国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2016年12月8日 内閣委員会

民間カジノ合法化の根拠崩れる/違法性の阻却は困難と指摘

<赤旗記事>

2016年12月9日記事

論戦ハイライト
合法化の根拠崩れる
カジノ 大門氏

質問する大門実紀史議員=8日、参院内閣委

 日本共産党の大門実紀史議員は8日の参院内閣委員会で、違法なカジノを国内で解禁できるという推進派の論拠を突き崩し、カジノ解禁推進法案の徹底した審議と廃案を求めました。

 大門氏は、法案がカジノの具体的制度設計は政府がつくる「実施法」に先送りする「政府丸投げ法」という構造になっていることをあげ、政府への質疑も必須条件だと求めました。

 難波奨二内閣委員長は「理事会で協議する」と答えました。

政府認識ただす

 大門氏は、これまでサラ金問題・多重債務問題に取り組むなかで「賭博の怖さ」を実感した体験に触れながら、「長い間、刑法で賭博が禁じられてきた重みを分かっているのか」とただしました。

 安倍内閣が閣議決定した「日本再興戦略」はカジノを盛り込んでいます。カジノを中核とする統合型リゾート(IR)で観光客を呼び込むとしていますが、政府が2020年までの海外からの観光客受け入れ2000万人は今年すでに達成されています。

 菅義偉官房長官 観光振興などに資すると期待される。

 大門 カジノなんかなくても観光客は増えている。そんなきれいごとをいうべきでない。賭博は犯罪だ。

 大門氏は、政府も法案提出者も「あまりに言葉が軽く、賭博が刑法で禁じられている重みを分かっていない」と批判しました。

 大門氏は、『日本書紀』をひもときながら、689年の「すごろく禁止令」からはじまった日本の賭博禁止は、天武天皇のばくち行為を憂えた妻の持統天皇が自分が即位したあとすぐに出したものだと説明し、委員会室をうならせました。

 大門氏は、競輪・競馬などの公営賭博が、刑法の違法性を阻却(しりぞけること)して行われている“要件”に照らして、カジノが合法化できるのかをただしました。

民営賭博不可能

 大門氏の求めに法務省が提出したのが、カジノの違法性を阻却するための8要件(表)です。

 西村康稔議員(法案提出者) 政府が実施法を決める際、8要件をクリアする制度をつくる。

 大門 今まで示されてきた法務省の見解を意図的に拡大解釈しない限り、それはできない。

 8要件のうち目的の公益性では、法務省は「収益の使途を公益性のあるものに限る」とし、営利目的の民営カジノは逆立ちしてもこれを満たせません。同じく運営主体は「官又はそれに準じる団体」とし、民間事業者による運営など想定外です。

 日本初の民営賭博の解禁は、日本の法体系を根本的に覆さない限りできないことであることが明らかになりました。

 大門氏は、8要件の「副次的弊害」であるギャンブル依存症問題についてただしました。

 岩屋毅議員(法案提出者) ギャンブル依存症をすべてゼロにするのは難しい。その可能性を極小化する努力をする。

 大門 カジノを開いておいて依存症を増やさないということはできない。

 大門氏は、カジノが収益をあげるということは、それだけ依存症になりカジノにお金を落とす人をつくることだとして、カジノ合法化の断念を強く求めました。

≪議事録≫

○大門実紀史君 大門でございます。
 発議者の皆さん、よくぞ参議院にいらっしゃいました。
 岩屋さんとは、雑誌の誌上で対決したり、星陵会館でしたかね、パネラーで対決したりしてきましたけれど、とうとう国会の委員会で対決ということで、いつかはこういうときが来ると思ってはおりましたけれども、せっかく来られたんですから、岩屋さんと五十時間ぐらい議論をしたいなと思います。
 ちょっと岩屋さん、一番この経過を御存じなのでお聞きしたいんですけれども、午前中も、さっきも丸投げ法案という言い方ありましたけれど、というか、そういう言い方がどうなのかというのはあるんですけれど、プログラム法とか基本法とは違うなと私はちょっと思っているんですね、立て付けからいって。
 率直にお聞きしたいんですけれども、実は、政府自身で、刑法で禁じられていることを、まあ民間賭博ですね、民営賭博を認めるような提案は、政府としては、自分から言い出すといいますか、なかなかできないと。そこで、議員立法という形で国会が求めると、国会が求めると。そうすると、政府は立法府の要請だから応えるしかないと。実はこういうことからこの二段階の仕組みは提案されてきて、何か国民の議論を二回できるとか、それは後から取って付けたような話で、実はそういうことにあるんじゃないかと経過からして思うんですけれど、岩屋さん、正直なところ、どうなんですか。

○衆議院議員(岩屋毅君) 大門先生とは、このテーマに関して、おっしゃっていただいたように、幾つかの機会で対決ではなくて対話をさせていただきました。今日も対話をさせていただければというふうに思っております。
 先生御案内のとおり、我が国、これまで幾つかの公営競技を認めてきておりますし、宝くじ、直近ではサッカーくじ、totoというものも認めてまいりましたが、いずれも議員立法という形を取ってきております。それは確かに政府の方から、刑法の違法性を阻却する法案を政府が率先して提出をするというのは適当ではないということもあったんだというふうに思います。
 ただ、これまでの公営賭博、公営ギャンブルというのは、競馬であれば畜産振興に資するので農林水産省が監督をするという立て付けで、そんな感じで作ってきたわけですが、いよいよ我が国にカジノというゲーミングを認めるに当たっては、関係する省庁が非常に多うございます。政府が省庁横断的に取り組んで、しっかりとした国民に信頼を得るに値する体制を、監視、管理体制をつくる必要があるというふうに私ども考えたわけでございます。
 したがいまして、議員立法として実施法まで含めて全部提案をするというよりも、プログラム法で方向性をしっかりと示した上で、政府において実施法を策定をして国会に再び提出をしていただき、二回にわたって国会で慎重審議をしていただくことによって国民の皆さんの御理解、信頼が得られるような体制を構築すべきだと、こう考えて、二段階論の提案という形を取らせていただいたところでございます。

