国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2017年6月1日 国土交通委員会 港湾法改定案/大手クルーズ船社誘致ありき
<赤旗記事>

2017年6月5日(月)記事

大手船社誘致ありき
大門議員 港湾利用公平性守れ

質問する大門実紀史議員=1日、参院国交委

 参院本会議で2日、改定港湾法が日本共産党を除く賛成で可決、成立しました。改定法では、国が指定した拠点港湾で、特定のクルーズ船会社が旅客施設などの整備費用に対し投資する代わりに岸壁を優先的に使用できるようにするため、港湾を管理する県や市などが船舶会社と協定を結ぶことが可能となります。

 1日の参院国土交通委員会での質疑で日本共産党の大門実紀史議員は、特定の大手クルーズ社と協定を結び独占的な港湾使用を認めることは、港湾管理の公平性に反し、国際的信頼を損ない、中長期的な船客の増加につながるとは限らないと指摘しました。

 さらに、国交省から入手した資料を示し、港湾の整備費用の総額が320億円にのぼると紹介。一方で大手船舶会社の投資額は少額にとどまり、もうけが出なければ撤退する可能性もあるため、大手優遇の協定になるのではないかと追及しました。

 石井啓一国交相は「投資を回収するためクルーズ船社も積極的に寄港を継続するものと考えている」と述べるにとどまりました。

≪議事録≫

○大門実紀史君 大門でございます。
 国土交通委員会で質問させていただくのはもう十数年ぶりになりますけど、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 この間、地方経済の問題で調査などをやりますと、港のある特に西日本とか日本海側では大型クルーズ船が話題になります。いろいろ問題点もありますけれど、全体として誘致への期待の声は多く聞かれますし、私も舞鶴の地域振興問題関わらせていただいていますが、クルーズ船には期待の声があることは事実であります。ですから、本当に地域経済に貢献して、安全の確保、物流との整合性、あるいは地域住民の納得も得られる形ならば、大型クルーズ船の寄港を増やすということは地域の要望に応えることになるというふうに思います。
 問題は増やす方法です。政府は、今日もありましたが、クルーズ船のお客さん五百万人目標と。私も、増えるのは増えてほしいと思いますけれど、この目標そのものが、聞いてみれば客観的な根拠は別にない、願望ですよね。そういうちょっと無理の、増えてはいるんですけど五百万というとちょっと無理があると思うんですけれど、そういう無理な目標を立てて、その達成のために無理なやり方を今回考え出してしまったんではないかなという懸念があります。
 ターゲットは、中国発の大型クルーズ船の受入れを一気に増やしたいと、早く実現したいということなんですけれども、その焦りみたいなものが、六つの港と四つの大手クルーズ会社の協定が先にありきで、後から今回の法改正をやる、追認すると。通常、法改正、仕組みがあって公募をして選定してという流れなんですが、先にそういう協定ありき、後から法改正をすると。これそのものが大変焦ったやり方ではないかなと思いますし、また後で触れますけど、極端に特定の四社を優遇する仕組みも、来てほしい来てほしいというようなことの焦りが表れているんじゃないかなというふうに思います。
 結果的にそれが本当にクルーズ船のお客さんを増やすことにつながるのか、あるいは中長期的に見れば港湾の在り方として失うものが大きいんではないかというふうな点に問題意識を持っておりますので、そういう点で質問をさせてもらいたいと思いますが。
 まず最初に、羽田さんからもありましたけど、港湾法第十三条二項の一番の重要な問題です。「港務局は、何人に対しても施設の利用その他港湾の管理運営に関し、不平等な取扱をしてはならない。」ということがあります。これは世界の港の原則でありますし、大事な原則なわけですね。この点、不平等な扱いが生じることにならないかという先ほどの羽田さんの質問に対して、その心配はないんだと、いろいろあるからないんだということを、まあ衆議院でもお答えになっておりますけれども、ちょっと実際のリアルに考えてみる必要があるんではないかと思います。
 例えば佐世保港なんですけれども、佐世保港は、カーニバルというクルーズ会社が年間三百日を目標に優先的に使用をするというふうな目標で計画ですね。大体、年間三百日も特定の船会社が優先的にもう予約をはめ込んじゃうと、これそのものがほかの船会社にとっては不平等な扱いそのものになるんではないかと、リアルな話としてですね。どう考えても不平等になるんじゃないかと、こう思うんですよね。
 仮にあとの六十五日をほかのクルーズ会社どうぞと言ったところで、今回のターゲットは中国発のクルーズですから、中国発のクルーズというのは大体一週間以内の短期ですよね。そうなりますと、日本の港に希望した曜日とかあるいはシーズンというのは大体重なるわけですね。そのときに、佐世保で言えば空いた六十五日のところに入れてくださいということにならないと思うんですね。もう佐世保駄目ならほかに行きますということになって、ほとんどこの佐世保の港はほぼカーニバル社だけが寄港するということになるのが、これどう考えても、リアリティーからいくとそういうことが想像、推測されるわけであります。
 参考に、菊地さん、もう繰り返し同じことを答弁されているんですけれど、同じ答弁ならもう結構なんですけれど、こういうリアリティーとして、事実上、優先使用がもう独占的な使用、ほかの船会社にとっては不平等になるということの可能性は具体的に想像されると思うんですけれど、その点いかがですか。同じ答弁ならいいんですけど、何といいますか、その可能性を否定できるものなのか、その点だけお答えをいただきたいと思います。

