国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2016年12月1日 財政金融委員会

休眠預金活用法案の問題点を指摘/民主的配分などを提起

<赤旗記事>

2016年12月2日記事

休眠預金活用に問題点
大門議員 民主的配分など提起
参院委で法案可決

質問する大門実紀史議員=1日、参院財金委

 参院財政金融委員会は1日、金融機関で10年以上出し入れがなく持ち主も現れない「休眠預金」を民間団体の「公益活動」に使えるようにする法案を、自民、公明、民進、維新などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。法案は、先の通常国会で議員立法として衆院に提出されたものです。

 日本共産党の大門実紀史議員は質疑で「行政の手が届かないところで困っている人に手を差し伸べるのは重要だ」と述べた上で、「巨額のお金が動く。個人の私有財産でもある。この法案のままでは懸念が払しょくできず、強い問題提起の意味で反対する」と表明しました。

 大門氏は、休眠預金になる前の預金者への払い戻しの努力を「従来の金融機関が行ってきたレベルを超えて行うべきだ」と提起。法案提出者の上田勇議員(公明党)は「周知の努力をしたい」と応じました。

 大門氏は、本来、国や行政が担うべき事業をNPOの活動や休眠預金に「肩代わりさせることがあってはならない」と指摘。また、「利益相反を防ぎ、特定の団体に資金が偏らないよう民主的に配分が決められる仕組みをつくる必要がある」と法案の問題点を指摘し、運用面での留意と改善を求めました。

≪議事録≫

○大門実紀史君 大門です。
 まず、この法案、まとめるために御尽力されてきた各党議員の皆さんに、本当に御苦労さまでございました。また、困っている方々日々支援するために頑張っておられる、審議中継御覧になっていると思いますけれども、NPO各団体の皆さんにも心から敬意をまず表しておきたいというふうに思います。
 最初に、誤解のないようにこの法案に対する我が党の立場を申し上げておきたいと思いますけれども、もちろん、政治のはざまで行政の手が届かないところで困っている方々たくさんおられるわけでございまして、今日、あしたもつらい思いをしている子供たちもたくさんいるわけであります。緊急に手を差し伸べるというのはとても大事なことでありまして、我が党も様々な現場で地方議員や党の活動家が現場で頑張っているところで、また、各団体の方とも一緒に取り組んでいるところでございます。そういう点で、この法案、この仕組みが本当に人を、人々を救えるものになってほしいなと願うものであります。
 ただ、法律というのは、何年後、何十年後、私たちがいなくなっても残るものでありまして、法案を作るために尽力されてきた議員の皆さんとか各団体の皆さんが本当に善意で、善かれと思って志を持って頑張ってこられたのは十分承知しているんですけれども、今いる私たち国家議員が、あるいは団体の関係の方々が、代が替わったり人がいなくなって替わってしまってもこの法律は残るわけであります。
 そういう点では、単なる理念法とか基本法ならまだなんなんですけれども、これは具体的に巨額のお金が動きますし、しかも人の私有財産を使わせてもらうということでありますので、銀行の懐に入るよりましじゃないかというだけでは済まないやっぱり慎重な検討が求められるのかなと思いまして、要するに、後々誰がこの法律スキームを運用することになっても心配のないように仕組みを、法律を作っておく必要があるのではないかというふうに思うわけでありますけれども、その点で、このままの形だとどうしても懸念されるということで思ったわけであります。
 それで、当初修正していただけないかということで参議院の法制局と相談して手直し案も作ったんですけれども、既に各党で党内手続を終えているということで修正は無理と、附帯決議には趣旨を入れますからという話もあったんですけれど、ちょっと附帯決議のレベルを超えてちょっと懸念がありますので、我が党としてもかなり議論したんですけれども、熟慮の末、強い問題提起という意味であえて反対という立場を取らせていただいたということでありまして、今日の私の質問の内容も、実際の運用に向けて今後生かしていっていただければという立場で質問しますので、是非よろしくお願いしたいなというふうに思います。
 最初の質問ですけれども、まずこのスキームの前提として二つの点が必要だと思っているんですけれども、その一つが、この法案の趣旨にもありますけれども、預金者に払い戻す努力を尽くすということであります。人のお金ですから御本人の請求があれば返還するのは当然のことで、請求があれば返すということになっていますけれども、このスキームの前提として、今まで以上に、預金者に払い戻す努力を今まで以上にすべきではないかという点が一つでございます。
 なぜなら、公のスキームで使わせてもらうということでありまして、個々の銀行が今までもいろいろ返す努力してきましたけれど、それを超えてやっぱり社会的に重い責任を負うことになるので、更に払い戻す努力を今よりもすべきだというふうに思うわけでありまして、また、この休眠預金として使えるお金というのはたまればたまるほどたくさん使えるというようなこともインセンティブ的にありますので、謙虚に徹底的にお返しする努力というのが非常に大事かなと、大前提かなと思うんですけれども。
 この法案では預金者に対して、金融機関による公告、口座番号、額の通知などが定められておりますけれども、これは従来金融機関がやってきたレベルであります、率直に申し上げて。やはり、イギリスなどではインターネットで口座確認できるとか新たな手法を入れていますけれど、今後やはり払い戻す努力という点では更にいろいろ工夫なり検討していってほしいというふうに思います。そうでないと、いいときはいいんですけど、何か起きたときにこのスキームそのものが大変批判の的に急にさらされるということもありますので、払い戻す努力について、ここでとどまらないで更に検討していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○衆議院議員(上田勇君) ただいま大門先生からもお話がございまして、残念ながら御賛同はいただけないということでございますけれども、これまでも様々な形で御意見、御助言をいただいてきたことには提出者といたしましても敬意を表するものでございます。
 今お尋ねいただきました点は私たちも大変重視をしてきた点でございます。まずは、この休眠預金が休眠預金になることを防ぐということがまずは必要だというふうに考えております。今御質問の中にもありましたとおり、金融機関におきましても、これまで通達に基づきまして十年たつ前に通知をする努力などは払ってきたところでありますけれども、そうした取組にもかかわらず、先ほど申し上げたとおり、毎年一千億円の新たな、全く十年間異動がないという預金が発生をいたしております。
 法案の第三条でも、この預金保険機構に移管をする前の金融機関における公告や通知のことについては定めているところであります。
 その上で、この休眠預金については、預金保険機構に移管をされた場合であっても、その場でもう預金者が全く請求ができなくなるということではありませんで、預金者は引き続き請求をすることができる、その場合には必ず返還をされるという仕組みになっておりますので、預金者のいわゆる請求権がここで消滅をするということではございません。
 しかし、今でもこうやって金融機関等にせっかくの預金が返還の請求がないということでありますので、更にこうした趣旨については徹底をしていかなければならないというふうに考えております。これは、もちろん金融機関において、休眠預金になる前の段階での努力も更に努めなければなりませんし、さらに、預金保険機構に移管をされた後も、政府広報を通じて広報活動、努めていくことが重要だというふうに考えております。また、その手段としては、政府広報を更に充実をすること、さらには報道機関を通じた広報なども行うことなども考えておりますが、この法案が成立をすることによって、そうした認識が、意識が高まってもらうことも期待をしているところでございます。
 今、海外の事例についてもお話がございましたけれども、国によってそれは様々なことであります。日本の金融機関におきましても、預金者から休眠化した自身の口座について照会を受けた場合にはその有無を回答するものとなっているというふうに承知をしております。
 いずれにしましても、これはもちろん個人のお金が基本でありますので、金融機関において休眠預金を顧客に返還するための努力を行うことは重要でありますし、金融機関も、そしてまた預金保険機構の方も更に努力をしていきたいというふうに考えております。

