国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2014年6月4日 消費者問題に関する特別委員会 悪質商法 被害生むカモリスト 「名簿取り締まれ」
<赤旗記事>

悪質商法 被害生むカモリスト
「名簿取り締まれ」

質問する大門実紀史議員=4日、参院消費者特委

 日本共産党の大門実紀史議員は4日の参院消費者問題特別委員会で、悪質商法に「カモリスト」と呼ばれる名簿が使われている問題をとりあげ、被害防止対策の強化を求めました。

 大門氏は、「電話勧誘」や勝手に商品を送り代金を求める「送りつけ商法」などの悪質商法には「過去の被害者」「サラ金利用者」「高齢者」などの名簿が使われ、再び被害にあう「二次被害」も増えていると指摘。「カモリスト」を販売する「悪質名簿屋」が存在しているとして「悪質名簿屋は詐欺に使われるとわかっている。詐欺ほう助で立件できる」と述べ、取り締まり強化を求めました。

 警察庁の宮城直樹審議官は「悪質商法の実行犯と手助けする事業者の検挙をはかりたい」と答えました。

 大門氏は「そもそも個人情報が簡単に売られていいのか」と提起。個人情報保護法が5千人以上の名簿を扱う事業所しか規制対象としていないことにふれ、「悪質名簿屋を想定していない。これが横行する限りお年寄りの被害がなくならない」と述べ、規制強化の検討を求めました。

