≪議事録≫
○大門実紀史君 大門です。
今日も損保代理店の問題を取り上げさせていただきます。この間、今日で三回目ですけれども、大臣、金融庁が前向きな対応をしていただいて感謝を申し上げておきたいというふうに思います。
今日は、大手損保による、中小、地域で頑張る中小代理店いじめといいますか、一番高圧的にやっている問題の典型であります乗り合い拒否という問題を、もう長年の問題になってきていましたが、取り上げたいと思います。
改めて申し上げますと、複数の損保会社の商品を取り上げる、複数扱う代理店のことを乗り合い代理店と言います。特定の一つの損保会社の商品だけを扱うのを専属代理店と言うわけですけれども、専属代理店でスタートしてやってきた中小代理店が、この前も取り上げましたけど、ポイント制度という下で手数料収入がどんどん減額されて、売上げが伸びているのに収入が減るというような事態に追い込まれているという中で、何とか売上げは伸ばしたいと思ったとき、あるいはまた、お客さんに複数の損保会社の商品を紹介してニーズに応えたいと思ったときに乗り合い代理店になろうと思うわけですけれども、ただ、そのときに、大手損保というのは、囲い込み意識が大変強いわけでありますし、自社の売上げが減るというようなことも懸念してほかの損保との乗り合いを拒否するわけですね。それが脅迫的なやり方、強権的なやり方で乗り合いをやめさせようということで、これが地域代理店の、中小代理店の営業権の損害にも、営業の自由を損害するし、営業権そのものも侵すものではないかということで長い間問題になってきたわけであります。
具体的事例、この間も相談来ておりますが、具体的事例を示したいと思いますが、まず今現在進行中の事例を一つ紹介します。
資料配らせていただきましたけれども、損害保険代理店の委託契約書であります。こういう契約書の形式というのは、損保ジャパン日本興亜とか東京海上とかあいおいとかありますけれども、大体形式は同じであります。二枚目見ていただければ分かるんですけれども、要するに、全体として、大手損保が上から目線で高圧的、優越的な地位からああしろこうしろというふうな契約書になっているわけでありまして、二枚目の一番下の第十六条に、今日、先ほど申し上げました乗り合いのことが書かれております。ほかの保険会社と代理店契約をするときは、乗り合いをしたいならば、あらかじめ当社の承認を得ることというふうに書かれております。
まず、ちょっと金融庁、遠藤さんに確認したいんですけれども、こういう承認を得なきゃ駄目よと言っているわけですけれども、この根拠は恐らく商法の二十八条とか会社法の十七条ですかね、規定があって、代理商の競業の、競い合う、競業の禁止というのがあるんですけれども、分かりやすく言いますと、A社の代理店がB社の商品も扱いたいときはA社の許可を受けなさいというような、商法とか会社法にあるんですが、それを根拠にこういうことを書いている、契約書にも書いているんだというふうに思いますけれどもですね。
ただ、この商法とか会社法の趣旨なんですけれども、代理店といえども独立した事業者でありますから、営業の自由、営業権というものがあるわけでありますので、この商法、会社法の趣旨は、やるなということではなくて、合理的正当な理由があればやっていいと、営業権、営業の自由からですね、ただし、許可を得てやってくださいということが書かれているわけで、やっちゃいけないということじゃないと思うんですよね。だから、やっちゃいけないということならば、ただ禁止するというだけの商法になっているはずなんですけれども、許可を得てというのはそういう意味だと思うんですけれども。
念のために聞きますけれども、今は商法、会社法の話なんですけれども、保険業法とかあるいは金融庁の監督指針の中に、代理店は乗り合いをしてはならないというふうな規定とか、あるいはそういう指針とか、どこかにあるんでしょうか。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
まず、商法でございますけれども、委員御案内のように、商法におきましては、代理店は競業避止義務を負うこととされております。商法の規定でいいます代理商、ここでいうのは代理店でございますけれども、この代理商は、自己又は第三者のために商人、ここでいいますと保険会社でございますけれども、この商人の営業の部類に属する取引をするためには商人の許可を受ける必要があるという規定になっております。
