国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2015年6月16日 財政金融委員会

日銀ゼロ金利 家計から376兆円奪う

<赤旗記事>

2015年6月17日記事

日銀ゼロ金利 家計から376兆円奪う
23年間の利子 企業に所得移転
大企業は金余り 大門氏追及

質問する大門議員=16日、参院財政金融委員会

 日本銀行の「異次元緩和」とゼロ金利の継続は、家計から利子収入を奪い、大企業には「金余り」をもたらしている―。日本共産党の大門実紀史議員は16日、参院財政金融委員会で、日銀の異常な金融政策をただしました。


 大門氏が指摘したのは、ゼロ金利の継続の結果、家計から企業への所得移転が進んだという点です。日銀の提出資料によると、1991年の金利水準が2013年まで続いた場合、家計が受け取ったはずの利子は年間16・3兆円です。ゼロ金利政策によって、家計は23年間で376兆円の所得が奪われた計算になります。一方、企業部門は年間23・5兆円、23年間で541兆円の利子を払わなくて済んだ計算になります。

 大企業は、この利子負担の軽減にも助けられ、285兆円もの内部留保をため込んでいます。現金など手元にあってすぐに使える資金(手元流動性)の推移を見ると、日本の大企業は先進国の中でも顕著に増やしています。

 日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は、企業が内部留保や手元資金を増大させていることを認めたうえで、一部の賃上げの例をあげ、「前向きの動きが見えてきている」と答弁。

 大門氏は「日銀の異常な量的緩和・ゼロ金利政策が結果として、大企業の金余りに拍車をかける一方で、家計から利子収入を奪い、消費を冷え込ませてきたことを受け止めるべきだ」と批判しました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門です。
 今までの議論を聞いて、私も久しぶりに出口の問題、ちょっと一つだけお聞きしたいんですけれども、私は一貫してもうこの異次元緩和始まったときから何度も一つの問題をお聞きして、まともに答えてもらったことはないんですけれども、要するに、これだけ大量に日本銀行が国債を購入して保有し続けて、いわゆる出口ですけれども、どこかでそれをまた吐き出していかなきゃいけない、そのときにマーケットに影響を与えないで日銀が保有している国債をマーケットに吐き出す方法があるのか、株に影響を与えないで、あるいは国債価格に影響を与えないで吐き出す方法があるんですかということをお聞きしてきたわけですけれども、最初の頃は出口の話をするのは早いなんという話でお答えされませんでしたが、もうあれから二年たっておりますけれど、方法としてあるのかどうかですね。いかがですか。

○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、出口ということになりますと、拡大したバランスシートの取扱いをどうするか、あるいは付利金利についてどうするかということが当然議論になってまいります。その場合にどういった手法で適切に金融政策を行っていくかというのは、あくまでもやはりそのときの経済物価情勢、そして市場の動向を十分踏まえて、市場の安定を確保しつつ整合的な金融政策を進めていくということに尽きるわけでして、これは中央銀行としての当然の責務であろうというふうに考えております。

○大門実紀史君 そうじゃないんですね。私が聞いているのは、マーケットにですよ、これ予算委員会で聞きました、二年前にですね、マーケットに影響を与えないで、その後もう二年間でがばっとまた持たれたわけだけれども、マーケットに影響を与えないで元に戻す方法があるんですかと、そのとき何考えるじゃなくて、手段としてあるんですかと。そんなことあり得ないんじゃないかと私は思うんですよね、これだけ大量に買ってですよ。どこかに別に移しちゃうなら、何か別個の機構をつくってマーケットに出さないというなら別ですけれども、日銀が持っていたものを市場価格に影響を与えないで、マーケットに影響を与えないで出す方法というのは私はないと思うんですよね。あり得ないと思うんですね。必ず影響を与えると思うんですよね。
 そのことはお答えできないんですか。それ、ないというのは分かっていらっしゃるんですか。今おっしゃったこと、全然答えになっていないんですよね。そのときで手段考えますじゃなくて、基本的なことを伺っているわけですが、それ以上お答えできないということでしょうか。

○参考人(黒田東彦君) 米国の場合もどこの国の場合もそうですし、それからいわゆる伝統的金融政策の場合でも、緩和が長く続いた後に引締めに転換していくときの金融システム等に対する影響というのは十分配意しながらやっております。
 米国を見ましても、また私ども、これからも市場に不測のあるいは過度の影響を与えることなく、そもそも適切な金利、金融状況をつくり出していくということは、これは中央銀行としての責務ですので、その点は、従来から申し上げているとおり、経済あるいは物価の動向と整合的な金利、金融状況をつくり出していくと、そのための具体的な手段、方法につきましては、あくまでもそのときの経済や物価、そして金融市場の動向に即してやっていくということに尽きると思います。

