国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2016年12月13日 内閣委員会

カジノ解禁は「ギャンブル依存症製造計画」と追求

<赤旗記事>

2016年12月14日記事

カジノ解禁 誰のため
癒着 違法性 海外資本 闇の構造
参院内閣委 大門議員の追及
「ギャンブル依存症製造計画」そのもの

法案提出者(手前)に質問する大門実紀史議員(中央)
=13日、参院内閣委

 カジノ推進勢力と関連業界の癒着、民営賭博と刑法の壁、日本人の資産をねらう海外巨大カジノ資本の暗躍―。日本共産党の大門実紀史議員は13日の参院内閣委員会の質疑で、カジノ解禁推進法案をめぐる闇の構造と法的限界を厳しく追及しました。

関連業界、推進派に献金

 いまは、献金を受けてその企業・業界の利益を図る質問をしただけでも受託収賄に問われる時代です。

 大門氏は「議員立法を出し、特定の企業や業界に利益誘導するのはもっとも危ない話だ」と指摘し、法案提出者がカジノ関連企業であるパチンコ・パチスロ、ゲーム機器メーカーなどから政治献金を受けたり、パーティー券を購入してもらっていないかただしました。

 法案提出者の西村康稔衆院議員(自民党総裁特別補佐)は、自身が代表を務める政党支部が大阪府のスロットマシン製造販売業「パイオニア」から2013年から3年間に111万円の献金を受け、小沢鋭仁衆院議員(日本維新の会)の資金管理団体はパチンコホールで全国チェーン展開している「ダイナム」から13年と15年に計130万円のパーティー券代を受け取っています。

 とくに「ダイナム」は、事業計画に「ジャパン・カジノへの挑戦」をかかげ「日本でのカジノ参加が決定すれば、当社グループの新たな事業の柱になる」としているカジノ推進企業。国内のカジノ解禁で大きなもうけをもくろんでいます。

 大門氏が、資金の返還をしないのかただしたのに対し、小沢氏は「検討する」と答えました。

 大門氏は、カジノ利権に群がる黒い疑惑について「党として徹底して調査する」と表明しました。

「民営」は合法化できず

 カジノは賭博であり、それを合法化するのであれば、競馬や競輪などの公営賭博と同様、刑法の違法性を阻却(とりはずすこと)しなければなりません。

 カジノ法案は、自民党が06年にまとめた法案要綱の段階では、地方自治体を運営主体とする「公設カジノ」とされていました。それが「完全民営化」した「民営カジノ」に大転換をとげたのは、旧民主党議員を中心にした超党派のカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟)が11年8月にまとめたカジノ法案でした。

 「公設、公営、公益のため」という原則で公営賭博を認めてきた従来の法体系からは「民営カジノ」の違法性の阻却など論外です。法務省は12年4月、民主党合同部会に「民営賭博はむずかしい」という態度をとり、違法性阻却の具体的な要件を示しました。

 大門氏は、現在の法体系では民営カジノは合法化できないという原則を確認するために、当時の民主党法務部会長だった松野信夫氏や法務省刑事局の当時の担当者らを参考人として招致することを要求。難波奨二内閣委員長は「理事会で協議する」と答えました。

 なぜ違法性阻却が困難な民営カジノになったのか―。大門氏は「日本のカジノに具体的なスポンサー、海外勢が現れ、投資効率が高い完全民営を求めたのではないか」と論をすすめました。

ねらいは日本人の貯蓄

 法案提出者の細田博之自民党総務会長は、カジノ議連会長として、多くの海外カジノ資本関係者と会ってきたなかで、「観光や雇用にもつながるといわれた。カジノのノウハウ(知識や経験)が日本にはないから、海外企業と日本企業のジョイントになる」とのべました。

 大門氏は「海外のカジノ資本は日本に進出して外国人の観光客を増やすなどとはいっていない。彼らの狙いは日本人の金融資産が大きいからだ」と指摘しました。海外の投資銀行などの試算でも、日本のカジノから得られる利益の大半は、日本人客からだと見込んでいます。

 大門氏は、カジノ推進派のシンクタンクとなっている大阪商業大学の谷岡一郎学長が新聞紙上でカジノの「効果」として「海外からの投資が盛んになり、高齢者のタンス預金など“世の中に出て来にくいカネ”が回り始める」と公言していることをあげ、「日本人を繰り返しカジノに行かせ、金を巻き上げようとするカジノはギャンブル依存症製造計画だ」と強く法案に反対しました。

≪議事録≫

○大門実紀史君 大門です。
 この間の世論調査ですね、国民多数が反対ということと、マスコミの社説も全てが批判的論調と。そんな下で何としても通したいということで今日も行われているわけですけれども、議員立法でこんな異常な強行ぶりというのは見たことありません。これだけ世論が反対なのに、国会はどうしたのかなと、特に参議院はどうなったのかなと本当に思いながら、今日も質問をするということになるかと思いますけれども。やっぱり、もっともっと国民の声を真摯に、先ほどもありましたけれど、ちゃんと受け止めて立ち止まるべきではないかと思いますけれども、質問に入ります。
 今は、特定の企業とか特定の業界から献金を受けたりパーティー券買ってもらって、そしてその企業や業界の利益になるような質問をしても、国会質問をしても受託収賄に問われるような時代になってきております。そんな下で、ましてや議員立法で特定の業界、企業の利益誘導になるような議員立法を通そうと、利益誘導を図るということは、一つの質問や何かよりもよっぽど私は危ない話じゃないかということで、このカジノの問題をずっと国会で取り上げるたびに、テレビの前でも申し上げましたけど、そういう指摘をしてきたところであります。
 そこで、今日はまずその問題聞きたいんですけれど、前回の質問の前に発議者の皆さんに既に通告はしてございます。カジノの関連企業、いろいろ幅が広いんですけど、すなわち、直接、パチスロやゲーム機器ですね、あるいは観光業、パチンコ業界も絡むと思いますけれども、そういうカジノの関連企業から政治献金を受け取ったりパーティー券を買ってもらったことがあるかどうかということは発議者の皆さん全員に通告してありますけれど、まず西村さん、いかがですか。

