国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2015年9月18日 参院本会議

鴻池委員長の問責決議案に対する大門議員の賛成討論

<赤旗記事>

2015年9月21日記事

鴻池委員長の問責決議案に対する大門議員の賛成討論
参院本会議

 日本共産党の大門みきし議員が18日の参院本会議で行った安保法制特別委員会の鴻池祥肇委員長に対する問責決議案への賛成討論(要旨)は以下の通り。


鴻池委員長問責決議案に賛成討論する大門みきし議員=18日夜、参院本会議

 鴻池委員長の問責決議案に賛成する理由は、昨日(17日)、戦争法案を審議する特別委員会で、与党と結託して法案の強行採決を行ったからです。しかも、委員長不信任の動議が採決された直後の出来事です。本来ならば否決されても、動議が提出された重みを謙虚に受け止め、質疑終局を撤回し、公聴会で出された意見も踏まえて、徹底審議に努めるべきでした。

危惧したとおり

 当初、与党が提案し、委員長が職権で決めたタイムテーブルでは、わが党には12分の質問時間の割り当てがありました。わが党だけではなく、各党の質問権と表決権を暴力的な強行採決で奪ってしまった鴻池委員長と与党の責任は厳しく問われなければなりません。

 16日の地方公聴会で公述人の水上貴央弁護士は、“公聴会が採決のための単なるセレモニーにすぎず茶番であるならば、私はあえて申し上げる意見を持ち合わせていません”と、くぎをさされました。しかし、その後の推移は水上弁護士が危惧したとおり、委員会で派遣報告は読み上げられず、議事録にもこのままでは残りません。

 あまりにもひどい、失礼きわまりない話です。鴻池さんは責任者としてきちんと謝罪し、これからでも委員会を開いて、派遣報告を聴取すべきです。

 鴻池委員長は、この時間にも、国会周辺につめかけている戦争法案廃案を求める国民の人々に対しても失礼なことを言われています。

 委員会強行採決後の記者の質問に答え、国会の前で反対デモに出ている人について、委員長は次のように述べられました。「誰に言われたのか、どなたに踊らされているのかわかりませんが、ほんとね、ちゃんとした立派な人が、デモに参加している姿を見て、本当に気の毒という気がいたしました」

 15日の中央公聴会には、その反対デモのリーダーの一人、シールズ(SEALDs)の奥田愛基さんが公述でこう述べています。

 「私たちは、この国の民主主義のあり方について、この国の未来について、主体的に一人ひとり、個人として考え、立ち上がってきているのです」「政治のことは選挙で選ばれた政治家に任せておけばいい。この国には、どこかそのような空気感があったように思います。それに対し、私たちこそが、この国の当事者、つまり主権者であること、私たちが政治について考え、声をあげることは当たり前なのだということ。そう考えています」

 これは委員長の目の前で行われた公述です。自分が呼んだ公述人の話もまともに聞かない、嘲笑するような、これだけでも問責に値すると言わなければなりません。

 まだ採決自体、本当に有効だったのか検証されるべきであります。強行採決の時の議事録は“発言するもの多く、議場騒然。聴取不能”としかありません。とにかく委員会が再開するやいなや、委員長は与党議員によってつくられたドーム型のアーチにガードされました。

 しかしアーチのなかで委員長は外が見えませんでした。委員長のそばの議員が、手振りで与党席に合図して、与党の議員たちが言われるまま立ったり座ったりしただけでした。今、何を採決しているのか、本人たちはさっぱりわからなかったのではないでしょうか。なぜ、あんなことが採決と言えるのか。あまりにもずさんではありませんか。

「反知性主義」だ

 この採決そのものが、地方公聴会で広渡清吾公述人が指摘された「反知性主義」の最たるものではありませんか。

 鴻池委員長は、参院は衆院の下部組織でもなければ、官邸の下請けでもないと言ってこられました。しかし委員長は強行採決について、“60日ルール”(参院で否決とみなしての衆院での再議決)があり、参議院でもたついていると衆院でそれを使われるかもしれないから、強行採決をしたのだと言われました。“60日ルール”に脅されてあわてて採決したということになりませんか。これこそ、衆院の下部組織ではありませんか。

