国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2017年3月22日 財政金融委員会 国税犯則取締法を国税通則法に編入する問題を追及

≪議事録≫

○大門実紀史君 大門です。
 今回の改正の重要な中身の一つに、国税犯則取締法、国犯法を廃止して国税通則法に編入するという問題があります。
 御案内のとおり、国犯法というのは、脱税などの税の犯罪を取り締まる、そういうものでありますし、国税通則法というのは、何といいますか、税務行政の運営、その円滑化、あるいは納税者の一定の権利も含まれたような内容のものが国税通則法ですけれども、その中に国犯法を入れちゃうというような重要な問題ですけれども、大変重要な問題なので、今日とあしたに分けて質問したいと思います。
 まず、財務省にちょっと苦言を呈しておきたいんですけれども、国犯法と通則法は、それぞれ歴史も違いますし、経過も違いますし、立法趣旨、立法事実、そのときの背景ですね、違うんですよね。それを、片方を廃止して一本化するというのは大変大きな改正なわけでありますけれども、なぜ一本化するのか、なぜ国犯法を廃止して通則法に入れるのかというそのことの説明が、活字になったものがどこにもないんですよね。
 この分厚い、こんなに分厚いのをもらってどうしようかと思うんですけど、この中にも何も書いていないですよ、それについて。ただ、十四ページに国税犯則取締法は廃止すると。あとは項目、あれをこうするこうすると書いてあるんだけれども、十一ページにはその犯則法を通則法に編入することとすると。ただ、事実、すると書いてあるだけで、なぜするのか一切書いていないんですね。
 それで、昨日実は担当の方にこれでは提案趣旨が分からないからペーパーになったものはないのかと言ったら、ないということなんです。口頭で答えますからということとか、別に全ての改正が改正理由をペーパーにしておりませんからというようなことで、もう延々、居直りのようなことを言われたわけですけれども、そんなことあり得ないわけですね。法律一本廃止するときに理由を一切ペーパーにしていないなんて聞いたことありません、今まで。
 それで、これはちまちました項目の処置の変更ではありません。法律一本を廃止して一つの法律に編入するという大きな改正でありますので、なぜそういうことが国会で審議してもらうに当たって提案理由が一切ペーパーになっていないのかと、これ大変、私不思議に思うんですよね。最低、審議してもらうためのルールだと思うんですよ、そういうことは。
 ちょっと昨日も財務省のこの間の対応姿勢について申し上げましたけど、何か国会審議に対しておごりが出ているんじゃないですかね、昨日の担当者の対応も含めて。答弁しますから、そんなの全部ペーパーにしたわけじゃありませんからと、今までと。ちょっと違うんじゃないかと思うんですね、国会審議に対して、財務省の姿勢というのは。
 星野さん、ちゃんとペーパーで出してください、これ、理由を。

○政府参考人(星野次彦君) 今般の改正で、今先生から御指摘がありましたとおり、国税犯則取締法を廃止いたしまして国税犯則調査に係る規定を国税通則法に編入することといたしております。
 この国税通則法への編入でございますけれども、国税犯則調査も課税調査と同様に納税義務の有無等に関する事実について確認を行う手続でございまして、国税に関する共通的な手続を定める国税通則法になじむものであること、課税調査と犯則調査を同一の法律に規定することによって一覧性が高まり、今回現代語化を行いますけれども、こういうものと相まって、納税者にとっても分かりやすい法体系となると考えられることから行うものでございまして、国税以外で犯則調査手続を定めております関税法、独占禁止法、金融商品取引法におきましても、それら犯則調査の権限や手続は行政調査に係る権限や手続と同じ法律に規定されているということを踏まえまして、私どもとしては法形式面の整備を行ったものだというふうに捉まえておりました。
 先生からの御指摘は非常に重く受け止めておりますけれども、今申し上げたような趣旨で今回の改正を行うということを御理解いただければと思います。