○衆議院議員(西村康稔君) 先般もどなたかの質問を、衆議院でしたか、お答えを申し上げましたけれども、私、政治資金規正法にのっとりまして適正に処理をいたしておるところでございますので、それ以上のお答えは差し控えたいと思います。

○大門実紀史君 政治資金規正法にのっとりというのは当たり前で、のっとらなかったら大変なことになるわけですね。私が言っているのは受け取ったことがありますかということなんですけれど、まあ、もう資料を配っているから私の方で申し上げますけれど、資料の四枚目でございますけれども、これは兵庫県が発表した政治資金規正報告書の概要というものでございます。その一年分だけ資料にしましたけど、要するに二〇一三年、一四年、一五年の三年間に大阪府の、ありますスロットマシンの製造販売業のパイオニア社というところから各々三十七万円ずつ、三年間で百十一万円の献金を受け取っておられます。
 この会社というのはどういう会社ですか。

○衆議院議員(西村康稔君) 機械製造の会社と認識をいたしております。

○大門実紀史君 私は、恐らく地元の中小企業さんですかね、何か直接このカジノの今推進の中心になっているとかそういうことではないと思うんですけれども、今後、これが無理やり強行されて、大阪でカジノが始まるというふうになりますと、こういうゲーム機器のメーカーの皆さんはこぞって参加したいと、こうなるような流れにありますので、気を付けられるべきだということだけ、西村さんの場合はですね、申し上げておきたいというふうに思います。
 もう一つは、小沢さんに同じことをお聞きいたしますけれど、政治資金規正法で処理してきちっとしているのは当たり前です。その上で、カジノ関連企業ですね、パチンコ、パチスロ、ゲーム機器などの企業、業界などからパーティー券買ってもらったり政治献金を受けたことは、小沢さん、ございますか。

○衆議院議員(小沢鋭仁君) 適正に処理をしているのはそのとおりなんですが、もう既に資料に付けていただいておりますことは事実でございます。

○大門実紀史君 この資料の収支報告書を用意、これも全部じゃなくて一部でございますけれども、パチンコホールの全国チェーン展開するダイナム社ですね、これから二〇一三年に三十万円、二〇一五年に百万円のパーティー券を買っていただいていると、買っているということですね。
 このダイナムという会社はどういう会社ですか、小沢さん。

○衆議院議員(小沢鋭仁君) パチンコのホールを営業している会社だというふうに承知しています。

○大門実紀史君 先ほどの大阪の中小企業とは違って、このダイナムという会社は、特に都市部などのパチンコホールをたくさん経営してきたパチンコホール企業の大手でございます。なおかつ、今回のカジノを積極的に推進してきた企業でありまして、ダイナムの会社のホームページには、投資家向け情報ということで、カジノ・ジャパンへの挑戦を表明しますということで、とにかく、マカオ、シンガポール、そういうものに関心持っている云々等、当社グループはその事業の柱になっていくというようなことを宣言されておりますし、ダイナムジャパンの佐藤取締役会議長というんですかね、は、このアジア各国のカジノの運営会社と度々接触されておりまして、これも新聞報道にも出ているところでございます。
 後でお話もしてもらいますけれども、外国資本とダイナムジャパンは大変、このカジノが解禁されるということを見込んでずっと折衝してきて、なおかつ国会でこの法案が通ることを望むということもはっきり掲げてこられておりますし、ちなみに、この法案が衆議院で可決されたときに香港市場で何が起きたかといいますと、このダイナムジャパンの株が急上昇したということがあるわけであります。ダイナムがカジノに食い込んでいくだろうと、株は買っておいた方がいいということで急上昇した、香港市場ですからね、なかなか報道はなかったわけですけれども、目立たないんですけれども、急上昇していると、こういう会社であります。
 これは、小沢さんね、先ほどの西村さんの中小企業とは違って、もう直接、カジノ推進、カジノ解禁法を求めてきたもう中心の企業グループからこういうパーティー券を買っていただいて、個々で議員立法で提案して、カジノは前にやるべきだ、進めるべきだと。これは、判断するのはいずれ司法の場かも分かりませんけれども、大変、大変危ない話じゃないんですか。大変、国会議員として疑われる話じゃないんですか。疑惑が持たれるような話じゃないんですか。そういうことを自覚されてやってこられましたか、小沢さん。

○衆議院議員(小沢鋭仁君) こういう形で適正に処理をして、そして、私自身もある意味ではそういう思いがないものですから、きちっと処理をさせていただいているわけでございます。
 ここの佐藤会長、議長って今おっしゃいましたけれども、最近ずっと日本にいらっしゃいませんので、こうした話、私は全くしておりません。でありますので、元々、パチンコホールの会社だということは事実でありますけれども、このカジノに関して私が頼まれて云々などということは全くございません。