○大門実紀史君 今回は民営賭博を解禁するというまさに歴史的な中身でありますので、それについてやはり政府の考えを今の段階できちっとやっぱり聞いておく必要があると思いますので、ちょっと委員長にお願いしたいんですけれど、やっぱり各省を、やっぱり関係大臣、国交を含めてですね、厚労大臣を含めて、各省を呼んだ政府質疑を必ず設けていただきたいのと、参考人とありましたけれど、いろんな分野の参考人といえば一回では済まないと思いますし、地方から要請があるという声もさんざん出ておりましたので、地方も含めた公聴会を必ずセットしてほしいと。衆議院で強行された後、一気にマスコミも批判的になって、国民の中でも反対論が出てきたと。ちゃんと審議してくれと、するべきだという声が物すごい多いんですよね。
 そういう点でいきますと、衆議院で六時間だから参議院もそれ見合いなんというレベルでは、そういう種類のことではないんで、そういう設定を是非委員長、お願いしたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。

○委員長(難波奨二君) 後刻理事会で協議いたします。

○大門実紀史君 今日の自民党の皆さんの質問は賛成の質問ばっかりでございました。当たり前といえば当たり前なんですけれども、実はここに至る経過で行きますと、参議院では、自民党の方が委員会で堂々とこのカジノは参議院では通させないということを委員会の場で宣言されたこともありますし、参議院の自民党の議員のメンバーが中心になって、依存症対策の議員連盟をつくられて、ちょっと趣旨が分からなかったので、私はちゅうちょしたんですけれど、やっぱりおかしいんだと、この方向はということでということで呼びかけがあって私も入ってくれといって入ったんですけれど、それも途中で立ち消えになって、参議院の自民党の中には本当に良識派という方がたくさん実はおられて、反対という声も結構あって、だったんですけれども……(発言する者あり)まあ、たくさんじゃないんですか。あっ、そうですか、良識派じゃないわけですね。そういうことがあったんですよね。
 したがって、本当にそういうことも含めて、よくよく、よくよく参議院が問われますので、きちっとした審議を自民党や、自民党の皆さんに求めておきたいというふうにまず申し上げておきたいと思います。
 カジノ問題、私は国会で取り上げてきてもう数年になります。最初は予算委員会で、民主党政権のときだったかなと思いますけれど、被災地にカジノを造ろうという話があって、仙台空港周辺ですよね、それから、何というんだろう、カジノで復興かというので、地元からも相当反発の声があって、土地を買い占めるブローカーが動いたりして大変なことがあったんですけれど、テレビの前でそれを暴露して、そのときはもうやらないということになったんですけれども。また、二年前ですかね、これもテレビの前でカジノ議員連盟の問題を取り上げて、麻生副総理と安倍総理がこの議員連盟の最高顧問をやっていらしたんですね。情けないじゃないかと、こんな賭博の議員連盟の最高顧問、お辞めになるべきだということを申し上げたら、麻生さんも辞めますと、安倍さんも辞めますということで、なったこともあったぐらいいろんな議論をしてきたんですけれども。
 一番思うのは、なぜ、そもそも、そういうのを取り上げてきたかといいますと、共産党は潔癖症の人が多いんでしょうと、何かこういうのはもう駄目なんでしょうと。そうじゃないんですよね。
 実は、多重債務問題というのが十年前にこの国会で大変な議論になりましたね。サラ金問題ですよね。その多重債務に陥る一番の原因は生活の困窮なんですけれども、二番目の陥る理由がギャンブル依存だったんですね。貸金業法の改正に取り組んだ、そのときは自民党の議員も一緒に取り組んだんですけれども、その人たちとか弁護士さんたちは、次に多重債務をなくすことに取り組もうということでギャンブル依存症対策に取り組むと。まずはパチンコだということに焦点がなったときに、カジノの問題が出てきたので、カジノを許してパチンコというわけにいかないので、まずカジノを止めなきゃということでやってきたわけでありまして、私もいろんな多重債務の陥った生々しい現場見てきましたし、家庭崩壊、人生を壊れた、人間が壊れた方も見てきました。
 そういうことから、そういう重みがあってこの法案についてずっと一貫して反対してきたということでありますので、その重みを本当にどこまで理解されているのかというのが一番思うんですよね。昨日の本会議の答弁を聞いても、衆議院の答弁を聞いても、どうも軽いんですよね、この問題に関するですね。非常に軽さを感じております。
 まず、菅官房長官にお聞きしたいんですけれども、昨日の本会議でも質問させていただきましたけど、このIR、カジノ・賭博場解禁なんですけど、安倍内閣の日本再興戦略の二〇一六の中でも観光振興策として位置付けられております。私はまず政府に問いたいんですけれども、こういう賭博場を含む観光施設を政府の再興戦略、経済戦略に位置付けるということは、もう本当にこの賭博が刑法で禁じられている重みというものをまず政府が分かっていらっしゃらないと思うんですけれども、菅官房長官、いかがですか。

○国務大臣(菅義偉君) 政府の日本再興戦略二〇一六でありますけれども、この中に、IRについては、観光振興、地域振興、産業振興等に資することが期待をされると、また一方で、犯罪防止、その前提としてですけれども、治安維持、青少年の健全育成、依存症防止等の観点から問題を生じさせないための制度上の措置の検討も必要なことであると、IR推進法状況やIRに関する国民的な議論を踏まえ、関係省庁において検討を進める、このように再興戦略の中には書かれています。
 私ども政権として、外国人観光を増やすために、まさに観光立国ということを総理は二回目総理大臣になった最初の国会の施政方針演説の中でそこは申し上げています。その結果として、訪日外国人観光客が八百三十万から今年は四年目でありますけれども多分二千四百万人ぐらいここは増えるだろうというふうに思っています。このことも、消費額も約一兆一千億円から昨年は三兆五千億円まで増やすことができたというのも一つであります。
 そういう中で、今申し上げましたけれども、IR、統合型リゾートというのは、政府としても、その再興戦略の中に書かれていますように、そうしたことに資すると、そういう意味でこの再興戦略の中に書かせていただいたということです。

