≪議事録≫
○大門実紀史君 大門です。
今や悪徳商法の最大のターゲットが高齢者ということであります。したがって、今回の法改正でいえば、特商法ですよね、高齢者に対する訪問販売、電話勧誘販売などをどう規制していくか、被害を防止するかが課題だったはずだと思うんですけれども、ところが、専門調査会でいろんな議論があったみたいですが、お年寄りに対する訪問販売ですね、事前に訪問販売を拒否できる仕組みなどが議論されたみたいですけれども、結局、訪問販売業界の反対があって見送りになったということを聞いております。
お年寄りの場合は、振り込め詐欺も、いろいろなことがそうなんですけれども、まず、家に入れて話を聞いてしまうと巧妙な手口でうんと言わされるというようなことがもうあるから、いろいろな対策が必要なわけですね。
したがって、こういう訪問販売の事前拒否、事前に拒否できるということは大変必要な仕組みだと思うんですね。お年寄りにとって大事なバリアになると思うんですけれども、それが見送りになったと。
例えば、訪問販売お断りというステッカーを貼ってあるお年寄りの家に、それでも訪問勧誘をした場合、いわゆる特商法の三条の二ですか、再勧誘の禁止に触れる扱いにしたらどうかという議論があったけれども、訪問販売業界が反対したので見送りになったということを聞いております。私はこれ、専門調査会って何なのかなと、どういう立場でやっているのかなと大変疑問なんですけれども、それと特商法三条の二の解釈ですね、再勧誘の禁止の解釈も、解釈そのものを間違ってそういう判断をしたんじゃないかと。
つまり、訪問販売お断りというのは、どの家でも貼ってあるわけではありません。やはりいろんなことがあって、もう訪問販売嫌だと、別に物は幾らでも買えるんだから訪問販売では買う気がありませんということを強い意思表示で貼ったりするわけですね。それを意思表示とまず認めていないということになるわけです、最初の意思表示として。認めていないから、一回訪問販売、そんなのステッカー無視して訪問販売して断られた、二回目は行かない、再勧誘になっちゃうので行かないと。
そうじゃなくて、お年寄りの場合の話ですよ、これは。お年寄りだから必要だという意味で言っているんですけれども、最初から、訪問販売はもう怖いから、とにかく物はほかでも買えますから来ないでほしいという意思表示をしたにもかかわらず、それを意思表示と認めないと、一回の意思表示と認めないから入っちゃって勧誘してもいいというふうな判断を専門調査会は、いろいろあったと思うんですけれども、結果的に見送ったというのはしちゃったというふうに思うんですよね。これは、再勧誘禁止の三条の二の解釈からいっても間違っていると私は思うんですね。
特商法の第三条の二の再勧誘の禁止は、契約を締結しない旨の意思表示をした者に対する勧誘の禁止と。この契約を締結しない旨の意思表示というのは、実際に勧誘を受けて、対面で口頭で契約しませんと、帰ってくださいということだけじゃなくて、書面で意思表示することだって当然、むしろその方が強いことだってあるわけですね。ステッカーというと何かちっちゃい、どこにでもあるの貼っているような印象がありますけれど、例えば紙で、その御本人が、おじいちゃん、おばあちゃんが、訪問販売お断りです、来ないでくださいと紙で貼ったというのはこれもっと強い書面での意思表示ですよね。
それさえ意思表示と認めないということにつながってしまうような議論をして、まとまらなかったから流した、見送ったということになると思うと大変重要な瑕疵があるんじゃないか、専門調査会での議論がと私は思うんですよね。いかがですか、川口さん。審議官でもいいですよ。
○政府参考人(井内正敏君) 内閣府の消費者委員会の特定商取引法専門調査会における議論で、その中で、事前拒否制度とか、そういうことについてどうするかということにつきましては、まず一つありましたのは、現在、いろいろな苦情相談とか、そういう数字を見たときに、消費者側の意見と事業者側の意見、そもそも現状認識で異なっていたというようなことがありまして、議論がそういう現状の認識のところで違っていたということが大きいというふうに考えるとともに、あともう一つは、再勧誘の禁止というその中身でございますけれども、従来の、今の消費者庁の解釈ですと、先ほどお話ありましたようなステッカー制度とか、そういうものにつきましては、一度勧誘があって、その後、しかも誰に対して意思を表示したかとか、そういうことが明らかでないということから、ステッカー等の効果につきまして、それを断っていると、もし訪問をしたというときにこの再勧誘禁止に当たるかというとそうではないという解釈をしていたということでございます。
○大門実紀史君 こういうことなんですね。ある訪問販売業者が、その人にとっては特定の人に二回行くか行かないかと。それから、受け取る方は、誰が来ても誰でもお断りだということなんですよね。という意思表示になるわけですね。分かりますか。その人についてだけ二回言われて、もう一回、一回断って二度と来ないじゃなくて、そういうことなんです。これは、分かりませんけど、こういうことでもし裁判受けた場合どうなるのか、どう解釈するのかでありますけれども、どちらの立場であるのか。
ですから、そこまで発展するようなというか、そこまでの深い中身のことを、ただ業界が反対したから、折り合いが付かなかったから見送るというのは、私は昔のかつての特商法の改正のときも、あのときはまだ消費者庁ありませんでしたけれども、いろいろな議論を経産委員会とか経産省と議論しましたけれども、何か、何も変わっていないと。消費者庁がせっかくできて、消費者委員会があって専門調査会があるわけだから、もっと消費者の立場になって、特にお年寄りの立場に立って一歩踏み込んだやっぱり対応をすべきだったと思うんですよね。