○大門実紀史君 この佐藤社長とお会いになったこともないですか。あっ、議長ですか。

○衆議院議員(小沢鋭仁君) いえ、会ったことはもちろんありますけれども、最近はありませんと先ほど申し上げたわけであります。

○大門実紀史君 これ以上は、私はというよりも、まあ場合によっては国会でしかるべき場が必要かも分かりませんけれど、司法の方で調べてもらうことになる疑惑のある、今日の時点では申し上げておきたいと思いますけれど、この前も申し上げましたけど、決して与党の議員の皆さんの全てが最初からカジノがいいと、IR必要だと思っている方、余りそんなにたくさんいらっしゃらなかったですよね、最初は。IRって観光戦略で名前だけ貸してくれと言われて議員連盟に入った方とか、民主党もおられたんですけど。ただ、非常に中心で頑張ってこられて、どうしてもこれを粘り強くやってこられた方というのは、国会でも取り上げましたけれど、パチンコ・チェーンストア協会とか、ずっと一貫して、そういう業界と政治分野アドバイザーとかになってやられた方が多いものですから、それと、地方でカジノをやりたいという声を受けて、地元の企業の声を受けて推進という方もいらっしゃいますけれども、大体そういう何か支援していただいている方々がいるから頑張っていると。
 ちょっとほかの問題と違って、これはやっぱり賭博問題ですから、なかなか本当は余り関わりたくないという方が多いんですけれども、そういうことが、ずっとこの問題取り上げてきて色濃く感じるものですから、やっぱり小沢さんの場合は、一番、このダイナムというカジノ推進の中心の企業グループとこういう関係にあるというのは、大変私はまずいと思います、こういう議員立法を提案する方として。
 実は、パーティー券とか政治献金というのは、今はなかなか、パーティー券そのものも、まとまって買わなきゃ名前も出ませんし、分散されていますからブラックボックスなんですけれど、私は、やっぱり株の問題、カジノ関連株、あと、今大手の銀行なんかも絡んでカジノ投資ファンドというのができ始めております。投資してリターンというようなことから、決して政治献金とかパーティー券買ってもらうような原始的な指標だけでマネーが動いているわけではないんですよね。
 そんなことも含めて、もちろんインフラ整備でもお金が動くと思いますから、これは巨額のマネーが動いているということを前から見てきているところでございますけれど、我が党も、こうなったら全面的にこの調査に入ろうというふうに思っておりますけれども、本当に小沢さん、少なくとも今の時点で受け取ったパーティー券代とか、表面化している分だけでもお返しになるべきじゃないですか。いかがですか。立法の提案者として、それぐらい当たり前だと思いますが、どうですか。

○衆議院議員(小沢鋭仁君) 検討はしたいと思っておりますが、後ろめたい思いはないものですから、この後、何といいますか、李下に冠を正さずと、こういう話もあろうかと思いますので、検討したいとは思います。

○大門実紀史君 今日はもうその指摘だけにとどめておきます。
 午前中もありましたけれど、例の、例のといいますか、違法性の阻却の問題ですね。午前中、上月さんからも、十二月七日の、お手元の資料の一枚目ですね、前も配りましたが、十二月七日、私の質疑に合わせて法務省が出してくれたこの文書です。誤解のないようにということで上月さん、質問していただいたんですけど、私も誤解のないように整理し直したいと思っております。
 前回の答弁を改めて整理してもらいたいと、確認したいと思うんですけれど、まず法務省は、競馬や競艇などの公営競技に関わる特別立法に当たっては、この文書にあるような立場から意見を言ってきたということでいいですか、まず。

○政府参考人(法務省大臣官房審議官 加藤俊治君) お答え申し上げます。
 基本的に御指摘のとおりでございますが、既存の公営競技に係る特別法の立法に当たっては、ここに書かれてあるような点に着目して意見を申し述べてきたということでございます。

○大門実紀史君 それで、結果として、結果としてこういう御意見を述べてこられて、結果として競馬や競艇などの運営主体というのは官又はそれに準じる団体とされてきたと。まあ結果としてですけど、そういう意見を基に検討して、結果として競馬、競艇などの運営主体は官又はそれに準じる団体とされてきたということでよろしいですか。

○政府参考人(加藤俊治君) お答え申し上げます。
 現行の公営競技等のうち、競馬の施行主体は日本中央競馬会あるいは都道府県又は指定市町村とされており、競輪、小型自動車競走及びモーターボート競走の施行主体は都道府県、指定市町村等とされております。これらの施行主体は政府が全額出資する特殊法人であるか又は地方公共団体に限られており、その意味で官又はこれに準じる団体に限られているという議員の御指摘はそのとおりであろうと認識しております。

○大門実紀史君 そうですね。
 午前中も加藤さんは正確に答弁されておりまして、上月さんの質問に対してですね、八項目で意見を申し上げてきて、その結果、現にあることの例示がこの括弧の中にあるものですと、そのとおりですよね。今まで結果として公営主体しか認めてこなかったと、ただし、最初から公営主体じゃなきゃ駄目ですよというのはどこにも書いていないと、それはそのとおりですね。検討した、意見を申し上げた結果として公営主体しか認められてこなかったと、今あったとおりでございます。
 問題は、今回のIR、カジノ解禁法案は民営賭博でございまして、歴史上初めて民営賭博を認めるかどうかと、その違法性が阻却できるかどうかというのが最大の焦点の一つであります。
 あとはもう具体的に実施法が出てこないと法務省も意見の言いようもないというふうに思いますし、結果としてどうなるか別ですからね。ただ、ちょっと一般論として、なぜそもそもこの八項目なのかということも含めて、一般論としてちょっとお聞きしたいんですけど。
 まず最初の目的の公益性ですね、これが八項目の一番目であります。これ、収益の使途を公益性のあるものに限ることを含むと。これ、日本語をそのまま取りますと、収益の使途を公益性のあるものに限ると、これを含んでもらわなきゃ困るんだと。だから、これ例示じゃなくて、例えばじゃなくて、そういうふうに日本語で読めば読めるわけですね、もうそれしか読めないと思うんですけれども。ですから、民営ではどう考えても、当然自分たちの企業利益出さなきゃいけませんから、公益性のあるものに限るということは不可能じゃないかということを申し上げたわけですね。
 二つ目の、これは、後で申し上げますけど、この背景は、官又はそれに準じる団体に限るなどですから、限るなどというのも変な話なんですけど、一応、矛盾した表現ではありますけれど、官又はそれに準じる団体に限ってきたけれど、それが全てでないというのは、おっしゃるように例示的に解釈できなくもないというふうに思いますね。
 三番目の収益の扱い。これはもう完全に、これはもう業務委託の話ですから、主体は公で、公的主体で業務を民間委託した場合、今の競馬、あるいは競輪ですね、そういうことを想定、そのときの話だから、これは民間主体など想定していない、そもそも話なんですね。
 四点目の射幸性の程度ですけれども、これはちょっと法務省に聞きたいんですけど、これが意味するところというのは、これ一般論でいいですよ、射幸性の程度ということが要件の一つになっているというのは、射幸性を異常に高くしてはいけない、コントロールできるようにしなさいという意味がこの射幸性の程度というところに含まれているということでいいんでしょうか。