○大門実紀史君 安倍内閣が観光立国目指すと、これは別に反対とかいうことではありません。実際に、安倍内閣になってから二〇一三年に初めて訪日観光客が一千万人超えまして、今や二〇一五年では倍の一千九百七十四万人と。
 ですから、別にこんな賭博場をインプットしたものを造らなくてもまともな観光戦略で十分やっていけるし、やっていくべきだと思いますし、先ほど申し上げました自民党のある方が質問でやられたのはまさにその点でありまして、観光客増えているじゃないかと、増やしてきて頑張ってきているじゃないかと、なぜここであえてカジノをやるんだと、それはかえってマイナスになるし、それがなくても可能だと、観光立国はという点で、カジノは要らないということを参議院の自民党のある方が質問されて、もう委員会で拍手が出るという状況でありました。
 そういう道になぜ進まなきゃいけないのかと。シンガポール、シンガポールとおっしゃいますけれど、シンガポールは資源のない国です、小さな国です。観光立国といっても日本のように豊かな観光資源ないんですよね。だから、こういうもので人を集めるしかないと。それでいろいろやってきたそんな国をどうしてまねをしなきゃいけないのかと。
 もう国全体としても、シンガポールに比べたら日本は、日本も資源がないと言いますけれど、いろんな財産があるわけですね、人材から産業から技術からですね。そういう国がなぜシンガポールのまねをしてこういう賭博場を開かなきゃいけないのかと。もっと堅気の道で、まともな道で発展を図るのが普通に考えるべきことなのに、どうしてもこれをやりたいというのがよく分からないんですよね。まあ、聞いても同じ答弁になると思いますけれども。
 もう一つ申し上げたいのは、観光振興、ホテルと宿泊施設との一体の統合型リゾートといいますけれど、そんなきれい事なのかと。
 アメリカでは、このカジノのことをほかのギャンブルと区別をして略奪的賭博という言い方をしております。つまり、賭けポーカーとか、ほかのギャンブルと違ってこのカジノというのは滅びるまで賭けると、有り金がなくなるまで賭けるように仕組まれた賭博という意味で、アメリカの中でプレダトリーギャンブリングといって略奪的賭博と呼ばれて区分けされているわけであります。
 その理由はなぜかといいますと、一つは長時間賭けさせるということですね。二つ目には賭け金が大きいということ、ある意味では無制限ということですね。三つ目には射幸性、いわゆるギャンブル性が高いということであります。その一番目の長時間賭けさせるための仕組みが実はホテルなんですよ、宿泊施設なんですよ。ホテルを用意して二十四時間賭博場を開くと。それで、先ほど言った有り金がなくなるまで、もちろん途中でやめる人もいるかも分かりませんが、のめり込むと、日本でもいろんな事件起きておるんですね、そこまで行くわけですね。
 また、マカオの例を糸数慶子さんが、参議院議員の、調査をされて、昨日の夕方も上映されていましたけど、そのDVD、生々しいDVDを私、何回も見ていますけれども、もうおぞましい売春、買春の映像ですよ。これもカジノと、マカオなんかそうですけど、カジノとホテルを一緒にすることが売春の温床になっているわけですね。売春の仕組みになっているわけですね。
 これが世界のカジノの始まりからいって実態であって、元々賭博とホテルが一体になってきたのはそういう理由があるからで、背景があるからでありまして、こういう現実を何も知らせないで、何も知らせないで家族連れだのゲーミングだの、そればっかり強調して、負の側面もきちっとおっしゃるべきだというふうに思います。もちろん、ラスベガスは、余りそういうことばっかりだとあれだといって、ちょっと方向転換して家族が、家族も来ると。それは分かっておりますけれども、元々宿泊施設と一体とかいうこととか、そういうこと抜きに、抜きに何か新しいIR、統合リゾート、それはちょっと違うんじゃないかと、賭博場が一緒になった場合ですね、違うんじゃないかと思います。
 別に小沢さん、そんな一生懸命答弁しなくていいですよ。これは、そもそもカジノは──あっ、何かありますか。どうぞどうぞ。

○衆議院議員(小沢鋭仁君) ありがとうございます。答弁をさせていただいて大変光栄でございます。
 いや、大門先生のお話を聞いておりまして、極論だなとまず思いましたね。で、私、政策を考える場合に、歴史を考え、あるいはまた世界各国の比較を考えと、この縦軸、横軸というのは、私、物を考えるときの基本にしているんですけれども、先ほど、午前中にも申し上げましたが、このカジノに関しては百二十七か国が既に実施をしているんです。先ほどカジノをやることはまともなことではないと、こうおっしゃいましたけれども、百二十七か国がまともな国ではないというような話にもなってしまうんじゃないんでしょうか。
 いわゆるこうしたカジノのもちろんマイナスの面も十分考えながら、しかし、プラスの、今朝ほど、午前中にもいろいろお話があった、大人のエンターテインメントですよというようなお話もあった、そういうプラスの面も考えて、総合的に考えてマイナスの面を極小にしていく努力を積み重ねて世界各国は今までやってきているわけでありまして、そういったところを参考にしながら、先生、十何年ずっと反対論をやっていると、こうおっしゃいましたが、私は十何年ずっと賛成論をやってきておりまして、そういった意味では、やはり総合的に考えていただかないと、全てのカジノの施設がホテルがあるから売春につながっているんだみたいな話は、これはやっぱり説得力ないと思っております。

