国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2015年3月31日 財政金融委員会

富裕層の優遇策批判/大門議員「将来不安軽減こそ」

<赤旗記事>

富裕層の優遇策批判
大門氏「将来不安軽減こそ」

質問する大門みきし議員=31日、参院財金委

 日本共産党の大門みきし議員は3月31日の参院財政金融委員会で、政府が進める少額投資非課税制度(NISA)の拡充について「富裕層を対象にした投資家優遇策になっている」と批判しました。

 NISAは、投資による売買益や配当益などを非課税にする制度。政府は、口座限度額を現行の年100万円から同120万円に引き上げ、親や祖父母が子や孫の名義で運用する「ジュニアNISA」(限度額年80万円)を新設します。

 大門氏は「未成年者に税制優遇までして投資を進める必要はない」と指摘。「結局、証券業界の要求に沿って、『ジュニアNISA』80万円と親子セットで(口座限度額を)200万円に拡充しただけだ」と批判しました。

 金融庁の三井秀範総括審議官は「長期投資に資する制度設計にした」などと弁明。大門氏は、日銀調査でも、金融資産の保有目的は「病気や不時の災害時の備え」が67・8%、金融資産を選択する際にもっとも重視するのは「安全性」が45・7%に達しているとして、「将来不安を抱えているからリスクをとる余裕がない。本当に『貯蓄から投資へ』というなら、将来不安を軽減することこそ先決だ」と指摘しました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 今日は、今度の税制改正で入っております資料をお配りしておりますけれども、子供NISA、ジュニアNISAが創設されるということで、これについて質問したいと思いますけれども、何かこれは本当に変な制度なんですよね。金融庁の説明資料で、何でこんなものを創設するのかという、一番に書いてあるのが、「若年層への投資のすそ野拡大」ということが書かれております。
 この委員会でもいろんな議論がありますけれども、今や投資というのは投機と紙一重のところがありまして、かなりのリスクも伴うわけですけれども、こういう世界に軽々に政府が若年層を引き込むといいますか、呼び込むといいますか、大体そんなこと言っていいんでしょうか。
○政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。
 ジュニアNISAについての御質問でございますが、これは、広く国民に投資への関心を持っていただきまして長期的な視点からの資産形成を支援するということを趣旨としてございまして、諸外国に比べましても預貯金にかなり偏在しているという日本の家計金融資産の資金の流れをリスク性資産も含めた形で適切な、あるいは分散投資ということになっていくことによりまして、結果的には成長資金の供給の拡大やあるいは日本の経済成長にもつながっていくということを期待されているものでございます。
 二十六年度末のこのNISAの利用状況を見ますと、口座開設でいいますと八百二十四万口座でございます。その内訳を見ますと、二十六年六月末の、ちょっと古い時点になりますけれども、三十歳以下の若年層による利用というのはこの口座開設者の約一割でございます。そういう意味では、この制度、創設されてから一年たちますけれども、若年層の、あるいは新しい投資者という裾野の拡大について課題があろうかと思います。
 若年層は、もちろん御指摘のとおり、高齢者に比べて投資への関心が従来低かったものというふうに私どもも承知してございます。ただ他方で、将来的には結婚、子育て、教育、そして住宅、そして老後への蓄えということで、将来長い期間にわたって様々な資金ニーズに向けて資産形成を行ってこの支出に備えていくという必要があろうかと思います。また、長期的な視点で資産形成をするということに合理性があるライフサイクルのステージにあるのではないかと思いまして、こうした観点から、こういった取組を当然のことながら十分な投資リテラシー、金融についての知識なり理解をしていただくことを前提としておりまして、そういった取組をされるという方には支援をするという趣旨でございます。
○大門実紀史君 人の貯蓄が、貯蓄に偏在しているとか何に使わないとか、大きなお世話なんですよ。金融庁がどこかに誘導しようということは大きなお世話でありまして、何を偉そうに言っているのかと。
 大体、今おっしゃったように、若い人が、年代別の口座開設比率ですか、私の三枚目の資料をおっしゃってくれたと思うんですけど、一割しかこういう口座、開設していないと。いいじゃないですか、別に。なぜそれが悪いの。大体、若い人はこんな投資に回すお金ないんですよ。だから、少ないのは当たり前なんでね、それを何、勝手にこんなの使って広げるんだと言っているのか、よく分からないんですね。
