国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2014年6月19日 財政金融委員会 出口なき異次元緩和 大門議員 「国民負担につながる」
<赤旗記事>

出口なき異次元緩和
大門議員 「国民負担につながる」

質問する大門実紀史議員=19日、参院財金委

日本共産党の大門実紀史議員は19日の参院財政金融委員会で日本銀行が続ける「異次元の金融緩和」について「出口なき政策」に踏み込み、国民負担につながると批判しました。

 日銀が市場で金融機関から買い取る国債の保有高は年々増加し、2013年度末の日本国債の発行残高に占める割合は20・1%と保険会社(19・3%)を上回って最大の保有者になりました。戦時中を除けば、先進国の中央銀行が国債の最大保有者になるのは異例です。

 大門氏は「異次元緩和」による急激な円安と株高で大もうけするのは輸出大企業と大株主で、「誰かがもうけた分のリスク、ツケは結局日銀が背負うことになる」と強調。さらに、日銀が国の借金を肩代わりしているとみなされれば、国債の信用低下、価格の下落と金利上昇という悪循環に陥り、くらし、国の財政に大打撃を与えることになると指摘しました。その上で「こういう不正常な政策にいったん踏み出すと抜け出せなくなる。『出口戦略』というが出口のない政策だ」と批判しました。

 大門氏は、国債の海外保有比率が高まっている問題に関し、財務省の審議会でも専門家から金利安定化に対する懸念が表明され、ヘッジファンドなど投機筋の動きも議論されているとして、日銀総裁の見解をただしました。

