国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2015年5月19日 財政金融委員会

被災者金融支援ぜひ/大門氏「取り組み強化を」

<赤旗記事>

被災者金融支援ぜひ
大門氏「取り組み強化を」

質問する大門みきし議員=19日、参院財金委

 日本共産党の大門みきし議員は19日の参院財政金融委員会で、東日本大震災の被災者に対する金融支援について質問しました。

 個人の債務(ローンなど)整理や中小事業者の債権買い取りなど被災者の金融支援は、政府・金融庁と事業者再生機構などが取り組み、個人・中小事業者の相談・解決がはかられてきました。ガイドラインの見直しなどにより取り組みが一定前進してきた一方で、現状は、事業者再生機構による4月の支援決定件数が6件、債務免除の総額が378億円にとどまるなど活動が停滞しています。

 大門氏は、被災者支援の観点がうすれ通常の債務整理の相談と同じレベルになってしまっていると指摘。「被災者が再スタートできる状況に戻るまで支援する」という原点に返って取り組みを強化するよう求めました。麻生太郎財務相は「復興庁と連携して引き続きしっかり対応していきたい」と答えました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は被災地の金融問題を取り上げさせていただきます。
 東日本大震災から四年以上たちました。先日も宮城県に行ってまいりましたけれども、沿岸部の復興というのはまだまだこれからでございまして、私は、特にこの委員会でも、被災者の金融支援について度々取り上げさせていただいてきております。
 被災者の金融支援というのは大きく分けて二つありまして、個人の方々の債務整理、住宅ローンとかそういう問題と、もう一つは事業者、中小事業者の債務整理あるいは債権の買取りということですけれども、まず一つ目の個人の債務整理ですけど、これは私的整理ガイドラインの問題を何度も取り上げさせていただいて、簡単に言えば債務の一部を弁済して残高を免除するというような仕組みでありますが、あくまで銀行と被災者との民民の話ではありますけれども、こういう被災地復興という中で金融機関もよく配慮して相談に乗るようにというようなガイドラインであるはずだったんですけれども、当初はなかなか進まなくて、そのガイドライン運営委員会が作った物差しは大変厳しいものだということで、現地の、地元の仙台弁護士会等々から抗議声明が出るぐらい、対応を変えてくれというのがあったんですね。この委員会でも取り上げさせていただきました。
 麻生大臣の御指示もあって、ちゃんと調べろと、ちゃんとやれということになって、金融庁が、今日来られておりますけど、西田審議官が、当時は課長さんでしたけれども、被災地に何度も何度も行って、そのガイドラインの在り方も含めて見直しを進めてもらって、それで行って相談解決が増えたわけですね。
 だから、金融庁は頑張っていただいたというのはよく分かっているわけですけれども、ただ、今日の資料をお配りしたように、ちょっと今現在、ぐっと進んだんですけれども、またちょっと停滞しているなというふうに思うんですけれども、今現在のこの私的整理ガイドラインの活用、あるいは個人の被災者の債務整理状況がどうなっているのかということと、金融庁として今後の課題は何なのかと、どういうふうに把握されているのかを教えてもらいたいというふうに思います。

○政府参考人(森信親君) ガイドラインの活用状況についてでございますが、平成二十七年五月十五日時点におきまして、個別相談の受付が五千五百三十九件、債務整理に向け準備中の案件が百三十八件、債務整理が成立した案件が千二百三十三件となっております。先生からいろいろ御指摘もいただきまして、ただいまそのガイドラインの活用状況というのはスムーズにいっているものと思います。
 今後の課題ではございますが、金融庁としましては、これから、防災集団移転事業の進捗など、だんだん復興のフェーズが変わってまいります。そういった中で、新たな二重ローンとかニーズが出てきたときにしっかりと対応しつつ、引き続きガイドラインの活用、促進、普及に取り組んでまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 私も聞き取りをちょっとやったんですけれども、何なのかなと思いますと、何といいますか、もう震災から四年以上たちましたから、金融機関としては、だんだんだんだん平時の考え方、モードに戻っているところがありまして、被災者の方に、まあ通常はそういうことかも分からないんですけれども、払えるだけ払ってもらいましょうというふうなモードに変わってきておりまして、私は当初から申し上げているように、この被災地の復興は再スタートできる状況まで支援する、この立場でやらないと、払えるだけ払ってもらいましょうとなるとこれは平時の話でございまして、それはこの震災の被災者にはちょっと違うんじゃないかと思っておりますけれども、やっぱり今局長おっしゃったように、集団移転とか住宅取得これからということで、まだまだこれからの話なんですね。
 そういう点では、やっぱり原点に戻って、払えるだけ払ってもらいましょうということじゃなくて、この方はどうしたら再スタートできるのかと、どうしたら新たな住宅に住めるのかという点で考えていただきたいなと思うんですね。その点、金融機関に何度も金融庁は頑張って指導をしてもらっているのは分かっておりますけれども、再度この時点で、そういう立場で特に金融機関に対して指導を強めてほしいと思いますけれども、局長から、一言どうですか。