○政府参考人(菊地身智雄君) 今回の六港の中で委員御指摘の例えば佐世保港につきましては、計画としては三百日というのが提出をされてございます。佐世保港におきまして、クルーズ船が係留する岸壁としては二か所の岸壁を想定してございまして、この二か所の合計で三百日という計画になっているものと承知をしているところでございます。
 他方、一つの岸壁についての上限として、このクルーズの検討委員会の中では、法律家の議論も交えて、三百日を上限とすることで一定の公共性が担保できるという御議論があったものと承知をしてございます。

○大門実紀史君 もうちょっと、ほかの港もそうなんですけど、二百日のところもそうですけど、リアリティーといいますか、普通に考えて想像をしてもらいたいんですよね、あれこれ仕組みがありますからじゃなくて。
 逆に言えば、もしそういう独占状態といいますか、起こらなかったとすれば、カーニバル社が目標の三百日も来てくれなかったという話になるわけでありまして、目標が達成しなかったと、すなわちこのスキームが成功しなかったということにもなるわけであります。
 本当に地域振興に役立って、住民合意の下ならば、港湾の整備は私はされるべきだというふうに思っております。どうせクルーズ船が着けられるような整備をするならば、別に特定のクルーズ会社に優先的になんということをやらなくても、いろんなクルーズ船、クルーズ会社に門戸を開いても結果的に年何百日ということを達成することは十分可能だし、そういう方法をまず探るべきではないかと思いますし、この四つの会社以外の海外のほかのクルーズ会社にとってどういうふうに見られるかですね、こういう日本のやり方、特定のちょっと大きなところと独占的に優先契約を結んでいると。
 ほかの海外のクルーズ会社にとって、日本というのは非常に閉鎖的な、独占的にやらせているというふうに、何といいますか、短期的な需要をつかんだとしても、中長期的に見れば国際的な信用を失ったり評価を下げたりという点もよくよく考えられるべきだと。だから港湾法に、世界の港というのは公平公正な利用をしてもらうということが大原則にしているわけでありまして、十三条の重みというものをやっぱりよく考えられるべきだと。焦ったら、かえって後々マイナスになるんじゃないかというふうに思うわけであります。何か木を見て森を見ないというか、当面の数字を焦っちゃって、ちょっとイレギュラーな方法を今回考え出されたんじゃないかと思います。
 もう一つは、このスキームそのものにも危なさを感じるんですけれど、資料をお配りいたしましたけれども、清水港は既存の施設で対応するということなんですけれども、ほかの五つの港、大型クルーズ船受け入れるための事業費は、これ合わせると三百二十億になります。地方負担分が下の段です。残りは国の負担ということですよね。本部と平良は沖縄特措法などもありまして負担割合は小さいんですけれども、いずれにしても、国の負担も、特に地方自治体の負担も小さいものではありません。これだけの負担をして、私はさっき言ったように門戸を開くなら別にいいと思うんですけれど、特定のクルーズ会社に優先的に岸壁を使わせると。
 一方、大手クルーズ会社は何をしてもらうかというと、民間ターミナルビルなどに投資をしてもらう。費用負担じゃないんですね、投資なんですよね。ただ、横浜とか清水港ではその必要はないということですね。聞いてみますと、そのターミナルビル建設も数億円規模ということであります。しかも、投資でありますから、その大手船会社が恐らく子会社をつくってそこに運営させると、いざとなれば引き揚げるということで、別に損をしない仕組みですよね、使用料も取りますから。
