国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2014年11月5日 消費者問題に関する特別委員会 公益通報 告発者保護はかれ
<赤旗記事>

公益通報告発者保護はかれ
参院特委 大門氏「実態調査を」

質問する大門実紀史議員=5日、参院消費者特

 日本共産党の大門実紀史議員は5日の参院消費者問題特別委員会で、公益通報者保護制度を取り上げ、内部告発した労働者を保護するための実効性のある制度改正を求めました。

 大門氏は、自身が通常国会の質問で取り上げた日立製作所と日立コンサルティング、三菱東京UFJ銀行の偽装請負を告発した労働者の解雇問題について、厚生労働省がその後、何も調査していない問題を指摘。「企業が内部告発したことを理由として労働者を解雇しないのは制度上当然のことで、告発労働者を時間をかけ精神的に追い詰め、勤務態度等の問題を理由につけて解雇しているのが実態だ」と迫りました。

 大門氏はまた、「現行の公益通報者保護制度は通報者を守れていない。企業による告発労働者つぶしなどの実態を消費者庁として把握しているのか」と質問しました。川口康裕消費者庁次長は「大門議員がとりあげた事例もふくめて、実態を調査していきたい」と答えました。

 さらに大門氏は「公益通報者保護制度は法施行後5年で制度改正をするとしていながら8年間も制度改正が放置されている」と指摘。労働者解雇など不当行為を行った企業に対して一定の不利益を課すなど、「実効性を高める制度改正が必要だ」と求めました。有村治子消費者問題担当大臣は「制度の実効性を高めることは社会全体の利益になると認識している。法改正をふくめ検討する」と答弁しました。

≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 有村さん、いろいろ大変でしょうけど、頑張ってくださいね。
 今日は、公益通報者保護制度について質問をいたしますけれども、この整備は、食品偽装を告発するだけではなくて、食品偽装告発の関連でよく議論されておりますけれど、実はこの公益通報で一番告発が多いのは労働事案でございます。法律ごとに公益通報の件数をまとめたものがありますけれど、例えば、労働関係の法律に関するものが四千百十九件もあります。この消費者庁所管でいえば、景品表示法は僅か三件、特商法は僅か八件でございますので、実はこの公益通報制度をきちっと整備しなきゃいけない、一番どこに関わるかというと、労働事案でございます。
 厚生労働省来ていただきましたけれども、厚生労働省として、もちろんほとんど労働事案だというのは御存じだと思いますけれど、したがって、通報した労働者の保護に特段の努力を厚労省はすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。
 厚生労働省といたしましても、今委員から御指摘ございましたとおり、法律に基づきまして、公益通報した公益通報者の保護については、御指摘のとおり、様々な形でその保護を努めてまいりたいというふうに考えております。
○大門実紀史君 三月の二十六日のこの委員会で指摘した、三菱東京UFJ銀行に日立製作所と日立コンサルから人を送り込んで、結果的には偽装請負ということで東京労働局から指導を受けた例なんですが、この事案を告発された女性労働者が結局、その東京三菱、日立の処分そのものは指導で終わって、軽い処分で終わったんですけれども、告発した女性の方はあれこれ理由を付けて解雇されたということがあったわけですね。
 この三月、この委員会で当時の職安局の宮川部長さんに女性が解雇されたことを知っているかというふうに聞いたら、把握していないということでしたので、解雇された件について調べるべきだということを申し上げて、労働者からの申告があれば対処するというふうに言われました。既に申告、訴えをされておりますので、よく調べてもらいたいと私申し上げたんですけれども、その後調べられたかどうか、お答えいただけますか。
○政府参考人(勝田智明君) 個別の案件については、お答えは、済みません、基本的には差し控えさせていただきたいと思います。
 一般論で申し上げれば、労働者派遣法に基づきます申告があれば、それに基づきまして、調査の上、対処するということにしております。
○大門実紀史君 個別の案件と言われますけれど、こちらはもうその労働者から相談を受けておりまして、調べておられません、本人にはその後何の連絡もされておりません。
 本来、厚生労働省が摘発すべきことを現場の労働者が勇気を持って、首になることを覚悟で、こんな不正許していいのかという正義感で告発された、その労働者に対して、職場で嫌がらせをした上に解雇したのに、当の厚生労働省が、労働局が何の手も差し伸べないと、こんなことがあっていいのかというふうに思うんですよね。
 ですから、これが今の公益通報制度の実態です。圧倒的に事案が多い厚労省でさえこんな対応なんですよね。申し上げたいことは、今の公益通報者保護制度というのはほとんど機能していないということであります。
 実は、この委員会では秋田書店の問題も取り上げましたし、私所属しております財政金融委員会では生命保険会社の不払問題での内部告発した労働者の問題を取り上げてまいりましたけど、企業側のやり方は皆同じでございまして、公益通報制度がありますので、通報したことを理由に解雇なんて誰もやりません。そんなことやったら裁判になったら負けますので、時間を掛けるわけですよ。
 まず、職場の中で、すぐ解雇しないで異動させて、ほとんど仕事を与えないとかむちゃくちゃな単純労働をやらせるとか嫌がらせをするわけですね。で、時間掛けて精神的にかなり参るのを待って、そこで音を上げるか自分から辞めるか、辞めなければ何らかのいちゃもんを付けるといいますか、私が言った日立の例もそうでしたけれども、いちゃもん付けて、何らかの仕事上のミスとか何かを付けて解雇に持っていくということで、告発したことによって解雇なんということは誰もやらないです、分かっているからですね。これ、時間を掛けてやるのが常套の手段でありまして、こんなことが今まかり通っているんですよね。
 先ほどから川口さんも、五回もヒアリング、もうヒアリングばっかりやっているんですけど、その中で、先ほど斎藤委員からの指摘で、こういう不当なことをやったら罰則を設けるなんて意見が出ているとおっしゃいましたけれど、仮に今度の法改正で罰則なんか設けたって痛くもかゆくもないんですよ。だって、告発したことを理由に解雇しませんから、時間掛けて追い込んで解雇するわけだから。それなりに時間掛けて、弁護士にも相談して、解雇の理由でないというようなところまで立証できるとしてから辞めさせるわけだから、罰則付けたってこれ効果ないんですよね。そこまで分かって消費者庁は今ヒアリングされているのかどうか、川口さん、いかがですか。
○政府参考人(川口康裕君) 私どもも実態を正確に把握する必要があるということで様々な立場の方から御意見をいただいているところでございまして、まさに公益通報をされた側の方からも御意見をいただいているところでございます。
 罰則の点につきましては、公益通報を理由とした不利益取扱いを行った事業者に対する罰則がないということが問題だという御意見もいただいておりますが、それぞれ様々な御意見がございますので、先ほど御答弁申し上げましたように、一つの方向感で収れんしているわけではございませんが、まさに先生御指摘のような実態も含めて様々な方から御意見をお伺いして整理をしていきたいと思っております。