 日銀の黒田東彦総裁は「金融緩和は市場への影響にも配慮してやっている。問題が生じないようにしていく」と述べるにとどまりました。


≪議事録≫
○大門実紀史君 大門実紀史です。
 黒田総裁、お忙しいところ、ありがとうございます。今日は、日銀が、昨日、資金循環統計も発表されましたけれども、異次元緩和政策について久しぶりに質問をさせていただきます。
 その資金循環統計、昨日発表されたものによりますと、一三年度末の国債発行残高に占める日銀の保有割合は、これは短期も含めてですけれども、とうとう二割を超えて、保険会社抜いて最大の国債の保有者に浮上したと。これは、戦時中を除けば、先進国の中央銀行が国債の最大の保有者になるというのは大変異例なことだということでございます。
 ちなみに、配付しました資料の三枚目に、これは長期国債の保有状況ですけれども、この長期国債においても日銀の保有額というのは増えておりまして、これは短期は除いておりますが、長期だけですけれども、これですと、数字は出ておりませんが、保険という点でいくと百九十兆らしいので、まだ日銀が長期国債の保有ではトップということにはなっておりませんけれども、年間五十兆積み増していくということですから、長期国債でも保有割合のトップになるのは時間の問題になってきているということだというふうに思います。
 私は、去年の三月、四月のこの委員会あるいは予算委員会で、最初からこの日銀の異次元緩和政策は大変危険だということを指摘させていただいてきました。まさに異次元の領域に、昨日の資料を見ても、踏み込まれたんだというふうに思います。とても大変危険な領域に入ったと思っているんですけれども、一年前にそういう指摘をして、一年たったわけですけど、戦後、誰も踏み込んでいない領域に黒田異次元緩和が踏み込んでこられたわけですが、どうですかね、一年少したって、何らかの、黒田さんとしても危機感といいますか、心配といいますか、時々夜寝られないとか、そういうふうな、そろそろここまで来ると不安を感じられるということはないんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、昨年の四月に量的・質的金融緩和を導入いたしたわけでございますが、その後、一年二か月ほどたちまして、所期の効果を上げているというふうに思っております。
 いわゆる生鮮食品を除く消費者物価の最近時点の四月の上昇率も、消費税の直接的影響を除いたところで一・五%、あるいはエネルギーや食料を除いたところで〇・八%程度ということでございまして、まだ二%の物価安定目標を達成するという目標との関連でいいますと道半ばだとは思いますけれども、着実に目標の達成に向けて進んでいると。もとより、金融資本市場の動向につきましては、内外のいろいろな要因が影響を与えることは事実でございますので、引き続き十分注意しつつ、また必要に応じて市場関係者との対話を重ねつつ、現在の量的・質的金融緩和が適切な効果を十分発揮できるようにしてまいりたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 デフレ克服をしちゃいかぬとか、そういうことを言っているわけじゃなくて、その方法としてこういう方法はいかがなものかということを申し上げてきたわけでございまして、異次元緩和を取られて、海外の様々な要因もあったと思いますが、海外マネーを呼び込むことにもなって、急激な円安、株高を招いて輸出大企業は潤っておりますし、株をたくさん持っていらっしゃる方も潤っていると。
 私は、実体経済が良くなって、それの反映で為替が是正されるとかあるいは株が上がると、これは大変いいことだと思っているんですけれども、こういう金融政策で、去年も申し上げましたけれど、予算委員会で申し上げましたが、やっぱり海外の投機的な意図を持ったマネーを呼び込んでこういうことをつくり上げるとその反動は必ず来るのではないかということと、やっぱり誰かがもうけて誰かが今潤っている分のリスク、ツケは結局日銀がしょい込んでいるのではないかと、それはいずれ国民負担になってくるのではないかということを危険性という点で指摘してきたところでございまして、具体的に申し上げますと二つありまして、一つは、やっぱり財政ファイナンスとみなされないかどうかですね。みなされてしまったらどうなるかということと、もう一つは、出口戦略とよくおっしゃいますけれど、ここをこういう踏み込みの仕方をすると出口なんかないんじゃないかと、出られなくなるのではないかということも去年指摘をさせていただいたわけでございます。
 その財政ファイナンスという点では、要するに日銀が国の借金を肩代わりしているとみなされたら大変なことになると。国債の信用が低下をして金利が上がっていくということになるわけでございますので、財政ファイナンスの問題も去年議論いたしまして、今までは日銀の銀行券ルール、日銀券ルールというのがあって、あれもいろんな評価はありますけれど、そうはいっても、日銀として国の借金を肩代わりする上限を示すようなものが、そういうような意図があったわけですが、それも黒田さんになって棚上げするというようなことがあったときに、ちょうどこの委員会で、三月の二十八日だったと思いますけれど、議論させてもらったのは、肝腎なことは、日銀が財政ファイナンスしておりませんと口で言うことではなくて、周りがどう見るかという点でいくと、この財政ファイナンスはしていないんだということを何らかの物差しで示していくというか、周りが見てそう思うようなものをつくる必要があるのではないかということを申し上げたときに、黒田総裁は、具体的にどういう形で示すかは政策委員会において議論をしていきたいというふうにおっしゃったわけでございますが、どういう議論になってきたか教えていただけますか。