○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。
 賭博罪が犯罪とされている趣旨の中には、賭博という行為が射幸心をあおる行為であるということが含まれているわけでございます。
 そのため、特別法において賭博に当たる行為を許容するといった場合には、射幸性の程度、射幸性が高い、低いといった要素が刑法との整合性を保つ上で一つの考慮要素となるということで、ここに挙げさせていただいているものでございます。

○大門実紀史君 発議者の岩屋さんにお聞きしたいというふうに思います。
 カジノは一晩で何百万もうける、ほとんどレアケースですけど、そういう場合もあるし、ほとんどそんなもうからないんですけど、する場合は何十万、何百万と、する。だからみんなカジノに行っちゃうといいますか、というところがあるわけですね。それで百億以上すっちゃったという人も日本の経営者でいるわけですけれども、それがカジノなんですよね。パチンコとは違う。パチンコの場合は、余りにも射幸性が高くなって、爆裂何とか機というのを警察が指導をして射幸性を落とさせましたけれど、そういうことができる世界と違って、だから賭博、だからカジノということになっているんですよね。
 したがって、民間の賭博場、民営賭博にこの射幸性をコントロールさせるということそのものが難しいんじゃないかと思うんですよね、いかがですか。どうやってやるんですか。民間業者に射幸性コントロールしろ、抑えろというのはできるんですか。

○衆議院議員(岩屋毅君) 射幸性というものをどういうふうに考えるかということについてはいろんな考え方があるんだろうと思います。また、それもゲームの種類等によって射幸性というものをどう考えたらいいのかというのは様々な意見や議論があるんだろうと思います。
 今の例えば公営競技や富くじ等においても、例えばキャリーオーバーで賞金が十億を超すなんというケースも間々出てきているわけでございまして、そういったことと射幸性というのはどう考えるべきかという議論もあるんだろうと思います。
 カジノの場合は、先生はちょっと極端な例を今挙げられましたが、基本的にはやっぱり時間消費型の一つのエンターテインメントなんだろうと私は思っておりますので、しかも、大体、客に対する還元率ということでいいますと、他のゲーミングに比べれば最もカジノの還元率が高いというふうにされておりますので、その射幸性といった観点から見ても、私は特段問題にされるゲーミングの業態、姿ではないのではないかなと考えています。

○大門実紀史君 射幸性がいろいろと言われちゃったらもう何が何だかなんですけど、射幸性は、今まで言われてきたとおり、何といいますかね、当たり外れの格差の大きさですよね。だから、するときはむちゃくちゃすると。その代わり、もうかるときにはむちゃくちゃもうかる。ただ、その確率はほとんど少ないというところの確率の問題のことを射幸性で表しているわけですね。
 それをコントロールできるのかということですけれども、コントロールするという世界じゃないんですよね。ルーレットでどうやってコントロールするのかと。スロットマシンだと、あの機械を調整して出る確率できますけど、ルーレットは、あれは回すだけですからどうやって射幸性を落とすのかということとかになるわけで、賭博の世界はそもそも無理なんですよね、コントロールは。だから、法務省はそこのところを非常に留意しているということであります。
 実は、この文書そのものは、私も、最初は十二月七日、私が法務省に要求したからこの括弧付きの、注釈付きのものを出してくれたのかなと、前回の審議のときまでそう思っていたんです。しかし、これはそうじゃなかったんですね。
 実はこの法務省の八要件、前回の答弁で、私が最初に示されたのはいつですかと聞いたら、二〇一三年の十一月二十日の衆議院内閣委員会での答弁でしたというふうにおっしゃったんですね。その議事録も前回配付したんですけれども、実はそれは虚偽だったわけでありまして、最初に示されたのはその一年半前の二〇一二年四月六日、資料の二枚目にありますけれども、当時の民主党の内閣、法務、国土交通の合同部門会議、ここで実は同じもの、ほとんど同じものが示されていたわけですね。この前の十二月七日が最初じゃなかったんです。既にここでもう示されていたんです。
 この二〇一二年四月六日の民主党の内閣、法務、国交の三部門合同会議というのはどういう会議だったかといいますと、当時、民主党を中心に今のようなIR法案がまとめられて、古賀一成さんとかですね、会長でやられてきて、その当時のカジノ法案、カジノ解禁法案、IR法案があったんですよね。それを民主党の中で部門会議で検討するということが行われて、三部門合同で検討、そしてこのときは政府のヒアリング、政府の意見を聞こうという会議だったんです。その三部門会議で法務省の意見を聞こうとなったときに、実はこの文書がもうそのときに法務省の考え方として文書として配られたということでございます。
 それが資料三ですね。これが、平成二十四年四月六日ですね。ほとんど一緒なんですけれども、違うのは一番最後の「その方針に変更はない。」という言い方をしているんですね。十二月七日の場合は、一番最後は「同様である。」と。この意味とか、あるいは、午前中、上月先生がこれ誤解を受けると、よく分からないとおっしゃった意味は、実は今回の審議に当たって出したんじゃなくてこの二〇一二年の四月六日のときに出した文書だから、ちょっと今読むと誤解というか、意味が分からないところがいろいろあるわけであります。
 その意味を説明いたしますけれども、当時、民主党の法務部門の座長さんだった松野信夫さん、今熊本で弁護士やっていらっしゃいますよね。大変正義感の強い弁護士さんで、当時、民主党の中で出てきたカジノの法案も、私たちと同じ考え方でしたから、あれはよくないというふうにおっしゃっていた方であります。その松野信夫さん、元参議院議員が当時民主党の法務部門の座長さんをやっていらしたんですね。昨日も電話で直接お話を聞きました。
 法務省はこのときに、二〇一二年の四月六日のこの会議で明確に民営賭博は難しいという見解を示したと明言をされております、当時のこの民主党の法務部門の責任者、座長さんだった松野さんが、このときは法務省は民営賭博は難しいとの見解を示したと明確に教えていただきました。
 法務省、そうじゃなかったんですか。

