国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2016年5月23日 参議院決算委員会

大企業 課税逃れただせ 消費税10%中止迫る

<赤旗記事>

2016年5月24日記事

大企業 課税逃れただせ
参院決算委 大門氏、消費税10%中止迫る

質問する大門みきし議員=23日、参院決算委

 「大金持ち・大企業の課税逃れを放置したまま、庶民に消費税増税など許されない」―。日本共産党の大門みきし議員は23日の参院決算委員会で、タックスヘイブン(租税回避地)を利用した課税逃れの実態を告発し、応能負担の原則に立った税制へと方向転換するよう求めました。

 急速に進む貧困と格差解消のために、課税逃れを繰り返す大企業や大金持ちを放置しておくわけにはいきません。大門氏は、世界のタックスヘイブンを使った課税逃れの金額は法人税だけでも20兆円とも30兆円ともいわれているとして、「その分、社会保障や貧困対策にまわすべき財源が失われていることになる」とただしました。安倍晋三首相は「課税の公平性を損ない、納税者の信頼を揺るがす大きな問題だ」と答弁しました。

 大門氏は、ファーストリテイリング(ユニクロ)会長兼社長の柳井正氏が、保有する株式をオランダの資産管理会社に譲渡することで7億円を超える税負担を回避していることを指摘しました。また、英領ケイマン諸島を通じた日本企業の課税逃れについてただすと、麻生太郎財務相は「(投資収益の)全てが課税されているわけではないのは事実だ」と認めました。

 そこで大門氏は、英領ケイマン諸島でもっとも多く使われている課税逃れの仕組みを告発。「信託」形式を悪用した「慈善信託(チャリタブル・トラスト)」と呼ばれる手口を詳しく解説しました。

 麻生財務相は「分析は正しい」と答弁。安倍首相は「合法であれば企業は節税行動に走る。国際的に協調して(取り締まりの)ルールをつくることが大切だ」と述べました。

 大門氏は、日本企業の課税逃れをただせば、来年4月の消費税10%への引き上げ分に匹敵する税収が見込まれるとして、「負担能力のある大企業や大金持ちに課税し、消費税10%への増税は中止すべきだ」と強調しました。

金融庁に提出された「大量保有報告書」に記載された株式売却情報をもとに大門事務所が作成

(論戦ハイライト)

幽霊会社で税逃れる大企業
課税すれば消費税増税必要なし
大門議員告発

 23日の参院決算委員会で、日本共産党の大門みきし議員は、子どもの貧困など貧富の格差が重大問題になっている一方、大企業などがタックスヘイブン(租税回避地)に実体のない幽霊会社(ペーパーカンパニー)をつくって課税を逃れ、社会保障などに回す財源が失われている実態を突きつけました。


 どんな方法で課税逃れをしているのか。大門氏は、ユニクロの柳井正ファーストリテイリング会長兼社長が、同社の株式531万株をオランダにつくった資産管理会社に移動し、7億円を超える課税逃れを行っていた事例を取り上げました。

 さらに大門氏は、タックスヘイブンにペーパーカンパニーをつくる理由は課税逃れとともに海外の高リスクな金融商品への証券投資を自由に行うことだと指摘しました。

大門 日本からケイマン諸島への証券投資額は約63兆円、ペーパーカンパニーは掌握されているだけで524社だ。日本政府が、この収益すべてに課税しているのか。

麻生太郎財務相 すべて課税されているわけではない。

 大門氏は、ケイマン諸島で最も使われている手口として、大企業が株式の「信託」という形を利用して課税を逃れる「慈善信託(チャリタブル・トラスト)」と呼ばれる仕掛けを暴露しました。

 まず、日本にある親会社がケイマン諸島につくった幽霊会社の株式を信託会社に信託します。この信託会社が名目だけ「慈善団体」への信託を宣言すれば、形式上、株式の「受益者」は「慈善団体」となります。しかし子会社は利益を「慈善団体」に渡さず、新たな投資に回します。