損害保険会社と代理店の委託契約につきましても、こうした商法の規定を背景にして、代理店が損害保険会社からあらかじめ乗り合いの承認を得ることとされているものというふうに認識しております。
御指摘の保険業法それから監督指針でございますけれども、代理店が乗り合いをすることの是非でありますとか損害保険会社がどのような場合に乗り合いを承認すべきか等々について特段の規定はございません。
○大門実紀史君 ですね。ですから、許可を受けてくださいとあるんです、やっちゃいけないってどこにもないわけですね。ところが、大手損保は事実上許可しないと。高圧的に乗り合い拒否をする例が後を絶たないわけでありまして、乗り合いやったらうちの契約を解除するぞというようなことをやるわけですね。
それは何を根拠にやっているのかなというふうにちょっと調べてみたんですけれども、資料の三枚目になりますけれども、こういう規定があるんですね。上の四なんですけれど、当社は代理店が次のことをやったら事前に催告することなく一方的に契約を解除するというのがあって、次のことをやったらという中の下の方の十六番目に、代理店が信頼関係を失わせる行為を行った場合は一方的に契約を解除すると。恐らくこれを使って、乗り合いをしたいなどけしからぬと、それは信頼関係を損ねたんだということで、いきなり契約解除というようなことを論拠にしているような気がするんですよね。
突然、もうシャットダウン、システムをシャットダウンしたり、そうなるともうその日から顧客対応、営業できなくなるわけですから、もうこうなるともう脅しでして、脅してでも乗り合い諦めさせるというようなことを平気でやられているのは、もう、これ、こういうことをちょっと拡大解釈してやっているんではないかと、ほかに法的な根拠が何もないんじゃないかと思うんですけれどもね。
実際、この契約書のB代理店というのは、売上げは伸ばしているのにポイント制度のためにA損保からの手数料収入が減る一方なので、経営が成り立たないのでやむなく乗り合いの申請をA損保にしたわけであります。
次の資料が、そのときの申請書ですね。代理店乗り合い承認請求書ですね。この度、代理店契約結びたいから承認してくださいと。それに対して、下の方に回答書というのがあって、承認できませんと、その理由は何かというと、当社の方針だからと、あなたは研修生出身だからと書いてあるわけですね。確かに、大手損保は自社の研修生制度で損保の扱う人材を育成するという制度を持っております。ただし、研修生といっても、ノルマを与えられて契約取らせるわけですし、代理店になってからもA損保の、この場合だと、売上げに貢献してきたわけですよね。そういう、しかも、このB代理店は、もう研修生といったってもう二十年たつと、それから。じゃ一生こうやって縛り付けるのかということなんですよね。
さらに、再申請したら、このA損保というのは一方的に契約解除ということで、先ほど申し上げましたシステムダウンまでやっちゃったわけですね。ちょっと余りにひどいやり方なのでということで、金融庁ともちょっと相談しながら対応していただいて、今は一方的なやり方はちょっと撤回して、システムは復旧して、話合いを続けますというふうになっているところなんですけど、こういう強引なやり方があちこちでやられているわけであります。
もう一つ、別とじの資料なんですけど、これは昨日の夕方入手したので別とじになってしまったんですけれども、これは同じA損保が別の代理店に対して、もうこれは解除しちゃったんです。話合いの段階じゃなくて、四月にもう解除をやっちゃったんですね。それの資料です。
昨日の夕方、やっと手に入ったんですけど、これ大変ひどいやり方でありまして、一枚目の資料は、要するに、先ほどの話なんですけれども、どうしても乗り合いやるということなので、やるなということに同意してもらえないから契約を解除することにしましたと一方的な通告をしているわけですね。二枚目なんですけれど、これは僅か二日後です、その二日後に、お客さんに直接、このA損保が、うちはC代理店との契約は終了したので、今後はお客様の契約はA損保の直営代理店で扱いますというのを、一方的に契約解除して僅か二日後に、今度はお客さんに一斉にこれを送ったわけであります。