○大門実紀史君 だから、もうその程度のことだったら立たないでよ。私が言っているのは、そういうことを言わないで、IRって、子供連れとかゲーミングとかそれしか言わないのは違うでしょうと言っているだけで、私、全てが売春組織なんて言っていませんよ。そういう負の側面を指摘しないから言っているんじゃないか。何言っているんだよ。ちゃんと、せっかく答弁の機会を与えたんだから、聞かれたこととか、質問に即して答えなさいよ。宣伝だけするんなら立たなくていいよ。何言っているんだよ、全く。
 百二十七か国って言われましたけど、やっていない国は五十何か国あるんですよ。百二十七か国の中でもいろんなレベルがありますよね。僕はドイツのバーデンバーデン見ましたけど、ああいう、何といいますか、お金持ちのたしなみみたいなところもある、いろんなことありますよ。皆さんが目指しているのはラスベガスとかマカオとかシンガポールなんでしょう。そういうところのことを焦点にして申し上げているわけでありますのでね。
 それと、私は、百二十七か国いろいろあると思いますけれど、やっていない五十五か国の方が立派だと思いますよ。国民を賭博で依存症にしないと。なぜその百二十七か国に入らなきゃいけないの。五十五か国が立派です、やっていない方が。ましてや日本はパチンコでこれだけ依存症をつくってきて、なぜまだこれ以上やる必要があるんですか。何を言っているんですか。
 それで、賭博というのは犯罪なんですよね、今。資料の一枚目に、刑法が賭博を犯罪として規定している趣旨について上に載っけてあります。これはもう繰り返し委員会でも取り上げていますので改めて読んだりしませんけれども、とにかく賭博は明治以来刑法で禁止されてきたということであります。
 刑法で禁止、懲役刑まで付けるというのは、それはそれなりの立法事実、長い長い間の人々の、家庭崩壊とか事件とかいろんなことを踏まえて、これは対策を取るとかそうじゃなくて、もう大本から断つしかないと、禁止しかないと、やめるしかないということで、そういう立法事実があったから刑法で禁止されているわけであります。その重みが、先ほどから全然軽い話ばっかりされているわけであります。
 で、重みでいきますと、我が党の清水忠史議員が衆議院でも御紹介いたしましたけれど、私も二年前、参議院の予算委員会で紹介しましたけれど、賭博の禁止というのは、西暦六八九年、持統天皇のすごろく禁止令から始まっているんですね。千三百年以上の歴史を持つわけでありまして、刑法で賭博を禁止したのは明治天皇のときであります。明治天皇下の刑法で禁止されたわけですね。
 どれだけ長い間、民営賭博は、民間賭博は禁止されてきたのかと、そういう重みを本当に、大体、清水さんも言っていましたけど、天皇が、持統天皇、さらに明治天皇の思いがこもっているこの法を自民党が踏みにじっていいのかと。有村さん、いいんですか、有村さん、本当に、聞いてみたいなと思うんですけれども。
 さらに、せっかくなのでもう少し紹介いたしますと、これはもっともっと深い話があるんですよ。持統天皇の前の段階があるんですね。持統天皇の前は天武天皇なんですね。日本書紀にこんなことが書いてあるんですよ。六八六年九月十八日、天武天皇は大安殿、内裏の正殿ですね、にお出ましになって、王卿らを前に召して博戯、すごろくなどの賭け事ですね、をされたとあります。この頃流行したのが、すごろくばくちでありまして、これは唐から渡来したもので、さいころを振ってすごろくで相手陣地に入る、そういうものなんですね。先に侵入した方が勝ちというルールなんですけれども。そのうち、すごろくが面倒くさくなって、さいころだけ振るようになったのが丁半ばくちなんですね。
 要するに、真っ昼間からお内裏の中で天皇と貴族たちがばくちに興じていたという話なんですね。これが日本書紀に書かれているんですね。それで、天武天皇がギャンブル依存症になっちゃったわけでしょう。当時カウンセリング体制もありませんから、失意のうちに天武天皇が身まかられたわけでありまして、それをそばで見ていたのが高天原広野姫天皇、後の持統天皇になるわけですね。旦那さんが亡くなったので、後を継いだのが持統天皇だったんですね。あの百人一首の天香具山の大変すばらしい女帝でありますけれども。その夫のギャンブル依存症を見て心を痛めて、自分が天皇になったときに先ほど申し上げましたすごろく禁止令をすぐ発布されたということなんですね。
 これ、やっぱり意味が深いと思うんですよ。ギャンブル依存症の夫を憂うその妻の気持ちが最初から、千三百年引き継がれてきているということなんですね。これ、今にも通じるわけですよね。だから、そういうことをよくよく承知した上でこういう提案をしてほしいなと本当に思います。それで、だから、もうこれ私は断固阻止したいと思っておるんですけれども。
 具体的な問題点を指摘したいというふうに思いますけれども、違法性の阻却という話が今日ずっとありました。違法性の阻却というのは、通常は、法律上違法とされる行為についてその違法性を否定するというのを違法性の阻却というらしいんですけれども、法律用語ですね、この法案の最大の焦点はこのIR、民営賭博が違法性の阻却ができるかどうかと、今日もずっとありましたよね、この点であります。
 この点については、十一月三十日の衆議院内閣委員会で西村さんがまとまった答弁をされておりまして、既存の公営ギャンブルを見ていますと、それぞれ個別法によって例外として賭博は認められている、違法性が阻却されていると。それを整理すると、その要件があるんだと、八点の、八項目の要点があるんだと。こういったものをしっかり措置するという中で違法性が阻却されるというふうに認識しておりますと。つまり、これは公営ギャンブルのときの話に付いていたんですけれども、公営ギャンブルは賭博ではあるけれども、特別法で例外として認められているのは八要件、八つの項目をクリアしているからだと。今回のこのIR法もこの八項目をクリアする実施法を求めるんだという立て付けだということを答弁されていますけれども、これは西村さん、そういうことでよろしいですか。