 安倍晋三首相の筋の通らない姑息(こそく)な手法による今回の憲法違反の戦争法案。多数の国民が反対しているこの法案を、鴻池委員長が委員会で強行採決した責任の重さを改めて指摘し、本会議での法案採決は絶対にすべきではない、廃案にすることを強く求めます。

≪議事録≫
 日本共産党の大門実紀史でございます。
 鴻池委員長問責決議案に賛成の討論を行います。
 問責決議案に賛成する理由は、昨日、戦争法案を審議する特別委員会において、与党と結託して法案の強行採決を行ったからであります。しかも、委員長不信任の動議が採決された直後の出来事でありました。本来ならば、否決されたといっても、動議が提出された重みを謙虚に受け止め、質疑終局を撤回し、公聴会で出された意見も踏まえて、徹底審議に努めるべきでありました。
 当初、与党が提案し委員長が職権で決めたタイムテーブルでは、我が党には十二分の質問時間の割当てがありました。我が党だけではありません、各党の質問権並びに表決権を暴力的な強行採決で奪ってしまった鴻池委員長と与党の責任は厳しく問われなければなりません。
 十六日の地方公聴会にお呼びした公述人の一人、水上弁護士は、公述の冒頭で、公聴会が採決のための単なるセレモニーにすぎず、茶番であるならば、私はあえて申し上げるべき意見を持ち合わせていませんと、厳しくくぎを刺されました。
 しかし、その後の推移はどうでしょう。水上弁護士さんが危惧したとおり、委員会で派遣報告は読み上げられず、議事録にもこのままでは残りません。委員会としてお呼びしておきながら、余りにもひどい、失礼極まりない話ではありませんか。鴻池さんは当日の責任者としてきちんと謝罪すべきであります。そして、これからでも委員会を開いて、派遣報告を聴取すべきであります。
 さらに、委員長は、この時間にもどんどん国会周辺に詰めかけてこられている、戦争法案に反対する、廃案を求める国民の人々に対しても大変失礼なことを言われております。強行採決後の記者の質問に答えて、国会の前で反対デモに出ている人についてどう思うかと聞かれて、鴻池委員長、次のように述べられました。
 あの、やはりじっくりとこの日本の国、日本の未来というものを考えたり語ったりして、そして行動に出ていただきたい。誰に言われたのか、どなたに踊らされているのか分かりませんが、本当ね、ちゃんとした立派な人がデモに参加している姿を見て、本当に気の毒という気がいたしました。こんなことを、強行採決をした後の記者のぶら下がりでおっしゃったわけであります。
 十五日の中央公聴会には、その反対デモのリーダーの一人、SEALDsの奥田愛基さんが公述の中でこのように述べておられます。
 強調しておきたいことがあります。それは、私たちを含め、これまで政治的無関心と言われてきた若い世代が動き始めているということです。これは、誰に言われたからとか、どこかの政治団体に所属しているからとか、いわゆる動員的な発想ではありません。私たちは、この国の民主主義の在り方について、この国の未来について、主体的に一人一人、個人として考え、立ち上がってきているのです。
 私たちは、一人一人、個人として声を上げています。不断の努力なくして、この国の憲法や民主主義、それが機能しないことを自覚しているからです。政治のことは選挙で選ばれた政治家に任せておけばいい、この国にはどこかそのような空気感があったように思います。それに対し、私たちこそがこの国の当事者、つまり主権者であること、私たちが政治について考え、声を上げることは当たり前なのだということ、そう考えています。その当たり前のことを当たり前にするために、これまでも声を上げてきました。
 これは、委員長の目の前で行われた公述であります。この公述を委員長は聞いておられたんでしょうか。それとも、気の毒と思っていただけなのでしょうか。自分が呼んだ公述人の話もまともに聞かない、嘲笑するような、これだけでも十分問責に値すると言わなければなりません。
 また、採決自体、本当に有効だったのか検証されるべきであります。
 強行採決のときの議事録は、発言する者多く、議場騒然、聴取不能としかありません。とにかく、委員会が再開するや否や、委員長は与党議員によってつくられたドーム型のアーチにガードされました。そもそも、即座にあんなきれいなアーチがつくれるものなんでしょうか。どこかで強行採決の予行演習をしていたとしか思えません。