大門 「信託」という形を悪用し、親会社と子会社の資本関係を切り離して課税を逃れる仕掛けだ。

財務相 共産党にものすごくわかりやすく説明していただいた。おっしゃる通り、今の分析が正しい。

大門 企業が稼いだ国で税金を納め、社会貢献するのが原則だ。

安倍晋三首相 正直者がばかを見ない社会で、初めてみんなが一生懸命仕事をしようとなる。国際的なルールをつくることが大切だ。

大門 ペーパーカンパニーにしっかり課税すれば、消費税を増税する必要がなくなるのではないか。

首相 税の公平性が担保されて初めて一般のみなさまも自分で税金を払おうという気持ちになる。それをしっかり確保していくことが大切だ。消費税については従前から申し上げているとおりだ。

 最後に大門氏は「消費税による税収は、法人税の減税分と課税逃れによる減収の穴埋めに回っている。課税逃れを許さないのは当然で、大企業や大金持ちに税金を負担してもらうことが必要だ」と求めました。

≪議事録≫

○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 決算委員会ですので、税金の取り方、税収に関わる問題として、今話題のタックスヘイブンについて取り上げたいというふうに思います。
 まず、先ほど指摘もありましたけれども、今、貧困と格差が広がっております。資料も用意いたしましたが、いわゆる貧困世帯、最低生計費以下で生活する世帯が一千万世帯近くにまで増加してきております。ワーキングプアも急増して、貯蓄ゼロ世帯も急増しているというところでございます。一方、この委員会でも指摘がされてきたと思いますが、金融資産を一億円以上持つ富裕層も急増して百十万世帯を超えたということで、貧困、貧富の格差が拡大をしております。
 こういう中でのパナマ文書問題でありますけれども、パナマ文書をきっかけに、大金持ち、大企業がタックスヘイブン、つまり税金がゼロとかあるいは非常に低い税率の国、地域にペーパーカンパニー、実体のない幽霊会社をつくって課税逃れをしていることが暴露されて世界的な大問題になっているということでございます。日本の大金持ち、大企業の名前も挙がっております。
 普通の国民にすれば、あるいは中小企業にすれば、海外にペーパーカンパニーをつくって、幾ら、括弧付きですけれど、合法的とはいえ税負担を逃れるなど自分たちにはできないと。そういう点からも、税の公平性からも怒りの声が上がっておりますし、また、パナマだけではなくて、世界のタックスヘイブンを使った課税逃れの金額は、いろんな推計はありますけれど、法人税だけでも二十兆とも三十兆円とも言われております。その分、各国の社会保障や貧困対策に回す財源が失われているということでありまして、これは日本も同じでございます。
 まず、総理に伺いますけれども、総理は、今のところ消費税の一〇%への増税を否定されておりません。延期、中止するとはおっしゃっておりませんけれども、こういうタックスヘイブンを利用した大金持ちとか大企業の課税逃れを放置して庶民に増税するなど到底許されるものではないというふうに思いますが、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 多くの方々、例えばサラリーマンの方々の場合は、給料は天引きでございますからまさに透明の中できっちりと税金を払っておられるわけであります。その中で、一部の人々が租税回避を行っているということが事実であるとすれば、課税の公平性を損ない、納税者の信頼を揺るがす大きな問題であると考えています。
 課税当局は、租税条約等による情報交換を含めて、あらゆる機会を通じて情報収集を図るとともに、問題のある取引については適正、公平な課税に向けた執行に努めていると承知をしております。また、国際的租税回避については、各国が連携して対応しています。
 先週仙台で行われたG7財務大臣・中央銀行総裁会議においても、さきのG20の議論を踏まえ、いわゆるパナマ文書に関連して更に議論が行われました。G7では、国際的な課税逃れに対応するため、これまでOECDまたG20が推進してきたBEPSプロジェクトや非居住者の金融口座情報をより多くの国で共有していく取組を各国が足並みをそろえて着実に実施することが重要という点で一致をいたしました。また、非協力的地域を特定する客観的基準など、税の透明性を高める取組を実施することの重要性を再確認したと承知をしております。
 そして、先般、パナマの大統領が来日をいたしまして、この問題についても議論をいたしました。言わば、今までなぜパナマの法律事務所でそういうことがあったかといえば、情報が各国とお互いに、相互的にこれは共有されていなかったということであったわけでありますが、OECDの国際基準に沿った金融口座情報の自動的交換のための協定の締結についてパナマとの間では日本が世界で初めてこの交渉を開始いたしまして、今般、世界に先駆けて実質合意することに至ったわけであります。
 今般の伊勢志摩サミットにおいては、議長国として、国境を越えた不公正な課税逃れを防止するために、OECD、G20で決定した事柄を各国が確実に実施していくよう働きかけを行い、国際的な議論をリードしていきたいと考えております。

