国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2016年11月24日 財政金融委員会

業界の損失リスクを国民に転嫁する仕組みに反対/金融機能強化法等改定案

<赤旗記事>

2016年11月25日記事

業界損失 国民に転嫁
金融機能強化法等改定案 大門氏が反対
参院財金委

質問する大門実紀史議員=24日、参院財金委

 参院財政金融委員会は24日、金融機能強化法等改定案を自民党、公明党、民進党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。日本共産党の大門実紀史議員は反対討論で、本来、銀行や保険会社、その業界が負うべき損失負担やそのリスクを国民に肩代わりさせるものだと批判しました。

 改定案には、銀行等保有株式取得機構の株式買い取り期間を5年延長する内容が盛り込まれています。

 銀行が自己資本相当額を超えて株式を保有することは規制されており、機構はその処分の受け皿として2002年に設立されました。

 この日の質疑で大門氏は、自己資本相当額を超える株式を保有している銀行は、現在、基本的に存在しないと指摘。機構は制定時の株価低迷に対する緊急経済対策だったこともあげ、「延長する理由はない」「現在の状況下で延長を認めれば、今回の5年に限らず際限なく延長されるのではないか」と追及しました。

 麻生太郎金融担当相は「今回の5年でほぼ終わらせられる。そのように考えて計画を立てている」と答弁しました。

 大門氏は、機構が株式を買い取るばかりで売却が進んでいないことを指摘し、「機構の出口論が焦点になる。店じまいを考えて、市場に株を出す方向を考えるべきだ」と述べました。麻生氏は「もっともな指摘だ」と応じました。

≪議事録≫

○大門実紀史君 私、銀行の株の買取り機構について絞って質問をいたします。
 これは、銀行等保有株式取得機構の買取り期間を五年延長して、機構の存続期間も五年延長するという法案でございますけれども、何のための五年延長なのか、政府参考人、改めて説明をしてください。

○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。
 現状の景気につきましては、国内では少子高齢化や潜在成長力の低下といった構造要因もある一方、世界経済では需要の低下、成長の減速リスクなどが存在するところと認識しております。また、こうしたことも背景に、近時、我が国の株式市場においては、日中の変動率、ボラティリティーの上昇が頻繁に見られる状況でございます。加えまして、三メガバンクグループなどにおきましては、欧米主要銀行に比べて株式の自己資本に対する比率が高く、株価下落時の自己資本に及ぼす影響は無視できない状況にあると認識しております。
 金融機関は、こうした金融経済情勢の変化に対応して株価変動リスクを縮減し金融仲介機能を安定的に発揮する必要があり、三メガバンクグループ等においても政策保有株式の処分等について三年から五年程度かけて取り組むこととしていると。
 こうしたもろもろの状況を踏まえまして、今般、今年度末までの買取り期限を五年間延長するということを御提案させていただいているものでございます。

○大門実紀史君 もろもろのと言われましたけど、これ、そもそも二〇〇一年の制定時は大変な議論があったわけでありまして、それから五回にわたる改正、期間延長を経て今十五年目を迎えるということですね。今回が六回目の改正になるんですかね。
 今回は五年間の単純延長ということなんですけれども、最初は銀行の自己資本相当額を超える株式をどうするかとか、持ち合い株どうするかという大変な議論があって、今現在は銀行は基本的に自己資本相当額を超える株式をもう保有していないという状況でありますし、そもそもこの法案の制定の理由の一つは時価会計導入に対する対応でありましたし、当時、二〇〇一年、二〇〇二年当時ですけれども、時代背景は、株価でいえば平均株価が一万三千円割れする、それに対する緊急経済対策が打たれると。また、当時の大手行十五行でいいますと、株式保有額が自己資本相当額の一・六倍にもなっていた、超過額が十一兆円にも上ったというような、大変ないろんなことがあった中で制定されたのがこの銀行の株を買い取ってあげるという機構だったわけですね。
 いろんな議論がありましたけれども、そういう緊急事態対応でつくられた仕組みなんですけれども、今聞いていますと、もうそういうことじゃなくて、もろもろの、少子高齢化まで出てくると。少子高齢化って、これからまだ何十年も続く話ですけど、そうすると、これはあれですか、何十年もこの機構を続けるんですか、少子高齢化対応のためにとか。国内経済も世界経済も、最初の文章ではイギリスのEU離脱によるリスクとか書いていましたけど、そのときは一時的に株下がりましたけど、今上がっていますよね。
 だから、何のために延長なのかがよく分からないんですよね。この程度のことで延長ということになれば、これから永遠に延長すると。そもそも緊急対応でつくられた仕組みなんですけれども、今やもうみんな忘れていると思って、この程度の理由を付ければ賛成してくれるんじゃないかということになるんですか。そういうもので始まったんではないと思いますが、池田さん、いかがですか。