 私、そもそもそんなのは本当の理由じゃないと思うんですよ。この一枚目の表の右側、これ要するに変なんですよ、これ。今百万でしょう。今度子供が八十万で、本人百二十万にして、合計で二百万にするわけですよね。この二百万という数字は元々この証券業界が二百万にしてくれと言ったんですよ、本人のところを。これを百万から二百万にそこのところを一遍にやるといかにも少額投資とかいったのが批判を受けるから、子供をだしに使って、子供の枠を乗っけて世帯で二百万にしてあげたと、そんなこそくな提案をしているんだと思うんですよ。だから、そんなのだったら最初から堂々と百万じゃなくて二百万と提案をすればいいじゃないかと思うんですよね。何で子供をだしに使ってこんな提案にしたんですか。
○政府参考人(三井秀範君) 二百万にそもそもすべきでなかったかというその点と、なぜジュニアNISAを組み合わせたのかという御質問であろうかと思います。
 まず、成人の部分につきましては、今百万円のところを百二十万円にさせていただいております。これは、この百万円というのでございますけれども、短期的にその株式を言わば投機的に売買してリターンが、収益が上がると、こういうものに対して、かつては軽減税率という形で二〇%が一〇%にするという優遇税制がございました。これは株式市場活性化策の一部分も占めていたかと思います。
 これに対しまして、むしろ裾野の広い国民各層の資産形成の手段になるということを支援しようということと、もう一つは、長期的かつ長い目で見た投資を支援すると、こういう観点からは売買のたびごとに課税される所得課税の軽減よりは、そういう長期投資に資する形での制度設計をしようということでこのNISA制度の導入があったというふうに記憶してございます。
 その観点からしますと、百万円という上限ですと、十二で割りますと八万六千六百六十六円ということで、月々、時的分散というふうに言われているそうでございますが、こつこつと投資をしていくと、こういうものにつきまして、分かりにくいという御批判がございました。そういうことで、切りのいい十万円掛ける十二ということで百二十万円とさせていただいております。
 それから、ジュニアNISAにつきましては、子供、未成年者が対象になるということでございますが、その前提としまして、今のNISAにつきましては子供が対象になっていない、適用外になっておったわけでございます。こうした方々につきましても、例えば高齢者の方々に金融資産、過半の金融資産が偏在、集中しているわけでございますが、この方々のアンケートなどを見ますと、自分の老後の資金に使いたいというものに次ぎまして、子供や孫のために資する使い方をしたいというふうな回答結果などがございます。
 こうしたことを踏まえながら、未成年、今は非課税対象として使えないというものを適切な形で使えるように未成年の方も対象に取り込んでいくということを考えまして、また、イギリスにはジュニアISAという制度があります。こういったものも参考にしながら、投資の裾野を広げるということからジュニアNISAも入れると。そしてそれは、子供の場合は月々ということではなくて、何らかの機会につき、年に一回とか三回とか適宜なタイミングで、例えばおじい様、おばあ様が子供や孫に資産を贈与すると、これは既存の贈与税の課税の枠の中ででございますけれども、そういった資金もこういった投資資金に回っていくということが期待されるということで、それを支援するということで、これを併せて措置することによってリスクマネーの供給にもつながっていくと、こういうことを企図したわけでございます。
○大門実紀史君 三井さん、そんなに真面目に答えるような話じゃないですよ。大した話じゃないじゃない、これ。要するに、百二十万と八十万で二百万って分かりやす過ぎますよ。元々証券業界の要望に何か工夫してくっつけてあげただけの話じゃないですか。
 それで、これ、ただ二百万といいますけれども、これはもう正直にこの資料にされておりますけれども、世帯でいえば累積二千万まであれなんですよね、二千万までの投資利益が非課税なんですよね。二千万投資できる家計といいますと、そんなに簡単にはできないですよね。
 したがって、これ元々は少額投資を増やしてもらおうという話だったのが、こうなってくると、そうじゃなくて、従来からやっていらっしゃるような一定の資産のある投資家優遇措置にほかならなくなると、ここまでくると。だから、少額投資とかいろんな、子供とかいろんなことをくっつけますけれども、結局そんな余裕のある人いませんから、余裕のある人に対する優遇措置ということが結果的には、そういうことに今回したんじゃないかと思うんですよね。
 そういうこそくなことをやらないで堂々と、反対されようが何しようが、堂々と正面から提案するならまだいいですけれども、何だこれはと、こういうこそくな提案はおやめになるべきだと申し上げておきたいと思います。
 最後に、麻生大臣に伺いますけれども、これも貯蓄から投資へというようなことを言っていますけれども、この前、去年の末、日銀が世論調査、家計の金融行動に関する世論調査やっていますけれども、これによりますと、金融資産の保有目的というのは、病気や不時の災害時に備えてが約七割近いんですよね、老後の生活資金が、これダブって回答できますから、六四%なんですよね、この辺が一番高くて、金融資産を選択する際に最も重視するのは安全性と。
