認することがなくなりますので、チェックポイントを通過する時間の短縮にもつながりますし、省人化による人手不足対策としても有効であると考えます。つまり、生体認証技術を活用することで、空港混雑の緩和が実現するとともに、パスポートや航空券をその都度提示するストレスからお客様を解放し、先進的な、世界で一番便利な空港サービスの提供が可能になると考えております。
この空港利用環境の実現は、訪日旅客のみならず、日本人出国者にも非常にメリットのあることだと考えております。加えて、訪日旅客の方々に日本の空港は便利だ、ストレスがないと感じていただくことで、訪日リピーターも増やせるのではないでしょうか。
現在、世界で最も先進的とされている空港の一つにシンガポールのチャンギ国際空港がございます。この空港で昨年、最新のターミナルがオープンいたしました。しかし、この最新ターミナルビルでも、各チェックポイントでは、パスポートを利用した旅客の本人確認を行っております。しかしながら、我々は、パスポートを使うことなく、顔認証のみ、手ぶらで本人認証を行う空港利用環境の実現を要望しております。
したがいまして、日本においてこれまで申し上げてまいりましたような技術を活用した空港が実現すれば、政府が目指す観光先進国として、世界に誇る非常に先進的な空港サービスを世界の方々に提供することが可能になると考えております。こうした技術は、スマートなセキュリティー検査など、先進的な空港サービスの実現を視野に、本年一月には、国土交通省、全国空港ビル協会、定期航空協会が合同で第一回空港イノベーション推進官民連絡会を開催させていただきました。官民連携した航空イノベーションの推進に、引き続き定期航空協会としても取り組んでまいりたいと考えております。
また、お客様をストレスから解放するという意味においても、航空券に上乗せして徴税するオンチケット方式が合理的であると考えます。他国においてもオンチケット方式での徴収は事例がございますし、徴収と納付において他国と同様の枠組みを活用することで、航空会社はお客様に御負担を強いることなく、特別徴収義務者として役割を果たすことができるのではないかと考えております。
最後に、航空業界として政府にお願いしたい点を一点申し上げます。それは、税の導入に関する周知を十分に行っていただきたいということです。やはり、税を負担されるお客様への周知というものは大変重要であると考えております。特に本税は、国内だけではなく、訪日を検討している海外のお客様に対して税が新設されたことや税額等を周知し、全ての訪日旅客に御理解いただくことが必要でございます。この点に関して、日本を含めた全世界的な広報活動について、航空を始めとする事業者とともに、政府としての税の導入までに十分な御対応をいただきたいと希望しております。
以上、本税を国に代わりましてお客様から徴収し、納税する航空業界の立場を代表し、意見を述べさせていただきました。
本日は、貴重な機会を頂戴し、誠にありがとうございました。
○委員長(長谷川岳君) ありがとうございます。
次に、田中参考人にお願いいたします。田中参考人。
○参考人(田中秀明君) 本日は、国際観光旅客税という新税の導入に関する国会審議におきまして意見を述べる機会をいただきまして、深く感謝申し上げます。光栄に存じております。
私は、明治大学公共政策大学院で、財政や税制、社会保障など公共政策の問題を研究し、主に社会人を対象に授業を行っています。新税の導入は公共政策の観点からも極めて興味深いテーマであります。
それでは、お手元に配付させていただきました資料に基づき、説明させていただきます。表紙の次のスライドを御覧ください。
これは、目的税、特定財源について一般論としてメリット及びデメリットを整理したものです。メリットといたしましては、受益と負担の関係が明確である、応益性にかなう。それから、厳しい財政事情の中で、また増税が難しい中で財源の確保に努力している。それから、増税について納税者や国民の理解が得られやすい。他方、デメリットといたしましては、必要性が低下しても制度が維持されるなど既得権益化しやすい。歳出全体で優先順位を考えないため、無駄な支出、費用対効果の低い支出となりかねない、財源があるから予算を使い切るインセンティブを与える。それから、応能性とは言えない。