○大門実紀史君 何度聞いてももう二年間同じことばっかりおっしゃるんですけど、全然聞いたことに本当答えていらっしゃらない。お分かりですよね。多分それに答えられないんじゃないかと思うんですね。
 これだけ大量の国債をどこかで吐き出していけば、必ずマーケットは反応しますよね。だから、そういうことができないから、私は、出口がいつとか出口戦略じゃなくて、そもそも出口のない世界に入っていかれたんですよ。強いて言うなら、マーケットに出さない、何か別の機構でもつくって日銀が持っているものを移して、こんなことならウルトラCがあるかも分かりませんけれども、日本銀行がそのまま吐き出すとしたらマーケットに影響を与えないわけにいかないと、これだけの大量ですからね。そうなると吐き出すわけにはいかない、だからいつまでも持っていると。そうすると、先ほどから出ているように、財政ファイナンスと当然見られていくことになるということがありますので、私はこの異次元緩和そのものが間違っているということは何度も指摘しているとおりでございますが、もう同じ話をするのもあれなので、今日は別の角度からちょっとおかしいんじゃないかという話でございます。
 量的緩和の以前から低金利、ゼロ金利政策が続いてまいりました。何が起こったかということですけれども、お手元に資料を三枚用意しましたけど、要するに、一枚目が家計部門の受取利子、支払利子がどうなったかということですけれども、どういう計算をしたかというと、もしも九一年の金利水準が二〇一三年まで続いていたらどうなったであろうという数字であります。これは内閣府のデータを基に日本銀行に作ってもらった最新の資料ですけれども、簡単に言いますと、家計部門でいえば、逸失利子、つまり利息が高ければもっと受け取れたであろう利子が五百七十五兆円、利息が安いことによって助かった、負担が軽くなったのが百九十九兆円で、差引き三百七十六兆円、これが九一年から二〇一三年の二十三年間で受け取れたはずの利子所得ということであります。
 二枚目が逆に企業部門ですけれども、これは、結論だけ申し上げますと、同じく二十三年間で払わなくて済んだ利息が五百四十一兆円、つまり五百四十一兆円の所得が、受け取ったということになるわけであります。
 この問題は私が初めてではありませんで、何人かの議員が今までも折に触れて指摘をしてきたと思いますけれども、これはマクロ的にいえば家計部門から企業部門に所得が移ったということだと思いますが、その辺の認識は、総裁、いかがですか。

○参考人(黒田東彦君) 一般論として、金融緩和というものが資金の貸し手から借り手への所得移転を伴う性質を持っているということは、これは、これまた伝統的金融政策であろうと非伝統的金融政策であろうと同じことだと思いますが、金融緩和によって景気が改善するということであれば、雇用者所得も増加して家計にも利益をもたらすということにもなりますし、いずれにいたしましても、金融政策は経済全体の状況を踏まえて物価の安定という目的のために行っているというものであります。

○大門実紀史君 白川前総裁のときに、例えばこの委員会でいえば大塚耕平さんとか前いらっしゃった佐藤ゆかりさんがこの問題を質問されていて、そういうちょっと人ごとのような話じゃなくて、やっぱり金利については日銀もいろいろ関与されているので、日本銀行の見解としては、もちろん家計部門はマイナスだけれども、企業部門がプラスなんだから総合的な効果を期待したいというふうなことを白川さんのときにおっしゃっていたんですよね。
 ところが、三枚目の資料を見てもらえば分かるんです。これは新しい資料でありますけれども、よく今、内部留保がたまっていてそれが家計に回らないということが、もう政府も指摘しているような、私たちだけ言うんじゃなくて、政府も指摘しているようなところでありますけれども、今見てもらったように、マクロ的にいっても家計部門から企業部門へ所得が移転されていると、総裁が今言われたとおりですね。通常の利益もそうですけれども、企業部門にたまっているわけですね。
 お手元の資料は、これは、このBEAというのはアメリカの内閣府みたいなところでありますけれども、そこの資料なんですけれども、要するに金融機関以外の企業の手持ち流動性、日本が非常に増えているということであります。つまり、先ほどもちょっとありましたが、企業部門に金余り現象が起きているわけであります。白川さん言われたのは、企業部門の、こういうふうに利子の面で、利息の面で所得が移転されたとしても、企業から家計に回ることによって経済効果が期待されるとおっしゃったんですけれども、白川さんの場合は。そうなっていないというのがこの三枚目の資料でありますし、この間、安倍内閣、安倍首相も認めておられる、内部留保が還元されないと麻生さんもおっしゃっているところなんですよね。
 したがって、そういうふうに考えますと、一般的な経済効果論でこういうことあり得るんだというところから、もうこの政策そのものが金余り現象で、家計の所得を奪って消費を冷え込ませているという側面も見なければ、これだけの積み重ねになってきているわけですから、そういう面でも、それを目指してやっているとは申し上げませんが、結果としてそういうことに日本銀行の量的緩和政策も関わってきているといいますか、後押ししている状況だということの認識は持たれるべきではないかと思いますが、いかがですか。

○参考人(黒田東彦君) 長引くデフレの下で企業部門において手元流動性が増加したということは、委員御指摘のとおりであります。これは、デフレの下では現預金の実質的な価値が高まるわけですので、企業にとっては内部留保を積み上げて現預金として保有することが相対的に有利な投資になるということで、デフレ下では設備投資を行ってリスクを取って新しいビジネスに挑戦するインセンティブが低下したということも、やはり企業部門において手元流動性が積み上がった一つの要因であると考えております。
 この点、二%の物価安定の目標が実現して人々のデフレマインドが払拭されれば、現金や預金を保有することよりも設備投資などへ支出することが相対的に有利になりますし、また昨年、約二十年ぶりにベースアップが実現したと。さらには、今年の賃金改定交渉でも多くの企業で昨年を上回るベースアップを含む賃上げが実現する見通しにあるということで、量的・質的金融緩和の下で企業部門においてもやはり所得から支出へという前向きの動きが進んできているのではないかというふうに考えております。

○大門実紀史君 先ほどもそうですけれども、日銀がやっていることは財政ファイナンスを目指しているわけではありませんと、こんなの当たり前なんですよね。日銀がやっていらっしゃることが別に所得移転を目指したわけでもありませんと、当たり前なんですよね。
 申し上げたのは、結果としてそうなっているじゃないかということについて申し上げておりますので、どうしてそういう肝腎なところでそういう何か変なものを読んで余計な話で終わるのか。もうちょっときちっとした総裁としての、聞かれたことに対してちゃんと答えないといけないと思うんですよね。そういうきちっとした答弁をされることを求めて、質問を終わります。

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