国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2015年5月12日 財政金融委員会

政投銀が一体どこに向かっているのか」

≪議事録≫
○大門実紀史君 自分の前に質問した方のことをコメントされるというのは嫌な部分はあると思うんですよね。気を付けないと、褒めるときはいいですけれどもね。しかし、あえて言わせてもらいますと、社会主義という言葉をちょっとよく勉強してから使っていただきたいなと。軽々しく、だからソ連の何か、あんなものが社会主義だったら、私、共産党におりませんので、もうちょっと、国会ですからよく勉強してから言葉を使ってもらいたいと申し上げた上で。
 政投銀ですけれども、今日の議論を聞いて、また、この十年近く見ていますと、私思うんですけれど、ちょっと審議官に聞きたいんですけれども、結局、財務省当局は政投銀を完全民営化なんかしたくないんじゃないんですか。だから、したくないならしたくないとはっきり言って、しない方向で打ち出すとか、もう何かそういうことをきちっと、これ十年ぐらい見ていると、どうもそう思うんですけれど、審議官、いかがですか。

○政府参考人(迫田英典君) 御提出いたしております法案は、完全民営化の途上にある政投銀という位置付けで出しておるわけでございまして、完全民営化を目指すということについては今までと変わっておらないというわけでございます。要は、民間にできることはできるだけ民間にやってもらったらいいという大きな考え方というのは極めて妥当するものだと思っておりますので、間違っても、公的な部分が過剰にはみ出すというふうなことは慎まなくてはならないということだろうと思いますが。
 一方で、この七、八年、十年ぐらいの流れの中で我々は非常に大きな経験をしたわけでございまして、一つはリーマン・ショック、あるいは東日本大震災というふうなことがあったわけです。いずれも性格は異なりますけれども、その広さ、深さにおいて、私どもの経済社会にとっては大変大きな影響を与えたわけでございますけれども、そういった危機に対しての対応というものをあらかじめ備えなくていいのかというのが一つのポイントと。それからもう一つは、今、日本経済が置かれている状況の中で、金融緩和という中で、一方で資本性の資金というものの供給が足りないんではないかと。
 そういうふうな二点を主な政策課題として法案に盛り込んで御提出しているわけでございまして、考え方ということでいいますと、冒頭申し上げたとおりでございます。

○大門実紀史君 そもそも、もう細かい話よりも、政投銀が一体どこに向かっているのかということなんですけれども、大塚耕平さんからもありましたけれども、始まりは二〇〇五年の十二月ですか、例の行革の重要方針という閣議決定が出て、その中で政策投資銀行についてもかなりちょっとシビアな書き方してあるんですよね。簡単に言いますと、大企業、中堅企業はもはや資金不足ではなくて、市場からの資金調達は可能だ、政投銀は政策金融として必要はないために撤退すると、こうはっきりと閣議決定は書いたわけであります。この閣議決定について私はいいと思っておりませんけれども、これが基にいろいろと進んできたと思うんですけれども。
 今はもうあれですか、この二〇〇五年の、もちろんあの小泉・竹中路線ではありましたけれども、いいとは思ってはおりませんけれども、ただ、この閣議決定というのは、麻生大臣、これはもうないんですか。この閣議決定というのは生きていないんでしょうか、今。

○国務大臣(麻生太郎君) 今回の見直しにつきましては、二〇〇五年の政策金融改革におけます民間の自発的な活動を最大限に引き出すとの理念というものは、これはそのまま維持させていただきつつ、今、度々出ますが、リーマン・ショックとか東日本大震災等々が発生した後の現時点におきましては、これは民間の金融機関において思い切ってリスクを取る経営判断が極めて難しくなってきているんだと思うんです。
 金融機関ももちろんのことですけれども、企業もこれだけ巨大な内部留保を抱えて、それを、金を回さない。何に回さないかといえば、賃金に回さない、いわゆる配当に回さない、設備投資に回さないで、ただただ内部留保をずっと抱え込んでいるという状況が続いているという状況ということになっておりますので、私どもとしては、これは経営上、判断としては、やっぱり長い間デフレーションが続いた結果もあって、企業家のマインドが萎縮しちゃっているという点も多々あるんだとは思いますけれども、我々としては、今回の改正案において、少なくとも完全に民営化というのが私も正しいんだと思いますけれども、移行期間中との政投銀の位置付けというものをやっぱりこれは考えなきゃいかぬと。
 また、危機対応というものも考えないといけませんので、いわゆる民間の参加がなかったというこれまでの経験を踏まえて、政投銀に当分の間義務付けるということにしておりまして、成長資金の供給につきましても、民間の資金の呼び水となるのであれば、民間の供給主体の育成ができるようになればよろしいのであって、民間の自発的な活動を最大限に引き出すという理念はそのまま確保したままで進めるべきものだと、私どもは基本的にそう思っております。