補足になりますが、これまでも目的税や特定財源については問題が指摘されています。例えば道路特定財源、現在では一般財源化されていますが、過去におきまして、道路特定財源を国交省の公務員がレクリエーション費用やミュージカル開催費用、タクシーチケットに流用されていたことが発覚されています。それから、原油、輸入石油製品等に課せられる石油石炭税につきましては、石油特会の決算状況を検査しました会計検査院の平成十四年度決算検査報告では、剰余金が出ている、それから、毎年度多額の石油税収入が一般会計から繰り入れられている一方で、石油安定供給対策費を中心に相当額の不用額が生じている状況が長期間継続して繰り返されている、こういった問題が指摘されているわけです。
政府の資料では、行政事業レビューの活用、PDCAの循環などを図るとしております。この目的税、特定財源は決して否定されるべきものではありませんが、過去の事例を見ると、現実には理論どおりには機能するとは限らないということが言えると思います。
次のスライドを御覧ください。
今般、この審議の対象となっております国際観光旅客税法には税金の使途などは規定されていません。それは、長い法律名ですが、外国人観光旅客の来訪の促進等による国際観光の振興に関する法律という、こういう別の法律に規定されているわけです。一般国民には、こう分かれているというのは非常に分かりにくいですね。
それから、同法の目的は、ここに書いてございますように、幾つかあります。今回のこの税金は国際観光振興施策に充てるということになっているんですが、この施策がこの目的の達成にどう寄与されて、まあ寄与されていることは想定されているんですが、具体的にはよく分かりにくいと。また、この法律が全体として想定している施策とこの旅客税の対象となる振興施策がどのような関係にあるのか、例えば同じなのか、包含されるのかということもよく分からないわけです。
目的そのものは否定しないわけですが、この国際観光旅客税による個別の施策がどのようにこの第一条の目的に寄与するのか、費用対効果が高いかをどうやって検証するのか、それから、いわゆるKPI、重要成果指標は何なのかというのが、残念ながら政府の指標にはよく分かりません。
次のスライドを御覧ください。
法律では、この国際旅客観光税の使途は三つ規定されています。このうち、一のCIQの充実については必要性は非常に理解できると思います。
去る三月、オーストラリアに出張する機会がございました。シドニー国際空港を利用したんですが、早朝、シドニー国際空港に着いたときに、ほとんど待たなかったんですね。昔、オーストラリアに住んでいたことがありまして、大体夜行便が朝に集中して、非常に長く待たされていたんです。今回はほとんど待つことはありませんでした。それは、自動化ゲートができたおかげで、多くの利用者は自動化ゲートを活用していると。私自身は自動化ゲートを使わなかったんですが、ほとんど並ばなかったという状況でした。
他方、この使途として考えられている二番目と三番目の施策については、この法律の規定では、読んでいただければ分かりますが、何でも含まれるわけですね。
例えば政府の観光ビジョンを見てみますと、いろんな施策が書かれています。例えば国立公園のナショナルパークとしてのブランド化、滞在型農山漁村の確立・形成、東北の観光振興、民泊サービスへの対応、訪日プロモーションの戦略的高度化、観光教育の充実と、まあいろいろ書かれているわけですね。こうした無数の施策について必要性や費用対効果をどうやって評価して優先順位を付けるのか、それから既に国や地方自治体の施策というのはあるわけで、それとどうやって区別するのかということが疑問に思うわけです。
次のスライドを御覧ください。
目的税や特定財源を説明する際に強調される一つのメリットは、受益と負担が明確であるということです。しかしながら、この国際観光旅客税は本当にそうなのかという疑問が湧くわけです。
繰り返しになりますが、CIQに関する施策については、まあ場所ですね、空港とか港は限られているわけで、受益と負担の関係が比較的明確だと思います。しかしながら、他の施策、例えば日本人、税金を負担する全体の約四割と想定されていますが、日本人にとっては、例えば情報の取得であるとか、必ずしも恩恵が来るというわけではありません。それから、外国人の場合も、観光で来られる方にとってはいろいろメリットがあると思いますが、ビジネスで来られる方にとっては必ずしもその便益が明確だというふうには言えないわけです。つまり、こうした人たちにとっては今回の新税は負担だけを負うことになると、そうした人たちにも、納税者にも合理性や必要性、妥当性をどのように説明するのか、そうした疑問が湧くわけです。
最後のスライドになります。全体をまとめたいと思います。