○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。
 突然のお尋ねでございますので、二十四年の四月の会議で具体的にいかなる発言をしたか、法務省の職員がいかなる発言をしたかということは確認しなければ正確にお答えすることはできませんが、当時お出ししている資料も現在委員会に提出、大門委員に提出をしております資料と同種のものでございます。この趣旨も現在私が説明しているのと同趣旨でございますので、その当時から法務省の立場、考え方というものは変わっていないというふうに申し上げることができます。
 以上でございます。

○大門実紀史君 いや、変わっているんですよ。変わっているんですよ。
 そもそも私自身も最初、カジノの問題を国会で取り上げるときに一番最初に勉強させてもらったのは、法務省の方々、検事さんですね。賭博罪の意味とか、百八十五条、百八十六条の成り立ちとか、三十五条とどう関わるかとかですね。最初、法務省の特に検事さんに私は勉強させてもらって、教えてもらってこの問題を取り上げ始めたんです。
 最初のときは、もう別に今更そのときの人の名称とか出すことはやりませんけれど、明確に法務省は賭博の解禁については大変厳しい姿勢を取っておられましたし、カジノはそう簡単に認めないし、民営賭博というのはもう想定外ですというようなこと。あるいは、当時いろんなことがあったんですよ、構造改革特区での民営賭博あるいは地方での賭博ができないか、あるいは公営ギャンブル、今ある競馬とか競輪も民間でできないかというようなこといろいろあった中で、そういうことで、そういうような中でも、民間賭博は、民営賭博は無理ですと、想定外ですということをずっと私は聞いてきたものですから、最初からこの話は非常に違和感あったんですけど、この違和感が松野さんに昨日聞いてよく分かったわけであります。当時は明確に民間賭博を法務省は否定されたと、それを複数の部門会議ですから、一対一じゃないですから、部門会議の責任者がおっしゃっているわけでございます。
 ですから、この当時の文書にわざわざ「その方針に変更はない。」と強く、強く語尾に書いたのはそういうことがあるわけなんですね、今との違いは。なおかつ、なぜ括弧を付けて解説したのかと。一個一個、収益はどうのこうのと、官又は官に準じると、わざわざ個々で何でこういう括弧付けをしたかというと、それは、当時のIR、カジノ推進の特に民主党の議員さんに対して、民営は無理ですよと、民営賭博は無理ですよと分かってもらうための解説として書き込んだわけでありまして、それがそもそもこの括弧付けの意味なんですよね、意味なんですね。
 ですから、先ほど申しました、収益の使途を公益性のあるものに限ることを含むという、これを強い表現を入れたのは、そういうことをやろうとしている当時の特に民主党の内閣部門、内閣の方はやりたがっていましたから、その人たちに無理ですよと言うために強い表現を入れたわけであります。「官又はそれに準じる団体に限るなど」も、まあ頭から限ると言っちゃうと、そもそも目的の、運営主体の性格など言わなくて、官又は民に限ると最初から書けばいいわけですから、そうなると身も蓋もないんで、一応などを付けたと。だけれども、これは分かってくれということですね。
 ですから、この文書の意味は、そんな一般的な話ではなくて、法務省としては、民営賭博について厳しい考え方を持っていますということを当時の民主党の三部門会議で示すために作られた文書というのが最初なんです。それがたまたま、どういう考え方なのといったら、十二月七日、私の質問に対してぱっと出してきましたけど、あれが初めてではなかったということであります。
 背景も今と違いまして、二〇一二年、このときは民主党政権でありますし、このときの法務大臣は、今も頑張っておられます小川敏夫さんでございます、弁護士さんですね。やはり正義感の強い、カジノには反対の弁護士さんで議員さんでありますし、民主党の法務部門というのは元々カジノ反対が多かったんですね。当時、このときも、この前申し上げました、被災地にカジノという話があって、私が質問でやりましたけど、それが最後阻止された、潰されたのは、この民主党の部門会議で駄目だということになって潰れたわけでありまして、そういう、民主党の法務部門はきちっとした方が多かったと。なおかつ、民主党政権であり、法務大臣が小川敏夫さんだったと。だから、今と違って、法務省は自分たちの思うことをずばっと、ずばっと書くことができたということであります。
 そういうことで思うと、上月さんが誤解するようなこと、何が言いたいんだとおっしゃったのは、もうその部分はそのとおりでありまして、実はこれが二〇一二年四月のそのときの状況下で書かれた文章と思うとすっきりと分かるわけであります。
 要するに民営賭博は駄目ですよということで、もう一つは、当時もプログラム法といいますか基本法だったんですね。今と同じだったんですね。今と同じだったんですね。
 その枠組みに対して、当時の法務省は、プログラム法の段階で、民営、民間賭博だから駄目ですという意見を表明したということであります。実施法が出てくるまでじゃないんですね。民営賭博そのものが無理ですよということを当時法務省は公の政党の三部門の大きな会議の場で示されたということであります。
 だから、それでいきますと、今回も本来ならば今の段階で法務省は民営賭博無理ですよということを表明されるべきなんですね、本当は、ですよね、と思います。それはやっぱり、法務省のこの法の判断の、違法性の阻却に対する判断の姿勢が、やっぱり一貫性がなきゃ駄目ですよね。どこかで拡大解釈したりしていたら駄目ですよね。その一貫性も問われますし、この法案の提案そのものに関わる根本問題だと私は思うわけであります。実施法を待ってじゃなくて、法務省は今ストップ掛けなかったということになるわけでありますね。二〇一二年の当時は掛けたのにということになるわけです。
 いずれにせよ、それは恐らく加藤さんもそのときには携わっておられなかったし、先ほどの名簿のメンバーでいきますと、内藤惣一郎さん、渡邊真知子さんですかね、同じ刑事局ですけれども、そういう方々が実際に意見表明されて、それを座長の松野さん含めてたくさんの民主党の議員が聞いていたということになるわけであります。
 したがって、これ大変大事な問題ですので、委員長にお願いしたいんですけれども、この法の基本的な違法性の阻却の法務省の姿勢に関わる重要な問題ですので、当時の法務省の刑事局の内藤さん、渡邊さん、そして民主党法務部門の座長だった松野信夫さん、弁護士さんを参考人として委員会に呼んでいただいて、やっぱり一番法の根幹の判断に関わりますので、参考人として呼んでいただいて意見陳述を求めたいと思いますが、委員長、いかがですか。