○大門実紀史君 この公益通報保護制度は、本来なら施行後五年をめどに見直しをすべきだったものが、もう八年たっていますかね、まだヒアリングを続けているという状況なのであえて申し上げるわけですけれど、もし五年後に何らかの見直しがされていて、更に不十分なところの議論ならばまだいいわけですけど、何にもやられていないところだから、今度改正するときは本当に実効性のあることを考えないと、間の抜けた罰則を設けたと、やっても、現場は同じように解雇、まあ、まず解雇の前に人間として潰していくわけですけれど、そんなことをやられるということなんですよね。
 したがって、消費者委員会の去年の七月の意見の中にも、いろいろこれからの課題等書いてございます。周知徹底とかはもちろんそれは大事なんですけれど、一番大事なのは、この制度の一番の眼目は労働者を守ることですね。ですから、労働者を守ることで実効性のある改正をしなきゃいけないわけでありますし、この消費者委員会の七月の意見の中にもこういうふうに書いてございます。「通報者に対する不利益取扱い・解雇を禁ずる規定の実効性を高めるため、違反した事業者に対して一定の不利益を課す制度の導入等、事業者の法令遵守に対する動機づけとなり得る方策について検討すべきである。」と。これは、単に罰則じゃなくて、実態としてこういう時間掛けて潰していって解雇するような手段も含めてやらないようにすべきことを、そこまで多分この消費者委員会の方々はおっしゃっていると思うんですよね。
 これは、有識者に意見聞いてまとめるとかじゃなくて、やっぱり消費者庁は何のためにあるのかと、有識者の意見まとめるだけが仕事じゃないと思うんですよね。ここのところは、有識者のヒアリングもやるなとは言いませんけれど、やるならちょっと私にヒアリングしてほしいですよね。実態知らないんだから、皆さん本当にこういう、このリアルな。だから、待っていないで、消費者庁自身として、この首にされている、解雇されている実態をちょっと研究してほしいんだけど、いかがですか、川口さん。
○政府参考人(川口康裕君) 先ほども申し上げましたように、ヒアリングというのは、様々な方、通報経験者の方からも御意見を伺っているところでございます。そういう中で、先生がおっしゃっているような実態につきましてもしっかり把握していきたいと思っておりますし、先生がいろんな委員会で何度か取り上げられているということでございましたので、改めてその議事録なども勉強させていただきたいと思っております。
○大門実紀史君 じゃ、最後に大臣に聞いてもう終わりますけれども、とにかく、本来なら五年後に何らかの見直しをやるべきだったのが、十分調査がされていないというようなことがあって、引き続きヒアリングをするべきだというような消費者委員会の意見もあって、ここまでまだヒアリングばっかりやっているんですね。
 事務方に聞きますと、ヒアリングをやった後、必ずしも法改正をするかどうかもまだ決まっていないというような、何かもう現場と懸け離れた感じがあるんで、先ほど次長に、有識者に任せないで消費者庁として問題意識持つべきだと申し上げたんですけれども。
 やっぱりこれ、現場の労働者を、みんな自分には得にならないですよ。黙っていてその会社にいた方が安全ですよね。ところが、こんなこと許していいのかということで勇気持って告発してくれている人たちを今守れていないわけですよね。今も起きているわけですよね。こういう問題をやっぱり、何かちょっとどうなるか分からないじゃなくて、きちっとした法改正に向けて、有識者任せにしないで、消費者庁の姿勢としてやっぱり何とかするという方向で考えていってほしいんですけれど、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(有村治子君) お答えいたします。
 現場に精通をされた大門委員の真摯な御発言に耳を傾けます。やはり、法の趣旨に対する信頼性、実効性を高めることが極めて大事だと思います。内部告発を端緒として消費者の安全、安心を損なう事業者の違法行為が発覚することもある、実際にあります。公益通報者保護制度の実効性を高めていくことはやはり社会全体の利益になると私自身も思っております。
 ただ、先ほどからお叱りも含めて励ましもいただいているんですけれども、平成二十四年の調査、民間事業者三千六百社、労働者、勤労者三千人、それから地方行政の自治体千八百機関の調査によりますと、いろいろと実態が見えてまいります。大企業ではほとんど認知制度、また導入も進んでいるんですが、中小企業は四〇%しかこの制度の導入が進んでいない。また、中小企業の事業者及び労働者での法の認知がほとんど進んでいないというような現状が明らかになってまいります。そして、この制度を導入しない理由としては、第一位的に、どのような制度か分からない、導入の仕方が分からないというのが一番多くのコメントとして出てきております。
 そういう意味では、ヒアリングということでお叱りをいただくかもしれませんけれども、ヒアリングを丁寧にして、現場で公益通報に係る実情、実態を把握して検討を進めていかなければならないというふうに考えております。その上で、実態を把握した上で、法改正も含む制度の実効性を向上させる方策を検討していくことが必要だと私も考えております。施行後五年というのははるかに経過をしておりますので、その重みも踏まえて検討を進めさせていただきます。
 以上です。
○大門実紀史君 私が申し上げているのは、一般的な制度の周知じゃなくて、不利益扱いをした企業に対する処置の問題ですから、これは、不法なことをやったわけだから、これに反対する意見はないはずなんですよね、この部分はですね。だから、そこはちょっときちっと位置付けて進めていただきたいということでございますので、また質問させてもらうと思いますけれど、是非よろしくお願いしたいと思います。
 終わります。

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