第一に、財源確保に向けた努力、観光振興の必要性といったことは高く評価できると思います。他方、政府の資料を見る限りは、この国際観光旅客税の負担者が納得できるような制度設計になっているか、残念ながらよく分からない。これは既に申し上げましたように、全てがそうだということを申し上げているわけではありませんが、必ずしもそうとは言えないというふうに申し上げることはできます。それから、一番大事なことなんですが、個別の具体策がこの目的達成に寄与しているのかと、あるいは費用対効果が高いのか、こうした点について不断にチェックする必要があるということで、国会がその役割を果たす必要があるのではないかなと思います。
補足しますと、国際観光旅客税は、理論としては評価できます。ただし、その実際の運用においては、これまでの目的税や特定財源の経験を踏まえると大きな懸念があるということが言えます。まだ実際に導入されているわけではありませんが、懸念については大体分かっているわけで、それに対する対策を講じる必要があるというふうに思うわけです。
税金は取りやすいところから取るとしばしば言われますが、この国際観光旅客税が納税者の期待に応えられるように対策を講じるべきであり、繰り返しになりますが、国会の監視機能が最も重要だというふうに考えております。
以上で私からの説明は終わります。御清聴ありがとうございました。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史と申します。
私は、国会で国際連帯税の超党派の議員連盟があるんですけれども、自民党の林芳正さんが最初会長とかやられて、もう十年以上やっているんですけれども、自民党、公明党、民進党、共産党、超党派でやってきているんですけれども、今回の旅客税によって私たちが検討してきた国際連帯税が非常に難しくなってきたと、ダブルで課税なんてことできませんので。そういう点で、具体的に言うと航空連帯税というのをこの間検討してきたわけでありますけれども、そういう収入を世界の貧困対策、飢餓、感染症対策、子供の命を救うというところに使おうということでやってきたんですけれども、今回かなりそれは難しく、その形は難しくなってきたというふうになって、NGOとか市民団体の皆さんもそういう点では非常に怒りを持って今回の税、新税を捉えているということなんです。
私たちが検討してきた航空券連帯税に一貫して強く反対してこられたのが西尾さんのところの定期航空協会ということで、今日はよくいらっしゃいましたと言いたいんですけど。今回の、西尾さんは、ちょっと変なんですね、皆さんの定期航空協会というのは。今まで航空券連帯税には反対してきておいて、今回の旅客税はいいんだいいんだと、よく分からないですよね。受益と負担の関係が今回の国際旅客税は明確だとさっきもおっしゃいましたけど、そうでもないんじゃないですか。さっき田中先生の意見も、国会での議論聞いても一致しないところいっぱいあって、全然どこが明確なのかよく分からないんですけれども。
少なくとも、定期航空協会が、今後のこともあるのできちっとしてほしいんですけれど、国際連帯税、航空税の導入に強く反対されて、事前にもらった資料、私たちが検討してきた、自民党の皆さんも一緒に検討してきたこの航空連帯税は受益と負担の関係が不明瞭だということで強く反対をしてきたということをずっとおっしゃっているんですね。
率直に申し上げて、これ航空券に掛けようというのが私たちの案でしたから、航空会社として嫌だとか航空券に掛けられると面倒だとか、それで反対されるんならまだ分からなくはないんですよ。ところが、偉そうに受益と負担がどうとか何か税制論に踏み込んで、よくまあ言ったなと思いますよ、本当に。JAL、JAL、西田さんが質問者じゃなくて良かったですね、本当に。JALでしょう、あなた。よくまあこういうことを言ってきたなと思うんで、ちょっとせっかくだから言いたいんですけど。
今後のためにちょっと聞いてほしいんだけど、グローバルタックス論というのがあるんですよね。国境を越えた経済活動に対する課税という、課税すると、その税収というのは一国が使うべきではないと、国際社会が使うべきであると。国際社会はやはり今一番困っている人たちに対して公共財の提供をするということに使うべきだというグローバルタックス論というきちっとしたものの上に私たちは議論してきたわけで、もう一つはODAってありますよね。これは先進国が途上国に支援すると。
