国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi ● ● ● ●


■2018年3月28日 本会議 富裕層の課税強化を/所得税法改定案・反対討論
<赤旗記事>

2018年3月29日(木)記事

所得税法改定案成立
富裕層の課税強化を
大門氏が討論

 所得税法等改定案が28日の参院本会議で自民、公明などの賛成多数で可決され成立しました。採決に先立ち日本共産党の大門実紀史議員が反対討論を行いました。

 大門氏は、今回の法改定には、賃金引き上げ促進を口実にさらなる大企業減税が盛り込まれていると指摘。すでに400兆円超の内部留保をため込んでいる大企業に賃上げ支援措置は必要ないとして「本気で賃金引き上げを言うなら、まず裁量労働制や『残業代ゼロ法案』を含む労働法制の大改悪をやめるべきだ」と強調しました。

 大門氏は、給与所得控除の見直しによる「サラリーマン増税」も問題だと指摘し「所得の再分配と言うなら、富裕層優遇の証券税制を見直し、欧米並みに課税を強化すべきだ」と主張しました。

 大門氏は、アベノミクスの中心である「異次元の金融緩和」の2%の物価上昇目標が5年たっても達成できず「副作用ばかりまき散らしている」と批判。

 貧富の格差が急速に拡大し、格差是正が喫緊の課題になっているとして「もうかっている大企業や富裕層からもっと税金を取り、その分国民生活を支援する予算を充実すべきだ」と強調しました。

 大門氏は、安倍政権が日銀の黒田東彦総裁を続投させて異常な金融緩和を続けようとしていると指摘。「まさに亡国の経済政策だ。安倍政治を終わらせるしかない。国民、市民と野党の共同をさらに広げることを呼びかけていく」と表明しました。