○大門実紀史君 今、麻生大臣が言われたのは、私はそのとおりの部分がたくさんあると思いまして、その点でいきますと、二〇〇五年のこの閣議決定はもはや実質的には生きていないといいますか、これもうすっぱり言っていますから、ここはね。大企業と中堅は自分で調達できるんだ、すべきなんだ、だからもう政投銀は要らないんだということですけれども、今おっしゃったことでいえば、まだ役割があるということだというふうに思うんですよね。
 ただし、私はこの閣議決定全部が間違っていたわけではなくて、大企業とかは特にこの頃からもう内部留保はかなりたまっておりましたから、自分で資金調達するのはもうそれほど難しくない状況にもなってきておりましたので、ある意味では、ある分野についてはもう政投銀が支援する必要はなくなってきているのではないかという意味では、この閣議決定の一定部分は同じ考えでございますけれども、しかし、中小企業とか新分野とか、そういう部分は引き続き政策金融の役割を果たすべきだということで、民営化は反対だというふうに思っていたわけでございます。
 ところが、とにかくこの閣議決定の後、そうはいっても巻き返し的にいろんな動きがあって、二〇〇八年の六月にはもう産業投資について三つの分野でやっていくということとか、民主党政権でもパッケージ型のインフラ海外展開ありましたし、天然ガスがありましたし、安倍内閣でいわゆるこのデフレ脱却に向けた民間投資の活性化ということで、もう何でもやれるようになってきているわけでありまして、これはこれでいかがなものかと思うところはあるわけです。
 しかも、この資料の一枚目に、先ほども質問ございましたけれども、前からありました競争力強化ファンドが今度は特定投資業務になると。これは約五千億の規模でと言われておりますので、かなり大きな規模でやられていくとなりますと、もう既に二〇〇五年のこの閣議決定ははるかに超えたところに来ているというふうに思うわけです。
 それで、その上で、この二枚目の資料なんですけれども、先ほど審議官が、民間だけでは十分に資金が供給されない分野ということを繰り返しおっしゃっていますけれども、これが競争力強化ファンドの実績なんですけれども、見れば分かるとおり、かなり大きな大企業、内部留保をため込んでいるような大企業の共同プロジェクト、共同ファンドで、そこに政投銀が参加しているという形でありますけれども、かなりもう内部留保、麻生大臣も指摘されているように、持っているところでありますが、こういうところはあれですか、民間だけでは資金が供給されない分野、ファンドと言えるんですか、これ。審議官、いかがですか。

○政府参考人(迫田英典君) 大門委員の御提出の資料の幾つかについてのお尋ねだと思いますけれども、競争力強化ファンドの一つの考え方ということで、まさに御提出いただいている資料で恐縮ですけど、一ページ目の上から二行目にあるわけですが、企業間連携という切り口があるわけでございます。つまり、企業同士が連携をして新規事業を開拓をしていくという、そういうところにどういうふうなお金をつぎ込んでいくかという、そこの、何というんでしょうか、お金の出し方のみならず、知的貢献といいましょうか、ソフト的な貢献という部分が、実は政投銀には中立的な存在である、つまり民間のような系列関係といったようなものから無縁であるといったようなことから期待をされているという部分があるわけでございまして、まさに競争力強化ファンドというのはその辺にも着目をして政策的な目的を持つと、そういうふうなものでございまして、御指摘にある二ページ目の資料の幾つかにつきましては、いろんな企業が関係しておりますけれども、単にお金を出すというふうな部分以外の中立的な立場を生かした調整、事業計画の策定支援といったようなもの、そういうふうな部分についての政投銀の機能というものもあるということも御理解をいただきたいと思います。

○大門実紀史君 いや、そうですかね。これ見れば、例えば第六号案件ですか、自動車メーカー四社でしょう、こんなの自分でやりますよ。なぜこれが自分たちだけで資金が供給されないのか、どう考えても分かりません。
 このファンドの図に、先ほどまた呼び水、呼び水と言われていますけれど、私、違うんじゃないかと思うんですよね。これ反対じゃないかと思うんですよね。民間は民間で自分でできるんだけれども、むしろ政投銀が仲間に入れてもらっている、政投銀が呼んでもらっている。昔は違ったと思いますよ。昔はまだ高度成長で、日本にも資金力がないときは政投銀、政策融資のこういう時代があったと思うんですけれど、今や逆で、別に政投銀が出資して呼び水でほかが出資する、そんなことはないですよ。だって、いろんなことを独自でやっていますもの、みんな。やっていますよ、昔と違って。だから、わざわざこうやって、こういうファンドに仲間に入れてもらって、で、政投銀としての存在、案件をつくって、それで何か、さっき言ったようにずっとこの組織を維持していこうとされているのではないかとしか、長い目で見るとね、ずっと何度もこの質問をしていますけれど、ちょっとそういうふうに思ってしまいます。
 申し上げたいことは、後の反対討論でも申し上げますけれど、もうちょっと、冒頭申し上げたように、こういう何かに頼ってじゃなくて、独自で政策金融としてやるべきものをしっかりと時代を見据えて考えていかれるべきではないのかと。何かこう乗っかって乗っかって、取りあえず十年と。しかし、私、十年後、この特定投資業務が終わっても、恐らく政投銀はなくならないと思うんですよね。二十年後もあるんじゃないかと思うんですよね。
 いい意味での政策金融は私はあるべきだと思っているんですけれども、そういう点ではもう少し中身を、こういうものを持ってきて、何か理由を付けてやるんじゃなくて、本来あるべき姿を考えられるべきではないかなと。もうこれは答弁求めませんけれど、そういう御意見を申し上げて、質問を終わります。

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