小さな代理店です、地域で頑張っている。何か、こういうのをいきなりお客さんに送るというのは、何か不祥事でも起こしたかのような、問題起こしたかのような代理店に思われて、もう地域での信用丸潰れになるわけですね。だから、言うことを聞かなかったことへの報復のようなやり方をこのA損保はやったわけであります、四月にやったわけですね。
このA損保の、この方も、C代理店としておきますが、この方もA損保の前身である○○火災から四十年、もう専属でなんですけれども、ポイント制になって、A損保が、この前取り上げましたように、勝手にどんどんどんどんポイントを下げて、収入がどんどんどんどん下がってきて、ここは二百ポイントが全体ポイントですから、去年まで百七十あったのが今年百五十ポイントに下げられて、もう経営ができないと、給料払えないということで、ほかの損保との乗り合いを申請したと。つまり、A損保が追い込んでおいて、言うことを聞かないからといって一方的に解除して、お客さんにまでこういうものを送ったということで、今もう経営の危機というか潰れそうになっているわけですね。
ここまで来るともう幾ら何でも常軌を逸しているやり方としか思えないわけでありまして、今日のところはA損保としておきますけれど、ほかにもこの損保はかなり高圧的に脅して乗り合いをやめさせるとか、乗り合いに踏み切るとこうやって報復措置までやるというようなことであります。
これは、実はほかにもA損保関連の事例が来ているんですけれども、これがA損保全体の方針、やり方ということならば、これはもうメガですから、メガ損保でありますから、中小代理店全体の将来に関わる大問題だというふうに思います。場合によっては、もうきちっと名前を挙げて追及をしなければいけないことになるかと思いますけれど、まず、今朝、金融庁にもこの生の資料をお渡しいたしました。こんなことを放置していいとは到底思えないんですけれど、まず事実関係を金融庁として確認してもらいたいと思いますけど、いかがですか。
○政府参考人(遠藤俊英君) 委員から資料をいただきまして、それに関しては、基本的には民間の個々の契約及びその執行に係る話ではあると思いますけれども、でも、委員御指摘のように、これがその中小の代理店に対してこの損保会社としての対応として本当に適切なものかどうかという観点からは、これは我々行政としても見なければいけない話だと思いますので、そこの実態については、把握すべくヒアリングさせていただきたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 この方の直接訴えの言葉があるんですけれども、こういうA損保のやり方は解除権濫用ではないのかということと、大体ポイント制度が、ずっとこういうふうに押し付けるやり方そのものが許されていいのかということと、研修生出身、この方は研修生、四十年前ですよね、何十年も研修生出身だったらば乗り合いも許されないで保険会社が決めたポイントにただ従わなければいけないのかということと、このA損保というのは、損保業界全体からしてもちょっと常軌を逸していて、もう自由化というのは都合がいいところだけ利用して、悪いところは旧態のルールを適用していますと、こういうことで告発をされているわけでありますので、事実関係調べてほしいと思います。
この問題は、二〇〇九年三月に日本損保代理業協会の代表が金融庁の金融審議会のワーキンググループで要望を出されております。要するに、この乗り合いというのは、単に代理店の生き残りとか代理店のためだけでなくて、お客様に多様な商品を提供するという意味からも、合理的な理由が認められる場合には、乗り合いを速やかに認めてほしいというようなことが出されておりまして、まともな要望だと私は思います。
是非、この点も、この間、金融庁の事務方の皆さん、大変代理店問題よく調べていただいていますし、ポイント制度にしろ、余り今まで金融庁のというか行政の光が当たらなかったところによく調べたりしてもらっていますし、ポイント問題調べてもらっている最中に更に乗り合い問題というとまた大変かも分かりませんけれども、現場では大変なことになっているので、この乗り合い問題が顧客にとってどうなのかというような点も含めて、この先ほど言った具体例だけじゃなくて、乗り合い問題全体について、金融庁としても関心を持ってちょっと研究をしてほしいと思いますが、遠藤さん、いかがですか。