≪議事録≫

○大門実紀史君 日本共産党を代表して、所得税法等改正案に反対の討論を行います。
 討論に入る前に一言申し上げます。
 国民の財産である国有地をなぜ財務省が異例の手続と破格の安値で森友学園に売却したのか、その全容解明は、財政金融委員会としても重要な課題でありました。
 ところが、財務省は、この一年、各委員の質問に対し、事実を隠蔽し、改ざん文書を提出した上に、虚偽の答弁を繰り返してきたのです。このことは、国政調査権をじゅうりんし、委員会審議を冒涜するとともに、国民と国会を愚弄する前代未聞の犯罪行為であり、断じて許されるものではありません。厳重に抗議をするものです。
 昨日、佐川前理財局長の証人喚問が行われましたが、政権への配慮、そんたくはする一方、肝腎なことには証言拒否を続け、改ざん問題はもちろん、森友学園問題全体の政治的背景や官邸筋の関与など、疑惑の解明は全く進みませんでした。
 佐川氏の思惑はどうあろうと、一部の役人が犯罪行為である公文書の改ざんを自発的に行うなどあり得ません。また、この間の自民党議員の質疑を聞いても、事務方だけがやったことにしようという意図が露骨に見えます。役人だけに全ての責任を押し付けて幕引きを図ろうと考えているのなら、与党、政治家として余りに恥ずかしいことではありませんか。
 さらに、改ざんなどしないでそのまま出せばよかったんだ、隠す意味などなかったと、事の重大性を意図的に軽く見せようという発言が繰り返されてまいりました。しかし、この問題に関わって、近畿財務局で長い間真面目に誠実に働いてきた職員の方が、心労の末、命を絶っています。人一人の命が失われている事件に対し、意味がなかったなど軽々しい物言いは厳に慎むべきであります。
 むしろ、亡くなった方だけでなく、公文書改ざんという犯罪行為をさせられた職員たちの苦悩を思い、誰が、何が彼らに無理な行為を強いたのか、真実を明らかにすることこそ、私たち国会議員の責務ではありませんか。
 そのためにも、安倍昭恵氏を始め、野党が要求している方々の証人喚問の実現に与党の皆さんも速やかに協力するよう強く求めます。
 反対討論に入ります。
 まず指摘しなければならないのは、税制改正の前提となる現在の経済情勢や、国民生活に対する認識が根本から間違っているという点です。
 この五年間、アベノミクスは何をやってきたのか。アベノミクスの中心柱は、二〇一三年の政府、日銀の共同声明によってスタートした異次元の金融緩和政策でした。この政策は、二%の物価上昇目標を掲げ、日銀が大規模に国債を買い入れ、代わりに円を大量に世の中に供給すればデフレからインフレになって、景気も良くなり、いずれ賃金も上がるだろうというシナリオでした。しかし、五年たっても目標は達成できず、副作用ばかりまき散らしています。
 シナリオどおりにいかないのは、デフレの原因分析と処方箋が間違っているからです。デフレに陥ったのは、金融政策の結果ではありません。九〇年代後半から政府と財界が一体となって進めてきた非正規雇用の拡大など、賃金抑え込み政策が原因です。賃金の抑え込みが消費の減少を招き、消費の減少が物価の下落につながるという悪循環、すなわち賃金デフレこそ、この二十年間のデフレの正体です。この点では、今や、我が党だけでなく、政府のブレーンをしていた学者からも、デフレ脱却には賃金引上げしかないという声が上がっています。今求められているのは、金融緩和などではなく、賃金の大幅引上げです。
 大体、安倍内閣が本気でデフレの克服を目指してきたのか、今となってはそれも疑わしい。デフレに対する効果は不明でも、異次元の金融政策を始めれば何が起こるか。誰にでも最初から予測できたことが二つありました。
 一つは、円を一気に市場に供給すれば、急激な円安を招き、輸出大企業が巨額の為替差益を手に入れられること、連動して株価も上がり、株主も大もうけできるということです。実際そうなりました。
 もう一つは、日銀が国債の購入にちゅうちょしなくなれば、政府は安定的に国債を発行できるようになります。実際、この五年で、日銀は国債発行残高の四割を保有するまでになり、国の借金を中央銀行が支える事実上の財政ファイナンスが進行しました。このことは、公共事業の拡大など財政出動を求める政治圧力にも応えるものとなり、さらに、日銀は、巨額の資金を株式市場に投入し、株価を支える役割まで担わされるようになりました。
 この五年間を振り返れば、異次元の金融緩和の本当の目的は、デフレの克服などではなく、大企業、株主への利益供与、国債発行と財政出動への保証、さらに株価維持という極めて政治的な意図にあったと言われても仕方がないのではありませんか。
 そして、今、日銀は、出口のない袋小路にはまり込んでいます。日銀が保有する四百五十兆円を超える国債は、売るに売れないどころか、買うこともやめられない。やめれば国債価格が急落し、金利の上昇による経済パニックや国の財政破綻を招くからです。かといって、このまま財政ファイナンスを続ければ、国の財政に対する信頼はいずれ失墜をいたします。
 楽観的な期待は一瞬で反転するというのが、金融経済の歴史的教訓です。早急に正常化の道を探らなければならないのに、安倍内閣は、事もあろうに、黒田総裁を続投させ、異常な金融緩和を続けさせようとしています。まさに亡国の経済政策だと厳しく指摘しておかなければなりません。
 こういうアベノミクスの下、貧富の格差は急速に拡大し、格差是正が喫緊の課題になっています。そのために税制は何をなすべきか。簡単であります。もうかっている大企業や富裕層からもっと税金を取って、その分、国民生活を支援する予算を充実すればいいのです。
 ところが、今回の税制改正では、賃金引上げ促進を口実に、更なる大企業減税が盛り込まれています。大企業は既に四百兆円を超える巨額の内部留保をため込んでおり、賃上げ支援措置など全く必要ありません。またまた内部留保が積み上がるだけです。本気で賃金引上げを言うなら、まず裁量労働制や残業代ゼロ法案を含む労働法制の大改悪をやめるべきです。
 また、給与所得控除の見直しによる中間層を含むサラリーマン増税も問題です。所得の再分配と言うなら、二百三十万人ものサラリーマンに増税するのではなく、富裕層優遇の証券税制を見直し、欧米並みに課税を強化すべきであります。
 政治の私物化、憲法改悪と教育への介入に見られる政治の右傾化、そして亡国の経済運営、どれを取っても、安倍政治はもう終わらせるしかありません。そのために、国民、市民と野党の共同を更に広げることを呼びかけ、反対討論を終わります。(拍手)

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