 しかし、アーチの中で、委員長は外が見えませんでした。委員長のそばの議員が手ぶりで与党席に合図して、与党の議員たちが、ただ言われるまま、立ったり座ったりしただけでありました。今何を採決しているのか、本人たちはさっぱり分からなかったんではないでしょうか。
 なぜ、あんなことが採決と言えるのか。余りにもずさんではありませんか。この採決そのものが、地方公聴会で広渡公述人が指摘された反知性主義の最たるものではありませんか。
 加えて、議院運営委員会の議論で、与党や委員部は、実際に何がどうなったかではなく、委員長が採決したと認定すれば採決したことになると、むちゃくちゃな見解を示しました。
 だったら、何ですか、委員長が頭の中で採決したと描いたら、それで採決したということになるということですか。そんな想像上の採決が許されるものではありません。日本がアメリカの戦争に参加する、日本の命運が懸かった重大法案を、こんな乱暴な採決で成立したことにして本当にいいんでしょうか。
 憲法違反が明々白々で、国民の多数がこの法案に反対し、少なくとも今国会での採決はやめるべき、やるべきではないと意思表示をしているにもかかわらず、こんな形で採決したと強弁する与党と鴻池委員長の責任は、極めて重大と言わなければなりません。
 鴻池さんとは長い付き合いであります。我が党の中で私が一番鴻池さんと親しいということで、問責の賛成討論を行うことになりました。
 鴻池さんは、決算委員長、予算委員長のときは公平な運営に努められ、野党からも人気の高い委員長でした。昨日の不信任動議の討論でも、賛成する各党の議員から、敬愛する政治家と持ち上げられました。私は特に敬愛したことはありませんが、温かい人柄は決して嫌いではありませんでした。だからこそ、今回の強行採決は大変残念に思っております。
 鴻池委員長は、参議院は衆議院の下部組織でもなければ官邸の下請でもないと言ってこられました。しかし、結局、今回の強行採決は、参議院を衆議院の下部組織、下請にしてしまったのではないですか。
 鴻池委員長は、強行採決後、記者団に対してこう言われました。やはり、六十日ルールというものがあり、参議院の審議がもたついていると、衆議院で判断してできるものですから。やはり私自身は、参議院の在り方というものを、何度も言っているように、衆議院の下部組織であってはならない、参議院の結論というものを出していく必要がある。それも含めて今日の採決に至ったと言われました。
 つまり、六十日ルールがある、参議院でもたついていると、衆議院でそれを使われるかもしれないから強行採決をしたんだと言われたわけであります。これは、衆議院の六十日ルールに脅されて参議院で慌てて採決したということになりませんか。これこそ衆議院の下部組織ではありませんか。衆議院の下部組織でないというなら、まだ会期は十分あったのですから、衆議院の脅し、六十日ルールなどにびくびくせず、堂々と参議院らしく最後まで審議を続けるべきだったのではないでしょうか。
 大体、参議院の審議がもたついたのは、審議が百十三回もストップしたように、政府の答弁が支離滅裂だったからではありませんか。
 慶応大学名誉教授の小林節さんは、九月十五日の中央公聴会で、今回の法案は戦争法案と呼ぶ以外の何物でもないと明言した上で、安倍首相が憲法改正手続を定めた九十六条を先行改正し、改憲のハードルを下げようとしたことを裏口入学と批判しました。さらに、戦争法案を、正門の突破、入ってはいけない閉じられた門を蹴破って入ってきているようなもの、国民主権国家に対する無礼な話と断罪をされました。
 小林節さんは、元々、自民党の皆さんと同じ改憲論者であります。だから、どうしても集団的自衛権、自衛隊の海外派遣、アメリカとの軍事共同作戦を実行したいなら、こそこそごまかしたり、へ理屈を並べたり、憲法を勝手に踏みにじるのではなく、正々堂々と憲法改正を提案すべきだと言われてきました。憲法に対する立場は私たちとは違いますが、筋が通っているというふうに思います。
 安倍首相の筋の通らないこそくな手法による今回の憲法違反の戦争法案、多数の国民が反対しているこの法案を鴻池委員長が委員会で強行採決をした責任の重さを改めて指摘し、本会議での法案の採決は絶対すべきではない、この際、多くの国民の声に応えてきっぱり廃案にすることを強く強く求めて、私の賛成討論を終わります。(拍手)

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