高齢者の被害がこのまま減らなかったら、当然、海外でもいろんな事例で、特にお年寄りを守るために論理構成もして、ステッカーだってその辺に売っているステッカーをぽっと貼るんじゃなくて、自治体が発行するステッカーとかいろんなやり方ある、いっぱいあると思うんですね。そういうことも含めて、やっぱりもう一歩進んだ対応をしなきゃいけないというふうに思うわけですが、今回この法案にはそういうことは入っておりませんけれども、少なくともそういう高齢者の被害を、本当にもうこれだけ、ほとんど高齢者と言っていいぐらいの被害ですから、防ぐために、今回の法改正は大変その点では不十分だと思っておりますので、必要な措置を、現場の起きている事例も聞きながら、引き続き、この法改正で終わりで五年後ということじゃなくて、検討していっていただきたいということを思いますけれども、いかがですか、大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 今回は、取りあえずまずできることからやっていこうということでございますので、先ほどありましたように、法執行の強化ですとか自主規制の強化ですとか相談体制の強化充実といったことをまずしっかりやってまいりたいと思いますが、おっしゃるように、これだけでとても被害が減っていない、不十分だということであるならば、そこは消費者委員会からの答申を十分に踏まえて更なることをやっていかなければいかぬと思いますし、それは五年後の見直しといっても五年間何もやらないということではなくて、必要ならば五年たたないうちに当然見直しはするということだろうと思っておりますので、まず今できること、意見が一致したことはしっかりやらせていただきますが、当然にこの被害状況の推移はしっかり見てまいりたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 もう一つ、私もこの委員会で何回も取り上げてきている問題で、特商法の関係でいきますと、マルチ商法に関することなんですけれども、今どんな手口が広がっているかというと、学生、大学生なんか相手に、いろいろあるんですけど、消費者庁で業務停止命令を出した例でいきますと、DVDですね、投資用の先物取引のDVDの教材を、これを買って広げればもうかると。ところが、大学生ですからお金がありません。そうすると、どうさせるかというと、消費者金融、サラ金に、それからあるいはクレジットを使って現金を下ろさせてそれで買わせるという手口が非常に広がっているわけで、消費者庁も業務停止命令を出されておりますけれども、日弁連からもそれについてきちっと対応するようにという声明が出ておりますけれども、これは、まずこのマルチ商法をお金のない学生さんとかを相手にやる場合に、借金を同時にさせる、借金をする方法までアドバイスすると。一緒にくっついていっていろいろな買い方までアドバイスして借金させて物を買わせて、その本人は今度は借金返さなきゃいけませんよね、高い金利の。そうすると、更に誰かにそれを広げるしかない。マルチ商法の連鎖販売の動機にさせるというふうな非常に巧妙な手口なんですけれども、こういう手口が広がっているということについては消費者庁として把握されておりますか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
マルチ商法等の特定商取引五類型、これは、この数字自体は、訪問販売、電話勧誘販売、連鎖販売取引、特定継続的役務提供、業務提供誘引販売取引の五類型でございますけれども、これにつきまして、サラ金等の貸金業者から借金をさせたりクレジット契約を組ませたりする行為に関する相談件数というのは、平成二十一年度に七百八十九件であったところ、平成二十七年度には九百九十九件と、近年増加傾向で推移しております。
具体的な相談としましては、例えば二十歳代の消費者が、入会して人を紹介するともうかると友人に言われて、会員になるための商品、これは商品というのは手帳やペンなどでございますけれども、購入したところ、追加の購入を勧められ、お金がないと言って断ったが、年収や用途を偽ってお金を借りるように言われた上、サラ金に連れていかれ、五十万円を借り入れて追加購入をしたという事例がございます。このような行為に関する悪質な事例については厳正に処分を行うことが必要というふうに考えております。
○大門実紀史君 今回の特商法の改正の中には、これに対する対策というのは特に入っていませんですよね。
それで、これはどうすればいいかというと、特商法の第三十四条の、やってはいけない禁止行為に新たに加えるということ等が考えられるわけでありますけれども、それだけ被害が間近で広がっているわけですから、今回の法改正に入っておりませんけれど、いろいろ阻止の仕方といいますか、対処の仕方はあると思うんですよね。この禁止行為のいろんなことも、どの部分で規定するかというのもあるんですけれど、取りあえず対応措置はとれると思うんですけれど、いかがですか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
マルチ商法等において、サラ金等の貸金業者から借金をさせたりクレジット契約を組ませたりする行為への対応につきましては、消費者委員会特定商取引法専門調査会でも議論が行われました。その結果、まず、事業者が消費者に支払のため金融機関等に対して虚偽の申告を行うよう唆す行為につきましては行政庁による指示の対象として、また、事業者が消費者に支払のため金融機関等に連れていく行為につきましては、消費者の求めに応じて、同行する行為等の不適切と言えない行為を除外した上で行政庁による指示の対象とすること等につきまして、内閣府消費者委員会の専門調査会の委員の間で一致したということを承知してございます。
こういう事情でございますので、このような消費者委員会での議論の結果を踏まえまして、今後、主務省令改正の検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 そうですね、是非その検討を進めていただいて、すぐ、できるだけ早く措置できるようにお願いいたしたいと思います。
この場合は、マルチ商法、特定連鎖販売取引の契約そのものを無効にするということにもしなきゃいけないんですけど、借金だけ残っちゃうんですよね、御本人は。非常に大変深刻な問題を招きますので、早く措置をとっていただきたいというふうに思います。
先ほど、もう一度大臣に、最後に、五年をめどにということを、五年を待たずにいろんなことを、問題点ありますので、とれるべき措置は早くとっていただきたいということを申し上げようと思いましたけど、先ほどもう御答弁いただきましたので、これで質問を終わります。