○大門実紀史君 その国際協調は後でまた質問したいと思いますが。
 このパナマ文書とか、今まで、これが初めてではありません、タックスヘイブンではいろんな指摘がありまして、名前が出てくる大金持ちや大企業は、合法的にやっているんだ、脱税ではないんだというふうに反論してきましたけれども、しかし、合法的なら何やってもいいのかと、あるいは課税逃れが合法になっていることそのものが問題ではないかということが今指摘されているという段階でございます。
 そもそも、一体どういう方法で課税逃れが行われているのか一般にはまだよく知られておりません。実際には、複数のタックスヘイブンを使って、複数のペーパーカンパニーを経由して、介在させて、大変複雑で巧妙なやり方で行われているわけですけれども、今日はちょっと最もシンプルな、実際に行われた事例を御紹介したいというふうに思います。(資料提示)
 これはユニクロの会長兼社長のYさんの話です、もう誰か分かってしまいますけれども。これは金融庁に提出された大量保有報告書で明らかになっておりますけれども、二〇一一年の十月にYさんは、自分が持っているユニクロの株を五百三十一万株を、オランダにつくったペーパーカンパニーです、自分が全部株を所有しているペーパーカンパニーに、譲渡といいますが、実際には移動しただけでありますけれども、その株式の配当を二〇一五年ベースで計算すると約十八億五千万ぐらいになります。それを日本でそのままYさんが保有すると九億円を超える税金が掛かるという計算になります。ところが、オランダに移しますと、日本との租税条約によって、オランダにある資産管理会社が受け取る配当に対しては日本の所得税一〇%が源泉徴収されるだけと、つまり二億円だけ払うと。差引き七億円節税になる、税逃れをしたということでございます。
 このタックスヘイブンに、これ、Yさん一人やっているわけじゃないですよ、いろんな富裕層がみんなほとんどやっているようなスキームであります。このタックスヘイブンに資産管理会社、ペーパーカンパニーをつくって、そこに資産売却しているわけですけれど、ほかにもいろいろ使われていまして、資産管理会社の名前でこの本人が住む家を、豪邸を買うと。そこに住むわけですね。今度は家賃を払うという形をして更に節税をするということまで行われているわけであります。これが一番シンプルなといいますか、広く行われている課税逃れのスキームでございます。
 先ほど、総理から各国が協調して、国際協調で、それは大変重要なんですけれども、実はタックスヘイブン問題というのは今に始まったことじゃありませんで、既に一九九八年にはOECDの租税委員会がこの問題を指摘しております。こういう大金持ちとか大企業の行動を、税金を払わずに公共サービスにただ乗りをしていると、財産を移動できない国民に負担を押し付けているということをOECDがもう一九九八年に厳しく非難をしているわけであります。それから二十年近くたっても、パナマ文書で出てきたようにいまだいろんな課税逃れが起きていると。

 OECDは日本が主導してきたところありますから、頑張ってはいるんですけれど、対策としては遅々としてなかなか進まないので、課税逃れが横行しているということでありますので、先ほどありましたけれど、サミットも含めて、日本がリードする責任は大変重いと思いますので、その辺は本当に頑張っていただきたいというふうに思います。
 同時に、じゃ日本の中でどうなっているかと、日本の税制がどうこれを防いでいるかという点をお話ししたいと思うんですけれども、タックスヘイブンにペーパーカンパニーをつくる目的というのは、税金を逃れるだけじゃなくて、そういうタックスヘイブンの国や地域は非常に金融規制が緩いと、ハイリターンですけどリスクの高い金融商品を組成して、そこに出資できると。日本の中ではなかなか手の出せない金融商品、マネーゲームですけれども、それがやれるということでこういうペーパーカンパニー、子会社をつくって投資をするわけであります。
 日本が最も積極的に証券投資をしているタックスヘイブンはパナマではありません。ケイマン諸島でございます。ケイマン諸島への日本からの証券投資額は、フローですけれども、六十三兆円でありまして、つくられているペーパーカンパニーが掌握されているだけで五百二十四社あります。
 この収益全て、今、日本の本国が課税しているんでしょうか。麻生大臣、いかがですか。