○大門実紀史君 それはあなたの答弁で、衆議院でも答弁されて同じこと繰り返しただけだけど、こういう大きな改正のときの国会に対する礼儀といいますか、当たり前のことなんだけれども、そういうことを言っているんですね。
 ちゃんと、今言ったことの、その答弁も変なんですよ、後で指摘しますけど。本当にそれが立法趣旨ということはそれでもいいですから、ちゃんとペーパーにしてくださいよ、議事録じゃなくて。ペーパーにしてくださいよ。

○政府参考人(星野次彦君) そのように対応させていただきます。

○大門実紀史君 ちょっと何か軽く考えているんですよね、いろんな問題を。
 そもそも論を、今日、あしたと、たっぷり時間ありますので、ちょっとそもそも論から申し上げたいんだけれども、なぜそもそもそういうことがペーパーで提案されないのかと。改正趣旨が活字になって出てこないのかというところそのものに疑問を持つぐらいの、中身が余りにも、あなたの先ほどの答弁を含めて、星野さんらしくないんですね。何かもうずぶずぶの話を答弁されているんだけど、そんなことが本当に提案理由になるのかというふうに思って、出てこないことそのものにかえって疑問が湧くぐらいであります。
 ちょっとそもそも論から申し上げますけれども、お聞きしますけれども、国税犯則取締法、国犯法ですよね、これは明治二十三年、一八九〇年に大本のものが制定されて、昭和二十三年に現行の法律名になっております。この国犯法の立法趣旨と、背景といいますか、立法事実を教えてください。

○政府参考人(星野次彦君) 国税犯則取締法に規定しております犯則調査手続は、特別の捜査手続としての性質を持っているということや、裁判官の許可状に基づく強制調査権限が認められていること等の特異性、こういったものに鑑みまして、国税犯則取締法という法律形式でもって法律を規定しているというふうに理解をしております。

○大門実紀史君 それじゃ、もう一つは国税通則法、これは昭和三十七年ですね。この通則法の立法趣旨、背景、立法事実ですかね、その辺教えてください。

○政府参考人(星野次彦君) 国税通則法は、先生今御指摘になりましたように昭和三十七年に制定をされたものでございますけれども、国税通則は、それまでばらばらになってございました国税に関する手続を一つの法律にまとめることによりまして、国税に関する基本的、共通的な事項を手続法としての基本法としての通則法に編入をするのが適当だということで認められた法律だというふうに理解をしております。