○大門実紀史君 是非よろしくお願いいたします。
 二つ目は、これは実は一番心配される点でもあるんですけれども、このスキームで行う困っている方々への援助なんですけれども、国や自治体が本来やるべきもの、事業やあるいは国や自治体が本来出すべき予算、お金、それをこのスキームで肩代わりするようなことがあってはならないというふうに思うわけであります。
 実は、二〇一二年、内閣府、金融庁としても、政府としてもこの休眠口座の活用、検討したりしておりますし、今回、預金保険機構が関与しますけど、レクを受けても、何か議員立法にもかかわらず非常に熱心に前向きな、普通、議員立法だともうちょっとさらっとしているんですけど、やりたくて仕方ないような感じがあって、預金保険機構、金融庁、バックに財務省ということがありますので、万が一、財務省がこれを使ってもらえればできるだけ予算使わなくて済むなんて思っていたとしたら、それはもうシャットアウトする必要があると思いますし、それがちょっと気になるんですよね。
 衆議院の議論で、給付制奨学金制度にこの休眠預金が使えるのかどうかという議論があったんですけれど、またNPOの方からも給付制奨学金に使えばいいという意見が出たりしたんですけれども、私は少し違うのかなと。本来、給付制奨学金制度は国の制度としてつくるべきものだと。それをこの休眠口座を使って肩代わりすべきではありませんし、そういうことまでやっていくと際限なく広がって、もう、すぐこの資金は枯渇してしまうというふうに思います。
 ただ、給付制奨学金制度ができる前でもすぐに救済してあげなければいけないケースというのがあると思うんですよね。例えば、一人親家庭のお子さんとか、あるいは児童養護施設を十八歳になると出なきゃいけません、大学に行っていると急に大変になるわけですね。そういう的を絞ったところで、奨学金というかそういう援助もあると思うんですね。そういう場合にはこれ使うべきだと。ただし、その場合でも、それが社会的に認知されて、社会的にやっぱり救済しなきゃいけないとなってくれば国の制度に切り替えていただくというようなことはやっぱりちゃんとやるべきだと、そういうふうにすべきだと思いますけれども、そこが大変重要なこのスキームの基本的な姿勢だと思いますけれど、いかがでしょうか。