○衆議院議員(西村康稔君) はい、その趣旨で答弁させていただきました。

○大門実紀史君 それで、その八項目なんですけれども、よく言葉では八項目、八項目と出てくるんですけれども、一体どういう定義なのかということで資料を、資料の一枚目の下の方なんですけれども、法務省に定義も含めて文書にしてもらいました。
 カジノ規制の在り方の、下段の方にですね、特別の立法に当たってはということで、例えばということで、これが八項目であります。要するに、公営ギャンブルなどの特別立法に当たっては、法務省としてこの八項目をクリアしてもらいたいということで提示してきたことということでありまして、一つは目的の公益性、運営主体の性格、収益の扱い、射幸性の程度、運営主体の廉潔性、運営主体の公的監督、運営主体の財政的健全性、八つ目に副次的弊害を防止する策ですね。これについて意見を述べてきたところであり、これ法務省の文書ですからね、述べてきたと。カジノの規制の在り方についても同様であるということであります。
 これが西村さんが答弁された八項目が、これ全てなんですね、全てクリアされると。そのことによってこのIRも合法、民間賭博も、民営賭博も合法化されると、違法性が阻却されると、こういう流れで発議者は提案しているわけであります。
 ちなみに、これは一体どこから出てきた話なのかということで、二枚目に、最初にこの八項目ですよという見解が示されたのが二枚目の議事録であります。二〇一三年十一月二十日の衆議院内閣委員会の議事録であります。
 法務省、時間がないので事実だけ確認しますけど、この答弁がこの八項目、最初に示された委員会といいますか、最初に示されたのはこのときの答弁で間違いないですか。

○政府参考人(法務省大臣官房審議官 加藤俊治君) お答え申し上げます。
 お尋ねの八点の考慮要素について法務省として初めて国会で御答弁申し上げましたのは、御指摘の答弁においてでございます。

○大門実紀史君 この議論は何だったのかということなんですけどね、これは玉木雄一郎さんですかね、玉木さんが、要するにカジノを、民間も含めてカジノを特区、構造改革特区とか国家戦略特区とかありますよね、その特区の中でなぜカジノが認められてこなかったのかという理由について聞かれて、法務省が答えていると、政務官がお答えになっているということなんですね。特区で民間カジノが駄目な理由ですね。
 一つは、特区というような一地域、特定の地域において刑法の適用を一律に排除すると、そういうことはできませんと、ある地域だけ賭博認めますということはできませんと。もう一つは、特別法を制定して賭博罪が設けられた趣旨に反しない制度云々ですね。特別法を制定した場合なら可能ですよと言っているわけですね。もう一つ、その特別法に当たってはということで八項目が示されていると、これをクリアしてくださいという、こういう答弁であります。つまり、特区というある地域だけでは駄目ですと、やるんなら全国共通の特別法の制定しかありませんと、その場合でも八項目をクリアしてくださいと、そういう答弁であります。
 この後、私が二〇一四年十月八日に参議院予算委員会で松島みどり当時の法務大臣に質問したときも、この八項目が条件ですと、賭博を認める条件ですという答弁があったところでございます。
 そこで、今回のこのIR、カジノ・賭博場解禁法案ですね、この八項目をクリアできるのかどうかという点を一つ一つ聞いていきたいと思いますけれども。資料の一枚目に、括弧の中で法務省が定義も付けてくれましたけれど、目的の公益性(収益の使途を公益性のあるものに限ることを含む。)と。収益の使途は公益性のあるものに限る、一部納付金とか一部じゃなくて、使途を公益性のあるものに限ることをこの目的の公益性に含んでくれと書いてあるんですね、書いてあるんですね。これは、今回の民営賭博、IRの中の賭博場では満たせないんじゃないですか、いかがですか。

○衆議院議員(西村康稔君) まず、もう大門委員よく御存じのとおりでありますが、何度も御指摘のとおり、基本法、基本的な方向性を示す基本法案、プログラム法案でありまして、実際にこの八項目をしっかりクリアして賭博罪の例外として認められる、これは実施法でそれが規定をされて初めて認められるわけでありますので、まず、その段階でしっかりと私どもも議論して、実施法案、また国会で議論されることになればやりたいと思いますが、今回のこの審議は、審議、この法案はそのための方向性を法案でまず示し、それから私ども答弁なり附帯決議なりで政府に一定の方向性を示すものであります。
 その上で、この法案の条文で申し上げますと、まず第一条の、まさに観光及び地域経済の振興に寄与するとともに財政の改善に資する、こうしたことを大きな目的にしておる点が第一点。二点目に、第三条の基本理念にありますけれども、このIR区域の整備の推進は、まさに滞在型観光、国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現し、地域経済の振興に寄与するとともに、適切な国の監視、管理の下で運営される健全なカジノ施設の収益が社会に還元されることを基本として行われるものとするというふうに明記をいたしておりますので、この後、一年以内を目途に検討され、策定、提出される実施法案においては、この方向性にのっとって、まさに御指摘の第一項目の目的の公益性がしっかり満たされる形で実施されることを私ども求めているものでございます。

○大門実紀史君 発議者は、あれですかね、こういうことをちゃんと検討していないでこの法案提案していますか。一般的な公益、何ですか、目的の公益性という言葉だけで、だから、何、経済成長に役に立つんだ、観光に役に立つんだ、だからいいんだというふうに単純に解釈されてきましたか。
 法務省は違いますよ。法務省の見解は、明確に、収益の使途を公益性のあるものに限るとしているんですよ。だから、今のスタイルだとできないじゃないですか、限らないじゃないですか。民間にやってもらうんでしょう。その点だけ答えてくれる、西村さん、同じその条文説明じゃなくて。どうやるの、どうやってやるんですか。

○衆議院議員(西村康稔君) 第三条の条文をよく読んでいただきたいと思いますが、まさにカジノ施設の収益が社会に還元されることを基本として行われるものとする。さらに、一条の目的で私ども目的もしっかり書いておりますので、そうしたことに使われるということが基本でございます。

○大門実紀史君 これこそよく読んでよ、限るとなっているんですよ。限るとなっているんですよ。ということはあれですか、もうこういう法務省のやつの定義まで更に拡大して、更に拡大して、更に拡大してね、社会に還元すると、要するに経済成長に寄与しているんだから社会的に還元しているんだ、こんな話ですか。