○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘がありましたとおり、ケイマン諸島への投資額、これは日銀の国際収支統計によって、二〇一四年度末で直接投資残高二兆三千六百三十七億、証券投資残高六十三兆二千九百四十六億円であると承知をいたしております。
 この投資額は外国子会社合算課税の対象となっているかにつきましては、これは個々の納税者の事実関係や適用されております税制というのがそれぞれ異なっておりますので、いわゆる一概に申し上げることはこれは困難なんですが、全てが課税されているわけではないというようなことは、御指摘があることは事実だと私どももそう思っております。
 したがいまして、この外国子会社合算制度の見直しなど、この課税逃れというものに対応した制度というものの見直しというものを考えねばならぬところなので、執行面におきましても、適正、公平な課税の実現を努めてまいりたく、今回の、先ほど総理からお話のありました仙台におきましても、この話が昨年の十一月、正式にOECDでやらせていただいて、これの法律作っただけで、これ執行しなきゃ意味がありませんので、この執行するための会議というものをこの六月、京都で第一回会議をやらせていただきます。加盟しておりますOECDの四十三ということで案内をしておりますが、現実問題百か国を超える方々の参加が見込まれておりますので、それなりの影響が出てきつつあると思っております。

○大門実紀史君 全て課税されているわけではないですよね、数字からいってもですね。
 どうやって課税逃れをしているのか、いろんな金融機関なり専門家の、関係者の証言も含めて一つ分かりました。広くケイマンで使われている仕組みでございます。パネルにいたしましたけれども、これ、テレビ初公開でございます。慈善信託、チャリタブルトラストという仕組みがケイマンでは広く使われております。
 どういう仕組みかといいますと、まず左側ですね、通常の仕組みというのは、今、麻生さんからもありましたとおり、通常は、日本の投資家がケイマンで証券投資をするときに子会社、ペーパーカンパニーをつくっても、その会社を使って投資をして得た利益は日本の親会社の利益と合算されて税金を取られると、そう簡単に子会社をつくっても逃さないぞという、基本的にそういう仕組みになっているわけです。ところが、それだと全部把握できるはずですよね、課税できるはずですね。それを逃れるために何をしているかといいますと、右側の慈善信託、チャリタブルトラストという仕組みでございます。関係者の間ではチャリトラと言われているぐらい、愛称で呼ばれるぐらい普及している仕組みであります。
 どういう仕組みかといいますと、まず日本の親会社が持っている子会社の株式を信託会社に信託をするわけですね。信託会社は、慈善団体、これは名目だけですから何でもいいんです、国際赤十字でもいいし、何か取りあえずつくった慈善団体でも何でもいいんです、そこに信託宣言を行うわけであります。なかなかちょっと法律的に難しいんですけど、この時点で株式の形式的受益者は慈善団体ということになります。同時に、子会社の株主は親会社でなくなって、日本の親会社と子会社の資本関係が遮断をされるわけですね。
 要するに、簡単に言いますと、そのままだと課税されるんで、株を信託するという形を取って親会社と子会社の資本関係を法的に切り離すわけですね。遮断するわけです。そうすると、子会社で稼いだ利益は親会社と資本関係がないということになりますので、形式上、合算されないということになって税金が掛からないということであります。
 形式上、受益者は慈善団体ということになりますけれど、この子会社は慈善団体に利益を渡そうなどという考えは更々、元々ないわけですね。慈善団体も、自分から利益下さいと言わないから慈善団体なんですよね。そういう仕組みになっておりますので、子会社の利益は慈善団体に行かないで、税金も掛からず、その子会社のところでずっと蓄積されていってまた再投資に回されると。利益はどんどんどんどん子会社の中で蓄積するわけですね。これは、この部分については税金がずっと掛からないということですね。
 最終的に、じゃ、その子会社に税金掛からないで再投資を繰り返して、たまった利益はどうやって還元するのかというと、これがまた、ほかの国のタックスヘイブンを使ったり資産管理会社を使ったり、あの手この手を使っていって還元していくということが行われているわけであります。その前段の一番最初に、ケイマン諸島にペーパーカンパニーを使って利益をどんどん生んでも税金を払わないという仕組みが個々にあるということでございます。これは全く日本のタックスヘイブン税制を回避する本当に小ばかにしたようなやり方だと思うんですよね。
 これは国税庁も実は注目しているというふうに聞いておりますけれど、麻生大臣、これはどういうふうに対処されていかれますか。