○参考人(黒田東彦君) 昨年四月に量的・質的金融緩和を導入した際、既に日本銀行の長期国債保有額は銀行券発行残高を超えておりまして、先行き大規模に国債を買い入れていくという上で、この銀行券ルールを遵守するということは難しい状態にあったわけでございます。そこで、政策委員会でもいろいろ議論いたしまして、この基本的な考え方は維持しつつも、その運用を一時停止するということにしたわけでございます。
 その際、長期国債の買入れはあくまでも金融政策目的で行うものであって、財政ファイナンスではないということを引き続き丁寧に説明する必要があるということ、また、財政ファイナンスではないかという議論をそもそも惹起しないためにも、政府が今後財政健全化に向けた道筋を明確にして財政構造改革を進めていくことが重要であるといった議論が政策委員会でございました。
 こうした考え方は、先ほど申し上げた量的・質的金融緩和を導入した際の決定会合の公表文にも明記されておりますし、私もその後の様々な場面で申し上げているわけでございます。
○大門実紀史君 今のお話ですと、当たり前の議論をされているだけのことだと思うんですよね。
 私は、そもそもここまでの異次元の緩和というのは、物差しなんか示しようがないんじゃないかと、そんなレベルの話ではないんじゃないかと。したがって、逆に言うと、日銀の中でいろいろ議論しようが何をコメントしようが、みなされるときはみなされてしまうと、そういう問題ではないかと思うんですね。
 二つ目の危険性の、申し上げました、これは出口があるのかと。出口戦略の話をよく質問されて総裁は時期尚早だとおっしゃいますけれど、時期尚早も何も、そもそも出口戦略立てられるような話なのかということを指摘しましたけれども、最近の、この配付資料一枚目、見てもらって分かるとおり、何が起きているかというと、抜け出せるような話になってきていない、出口が見えるような話になってきていないということですね。結論を先に言うと、日銀は国債の信用維持のためにずっと国債を買い支えていくしかないのではないかと。自縄自縛のそういう政策ではないかということが、いろいろ最近も出てきているかと思います。
 資料の一枚目は何を示しているかというと、この間の新規国債の発行額の約七割を日銀が購入されていると。そのことによって市場に流通する国債の量が減って、銀行などが取引をしづらくなっているということですね。国債の売買高そのものも、二〇一一年度をピークに、ずっとこの二年間で三割ぐらい売買高そのものが減っております。これは、やっぱり日銀が大量に国債を購入するから取引するエリアが狭くなっているということになってきているわけですね。銀行の売買高そのものも前年度比で五割も減っておりましてということですね。
 そもそも、銀行とか生保は、先ほども指摘しました、将来の国債リスクを回避するためにできるだけ国債から撤退しようとしているときに、日銀が大量に国債を買うので、マーケットそのものも小さくなっているというところで、どんどんどんどん実際、市場取引される国債の量が減ると。
 これはどういうことかというと、つまり、普通なら、大きな市場だったら市場の中でのいろんなことが働いてバランスが取れるわけですけれども、市場取引の量が減りますと、それだけ何かの拍子に金利が、去年の四月頃にもありましたけれど、急に乱高下するというような金利上昇リスクを抱えてしまうわけですね。広い池を日銀が埋めちゃって、魚が泳ぐ部分が狭くなって、何かの拍子にもう一遍に浄化作用が働かないというふうなことになっているわけで、やっぱり異常な事態になってきて、これは私が申し上げているだけじゃなくて金融界の方々も指摘をされてきておりますし、明治安田生命なんかは、この日銀の大量国債買入れで市場の取引量が減っているので、これから金利が上がるか、急騰するかどうかを判定する水準を下げて警戒するというふうな疑心暗鬼まで広がっている状況でございます。
 したがって、何が言いたいかといいますと、日銀が大量に国債を購入しているということが、そのものが、いざとなれば何かのきっかけで何が起こるか分からないというような金利上昇リスクを生み出していて、じゃ日銀が買うのをやめるかと、引いたら引いたで金利が上がっていくというような、何といいますか、行くも地獄、戻るも地獄みたいな、本当に抜けるに抜けられないようなところに行きつつあることを、この間のこの流動性の低下が示しているのではないかというふうに思うんですけれど、そういう認識は、総裁、お持ちですか。
