国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2015年3月31日 参議院本会議

「貧困と格差を拡大」/所得税法等一部改正案の反対討論

<赤旗記事>

税制改定案が成立
貧困と格差を拡大
参院本会議 共産党は反対

 2015年度予算関連の所得税法と地方税法・地方交付税法改定案などが31日の参院本会議で、自民、公明などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党は反対しました。

 予算関連の税制改定案は、消費税10%増税を2017年4月に完全実施する一方で、法人税実効税率引き下げ、研究開発減税で大企業優遇などを行うものです。貧困と格差を拡大し、景気回復や財政再建にも逆行する中身となっています。

≪議事録≫
 日本共産党の大門実紀史です。
 所得税法等の一部改正案に反対の討論を行います。
 反対する最大の理由は、税制改正の前提となる安倍内閣の経済認識が間違っているからです。
 先日の本会議質問でも指摘したように、大企業と中小企業の格差、富裕層と庶民の格差が拡大しているのに、ここに目をつむって的確な政策が打ち出せるわけがありません。とりわけ貧困の拡大を放置して景気の回復などあり得ません。
 事実、アベノミクスによる円安、物価高と逆進性のある消費税の八%への増税は庶民の暮らしを直撃し、特に所得の低い層の消費を落ち込ませ、このことが消費全体を押し下げています。内需を回復させる、経済を底上げするというのなら、低所得者層の負担軽減、所得向上策こそ早急に取るべき政策です。
 我が党は何度も、消費税増税の中止を求め、社会保障の改悪もやめて、最低賃金を大幅に引き上げるように求めてきました。しかし、安倍内閣は、社会保障の改悪と消費税増税、さらには非正規雇用を固定化、長期化させるような労働者派遣法の改悪まで行おうとしています。今回の税制改正を含め、なすべき政策の方向が全く逆さまなのです。
 以下、法案に即して反対理由を述べます。
 反対する第一の理由は、消費税一〇%への増税を延期した上で、財政再建の姿勢を示すためとして、二〇一七年四月には完全実施すると決めたことです。そんなことをすれば、またまた消費は落ち込み、景気全体が低迷するだけで、財政再建の道も遠のいてしまいます。
 反対する第二の理由は、必要もないのに、財界の要求に基づき、法人税の実効税率を引き下げるからです。
 現在の日本の法人税の大企業の実質負担率は十数%台に下がっており、GDP比で見れば、アジア各国より低くなっています。これ以上法人税を下げる客観的理由や政策的意義はどこにもありません。
 消費税増税と法人税減税の関係について一言触れます。
 先ほどの財政金融委員会でも指摘しましたが、この二十数年を振り返ると、一貫して国の歳出が伸び続ける一方、税収は落ち込み続けてきました。グラフにすると、ワニの口が開くように、歳出と税収の差が開いてきたのであります。
 今まで、このワニの口現象を捉え、一部の政府系学者たちがおかしな理屈を展開してきました。すなわち、歳出の伸びは社会保障費の増大が原因だ、税収の落ち込みは不況が原因、しかし、消費税が安定収入として税収を支えてきてくれた、だから、これからは社会保障の安定化のために消費税の増税が必要だという論法です。本当でしょうか。
 歳出の伸びは、社会保障費の伸びだけが原因ではありません。九〇年代の公共事業費の増加、そして借金の増大に伴う利払いの増加も含めた複合的要因です。
 税収が落ち込んできたのも、単に不況だけが原因ではありません。結論から言えば、税収構造が法人税、所得税中心から消費税へと変化してきたからであります。
 実際、ワニの口が拡大し始めたのは、一九八九年、消費税が導入されてからでした。つまり、消費税の増税と引換えに、法人税減税、富裕層への所得税減税を進めてきたから税収は増えなかった。法人税、所得税から消費税へという税収構造の変化が税収を減らしてきた大きな要因でもあるのです。
 私のこの指摘に対して、先ほどの委員会で、麻生大臣は、そのとおりと明快な答弁をされました。にもかかわらず、政府は、また消費税の増税と法人税減税をセットで進めようとしています。まさに支離滅裂であります。こんなことを続けたら、いつまでたっても歳出と税収の開きは縮小いたしません。貧富の格差の拡大を是正するため所得再分配を強化しようというのは、アメリカを含め、今や世界の流れです。
 現在の税収構造を改め、応能負担を原則とした税制に抜本的に改革することを強く求めて、反対討論を終わります。(拍手)

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