○大門実紀史君 私も、調査室にも力を借りて、いろんな資料を集めさせてもらって読んでみました。国犯法の方は税務大学校の講本にも載っておりますし、国犯法の講義という本も出ておりますね。昭和二十三年の六月十一日に、衆議院の当時は財政及び金融委員会、まだ大蔵委員会と名のる前ですね、そのときの議事録も読みました。
 簡単に言いますと、国犯法の方は税に関する犯罪が増えてきて取締りを強化しなきゃいけない、税務管理の調査権限を強化しないと対応できないということで、犯罪というのは、普通は刑事訴訟法の範囲なんですけれども、税ということなので、これは特別にこの国犯法に位置付けてというようなことが、詳しく言えばいっぱいあるんですけど、それと新憲法、制定された新しい憲法との関係も検討されておりますが、そういうことで制定されたのが国犯法で、まさに犯罪を取り締まる、刑事訴訟法の代わりに税の犯罪を取り締まるという位置付けが立法趣旨であります。
 片や、通則法も、これは昭和三十七年二月七日の衆議院大蔵委員会、あるいは税務大学校講本にも書かれておりますけれども、このときに、当時の大蔵省ですかね、このときはもう大蔵委員会ですね、大蔵省の政府委員の説明によりますと、とにかく税というのは難しいから納税者の理解しやすいものにしていくとか、あるいは納税者の利益を図るために不服申立ての改善をやるとか、納税者の権利にも、不十分とはいえ一定位置付けるとか、やっぱり新しい憲法を踏まえて、戦後の民主化を踏まえてというようなことで始まっているわけでありまして、国犯法と通則法というのは全然そもそも立法趣旨と立法事実が違うわけですね。背景が違うわけであります。それを、長いしかも歴史があるものを今回一つにする立法事実は何ですかと。趣旨は何ですかということが何も書いていないということで、先ほど星野さん言われたのが改正の趣旨なんですか。同じことを繰り返さなくていいですけど、さっきの話でいいわけですか。いいですね、はい。
 じゃ、おかしいんですよね、これ。星野さんが言われているのは、まず衆議院の答弁で、現状の運用上特段の問題が生じているわけではございません、今回、何も国犯法も通則法も現状の運用上特段の問題が生じているわけではございませんけれども編入いたしますと。訳分からないですよね。何の問題も起きていないのに一つにすると言われているんですよ、あなた。これは、今日は指摘だけに、時間なので指摘だけにしておきますけど、国税犯則調査も、いわゆる通則法に定める課税調査、任意調査とか、両方とも同様だと。同様じゃないですよね。全然違いますよね、趣旨が。同様、要するに、事実について確認する手続なんだから同様なんだという論理展開をされて、こんなもの立法趣旨と全然違う話ですよ、これ、今までの。全然同様じゃありませんよ、これ。それを、同様なんだから、所詮犯罪調査も犯則調査も任意調査も納税義務の有無に関する事実について確認を行う手続でありまして、それは当たり前のことなんですよ、確認を行うのは。それが同じなんだから、共通の手続を定める通則法になじむと。こんな解釈、今頃急に言ったって、何十年とやってきたことを、どうしてそんなことが急に言えるのかということですね。
 ですから、課税調査、任意調査と犯則調査を同一の法律に規定することによって、今回一緒にすることによって一覧性が高まりと先ほどおっしゃいましたね。誰の一覧性ですか。誰の一覧性が高まるんですか、こんなもの。納税者にとって分かりやすいと。これは分かりやすくないですよ、これ、一緒くたにされたら。自分は犯罪者として扱われているのか、納税者の確認のための調査で扱われているのか分からなくなりますよね、これ、脅しているようなものですよね。
 しかも、さっきも言われましたけど、関税法も金融商品取引法も独禁法においても犯則調査手続は行政調査と併せてやっているから、今回もこちらも一緒にしていいんだと。これ全然違うんですよ、立て付けがね。歴史が違うんですよ、全然。どうして急に、何十年やってきた立法事実とか背景を無視してこんな勝手な、軽い、長い間の歴史を無視してこういう勝手な、何か軽い理由で今回の、こんなことがあれですか、改正の趣旨ということなんですか。本当にこんな簡単なことなんですか。何十年やってきた立法事実を無視して。その点だけちょっとどうですか。

○政府参考人(星野次彦君) 先ほど、先生がまず御指摘になられました国税犯則調査の性質でございますけれども、刑事手続の代わりにやるというような御指摘がございましたけれども、国税犯則調査が刑事手続か行政手続かと申し上げれば、これは国税の公平確実な賦課徴収という行政目的を実現するために行われる行政手続の一環でございます。これは、例えば最高裁の五十九年三月二十七日の判例によりましても、「国税の公平確実な賦課徴収という行政目的を実現するためのものであり、その性質は、一種の行政手続であつて、」という判決がなされております。そういう行政手続の一環として行われる国税犯則調査をどういった法律の中に位置付けるのが見やすいのかという議論でございます。
 繰り返しになりますけれども、私どもは、一覧性のあるそういう規定ぶりが納税者から見て一連の手続として分かりやすいということで今回こういう措置をとったわけでございまして、全く立法経緯とかを無視しているわけでもございませんし、手続の本質を見て今回の改正を提案させていただいているということでございます。

○大門実紀史君 もう時間を過ぎていますので、今申し上げたように、ペーパーで出していただけるそうですから、あしたの私の質問までに出してください。続きはあしたやりたいと思います。
 終わります。

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