○政府参考人(森信親君) 我々としましても、そのガイドラインの積極的な活用を含め、それから被災者に対する金融面での対策が万全となりますよう、金融機関を指導監督してまいりたいと考えております。

○大門実紀史君 是非よろしくお願いいたします。
 もう一つが、中小事業者の債務整理の方なんですけど、資料の二枚目以降なんですけれども、これは東日本大震災事業者再生支援機構、復興庁の機構であります。
 これも最初は中小企業庁の中に買取り機構というのができて、私は一緒にやっていて大変頑張っていたんですけれども、当初、自民党さんが野党で、その中小企業庁の買取り機構は駄目だ駄目だと、大きいところしか買い取らないと。実はそうじゃなかったんですよね、小さいところも頑張っていたんですけど。
 そういうのがあって、片山さつきさんとかが、どんと思い切って、がばっと買い取れというふうな枠組みとしてこの復興庁の再生支援機構を提案されて、五千億規模の、五千億の政府保証ですから非常に大規模な話で、私たちも、二つ買取り機構があってもいいし、大きくどんとやるということは悪いことではありませんので、与野党みんなで賛成してできたんですが。
 ところが、この事業者再生支援機構というのは、鳴り物入りでできたにもかかわらず、一向に買取りが進まないという状況がありまして、なぜかといいますと、これも現場で相談に乗るこの機構の専門家もあるいは対応する金融機関も、やはり平時のモードを抜け切らないといいますか、経済合理性みたいなことばかり言って、通常の債務整理と変わらないような対応に基本的になってきたもので買取りが進まないという状況があって、当時、復興担当大臣が平野さんだったんですけれども、私も何度も質問でやっていたので、平野さんからお電話いただいて、どうしたら進むのかというようなことで知恵を貸してくれというようなこともありまして、今、証券監視委員会事務局長の大森さんがちょうど担当だったんですよね、大森さんがうちの部屋に来られて議論したりいろいろやって、平野当時の大臣の御指示もあって、ちょっと柔軟に、買取りの専門的な話は抜きますけれど、簡単に言えば柔軟な買取り基準にしてということになって、ぐっと一気に買取りがまた進んだんですよね。
 ところが、この数字を見ると、ぐっと進んだ後、またやっぱり頭打ちになっていると。これは何なのかなんですけれど、数字からいってもそうですね、支援決定は、相談が五千件ぐらいあったけど、結局、支援決定が五百八十五件ですか。買取り対象元本が九百六億、債務免除がたった三百七十八億。五千億の政府保証を用意したんですよね。五千億がどうかというのはありますよ、しかし、あるけれども、ちょっと少な過ぎるんじゃないかと思うんですよね。
 なぜこの水準にとどまっているのか、復興庁、今日は西田さん、金融庁なんですけど、復興庁も兼ねておられるということで来ていただきましたが、西田審議官、どういうふうに捉えておられますか。