○委員長(難波奨二君) 後刻理事会で協議いたします。

○大門実紀史君 ということが、この文書の意味だったということであります。これを置いておいて先の議論はないだろうと思いますので、きちっとした参考人の意見陳述を求めたいと、はっきりさせたいというふうに思います。法務省にとっても大事なことですね。法務省が途中で政治的な状況が変わったからといってこういろんな判断を変えたら駄目ですよ、法務省は。
 それで、そういうことの上に、これに、今のことに関わることで質問したいと思いますけれども、元々二〇〇六年、平成十八年の当時は、自民党の、ここにありますけれども、我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針というのがあるんですけれども、自由民主党政務調査会観光特別委員会カジノ・エンターテイメント検討小委員会、平成十八年六月十六日というのがあるんですね。カジノに、このときはまだIRという言葉はありませんでしたけれども、カジノ導入の基本方針ということですと。このときは、この案というのは民営賭博じゃなくて公設民営での案でございました。主体は地方自治体で、運営を民間業者に委託するという仕組みでしたよね。
 岩屋さんが一番御存じだと思いますので、なぜこのときは公設民営という形だったんでしょうか。

○衆議院議員(岩屋毅君) そのときの小委員長は私でございました。当初、私どもは、今までの公営競技のスキームをこのIRあるいはカジノに準用するというか適用することができないだろうかという発想で勉強を開始をいたしました。しかし、その勉強をすればするほどに公営競技等のスキームとカジノの施行者がプレーヤーとなって客と向き合う、ゲームのリスクを一時的に取らなくてはいけないというこのゲーミングは、やっぱり種類の違うものだなと。これを公的主体に任せるというのは適切ではないという判断に至りました。
 その後、自民党だけではなくて、先生おっしゃったように、当時の民主党さんも、あるいは公明党さんも維新の会の皆さんも一緒になって超党派の勉強会をつくって、やはりIR、カジノのスキームは公営競技のスキームとはやっぱり変えていかなきゃいけないよねと。その代わり、民間事業者に施行を委ねる以上は、今までにない厳格な監視管理体制をつくらなくちゃいけないよねと。それがカジノ管理委員会という発想につながっていくわけですが、そういう議論の過程を経て今日の案になっているということを御理解いただければと思います。

○大門実紀史君 その後変わっていったというのは承知しておりますけれど、なぜ最初は公設民営だったのかというところなんですね。
 二〇〇六年当時というのはどういうときだったかといいますと、先ほど申し上げました、前回も申し上げましたけど、小泉構造改革、竹中さんが出てきてがんがんやり合いましたけれども、あの中の一つが何でも官から民へというようなことがあって、財政諮問会議でも、特区でカジノができないか、あるいは公営ギャンブルを民営化できないかという議論があって、それがちょっと落ち着いたときだったんですよね。
 つまり、最初は、二〇〇三年から二〇〇七年にかけて、競馬法とか競輪法とかのいわゆる公営ギャンブルが最初は民営化できないかという話が、やっぱり無理だと、公的主体でなきゃ無理だと、業務委託だけということになって、あのときにずっと法が改正されて、まさに公設民営しか駄目ですよというのがあのときの法務省の歯止めだったから、この案も最初は公設民営からスタートしたのではないかと。当時はそういう状況でしたから、恐らく法務省に聞いてみたら、形は公設民営とか、そこまで具体的に言ったかどうかは別ですけど、当時の議論からいうと、最初はとにかく公設民営にしたのはやっぱり法務省のそのときの刑法の解釈があったからではないんですか、最初の公設民営という意味は。

○衆議院議員(岩屋毅君) 必ずしも正確な記憶ではないかもしれませんが、先生おっしゃるように、構造改革特区のときに、もう既にその段階で、うちの地域でカジノを合法化させてもらえないかという地域からの要請が随分国に上げられておりました。二回にわたって当然それは門前払いをされたわけでございます。というのは、刑法の一部を一定の地域だけ穴を空けるなどという措置はそれはとり得ないということで、全部門前払いにしたわけでございます。
 そこで、今までの違法性が阻却された仕組みである公営競技というスキームを何とかそれに準用することができないかという発想で、そういった地域の要望にも応えたいという思いも私どもありまして勉強を開始したんですが、その後はさっき申し上げたとおりでございまして、これはどうも公的主体に委ねるというのは適切ではないなという判断に至ったということでございます。