○衆議院議員(山本ともひろ君) 今、大門先生がおっしゃられた御指摘、提案者我々一同全く同感でございまして、この休眠預金活用法案の中でも、その立案に当たりまして、休眠預金を国庫に入れて国の予算として使ったらどうかという論点も実際ございました。
 ただ、我々は、世の中に公助、共助、自助というものがあるのであれば、その公助というところはもう既に国や地方公共団体が手助けをしていると。我々としては、その休眠預金という、預金という性質から鑑みまして、広く国民に還元すべきではないかと。なおかつ、既に手助けが行っているところではなく、先ほど委員も御指摘のとおり、ある意味、行政のはざまであったりとかそういう制度のはざまで苦しんでいて、もう少し手助けがあればその共助や自助が進んで自立が可能になるとか、そういった人たちに我々は光を当てて手を差し伸べたいという思いでこういう立法を行いましたので、もうまさしく我々もそういう思いでは、この休眠預金がいわゆる従来の行政機関が行っている制度と同じようなことに使うということは全く想定をしておりませんので、そこが本当に委員御指摘と我々も同感だと思うところであります。
 また、この法案におきましても、民間の団体が行う公益に資する活動に活用することにおいて広く国民に還元しましょうということもうたっておりますし、例えば第十六条第一項の休眠預金等交付金に係る資金の活用に関する基本理念において、具体的には、国及び地方公共団体が対応することが困難な社会の諸課題の解決を図ることを目的として民間の団体が行う公益に資する活動に活用するというふうにしておりますので、委員御指摘のように、国や地方自治体が既に行っているようなことに我々は休眠預金を充てて、じゃ、今までやっていることが予算がなくなってきたので、それを減らして休眠預金を肩代わりさせようというようなことにはならないと承知をしております。
 また、給付型奨学金、委員御指摘の点でございますが、これも今、来年度の予算で政府において措置をするというようなことも聞いております。仮に、そういうものが国を挙げて、また地方公共団体が取り組むということになれば、今はそういう制度がないけれども、国や地方公共団体がやりますよということになれば、それはもう我々はこの休眠預金の活用のところからは外れてくるということになろうかと思います。

○大門実紀史君 ありがとうございます。
 最後に、余り時間ありませんけれど、我が党が一番強く懸念する部分でありますが、最初申し上げたように、この法案を作るために努力されてきたNPOの皆さんとか議員の皆さんが、その善意とか志は十分理解しております。ですから、余り何ですか、利益相反という言葉とか、余り利益とかそういう言葉は使いたくないんですけれども、強いて言うなら、善かれと思っておられても、特定の分野に、考え方いろいろありますけど、特定の分野に支援金が偏って、全国でたくさん頑張っておられるたくさんのNPOの皆さんから何だと、彼らだけのところ、あの分野だけしか行っていないじゃないかという批判が起きないようにしておく必要があるんではないかということです。
 もちろん、満遍なく配分すべきだということを言っているわけではありません。どこに重点的に配分していくか、先ほど、政治のはざま、行政のはざまがどこにあるのかという議論をする、議論ができる保障、そういう場になるかどうかという点で、参議院の法制局とそういうことの心配のないようにどうしたらいいのかという知恵も借りて思ったのが、指定活用団体の役員が資金分配団体又は公益活動を行う団体と特別の、言葉は嫌らしいですけど、特別の利害関係を有しないことの措置と、これは実は消費者契約法にそういう前例があるので、それを入れてしまえばもう担保されるんじゃないかと。あるいは審議会委員についても、一部の者の利益に偏することのないよう注意すべしというものを、これは公務員共済法などに前例があるんですけれども、入れてしまったらどうかなというようなことを思ったりしたわけであります。
 これは衆議院で答弁ありまして、審議委員は、この審議会の審議委員ですね、これは別に資金配分に直接関与をしないからいいんだというような御答弁あったんですけど、私が申し上げたのはそうじゃなくて、個別の利権絡みみたいなことを懸念しているんじゃなくて、この方向に、こういう方向、基本方針ですね、基本計画ですね、こういう方向にこの資金は使うべきだというような、そういう点で隔たらないように、偏することのないように、偏することを危惧しているわけですけれども、そういう手直しをしたらどうかということも思ったわけですけれども。
 もう一つは、資金分配団体が現場の団体を監督指導するとなっていますけれども、ここも更にもうちょっとチェック機能の強化が必要ではないか等々思うわけであります。
 いずれにせよ、もう時間がないので御答弁は結構ですけど、こういうことも踏まえて、実際の運用の中でよりそういう懸念が起きないように、心配とか、これ一回何か起きると、今いいぞいいぞと思ったマスコミも急に手のひらを返したようにもう猛烈に追及の的にするように、そうなりかねないこともありますので、やっぱりできるだけ心配のないように運用上も気を付けていっていただきたいということを、これは要望としてもう既にいろいろお話ししていますので、申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

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