国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2016年12月14日 参議院本会議

海外カジノ資本への売国的法案/カジノ法案への反対討論

<赤旗記事>

2016年12月15日記事

カジノ法案 参院可決
本会議大門氏「売国的、廃案に」

反対討論する大門実紀史議員
=14日、参院本会議

 カジノ解禁推進法案が14日の参院本会議で採決され、自民党、日本維新の会、公明党の一部などの賛成多数で可決されました。日本共産党、民進党、参院会派の「希望の会(自由・社民)」、「沖縄の風」などは反対しました。

 日本共産党の大門実紀史議員が反対討論に立ち、「数々の懸念が示され、国民多数も反対している本法案はきっぱり廃案にすべきだ」と述べました。「賭博は歴史的にも多くの事件や人々の不幸を招いてきた」と指摘。賭博を解禁しておいてギャンブル依存症を増やさない方法などなく、「依存症を増やさない唯一の方法は、カジノ・賭博そのものを解禁しないことだ」と強調しました。

 大門氏はさらに、カジノ法案の本質は「観光立国」でも「成長戦略」でもなく、「日本人の貯蓄を海外のカジノ資本に差し出すことに他ならない。売国的な法案だ」と批判しました。

 採決は記名投票で行われ、公明党の山口那津男代表は反対票を投じました。

≪議事録≫

○大門実紀史君 私は、日本共産党を代表して、カジノ・賭博場解禁法案について断固反対の討論を行います。
 昨夜の内閣委員会において、これまで理事会でも会派間でも全く触れてこなかった修正案なるものが突如持ち出され、質疑さえせず、採決が押し切られました。まず、このことに厳重に抗議をいたします。
 大体、その中身も修正案と呼べるような代物ではありません。法文に「ギャンブル依存症等の」という言葉を付け足しただけで、何が進むというんでしょうか。施行後五年以内を目途として必要な見直しを行うと言いますが、これからの実施時期を考えると、少なくとも三年間は賭博が放置されることになる。三年も賭博を放置したら、ギャンブル依存症が取り返しの付かないほど増えてしまいます。ギャンブル依存症に対する認識が余りにも浅い。本気で依存症問題を考えるなら、本法案そのものを廃案にするしかないんです。
 明治四十二年、公営賭博法案である競馬法が初めて我が国の議会に提出されました。衆議院では圧倒的多数で通過しましたが、社会的悪影響を懸念した貴族院では見事否決をされました。今や貴族院の面影はありませんが、参議院が本当に良識の府と呼ばれたいのであれば、数々の懸念が示され、国民多数も反対している本法案をきっぱり廃案にすべきであります。
 このカジノ解禁法案に反対する最大の理由は、この法案が、刑法で禁じられた犯罪行為である賭博を日本の歴史上初めて民営賭博という形で合法化しようというものだからであります。なぜ賭博が刑法で禁じられてきたのか。法務省の説明によれば、その理由は、賭博は人々を依存症に陥れ、仕事を怠けさせ、賭けるお金欲しさに窃盗、横領などの犯罪まで誘発して公序良俗を害するから、また、賭博が横行すればまともな経済活動も阻害されるからとしております。
 賭博は、歴史的に多くの事件やたくさんの人々の不幸を招いてまいりました。それは、対策を取れば防げるというような類いの問題ではなく、行為そのものを禁じるしかない、そういう立法事実があったからこそ禁止されてきたのであります。解禁してから対策を取ればいいというような軽い問題ではないということを発議者も安倍内閣もきちんと認識すべきであります。
 実際、賭博を解禁しておいてギャンブル依存症を増やさない方法など、どこにもありません。カジノを解禁している世界のどの国を見ても、あるのは依存症になった後の事後処置だけ、カウンセリングや病院での治療だけです。
 委員会の審議で発議者は、依存症対策としてシンガポールが行っている自己排除制度を挙げました。自己排除制度というのは、本人が私をカジノに入れないでくれ、家族がうちのお父さんをカジノに入れないでください、そういう申告を基に入れないようにしてもらう制度でありますけれども、そんな制度を使わなければならないこと自体、既に本人が相当重症の依存症になっている証拠であります。
 カジノを解禁しておいて依存症を増やさない対策など、どこにもありません。依存症を増やさない唯一の方法は、カジノ、賭博そのものを解禁しないことであります。
 今回の法案の核心である民営賭博の解禁が、刑法に照らして本当に許されるものなのか。従来、法務省は厳しい要件を示し、公的主体のものに限り、競馬法や競輪法など特別法を定めて賭博を認めてまいりました。民間主体の賭博を認めた例はありませんでした。本法案のように、完全民営の賭博を認めることは、今までの法務省の刑法解釈からすれば不可能であります。にもかかわらず、万が一それを認めるということになれば、憲法の解釈を勝手に変えて安保法制、戦争法を強行したと同じように、刑法そのものの趣旨を踏みにじる暴挙となることを厳しく指摘しておきます。
 発議者は一貫して、カジノが経済成長の起爆剤とか目玉だと言ってきました。しかし、賭博は新たな付加価値を生むものではありません。人のお金を巻き上げるだけの所業であり、経済対策に挙げるような話ではそもそもありません。雇用が増えると言いますが、増えた雇用の何倍もの人生が台なしにされることを忘れてはなりません。
 そもそも賭博が禁じられてきた理由の一つは、さきに述べたように、賭博が勤労の美風を損ない、経済活動を阻害することにあります。その立法事実は、江戸時代末期に遡ります。天保改革町触史料などによれば、江戸後期から末期にかけて、世相は乱れ、町のつじつじで昼間からばくちが行われ、博徒がはびこっていた。明治維新になって、新しい日本の建設、経済発展のためには、まず賭博撲滅、風俗矯正だということになり、明治天皇の下で定められた刑法において厳しく賭博を禁止することになったのです。
 こういう最初の立法時の趣旨を知った上で自民党の皆さんはカジノが経済の目玉などとのんきなことを言っているんでしょうか。明治天皇も雲の上で怒っておられます。共産党頑張れと言っているんではないでしょうか。
 大体、IRの目的は本当に観光立国なんでしょうか。カジノ推進のシンクタンクである大阪商業大学の谷岡一郎学長は、カジノによって高齢者のたんす預金など世の中に出にくいお金が回り始めることが期待される、カジノはギャンブラーだけを相手にしていては経営が安定しない、一定の所得と貯蓄を持つ中間層がいる日本の大都市圏が魅力ある市場、マーケットだ、そう言い放ちました。つまり、ターゲットは外国人観光客ではなく、お年寄りを含む日本人の貯蓄、金融資産だということであります。
 この間、ラスベガスやマカオなどの海外資本が日本のカジノへの投資意欲を示しておりますけれども、彼らもまた、日本の個人金融資産は魅力的な対象であると公言をしております。
 このIR、カジノ解禁法案の本質は、観光立国でも成長戦略でもありません。日本人の貯蓄を特に海外のカジノ資本に差し出すことにほかなりません。TPP同様、売国的な法案だということを厳しく指摘して、反対討論といたします。

戻る▲