○衆議院議員(西村康稔君) 繰り返しになりますけれども、実施法案でまさにこの八項目がクリアをされて賭博罪の違法性が阻却される、つまり例外として認められるということでございますので、その実施法案を作るに当たっての、私ども議員立法として方向性を、まさにここに書いてありますように、目的なりあるいは社会に還元するといったことで方向性を示しているものでございます。

○大門実紀史君 これ、できないですよ。この立て付けならば、実施法で、実施法でといったって、この立て付けのままだったら、法務省の見解を変えるなら別ですよ、このままだとできませんよ、できませんよ。(発言する者あり)いや、発議者に聞いている、まず。後で聞きますから、まだいっぱいあるんだから。
 もう一つは、二番目なんですけれども、運営主体の性格、官又はそれに準じる団体に限るなど、これはどういうことかといいますと、二〇〇二年に小泉構造改革の下で官から民にと、何でも民営化という大嵐が吹き荒れたわけですね。その中で、経済財政諮問会議でも公営ギャンブルの民営化が議題に上ったこともあるんです。経済財政諮問会議はそれで一遍立ち消えになりましたけれど、規制改革とかいろんなところでそういう話があって、公営ギャンブルを民営化できないものかというような問題提起がずっとあったんですね。結局、結局民営化は見送られて、公的主体に限ると。まさにそうなんですね。国、自治体、政府関与の特殊法人、中央競馬会ですね、こういうところに、だから、官又はそれに準じる団体に限るということがあったので、国、自治体、中央競馬会などに限ったわけであります。その代わり業務委託だけはやろうと、いいじゃないかということになって、二〇〇三年から二〇〇七年に公営ギャンブル法の改正が相次いだということで、そのときの判断がここに書かれているわけでありまして、運営主体の性格は官又はそれに準じる団体でないと法務省としては違法性の阻却は認めませんよということが示されたわけであります。
 ですから、今まで賭博というのは公営ギャンブルに限ってきたのはそういうことなんですね、そういうことなんですね。今回は、公営ギャンブルに認めてきたのはそういうことで、民営賭博の合法化を意味するわけでありますから、官又はそれに準じる団体に限るということにも、これもクリアできないわけであります。だから、民営賭博、今回の仕組みが認められることはあり得ないということになるわけですね。
 まだあるんですね。三番目の収益の扱いです。これはまさに、法務省の定義は、業務委託を受けた民間団体が不当に利潤を得ないようにするというような意味なんですね。こういう定義が付いているわけですよね。つまり、これは、もうさっき申し上げた、主体は公的主体しか駄目で、業務の民間委託は認めるけれども、その場合でも不当に利潤を得ないようにというようなことを規定しているわけでありまして、これも主体を民営にするということは想定していないわけであります。
 これから法務省は、政治的圧力か何か分からないけど、見解変えるかどうかはまあ別として、今まではこういう見解ですよね、わざわざ定義して。これは間違いないですね。今まではこの見解、これ私書いたんじゃないから、皆さんが書いたんだから、括弧付きの定義も。今までは八項目の定義というのはこういうことですね。それはいいですか。

○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。
 ただいまお示しの資料は、昨日、大門委員のお求めに応じて提出したものでございますが、括弧内の趣旨について改めて申し上げます。
 目的の公益性の次に括弧を開いて、収益の使途を公益性のあるものに限ることも含むとございますが、これは含むということでありまして、収益の使途を公益性のあるものに限ることが目的の公益性に資することがあるという一例でございます。目的の公益性を担保する制度としてこの制度以外にあり得ないという趣旨で記載しているものではございません。
 また、運営主体等の性格について、官又はそれに準ずる団体に限るなどとして例示をしておりますが、これも例示でございまして、官又はそれに準じる団体に限ることが運営主体等の性格の信用性等を担保するに有益であるということがあり得るというその一例でありまして、これ以外にあり得ないという趣旨を含むものではございません。
 そのように、その括弧内は各項目の例示でございますので、その点につき法務省の意図を御説明申し上げまして、大門先生がおっしゃるように、この括弧内に書いてあるものしか許容されないという趣旨ではないという点を誤解なきようにお願いしたいと存じます。

○大門実紀史君 さっき誰か何か言いに来ましたか、昨日の夜のレクと違うんだけど。何か急に拡大答弁しているんだけど。あなた、人がちゃんとレクを受けてこういう見解ですかと確認したことをここでちょっと何か色を付けてしゃべっちゃ駄目だよ。
 私が聞いているのは、今までは、皆さんだから、皆さんがこれ例示まで示したんだから、こういうことですと。だったら示さなきゃいいじゃない。だから、今まではこういうことで来たから、例の小泉構造改革の特区のときの議論も駄目ですよとなったんじゃないんですか。だから、今まではこうだったんでしょう。これから今言ったように何か圧力が掛かって、これ広げるかどうかは別として、今までは紛れもなくこれだったわけでしょう。今まではどうなんですか。今まではそんなに、これはただのあれで、いや、ほかでもよかったんだといったら、今までの特区の議論とかどうなるの。むちゃくちゃになっちゃうよ。だったらやらしてくれよと、何でやらしてくれなかったとなりますよ。今まではこうだったんでしょう。違うんですか。

○政府参考人(加藤俊治君) お答えを申し上げます。
 更に先ほどの御答弁を補足いたしますが、この書面にございますとおり、第二段落は、刑法が賭博を犯罪とした趣旨を御説明した上で、それが公営競技に係る特別法の立法に当たっては、すなわち、これまでの立法に当たって考慮してきた事項を列挙したというものでございます。そして、それらの法令においては、それではどのような形でそれぞれの項目が担保されていることになっているかという、そういう例としてこの括弧内の例示を示させていただいたと。現実に現在ある特別法においてはこのような措置をとられているものがあるというふうに承知しておりますので、そういう意味で例として示させていただいているという趣旨でございます。