 つまり、何が今起きているかというと、貯蓄から投資へなんて簡単に言いますけれども、みんなやっぱり将来不安を抱えているということなんですよね。将来不安社会だから、幾ら投資と言われてもそれだけリスク取るだけの余裕もないし、将来も不安だし、ためておかなきゃと、こうなっているわけでありまして、貯蓄から投資へという、健全な意味で本当に促したければ、将来不安をなくす、将来不安を軽減する、そういう世の中にしなければいけないのに、こういう小手先で、しかも子供まで使って、何かこんなこそくなことを提案していいのかと思うんですけれども、もっと大きなことを政府は考えるべきではないかと思いますが、麻生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、日本の場合は個人金融資産が一千六百九十兆円と、世界で二番目にでかい個人金融資産を持っておりますが、そのうちの現預金が八百九十兆という形になっておるというのは、これはもう世界中の中で極端に現預金に偏っていると。余計なお世話、間違いなく余計なお世話かもしらぬ。それは、私、分からなくもないですよ。現預金しか信用できないという人は世の中にいっぱいいらっしゃいますから、それは、欲をかかなきゃこのままでいいじゃないかとずっと持っておられる方、それは私それはそれなりの考え方だと思いますので問題はないと思うんですが。
 何となく、日本が豊かになってくると、物をフローで考えるんじゃなくてストックで物を考えるようになってくる世代が少しずつ少しずつ増え始めているんだと思います、間違いなく。ストックで物を見るということになりますから、日本にというのでも、いろいろなことを考えて海外に引っ越していくというのは結構おられるようですけれども、そういった家計の資産形成というのを支援するということから、私どもは、このじいっとしている、ただただ、という金が投資に回ったりいろんな形でということを私ども考えさせていただいたわけで。
 子供のときから、今、そうですね、子供の投資というようなことに関して、大門さん読まないだろうけど、週刊誌で「モーニング」なんて漫画雑誌がありますけれども、これに「インベスター」という漫画が出ていますよ。投資の漫画ですよね。この投資の漫画、読んでない、前川さんは。読んでおいた方がいいよ、あれ。あなたみたいなのには向いていますよ、あれは。すごい今売れている漫画ですよ。こういったような漫画が出てきたと。こんなもの十年前じゃ考えられませんよ、間違いなく。そういったようなものがやたら売れているという事態というのは、やっぱりいろんな意味で時代の要求というのはそういったものが出てきているんだと思っていますので、私どもは富裕層というのに対して無制限にこれを優遇するというつもりもありませんで、投資上限額というのも決めさせていただいておるんですけれども。
 いずれにいたしましても、平成二十五年度の総務省の家計調査によって見ますと、二人以上世帯の平均値で見て、世帯当たりの貯蓄総額一千七百三十九万円と。一人当たり五百六十六万円となっているということなども踏まえた上で、政策上の必要性からこういったものがと思って考えたところなんですけれども、いずれにしろ、現在の最大の課題はデフレ不況からの脱却、これはもうはっきりしておりますので、これを金融面からいわゆる後押ししていく等々のことを考えると、家計の金融資産が過度に現預金、預貯金に偏っているという現状を踏まえれば、いろんな形で、NISAの拡充とかそういったものが日本の経済の成長というものを通じて幅広く世の中というものに関して恩恵をもたらし得る可能性、有効性があるんだと、私どもはそう思って今やらせていただいておりますが。
 なかなか意識としてそういったようなものが、前にちょっと中西さんに怒られたけれども、ちょっと株屋といったら怪しげなやつだなという意識というのはあるんですよ、田舎へ行ったら。都会は、おたく京都だし、神戸だし、あれだけれども、私のところの田舎では株屋といったらほとんど、まずちょっと気を付けて帰れというような感じな時代というのはありましたから、間違いなく。
 だから、そういった時代が少しずつ変わってきてはいるんだと思いますけれども、是非そういった意味で、こういったものは金が金を生むという時代に今なっていますから、現実問題として、そういった意味では、我々としてはきちんとそういった、日本が金融大国に偏り過ぎるということは避けねばならぬと思っておりますけれども、是非、流れとしてそういったものも一つ考えておかないかぬ、訓練を、若いうちから慣れておくというのは大事なことじゃないかなという感じは私の率直な実感です。
○大門実紀史君 終わります。

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