○国務大臣(麻生太郎君) これを分かりやすく説明していただくのを大蔵省じゃなくて共産党から説明していただいて、本当に分かりやすく、大蔵省にしゃべらせると、財務省にしゃべらすともう更に分からなくなる方が多いんで、我々の頭では付いていかないところがいっぱいあるんですけれども、物すごく分かりやすく説明しておられたので、こういうのは、簡単な話を難しくしゃべるならうまい人が多いんですけれども、難しい話を簡単にしゃべるというのはなかなか頭の要る作業なんで、改めて大門先生って頭がいい人なんだなと感心し、さっきから聞いていました。
 おっしゃるとおりに今の分析は正しいんであって、今回のあそこの、仙台の会議の中でもこのチャリタブルトラストというのは、これはもう昔からよく言われている話でもありますんで、私どもとしてはこれは全て合法ですから、そこが問題なんです。これ、違法だったらやり方はいろいろありますけど、合法なところが一番問題なんで、私どもはこれ、三年前の五月にバーミンガムシャーでG7をやりましたときに、これは日本が提案して、この話を何とかしようじゃないかというのを持ち出したのは日本。たまたまOECDの租税委員長が日本人だったために一斉にやるということで、三年掛かって昨年の十一月にこれができたんですが、これをインプリメント、施行するということを今からやっていくのに当たって、今年の五月、これを、会議をやらせていただいて、正式に六月に実際に施行するためには何が必要かと。
 これ、各国みんな持ち寄って情報を全部提供してもらわなければいけませんけれども、一番肝腎なことは、先ほど総理からお話がありましたように、この話を、今パナマが話題になりましたけれども、パナマはこの種の話に世界百九十何か国の中で入っていない、情報交換をすることを全くしていなかった国なものですから、その国と情報交換を自動的にやりますということを交渉開始を決めたのが四月で、今年の五月の二十日の日に正式にサインというところまで来ましたので、これは一歩でありますけれども、こういった形で各国全部そういったことをしていただくことによって向こう側にこの情報というものが入ると、向こう側の情報もこっちに入るということで自動交換になりますので捕捉しやすいという形になっていく。まずは、第一歩はここからだと思っております。