○政府参考人(西田直樹君) お答えいたします。
 先生御案内のとおり、今、支援決定が五百八十五件ということでございます。政府保証枠に比べて、例えば債権の買取り額が九百六億円ということで少ないということでございますが、少し御説明させていただきますと、この支援決定先のうち、例えば借入金十億円未満の中規模とか小規模事業者が五百五十六件ということで、全体の九五%を占めているということもあって、業務開始当初の想定に比べて比較的規模の小さい事業者が多かったんだと思います。
 ただ、先生お話がありましたように、被災された事業者の中には、震災から四年余りが経過する中で、例えば財務状況が厳しさを増している事業者でありますとか、あるいは震災前からの取引先との取引関係や販路というものが細くなったり失われたりされた事業者もおられるものと考えております。
 したがって、機構におきましては、やはり法で定められている事業の再生を図ろうとする被災事業者の再生を支援すると、こういった役割を積極的に発揮して、債権買取りあるいは債務免除などの金融支援でありますとか、さらには販路開拓等の本業支援を行うことによって、より踏み込んだ対応を行って、できる限り多くの被災事業者の再生支援に努めていくということが必要だろうと考えておりますし、復興庁としてもそうした機構の取組を支援していきたいと考えているところでございます。

○大門実紀史君 そうですね、もう最初から、いわゆる当事者、担当者とか金融機関がよく言うのは経済合理性ということを絶えず言うわけですね。この復興に関して言えば、私は復興合理性、復興していくことに理があるんだということで、平時の考え方をちょっと横に置いておいて、全部捨てるわけにはいきませんけれども、置いておいて考えないと支援事業にならない、特に金融なんかは難しいですよということを申し上げてきて、それで、やっぱりそれが絶えず出てきて、また、金融庁が頑張って、復興庁の担当の方が頑張ってお尻をたたけばちょっと進むんですけれども、また経済合理性みたいなところで止まってしまうという状況が続いているような気がいたしますので、この問題もやっぱり、できるだけ債権放棄しない、できるだけ自分で、自力でやってもらうと、その考え方は大事な部分もあるんですけれども、やっぱり再スタートできるところまで支援するというのが基本にしてもらいたいというふうに思います。
 今、沿岸部を見ていますと、防潮堤ができつつある、道路もできつつある。しかし、そこに人が本当に戻って住むのかと、そこで事業所が本当に開かれるのかということになっておりまして、四年もたっているだけに、そこに本当に戻ってやろうとする人もだんだん少なくなっているわけでありますので、これから本当にそこで仕事をやろうという人たちは大変貴重な存在なんですよね。全面的に支援をするということで頑張っていただきたいと思いますし、西田さんはさっき言った私的整理では本当に現地に乗り込んで状況を変えた方でありますので、いい方が担当になっていると思いますので、この機会にこの支援機構もぐっと前に進めるように頑張っていただきたいというふうに思います。
 最後に、麻生大臣、この被災地の金融支援について一言いただければというふうに思います。

○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃるとおり、今復旧から復興の段階に掛かりつつある、四年近くたちますのでそういったことになりつつあるんだとは思っておりますけれども、いわゆる平時であれば当たり前の話で、回収の当てのないものなんかに貸すなんというのはこれは法律的にもおかしなことになりますので、そういった状況ではない。
 しかし、今は非常事態だからということで、あの当時も随分、意識を変えるように、少なくとも金融処分庁と言われていた金融庁を金融育成庁というイメージに変わるぐらいのものに変えなければ何の意味があるんだという話をして、最初からかれこれそれで三年たちますので随分変わってきたとは思いますけれども、それはやっぱり長いこと、二〇〇八年のリーマン・ショック、その前の九七年の金融危機、その前の銀行等々の、まあデフレへ陥りまして、株価が急激に下がったのは一九九〇年から、土地が下がったのは九二年から、それでずっと下がって、金融危機が九七年。あの頃までもう間違いなく金融に限らず銀行は成り立たない形になるほどで、結果として都市銀行も潰れ、今、昔の名前で出ています銀行なんというのはほとんどなくなって、りそなだかパソナだか分からぬようなものに全部なったわけですよ、現実問題として。昔の名前、興銀って今何と言うんです、東海銀行は何と言うんですって、言える人の方が少ないというぐらいになりましたから。
 そういったもので、やっぱりそれから変えるのにはそれはかなり皆努力をされて、今日やっと銀行は税金を納めていただけると、あと何行か残っておりますが、そこまで復興してきたとは思いますので、やっぱり今言われたように、きちんとする部分と非常事態用のやつとちょっと発想を変えないかぬ、特にあの地域においてはというところの指導が最も難しかったので苦労したところなんですけれども、復興庁と金融庁とこれは結構現場で連携をしていろいろやらせていただきましたけれども、引き続ききちんと対応していくように努力をさせていきたいと思っております。

○大門実紀史君 終わります。

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