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行では、この量的・質的金融緩和の導入の当初から、巨額の国債買入れの市場取引への影響については十分問題意識を持って対応してきておりまして、この点は、昨年四月の決定会合の公表文でも言及しておりまして、市場参加者との間で金融市場調節あるいは市場取引全般に関して密接な対話を行いながら国債買入れを進めてきております。また、日本銀行が保有する国債を市場参加者に一時的に貸し出す国債補完供給制度についても実施要件の緩和などを行ってきたところでございます。
 そうした下で、債券市場、国債市場について全体として見ると流動性が極度に低下しているといった状況にあるわけではないと思っておりますけれども、今後とも、引き続き注意深く点検し、かつ市場参加者との対話を続けていきたいというふうに思っております。
○大門実紀史君 今言われた国債補完供給制度とか、そういう小手先の話をしているわけではありませんし、極度に流動性が低下したら大変なことですよね。私が申し上げているのはそういう話ではないんです。低下の方向に向かっていることを申し上げているので、その辺はもう少し危機感を持たれた方がいいんではないかなと思いますし、配付資料の二枚目ですけれども、これは財務省の審議会で、海外の投資家の国債保有が増えてきていることについての懸念が示されております。
 この海外保有の国債というのは、もしも何らかの理由で国債を売るということになりますと、その売ったのを円のまま持っていてくれて国内の銀行に預金してくれるならいいですけれども、外貨に替えるということになりますと、これは外貨準備に大きく穴を生むということになりまして、海外保有というのはいろんな意味で、ただ逃げるだけじゃなくて、いろんな意味でリスクを抱える問題でありまして、その点も含めて財務省の審議会ではこの国債保有の割合が増加していることに懸念を示されております。
 配付資料の三枚目がそういうことの全体を示すものなんですけれど、手書きで、昨日出たばっかりの数字をちょっと修正して書き加えておりますけれども。要するに、長期国債の保有状況なんですけれども、日銀の保有割合が増加して、ほかは減少か横ばいでございます。
 これからどうなるかというと、日銀への国債購入圧力は、今申し上げたことも含めて、高まることはあっても低くなる要因は何一つありません。例えば、金融機関は、今日申し上げたとおり、将来の国債リスクを回避するために撤退していっていると。しかも、流動性が低下して、マーケットでは売買が減っていると。海外保有は今申し上げたように余り増やしたくないというのがやっぱり本音だと思うんですね。そうすると、どこが代わりに海外保有させないために買うかというと、日本銀行が出ていくしかないと。さらに、先ほどもございましたけれど、とうとう公的年金も国債から株式にシフトすると。こうなると、またまたその穴を誰が埋めるのかというと、日本銀行が埋めていかざるを得ないと。
 ですから、申し上げたいことは、黒田総裁は物価目標を掲げてデフレ退治をやってきましたけれども、ところが、世の中は物価云々よりも金利を上げないでくれ、株を下げないでくれということで、日銀に対して、これからは物価とかいうよりも、金利上げるな、株下げるなということで、更に国債を買い続けろとか、金利一%上がれば大変なことになりますよね、国の財政も含めて、金融機関の含み損も含めて大変なことになりますから、そういう圧力がどんどん掛かると。結局、そういうことでいくと、日銀が幾ら、二%はもう間もなく達成しますからやめますと言ってもやめられない、政治圧力が掛かって。私は、結局、申し上げたように、出口なんか見えないところにもうはまり込んでおられるんではないかというふうに思っているんですけれども。
 ですから、日銀の向かっているものとは違う圧力がそもそも最初から掛かるような政策に踏み込まれたんだと思いますけれども、今の時点でどういう危機意識を持っておられるか、お願いします。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、この量的・質的金融緩和というものは、十五年続きのデフレに陥っていた日本経済を、二%程度の物価上昇の下で生産、所得、消費、そういった経済の好循環が続けられるようにしようということで、二%の物価安定目標をできるだけ早期に、二年程度の期間を念頭に置いて実現を目指すということで導入されたわけでございます。
 その中で、金融資本市場への影響その他も十分配慮しつつやっておりますし、諸外国の例あるいは我が国の金融政策の過去の例等を見ましても、伝統的金融政策であれ、非伝統的金融政策であれ、引締めあるいは緩和が行われるときに、経済あるいは金融資本市場にどういう影響が出るかということは十分認識して適切な政策の調整を行うということが常でございますし、私どももそういうことを十分認識して、委員がおっしゃったような問題が生じないように適切に対処していく所存でございます。
 なお、御案内のとおり、金融政策は九人の政策委員会のメンバーで議論をして、その議決によって決定されるということで、金融政策の決定につきましては独立性が保たれるようになっておるということを付言したいと思います。
○大門実紀史君 終わります。

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