○政府参考人(池田唯一君) この規定につきましては、当初、御指摘のとおり、自己資本を超える株式保有が行われていたというような状況を踏まえて導入されたのは御指摘のとおりかと思います。
 その後、リーマン・ショックであるとか東日本大震災であるとか、その時々の状況を踏まえて延長がされてきたわけでございますが、足下の状況については、そうしたリーマン・ショックとか東日本大震災といったような状況ではございませんが、世界経済にはなお様々な不透明な要因があると認識をしておりますし、それから株式市場についても、株価水準云々はともかくとして、足下の株式市場においては大変変動率が上昇しているという状況、不安定な状況にあるということは指摘されているところでございます。
 また、自己資本に対する株の保有ということについて、自己資本額を超えるというような状況にはないわけですけれども、先ほども申しましたように、なお欧米の主要銀行に比べますと自己資本に対する比率が高く、株価下落時に自己資本に及ぼす影響は無視できない状況にあるというふうに認識をしておりまして、そうした中で、この時点においてはこの措置を継続していただくことが適切と判断し、提案をさせていただいているところでございます。

○大門実紀史君 十五年前はメガバンクといえど大変な状況があって、今やもう三大メガだけで株の売却益が一兆円にもなっている。全然時代が違うんですよね。もう体力あるわけですよ。にもかかわらず、なぜこれを存続させて引き続き銀行の支援をしなきゃいけないのかということが問われているにもかかわらず、曖昧な理由しか説明されないわけですね。
 私、先日そういうレクを受けて、それじゃ余り提案理由として希薄じゃないかというので、資料ありましたので三大メガの資料を配りましたけれど、三大メガが株の保有を削減目標として掲げています、それが五年程度でこれぐらいそれぞれ減らすことを掲げておりますと。私が言うのもなんですけど、提案理由とするならば、メガが五年間でこういう計画を立てているのであと五年延長させてほしいと言うならばまだ、私はそれでも反対ですけど、周りには説得力あるんじゃないか、一般的な経済の話よりもですね、というふうに私の方から提案してあげたんですけれども、逆に言うと、これ、メガがこうやって五年程度で削減目標を掲げているということは、今回のこの五年延長がこれで最後というふうに考えていいんでしょうか。

○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、この銀行等保有株式取引機構というのは、御存じのように平成四十四年の三月末までにこれは解散をすることにされております。それで、従前は三十九年の三月末だったんだと思いますが、五年で、四十四年の三月までに解散する、まずこれが第一点だと思っております。
 銀行から買い取った株式というものを順次売却しておるんですけれども、昨年を見ましても、三メガでいきますと、三メガバンクが市場で売却している株式、約一千三百億ぐらい売却をしております。対応を取引機構に持ち込んだのが四百三十ということになっております。
 今年度の上半期を見ましても、上半期だけで一千二十一億円売却。そして、株式機構に持ち込んだのが二百五十八億という形になっておりますので、いずれも、上半期、昨年は下半期まで含めまして二千約七百億円、今年度でいきますと上半期だけで千七百五十億円ぐらい、それで売却をいたしておりますので、今御指摘ありましたように、我々としてはきちんとした形で、資本市場というもので急激な株式の下落とかそういったような形がなくて、株式による処分というものがきちんとやっていくように我々としては指導をしてまいりたいと思っておりますので、基本的には今申し上げたように今回の五年でほぼ終わらせられると、そのように考えて計画を立てております。

○大門実紀史君 今回の、私、五年も必要じゃないという立場ですけれども、そういうことを確認させていただきました。
 もう一つは、今、ただ五年後も本当にどうなるか分からないんですけれども、また延長って出ているかも分からないんですけれども、実は、この株の買取り機構は、今約一・五兆円の株を保有されております。これは、日本銀行、年金積立基金のGPIFとともに、日本の株を支える公的マネーの一つに今もうそこまでなっているわけですね。
 この間見てみますと、リーマン・ショック前は進んでいたんですけれども、リーマン・ショックの後は株の売却は進んでおりません。取得、買取りばかりが進んでいて、機構として売却が進んでいないという状況でありまして、このままいきますと日本銀行の出口論が、さんざん議論がありますけれど、私はこの株買取り機構の出口論も焦点になってくるんではないかと、つまり売るに売れない状況ですね。
 そういう点からも、やはり日銀はもう出口が出られないところに私は来ていると思いますけれど、株買取り機構はまだ間に合いますので、やはり店じまいを考えて、市場を混乱させないように、ちゃんと市場に株を出せる方向を考えるべきだと思いますが、麻生大臣、最後に一言お願いします。

○国務大臣(麻生太郎君) ごもっともな御指摘だと思います。
 こういったような形の同機構が存在することは非常時においては確かに有効な方法であろうとは存じますけれども、私どもとしては、平時においては基本的に市場において株の売買が、いわゆるマーケットというもので市場売買というのはなされるのが基本的な、資本主義社会が目指しておるところですから、我々はそれでやっていかないかぬところだと思っております。
 是非、そういった意味で、今おっしゃるように、持っている株というのはリーマンの後はもうとにかく買う金というか、マーケットにキャッシュが全くなくなっていましたので、そういったときには株式の購入をするという機構がないと、とてもじゃないけど各企業が成り立たないという状況というかなりの非常事態でもありましたので、今とは少し状況が違っておるのは当然のことであって、今はかなり健全に動いておると思っておりまして、この間にマーケットが今一万八千円まで上がってきまして、これが急にどんと下がるというようなことなく、ゆっくりとした形で、内容が良くなった株も随分ありますので、そういった株からきちっと売れていくという形にしていかないかぬところだと思っております。

○大門実紀史君 終わります。

戻る▲