○大門実紀史君 私、共産党ですから、当時の民主党の中の議論というのは直接知らないんですけれど、この点についても聞いてみると、民主党政権にその後変わってきますよね。そのときに、やっぱり、何といいますかね、当時、独特のあの役所は敵だみたいな、役所はもう駄目なんだというのが最初の民主党にわあっとあったじゃないですか。ああいうところで、この公設民営だと天下り先になる、何になるということで、もう民間でというのが強く出て民営論になったということは聞いたことありますけれども、私は実は、それはそうかも分からないけれども、それは分かりません。
 私が思うのは、ちょうどその頃から、二〇一〇年前後してやっぱりスポンサーが、特に海外の投資家等々のスポンサーが具体的に現れ始めたと。日本のカジノに投資をする場合、公設民営なんて面倒くさいことを言ってくれると投資効率が落ちると、やるならば民営でやらせてもらいたいというようなことが強く働いて、そういう意見を言われた当時の外資の方々もたくさん、資料取っておりますけれど、あって、そういうことから、彼らは民営ならば、完全民営ならば投資をすると、公設民営だとやりにくいというようなこともあって、民営、民営と。実は、これが一番大きい民営の方向に来た背景ではないかと。
 それが、やはり、前回のときに細田さんが私の質問に対して言われた、世界中の投資家が投資意欲が非常にあるとおっしゃったのは、やっぱりもうそもそも民営という枠組みを前提とした話ではないかというふうに思うんですけれど、その海外投資家にとって完全民営でなきゃいけないんじゃないですか、普通に当たり前のような話になってきたんじゃないですかね。いかがですかね。

○衆議院議員(細田博之君) 私も、議連の会長は当時の民主党の古賀一成さんの後任ということで、政権交代に伴って議連の会長を受けたわけでございます。そして、様々な外国の、例えばオイルマネーとかその他、過去に実績のある人たちが日本を訪れては、法律ができるのかできないのかというようなことを聞いてきました。彼らは、膨大なホテル、アミューズメントその他の何兆円にもなるような絵を描いてきたり、あるいは、まあそれより多少小さいけれども、いずれもシンガポールを上回るような膨大な投資をして、観光振興にも日本の雇用振興にも役に立つと、そういう、特にオリンピックを目指していた人たちが多かったですけれども、そういう話をしておったわけでございます。
 それはそれとして、単なる希望として来日していたわけでございますが、その中で、当然カジノ施設というのは非常に大きなノウハウがあって、日本にはノウハウが余りないわけですね、やり始めればこれからノウハウを従業員とか管理者として学んでいかなきゃならない、そこのノウハウがまだ行き届いていないので、言わば日本企業だけによる運営というのは実際上難しいだろうということは分かるわけでございますね。
 したがって、投資は歓迎する、しかし、その投資家の中には日本企業とジョイントでやろうと、それは訳も分からない日本に投資してもそれで本当に観光客が日本文化の中で溶け込んで喜んでくれるかどうかは、じゃ、どういうシアターを造るかとか、どういうミーティングをやったらいいのか、どういう規模でやったらいいのか、どこに造ったらいいのか、これは日本の大きな企業と連携をしたいということで来ているわけでございます。
 したがって、我々は、やはり大きな施設としては民間によるジョイントベンチャーということになるであろうと、それはやむを得ないと。しかし、この常習賭博罪等の関係でいえば、がっちり、従来の公営ギャンブルと同じようにきちっと納付金を取って、そしてその納付金は、ギャンブル依存症はともかく、日本の観光振興とか、特に文化の面ではまだまだ整備が遅れているわけでございまして、伝統的な建築、建造物を改築し、そして保存する事業とか、あるいは文化を担う伝統芸能の人たち、あるいはオペラにしてもオーケストラにしても、様々な芸術分野の人は文部科学省からほとんどお金をもらわずに、もう貧しい俳優とかたくさんいるわけですね。
 したがって、文化の振興、そして観光の振興に役に立つ、そして、さっきちょっと最初に申し上げたような、日本中の観光につなげるような、お金を納付金として納めてもらって、それを活用するということを一つの条件設定として考えていこうじゃないか。当然、しかし、それで利益が上がる部分について法人税が掛かるとか、そういうことは当たり前の話でございますが、そういうことになっている、そういう経緯というか実態がございます。