○大門実紀史君 総理はこれからサミットの場でこういう議論もあるのかと思いますけれども、OECDはずっと租税委員会に日本の財務省から人を出してずっとリードしてきたことは確かなんですね。そのときにやっぱりなかなか、日本の財界も反対しているというのがありますけれども、なかなか前に進まないで、対策が進まないできたんですけれども、今回このパナマ文書に関連してやっぱり出てくる議論というのは、OECDの中でもそうなんですけれども、そもそもタックスヘイブンって何なんだと。企業の行動は自由で合法的ならどこで何やってもいい。そういうことをやっているから、税の引下げ競争なり、各国の財政を圧迫して空洞化を招いて貧困が広がってと大きな捉え方で今こうなってきて、そもそも稼いだところでちゃんと税金納めるのが当たり前だという、当たり前の原則をOECDは打ち出す、柱の中心に打ち出すようになったんですね。
 ですから、企業の行動は自由で、余りひどいことをやらないで合法的な範囲でやってくださいとか、そういうことではなくって、もうそろそろ、当たり前のことですけれども稼いだところでちゃんと税を納めて、その国に納めて、社会貢献もするという立場でサミットの場でもみんなが考えるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはまさに大門先生がおっしゃったとおりだと、このように思います。やはり正直者がばかを見ない社会であって、初めてみんなが一生懸命頑張って仕事をしていこうということになるんだろうと、このように思います。
 そしてまた、企業は存在する以上、その地域の様々なサービスを受けているわけでありますから、そのサービスは税金によって供給されているわけでありまして、そういう認識をしっかりと持っていくということも大切でしょうし、先ほど財務大臣から答弁をいたしましたように、合法であるということが問題であって、どうしても合法であれば企業はそうした税をなるべく節税をしようという行動に走るわけでありますから、これは国際的にしっかりと協調してルールを作っていくということが大切だろうと思います。
 ネットの世界においても、ではどこで一体それは決済がなされたんだということになって、ネットのサービスで買っても実はそのときの消費税は日本では払われないということもこれはあったわけでございますが、そういうことを調整しながら、国際的に調整しながら今日に至っているわけでありますが、しっかりと多くの方々が納得をしていただくという状況をつくっていきたいと、このように思っております。

○大門実紀史君 そういうふうに頑張ってもらいたいと思うんですけれども、今の日本の税制がざるになっているという一つの典型なんですけど、ケイマンのペーパーカンパニーにきちんと課税すれば、はっきり何兆円出てくるという数字はマクロでしかないんですけれども、少なくとも、消費税の増税しようということは必要なくなるぐらいの規模の税収は入ってくると私は思うんですね。
 そういう点からいきますと、もう一度、お聞きしました最初の質問と同じになりますが、こういうことが今話題になって、日本の企業も、これ、パナマ文書だからあれですけど、ケイマン文書だったらいっぱい出てくると思うんですね、日本の企業が。そういう中で、やっぱりこの時期に、こういうときに、こんなものが放置されて消費税の増税なんというのはとんでもないと、庶民増税はとんでもないという、これはもう新聞の投書にもいろいろ出てきますけれど、総理は先ほど言われました、真面目に働いている人がばかを見ると。まさにこれはばかを見る事例ですよね。これ放置されてやっぱり消費税の増税とかいうことはちょっと違うんじゃないかと思いますが、その点いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの御指摘は全く同意をしたわけでございますが、今の御指摘は少し意見を異にするところでございます。
確かに、税の公平性ということが担保されて初めて一般の皆様も自分も税金を払おうというお気持ちになれますから、それをしっかりと確保していくことはとても大切だろうと、このように思います。
 と同時に、まだそこに、ではそういう仕組みがない段階においてどれぐらい税収が入ってくるかということを計算する中において、大切な社会保障費に充てるものを、我々、それを充てるということを前提にするということはなかなかこれはできないわけでございまして、私どもといたしましては、従来から申し上げているような考え方の下に消費税については考えていきたいと、このように考えております。

○大門実紀史君 よく消費税は社会保障のためという議論が先ほどもありましたけれど、消費税幾ら増税しても社会保障は良くならなかったというのが国民の実感ですよね。
 その根底に何があるかというと、結局、消費税導入して増税してきましたけれど、その税収が結果的に、結果的にやっぱり法人税の減税分に回ったとかあるいはこういう課税逃れをした税収減の穴埋めに回ったと、結果的には大きく見ればそういうことになるわけでありまして、やはり消費税の問題、本当にこれは真剣に、こんなときに増税が許されるのかということはお考えになるべきだというふうに思います。
 日本共産党は、大企業や大金持ちの課税逃れ許さないのは当たり前で、むしろ今もうかっている大企業や大金持ちにきちんと、もっと負担能力あるんだから払ってもらうべきだと。その点では、本当に富裕層がこれだけ増えているわけでありますので、富裕層に対する所得税の最高税率の見直し、証券取引の関係の税率の負担をもっと、今でも低いわけですから、欧米並みに負担してもらうということを訴えて頑張っていきたいと思いますが、本当に消費税は中止を強く求めたいというふうに思います。このことを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。

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