○大門実紀史君 だから、今はこういうことなんですよ。今の仕組みだと、今まで示されてきた八項目はクリアできませんよ。できませんよ。
 だから、考えてくれていないですね。八項目に合う民営の形、あり得るかどうかを考えてくれるなら分かるんだけど、もうIRというああいう形を示されて、純粋民間だと、民間でやるんだと、それを示されてこの八項目にクリアする方法を考えろと言われたって、法務省、困りますよ、これ。困りますよ、困りますよ。ちょっと法務省もしっかりしなきゃ駄目だよ、本当に。
 それで、あと、ほかも大体民営賭博の場合はクリアできないことばっかりで、五項目、運営主体の廉潔性って、これ、前科者の排除なんて当たり前じゃないですか、こんなの。廉潔という意味は、何だっけ、心が清く私欲がなくて云々なんですね。だから、みんな私欲でやっているわけだから、これは入らないですよね、入らないですよね。
 だから、ちょっと民営賭博をこの八項目クリアするというのはほとんど不可能だと私は思います。法務省は今まで厳しく、私は、刑法をつかさどる、刑法を管轄する法務省はやっぱり厳しく厳しくやってきたと思うんですよ、当たり前だけど。だから、なかなか、特区の中でやりたいというのも駄目ですよといってこれをやってきたんですね。それが、だから厳しい判断をやってきたはずなのに、これから何かちょっと膨らまして考える。ちょっと法務省のこれは自殺行為ですよ、こういうことをやり始めると、本当に。
 それで、この八項目めの、副次的弊害とあります。これは、この八項目に入ろうが入るまいが、今日の議論の大きな二つの柱の一つであります。つまり、ギャンブル依存症対策ですね。
 配付資料の三枚目、これは関西経済同友会が、なかなか一番分かりやすいかなと思って、一枚で一目で分かる依存症対策ということでまとめておられるので、資料として配付させていただきました。
 そもそも、依存症対策と発議者の皆さんが言っているのは一体どういうことなのかと。依存症になった後の対応処置のことなのか、依存症にならない、あるいは今、パチンコ依存症、ギャンブル依存症って大変ですけど、今以上増やさない、あるいはカジノを、賭博場を開いても増やさない。つまり、増やさないことなのか、増やした後の対応なのか、ごちゃごちゃにおっしゃっているんですけれども、何をもって依存症対策というふうにおっしゃっているんですか。その両面だというなら両面でもいいんですけど、ちょっとお答えください。

○衆議院議員(小沢鋭仁君) まず、結論からいうと、両方でございます。
 具体的なギャンブル依存症対策としては、まず正確な実態を把握した上で、依存症に関する普及啓発、カウンセリング、治療等の体制整備、事業者における配慮義務、排除プログラムなど、依存症を抑制するための予防、応急措置を行うことが必要と考えております。また、ギャンブル依存症対策を効果的に推進するためには、地方公共団体も、国や関係機関、NPO、NGOなどと連携を取りながら、地域、家庭などの関係者の意向を踏まえつつ、きめ細かな対策を講じることが必要であります。
 また、ギャンブル依存症対策として、シンガポールでは、自己排除、家族排除プログラム等の抑止政策が実施されており、日本においてカジノを導入するに当たっての参考にもなると思います。
 また、御紹介をするとすれば、米国ネバダ州においては、法令上、カジノ事業者は、ゲーミングエリア又はその近辺にある現金自動預金支払機の近くの目立つ場所にギャンブル依存症に関する資料と情報や相談窓口のフリーダイヤル番号等を掲示しなければならないこととされておりまして、このような取組も参考になると思います。
 ついでにもう一言申し上げてよろしいでしょうか。

○大門実紀史君 駄目。

○衆議院議員(小沢鋭仁君) そうですか、はい。

○大門実紀史君 シンガポールの話ばかり出るのでちょっと申し上げておきますけど、もちろん取りあえずの数字が下がったのは承知しておりますけれど、僕らが調査をするといろいろ言われるかも分からないので、大阪維新の会の大阪府議会議員団が今年の三月にシンガポールに調査行かれて向こうのギャンブル依存症対策審議会の方々にいろいろヒアリングをされていて、向こうの、NCPGと言うんですけど、ギャンブル依存症対策審議会の方ですね、もちろん数字は下がりましたけれど、まだよく分かりませんと、下がった原因も。もうちょっと時間的に取ってみないと分からないし、向こうの方はおっしゃっているんですけど、やっぱりカジノに通う十名のうち四名が依存症になる可能性があるとか、なぜこんなにシャープに減ったのかはちょっと自分たちも分からない、二〇一七年の結果を見て判断する必要があるんじゃないでしょうかと。ということは、行った方は一生懸命成果があったんでしょうと言うんですけど、向こうの方の方が冷静にもうちょっと数字を見てほしいとおっしゃっておりますので、そういうものを何か針小棒大に余り宣伝されるのもいかがなものかというふうに指摘しておきたいというふうに思いますし、例えば、シンガポールで依存症救済活動を行っておられます市民団体のワン・ホープというのがあるんですけど、そこのヒアリング調査では、むしろ二〇一一年、二〇一〇年から始まりましたから、二〇一一年から二〇一三年に依存症の治療に来る方は四倍ぐらいに増えているという調査があります。ですから、シンガポールだっていろんな数字が動くので、その一つだけ取り上げて、もうちょっと慎重に見られて慎重に、何というかな、宣伝され、宣伝といいますか、言われるべきだというふうに指摘しておきたいと思います。
 私が申し上げたいのは、ギャンブル依存症対策といいますけれども、言われているのはカウンセリング、病院、病院で窓口増やすと。しかし、これ強制できませんから、強制できませんから、今あるアルコールとか薬物の依存症のカウンセリングの中に入れてこのギャンブル依存も面倒見てくださいと、取りあえずそういう要請をするだけで、しかも、ギャンブル依存の場合は、本会議で我が党の田村智子議員が指摘したように、表面化しにくいですから、そもそも病院にもなかなか行かないレベルの問題ですからね。しかも、強いて言うなら、対策というよりも治療じゃないか、治療じゃないかと、カウンセリング含めて。それは大事なことだからやるべきなんですよ。やるべきなんですけれども、いわゆる大々的に何か世界の知見を集めて対策を取ればカジノを開いても依存症は増えないんだみたいな、ちょっとそれは違ってですね、と思うんです。強いて言うなら、依存症を増やさないということで、この関西経済同友会の中にもありますし御答弁にもいろいろ出てくるわけですけれども、入場制限とか青少年の制限とかリピーター制限とかありますけれど、入場制限を掛けなきゃいけない、あるいは家族がもう入れないでくれと、自分でも申告してという段階というのはもう既に依存症になっているわけですね、既になっているわけですね。ですから、依存症にならない対策、依存症を増やさない対策、これは実は私はないんだというふうに思うんですよ。カジノを開く以上、賭博を始める以上、増やさないというのはないと思うんですよね。なった人を、途中で来るなと言うか、あるいはもう重症になって治療をするかと。これしかないのに、いかにも何か大丈夫です大丈夫ですとおっしゃるのはちょっと違うんじゃないかと思うんだけど、いかがですか。