○大門実紀史君 とにかく法務省が今までのずっと取ってきた姿勢を変えない限り、法的に言えば私は民営賭博は不可能だと。それはちゃんと、さっき言った参考人を、開いて明らかにしてもらいたいなと思いますけれども。
 そして、実は外資がやっぱり鍵を握っていると。その外資が言っているのは、決して観光客の話じゃないんですよね。今いろんな外資の名前が出ていますけれども、MGMリゾート・インターナショナル、マリーナ・ベイ・サンズ、あと、サンズはあれですかね、細田さんと懇談されたこともあるんですかね、まあ分かりませんけれども、いろんな名前出ていますけれども、彼らがいろんなところで言っているのは、日本に海外のお客さんが来てじゃなくて、日本人が持っている日本の金融資産が大きいと、こういうことを言っているわけなんですよね。こういうことを言っているんですね。
 そこのところと、ついでに言っておきますけれども、先ほど岩屋さんが、外資入ったらどうなるんだと、ちゃんと日本にしかるべき責任を果たすのかと、納税の義務とかおっしゃったけれども、今納税の義務を果たさないのが大問題になっておりまして、私も財政金融委員会の中で、そういう外国資本が納税の義務を果たさないから、だから国際課税頑張ろうということで麻生大臣と一緒に提案しているぐらいで、今回これ、外資が入ってくるわけでしょう。そんなもの納税の義務なんか、もう世界中のどこかタックスヘイブンでやるわけですから、納税の義務なんか果たされるわけがないと、これは申し上げておきたいと思いますけれども。
 話を戻して、国際資本が狙ってきているのも日本の金融資産でありますし、一番驚いたのは、大阪商業大学、ある意味ではカジノ推進派の皆さんのシンクタンクのような大学、研究所でありますけれども、その谷岡さん、谷岡一郎さんですかね、学長さんが、前回の資料とか参考人の資料にもありましたけれども、このカジノによって高齢者のたんす預金など、高齢者のたんす預金などが、世の中に出にくいお金が回り始める、これが期待されると。もう正直な方ですよね、あからさまですよね。さらに、マカオでは、マカオではですよ、マカオではカジノの稼ぎが去年、二〇一三年、このときだと三兆八千億円ありましたと。これは売上げではありません、収益ですと。つまり、人々が失った金の合計が三兆八千億円ですと。
 これ、カジノ推進派の皆さんのシンクタンクと言われている大阪商業大学の学長さんが言っているので、私たちが人の金を巻き上げていると言っているだけじゃなくて、皆さんのシンクタンクがおっしゃっているんですよ、人々が失ったお金ですね。
 ハイローラーと呼ばれるギャンブル愛好家はカジノのお得意様ですけれども、この種のギャンブラーだけを相手にしていては経営が安定しない、一般の方々が参加できる広いシェアが必要ですと。一定の所得と貯蓄を持つ分厚い中間層、今は大分少なくなったと思っていますけれども、がいる日本の大都市圏は大変魅力ある市場ですと。
 つまり、ギャンブラーだけを相手にしていると波がある、経営にリスクが伴うと。だから、安定収益になるのが小銭を持っている、一定の貯蓄を持っている高齢者とか一般の家庭だということをおっしゃっているわけであります。そういう方がたくさんいるのは地方じゃなくて、これ都市部になりますから、それで大阪だの横浜だの、話がこうなっているわけでありまして、外資も言っているし、皆さんのシンクタンクの大阪商業大学のトップも言っているのは、共通するのは、今回のIRでやろうとしているのは日本の個人金融資産、これを出そうということなんですね。
 これが、ある意味で、私たちが何度も指摘してきたような、今回の、きれい事ばっかり、バラ色ばっかり並べますけど、IRの本質ではないかというふうに思うわけであります。
 昨日、鳥畑先生がおっしゃっていましたけど、シンガポールと日本、IRの、カジノの違いはターゲットが国内だと、鳥畑先生も明確に分析されておりました。過当競争があるないと言いますけれども、もちろん国内ではないかも分かりませんけど、普通ならアジアのほかのカジノとの競争があるはずですよね。それで考えると、マカオがありシンガポールがあり、さらにその人たちを日本に連れてくるというのはかなりしんどい話ですけれども、そもそも国内がターゲットだったらそんな心配はないわけですね。
 実は、経済同友会、関西経済同友会が試算している試算がありますけれども、時間の関係でもう結論だけ言いますけれども、カジノの収入が約六千億ですね。IR全体の八割はやっぱりカジノで稼ぐと。それを、大阪商業大学は、大阪にカジノを造った場合、大体来場者数を百万人ということをよく出されておりますので、六千億を百万人で割りますと一人年間六十万円お金を落としてもらう、そういう計算を関西経済同友会が出されております。これはリピーターを想定しないとそうならないですね。
 ということでありまして、IRというと家族で来てくださいというふうに何かふわっとしたものでおっしゃいますけれども、鳥畑先生が指摘されたように、家族で来てもらって、お父さん、お母さん、まずやってもらって、次また来てもらう、リピーターにしていくということじゃないかと、まさに依存症製造計画じゃないかと私は前も質問で言いましたけど、そういうものじゃないかと思います。
 それから、大体家族連れで行ってですよ、家族連れで行って親がカジノに夢中になっていたら、子供たちもう迷子だらけになっちゃいますよね。今のパチンコがそうでしょう。パチンコ、親が夢中になって犯罪まで起きていますよね。子供が亡くなっていますよね。そんなこともあるわけで、余り家族連れだとか何かそんないいことばっかり言わないでもらいたいなというふうに思います。
 ちょっと時間があれですけれども、岩屋さん、何か言いたいでしょうから、一言どうぞ。

○衆議院議員(岩屋毅君) ちょうど夕べ東大でIRに関するシンポジウムがありまして、そこで今お話が出た谷岡先生ともお話しする機会がありました。さきの発言の真意についてお話ししておられましたが、今、何といいますか、成熟社会になってきて、なかなか成長戦略一生懸命やっていますが、投資がなかなか思ったほどは伸びない、消費も伸びないという中にあるわけでございます。今、ある意味でいうと、もう団塊の世代の方々が高齢者になっておられるわけでございまして、ある意味では、物は持っているけれども、物の消費から事の消費という、観光ニーズが高まってきているときなので、そういうものを掘り起こしていかなきゃいけないよねという意味で言ったんだけど、非常に言葉足らずに、誤解をされて申し訳なかったという趣旨の発言を谷岡先生はしておられました。
 それから、我が国の観光ビジョン目標は、先生、今二千万人になったばっかりですが、オリンピックまでに四千万人、その十年後に六千万人ということでございまして、私はそれは実現できるし、実現しなきゃいけないと思っていますが、多くのやっぱり海外のお客様を我が国にお招きをしていくというのがこれからの観光政策の大きな柱であると思いますので、我が国におけるIRが日本人だけをターゲットにしているという指摘は当たらないし、そういうことでは目的を達することもできないと思っています。
 それから、ある意味、先進地のラスベガスでは、今ゲーミングの収入は三五%ぐらいに落ちてきておりまして、ノンゲーミングが六五%ぐらいの収入を生み出しております。我々が目指していくべき方向もそういう方向ではないかというふうに思っているところです。

○大門実紀史君 とにかくこの法案の最大の問題点は、民営賭博を歴史上初めて、一千三百年の歴史を破って解禁するという話であります。それが無理だということを、普通の解釈ならば無理だということをちゃんと検証もしないでやっていることそのものがおかしいということと、ギャンブル依存症は、この前申し上げたように、事後の治療とか処置はあっても、賭博を開いておいて依存症を増やさない対策なんか一つもありませんので、依存症対策なんて言葉を使うべきではないと。
 経済効果と言いますけれども、そもそもこれは経済ではありません。サミュエルソンが言っているとおり、これゼロサムゲームですから、人の金をこっちへ持ってくるという話だから、そういうものを経済効果論で語ることそのものがもう恥ずかしいし、地に落ちている、国会の議論ではないということを申し上げて、私の質問を終わります。

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