 そういうことでなっているわけで、何か投資をしてもらって代わりに優先的使用権というような話ではなくて、しかも、その投資の幅も幅が広過ぎるというふうに思うんですよね。こういう曖昧な投資の条件で年間二百日も三百日も優先的使用を認めるというふうなことは一体どういうことなのかと、余りにも認める条件としては希薄であり、幅があり過ぎて曖昧ではないかなというふうに思うわけであります。
 これは本当に対等の協定なのかということを思うわけでありまして、投資してもらうというのは単なる対等の協定だと見せるためのアリバイづくりであって、実際は、要するに何が何でも大型クルーズ船に来てほしい、そのために特別優遇措置を与えます、岸壁の優先使用権を与えます、だから来てくださいと。言ってみればそれだけの話でありまして、そうなると心配なのは、本来こういうやり方はすべきじゃないと思いますが、このやり方を進める上で一番心配なのは、これから具体的に結ばれる協定が対等な協定に本当になるのかと、大手四社の言うような条件をのむような協定でずっと譲歩させられていくんじゃないのかと。
 一番危惧されるのは、例えば十年から十五年の協定と言いながら解約の条項があると。つまり、その船会社が、もうもうからないからとか、お客さんが集まらないからということで、その協定を、十年、十五年と言っておきながら解約できる別の条項を設けて、いつでも撤退できるようにするとか、こんなこと十分考えられるわけですね。損してまでやりませんから、民間ですからね。そういう協定にならない保証がどこにあるのかというふうに思うわけであります。
 この協定についてはそれぞれ個別にやるわけですから、しかもお客さんに来てほしい方が譲る協定になると今言ったような懸念もあるわけでありますけれども、最後に大臣にお伺いしたいんですけれど、このスキームでいくとしても、この協定が一方的なものにならないように、本当にそこを拠点として、ずっと長期的にきちっとお客さんを運ぶということが最低少なくともなければならないと思いますが、そういう協定の仕組みになる保証が今回のスキームにどこ見てもないんですけれど、いかがでしょうか。

○国務大臣(石井啓一君) 今般の制度は、クルーズ船の寄港が一定期間継続するよう、港湾管理者は投資と岸壁の利用等に関しまして十五年から二十年の長期間の協定を締結し、安定的な寄港を確保することを目指しております。
 その中で、岸壁の優先的な使用を認められたクルーズ船社は旅客施設等への投資を行うことになっておりますので、その投資を回収するため、クルーズ船社も積極的に寄港を継続することとなるものと考えております。
 本制度は、地元の自治体とクルーズ船社がウイン・ウインの関係でクルーズ船、クルーズ旅客の誘致を行うものでありまして、国土交通省といたしましても、クルーズ船社にとっても魅力的な拠点の形成と継続的な寄港に向けた積極的な助言、指導を行ってまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 いろんな危惧があります。その点指摘して、質問は終わります。

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