○政府参考人(遠藤俊英君) 委員御指摘のように、この専属代理店からこの乗り合い代理店に転換するその乗り合い問題というのは、恐らく顧客本位の業務運営という観点からしますと、顧客に様々な種類の保険を提供する機会を与えるということでこれは首肯できる方向だと思います。
ただ、恐らくたくさん扱わなければならない保険の商品というものがあると、それに対するきちっとした説明ができるような体制というものがきちっと構築することができるのかどうかといった恐らく課題もあると思います。
そういったことを様々に考えながら、この乗り合い代理店の課題に関しては、我々、実態把握に努めて議論をしていきたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 先ほど申し上げました代理業協会の皆さんも、自分たちのそれだけ扱う能力を高めることとか、そういうことはもちろん前提の上におっしゃっておりますので、そういうことを踏まえて検討してほしいと思うんですけれども。
麻生大臣にお伺いしたいんですけれども、この間、地域で頑張る中小の損保代理店の問題が、いろいろ金融庁で頑張っていただいていて、有り難いなと思っております。
この前、代理店の方とお話ししていたら、損保会社と代理店の関係というのは、もう象とアリなんだと、もう本当に巨大な存在で、非常に物が言えない、やられてしまう存在なんだと、でも、諦めていると顧客にも迷惑掛けるんで、頑張らなきゃというふうにおっしゃっていました。
基本的には、やっぱりこの優越的地位を利用して、何か自分たちの利益のことばっかり考えているところがあるかと思うんですけれども、そういう中であの不払問題なんかも起きたりするわけですよね。だから、こういうことが、こういうカルチャーといいますか、変えないと、損保業界全体の発展もないというように思いますので、地域で頑張る代理店は顧客に一番密接に関わっていますので、こういうところを支えながら、やっぱり業界の健全化図っていってほしいと思いますが、麻生大臣、一言いただければというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この保険代理店、今二十万ちょっとありますかね。そのうち十五万ぐらいが専属、で、四万九千ぐらいが乗り合いやっていると思いますので、三対一ぐらいの比率になっていると記憶をしますけれども。
その地方にありますところは、まあ代理店が少ないこともあるのも一つでしょうけれども、ここ、転勤がないものですから、よく知っているんですよ。選挙を頼むのはこいつらが一番とよく言うのはもう選挙をやっている人なら誰でも知っている話で、やっていない人の方がおかしいぐらいみんなよく知っている話なんですけれども、一番詳しいんです、この人たちは。郵便局に次いで僕は詳しいと思って、いつも職業としてはこの人たちかなと思うぐらい、転勤がないせいもあって、そうなんだと思っているんですが。
そういう人たちの中で、今言われたように、乗り合いになるというのは、物すごく商品が増えていますものですから、知っているものだから、お客に対して、うちのやつよりこっちの方がいいですよって分かるんですよ、ちょっとできるのは、よく勉強しているのは。そうすると、ちょっとそれ口利いてやると、今みたいな問題が発生すると、元々の専属の方は、何だおまえということになるという、まあよくある話。
だから、基本的にはこれは、大門先生よくお分かりの、これは民民の話ですからね。これ金融庁が出ていくと、民進党のよく言う、金融処分庁にまた逆戻りかみたいな話をされちゃかなわないから、だからこっちも、私どもとしては十分注意して対応しないといかぬところだとは思っていますけれども、基本的には、今言われましたように、これは非常に大きな問題があるし、大事な問題だと思っていますので、今、遠藤答えましたように、丁寧に対応してまいりたいと思っております。
○大門実紀史君 是非よろしくお願いします。
終わります。