これはなぜやるのかと、なぜそういうことをやらなきゃいけないのかと。あるいは、国際航空券のチケットを買えるような一定の収入のある人は、世界の、そういう層の人たちから一定の少額の税をいただいて、それを今本当に世界中で、今日あした、何万人死んでいるわけですよね、そういう貧困の子供たちのために使うと。こういう再分配、国から国への再分配、富裕層から貧困層への再分配と、こういうこととグローバルタックス論が一緒になって私たちはこの国際連帯税を議論してきたわけですね。それを簡単に、受益と負担の関係が不明確だから強く強く航空券連帯税に反対しますと、ちょっと考え方、違うんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。
○参考人(西尾忠男君) 国際観光連帯税のところでございます。
今回、国際観光旅客税は観光立国実現のために使われており、航空券連帯税は主に発展途上国の支援を目的としていると私は伺っております。発展途上国の支援になぜ訪日外国人旅客を含めた国際航空旅客が負担するのかといったところは、受益と負担が不明瞭であるということで強く反対しており、今回の国際観光旅客税は観光立国実現のために使われていると、そういうことが明確であるということで、我々はこれは明確であるから賛成している、そういう内容でございます。
○大門実紀史君 人の話、全然聞いていないですね。今申し上げたでしょう、考え方を。そういう考え方だから、そういうふうな単純な受益と負担の議論をしてきたわけじゃないんですよ。もっと勉強してほしいのね、そういうことを。仮にも定期航空協会ということでやっているんだったら、そう簡単に、軽々に物を言うべきじゃないですよ。きちっと勉強してから、世界のグローバルタックス論とか勉強してから物を言ってほしいと。今後のこともありますから、私たちの活動の最大の障害になっているんだから、定期航空協会が、本当にはっきり言って。きちっと勉強してから、堂々たる議論をやりましょうよ。
もう一つは、おかしいんですよね。航空協会は、そもそも、こういう税金は観光客減らすというか経済活動を阻害すると言っていたじゃないですか。何が変わるんですか、今回。観光客から、入出国する人からそういうものを取ったら、連帯税ですよ、連帯税のとき、取ったら観光推進を阻害すると言ってきたんじゃないですか。今回、これ同じじゃないですか、その点では。何で今回は阻害しないんですか。
○参考人(西尾忠男君) 今回のいわゆる国際観光旅客税につきましては、しっかりと徴収されたものが自分たちの、いわゆる出国する空港、並びに今まで感じていたストレス、そういったところに対してストレスフリーを実現し、いわゆる空港イノベーションが実現し、効果が目に見えてくる、いわゆる受益がちゃんと分かる、そういったことで我々は今回の観光税については賛成しております。
○大門実紀史君 ですから、その最初から受益と負担がはっきりしていないと言っているんですよ。だって、ビジネスで来て、行く人がなぜ日本の観光にお金使うことに、自分のが取られて、どう納得するんですか。田中先生言われたように、一定のところはそれは受益と負担の関係がはっきりすると思うんですけれどね。別に今日は参考人質疑なので、余り言っちゃあれなんでしょうけど、もうちょっときちっと考えて物を言ってもらいたいですね、団体としては。
じゃ、終わります。
≪反対討論≫
○大門実紀史君 反対の討論を行います。
国際旅客税は安倍政権の観光立国戦略に財源を提供するものです。日本の文化や歴史、自然などの魅力が広がり、外国人観光客が増えることは歓迎すべきです。ところが、安倍政権の観光戦略は、もうかる文化財の言葉に表れているように、もうけ本位の観光ビジョンに傾いており、開発優先、規制緩和が中心で、文化財も保護よりもうけを優先する活用を推進し、文化的、歴史的価値を損ない、中長期的に見れば観光資源を失うおそれさえあります。
また、政府は、この新税がカジノを含むIRの整備に使われる可能性も否定しませんでした。世論調査では、カジノ解禁反対という国民の声が六割、七割に達しています。それは、賭博が刑法で禁じられた犯罪であり、ギャンブル依存症を蔓延させるからです。賭博場建設を含むこのような観光戦略に資するための新税は必要ありません。
なお、出国時に課税するやり方は、国際連帯税の一方式として長年にわたり検討されてきました。国際連帯税は、その財源を温暖化や飢餓、感染症など地球規模の課題の対策に充てようというもので、超党派の国会議員と市民団体の間で議論が重ねられてきました。今回の新税は、その課税方式だけこそくにも借用し、国際連帯税の崇高な目的をないがしろにし、導入を妨害するものです。
以上、抗議の意味を込めて、反対討論といたします。