○衆議院議員(岩屋毅君) 先生おっしゃるように、ギャンブル依存症を全く完璧なゼロにするというのは難しいんだろうと思います。この世にお酒がある限りアルコール依存症をゼロにするのが難しいのとある意味では一緒だと思いますが、しかし、その可能性を極小化するという手だてはしっかり講じていかなければいけないと思います。
 先生と一緒に私も超党派のギャンブル依存症問題の勉強会に出させていただきました。そのときの恐らく先生と共通の認識は、今日まで我が国は幾つかの公営競技あるいは遊技といったものを認めてきているにもかかわらず、やっぱりギャンブル依存症対策というのは不十分だよねというところは共通認識だったと思います。
 したがいまして、今般このIRを生み出すに当たりまして、まさに私どもこの問題に真っ正面から取り組んでいかなきゃいけないというふうに考えておるわけでございまして、考え得るありとあらゆる抑止政策、教育、予防、そういったものをしっかりと講じる、また先生おっしゃった治療という意味でも、さらに機関としてもあるいは予算としても対応できる体制を政府にしっかりつくっていただきたいというふうに思っているところでございます。

○大門実紀史君 幾ら考えてもできないと思いますよ、増やさないというのは。カジノを開いておいて今よりも、だってカジノを開いてそれが成功するということは、依存症の人が増えているから成功するわけだから、成り立つわけだから。カジノを開いておいて依存症が増えないのはカジノが失敗しているということになるわけですね。だから、そういうこと、基本的なことなんだけど、基本的なことなんだけど、そういうことを分からないで何か対策を打つ打つというのは違うんじゃないかなと思います。だから、カジノをやらないのが一番いいんですよ、増やさないためにはですね。
 最後に、私余り経済効果論というのは議論したくないんですよね。そもそもこの法案の目的が変なんですよ。この法案の目的の一条に書いてあるのは、要するにこのカジノの施設は、「観光及び地域経済の振興に寄与するとともに、財政の改善に資するものであることに鑑み、」となっているんですよ、鑑みと。つまり、もうアプリオリに、前提としてあらかじめ決められたことのように、経済に貢献するということが、「に鑑み」だから、これはもうみんなが認めていることに鑑みこれをやりますと。通常、法律の文章の中によく鑑みと使いますけれども、通常、鑑みの前に来るのは、例えばDVが今社会的問題になっていることに鑑みとか、誰が見ても否定しないような事実、そういうものについて鑑みというのが多いですね、社会現象とか事実とかですね。これが経済に役に立つ、寄与するなんて、こんなのどこにも誰も証明されていないし、むしろ議論があるぐらいですよ。失敗しているところもあるんじゃないかと、マイナスの影響もあるんじゃないかと。そういう議論の途中のものを目的の一番に入れて、鑑みとは、それはもうみんなが認めていることだみたいにね。この法案の立て付けそのものが瑕疵があると思いますし、こんなどこでも証明されていないことを、議論が分かれていることを既に明白なことのように勝手に決め付けて法案に書いて、鑑みなんてやっていることそのものがおかしい話だなと、こういうふうに思いますし、これはもっと厳しい言い方をしますと、立法事実に欠けると、立法事実に誤認があるということになります。
 最後に細田さん、いかがでしょうか。

○衆議院議員(細田博之君) 基本的にこの法律は、世界にもあるし、世界中の投資家、日本の投資家、もっと楽しい施設を造って、世界の人々が集まる、そういうすばらしい観光施設をつくろうじゃないかという投資意欲は非常にあるんです。
 それは何かというと、民間から見ると、カジノだけではない、全体的に日本にない施設だねと、それは幕張メッセとかなんとかという国際会議場や展示場だけ造るけれども、実際は運営赤字だったりする。そして、もっと多くの人が集まって楽しむ場所はやっぱり日本にはないと。
 日本人はお金、所得が高いと、だからそういうところで楽しむこともできるし、外国の人も集まって、それが適切であれば非常に効果のあるものができて雇用も増えると。でもしかし、それが効果がないんならもうやめちゃいますよ、投資家は、いろんな意味で損なら。
 そうじゃない希望がたくさん世界中から出ているということが事実でありますので、我々は環境を整備して、先ほど言いましたように、製造業やいろんなところでの投資がだんだん寂れておりますから、こういう投資も雇用につながるし、いいんじゃないかということで、超党派で組み上げてきたという経緯を是非御理解をいただきたいと思います。

○大門実紀史君 じゃ、もう終わりますけれども、誰が投資したがっているのかと、その問題について、次回、まだ質疑があるようですので、やりたいということを申し上げて、質問を終わります。

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