 森雅子消費者担当相は「必要な対応を検討したい」と答えました。


≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 既にもういろいろ議論がありましたので、私の方は、悪質商法の現場で今起きていることがこの法改正でどうなるのかということに絞って質問したいと思います。
 悪質商法犯罪に使われる名簿の問題でございます。これは業界ではカモリストというふうに呼ばれております。お手元に資料を配付しておりますけれども、この間の販売購入形態別での消費生活相談の数ですね、が消費者庁から発表されておりますけれども、網を掛けたところが増えている部分でございます。
 増えているのは、電話勧誘、通信販売、ネガティブオプション、訪問購入というところですけれども、ネガティブオプションというのはいわゆる送り付け商法ですね、注文もしていないのに商品を送り付けて代金を取ると。例えばお葬式の当日に商品を送り付けて、これは故人が亡くなられる前に注文したものですと言ってお金を取っちゃうとか、そういうのがネガティブオプションですけれども。訪問購入というのは、この前もやりましたか、押し買いでございまして、貴金属などを買ってあげると言って、お年寄り相手に二束三文の値段で買うとか、そういうものが増えていると。特にこのところに、下の方が高齢者ですけれども、高齢者の被害が多いということでございます。
 この増えている部分ですね、いわゆる新手の詐欺商法のところに使われているのが、先ほど申し上げましたカモリスト、名簿でございます。中には、過去に被害に遭ったお年寄りたちが更に名簿に載っけられて被害者名簿になって、その被害者の人に被害金を取り戻してあげると言って更にお金を取るという二次被害ですね、そういう被害者リストまで出回っているという問題であります。
 警察庁は二年前から、この消費者被害事件で押収した名簿から約六十万件分の名簿を各都道府県の県警に配付をされて、消費者庁も特商法違反などの業者から大量の名簿を回収されておりますけれども、この回収した名簿を次の被害者を出さないために活用しなきゃいけないわけですけれども、なかなか活用し切れてこなかったということで、今回の消費者安全法の改正でいわゆる情報の提供がいろんなところとやれるようにするということになるわけですけれども、具体的に今回の安全法の改正でこの名簿の活用が被害者の被害防止のためにどのように進むのか、簡潔に説明をお願いします。
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 本法案による改正後の消費者安全法の十一条の二の第一項でございますが、内閣総理大臣は、地方公共団体の長の求めに応じまして、内閣府令で定める情報で、当該地方公共団体の住民に関するものを提供できることとしております。
 具体的には、消費者庁において、特定商取引に関する法律の執行で得られた情報のうち、当該地方公共団体の住民の情報を整理し提供することを想定しております。地方公共団体では、この情報を活用いたしまして見守りの対象を適切に選定することができるとともに、消費者安全確保地域協議会におきまして、その構成員が必要に応じてその情報を共有をいたしまして見守り等の取組に活用することを可能にしているところでございまして、消費者被害の未然防止、早期発見、拡大防止などにつながるものと期待しておるところでございます。
○大門実紀史君 今度設けられていく地域協議会によるお年寄りなどの見守り活動にそういう名簿を活用していくということでございます。
 警察庁に伺いますけれど、今まで警察庁は、押収した名簿ですね、都道府県の県警等にそれを六十万件ですか提供されて、その後、今現在ですね、その名簿が被害防止にどういうふうに今現在活用されているのか教えてもらいたいというふうに思います。
○政府参考人(宮城直樹君) お答えを申し上げます。
 押収した名簿でございますが、一つ我々の取組といたしましては、その名簿を基に警察の方から、これは委託でございますが、いわゆる注意喚起の電話を差し上げるという形のものを一つやってございます。
 それからもう一つ、その名簿も含めてでございますが、一般的に、その被害の発生状況でありますとか、全国的な犯行の動向でありますとか、それから相談や被害申告の中から判明した手口、こういったものにつきまして関係地方自治体等に情報提供する、こんな形でその啓発を図ると、こういった作業をやっておるものでございます。
○大門実紀史君 警察庁の方は、今回の法改正で、警察の名簿というのは、犯罪捜査上、捜査に使うものもありますから、これ、全て何でも提供できるものでないというのは分かっておりますけれど、今回の法改正に基づいてどのように協力されていかれるのか、ちょっと教えてください。
○政府参考人(宮城直樹君) お答えいたします。
 今回の消費者安全法の改正案の中には、新たに消費者安全確保地域協議会、これをつくるということが含まれてございます。この消費者安全確保地域協議会は、その地方公共団体の区域におきます消費者の安全確保を目的とするということでございますので、恐らくでございますが、この構成員として都道府県警察でありますとか警察署長が入ることと考えております。
 そうしましたら、そこの中におきまして、先ほど申し上げましたですが、例えば、被害の発生状況でありますとか、あるいは全国的な犯行の動向でありますとか、それから相談や被害申告の内容から判明した手口、こういったものにつきましてその協議会を通じて情報提供を差し上げると、こういったことで協力してまいりたいと、このように考えてございます。
○大門実紀史君 それで、この悪質商法に使われる名簿というのは、先ほど言いました過去の被害者のリストまであるわけですけれども、サラ金利用者の名簿とか、高齢者の名簿とか、商品購入履歴とか、年金生活者の名簿とか、あるいは特養ホームを待機している待機者名簿、こんなものまでいろいろ使われるわけですよね。使われるというのは実は売られているわけでございまして、こういう名簿を扱う名簿屋というのが存在するわけですね。先ほど言いました訪問購入とか送り付け商法など新手の詐欺は必ずと言っていいほどこの名簿が使われていると、名簿屋が動いていると。
 したがって、この今の、どんどん巧妙化しておりますけれど、この犯罪を相当根絶する効果があるのが、この名簿を遮断するということが非常に決定的だと思うんですけれど、今、この名簿というのは、警察情報によりますと、一人十円から三十五円ぐらいで売られているんですかね、そういうものでございます。この名簿というのは、いわゆる同窓会名簿とかを扱うような一般の名簿業者とはちょっと違って、この悪質の方は、カモリストを売る方は、いわゆる悪質名簿屋の方を取り締まらなきゃいけないわけですけれども、それが悪質商法の共犯者でありますので、この名簿屋をどうするかというのが具体的に今、目の前でお年寄りの被害をなくすために大変重要なわけでございます。
 この名簿屋を所管する官庁はあるのかと聞いたら、どこもないということなんですけれども、今のところ、この悪質名簿屋と犯罪の現場で対峙されているのは警察しかないと思うんですけれども、こういう悪質名簿屋に今までどう対処してこられたのか、あるいは検挙することができるのか、ちょっと教えてもらえますか。
○政府参考人(宮城直樹君) お答えいたします。
 お尋ねの名簿販売業者でございますが、これについては、まず我々としては事件検挙、何とか検挙するということで取締りを図ってございます。本年でありますと、いわゆる送り付け商法、これも本犯に名簿を販売した者、これを詐欺、それから特商法の違反の幇助犯という形で検挙してございます。このほか、この名簿屋から更に進んだ形で実はセンターというものがございます。これは要するに情報センターみたいなものでございますが、闇金業者に対しまして、その闇金業者からの照会に応じてそのお客さんの過去の返済状況、こういったものの情報を提供した者を、これはいわゆる貸金業法の無登録の幇助犯ということで検挙してございます。
 警察といたしましては、引き続きこういった悪質商法、その本体のその実行犯はもとより、情を知ってその犯行の手助けをしている悪質な名簿販売事業者につきましてこの共犯として検挙を図ってまいりたいと、このように考えてございます。
○大門実紀史君 いわゆる、今のところ詐欺幇助というようなことでは立件できるけれども、意図的に詐欺に使われると分かって名簿を提供したかどうかというのは焦点になると思いますが、悪質名簿業者はみんな分かってやっていると、その立証が難しいのかなというふうに思いますけれども、頑張ってもらいたいと思います。
 そもそも、この個人情報が簡単に他人に売られていいものかということがあるんですけれども、これは個人情報保護法の下ではこういう個人情報、名簿を扱う事業者というのはどのように規定されていて、どのような規制を受けるということになっているか。これは消費者庁の方からお願いします。
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の個人情報保護法でございますが、この対象になりますのは五千人を超える個人データを保有する者を個人情報取扱事業者という形で、これに対しまして各種の義務を課してございます。この個人情報取扱事業者でありますと、原則として本人の同意なく個人情報を第三者に提供してはならないとされておりますが、一方で、本人の求めに応じて個人データの第三者への提供を停止することなどを通知し、又は本人が容易に知り得る状態に置いている場合は、本人の事前の同意なく第三者に提供できると、いわゆるオプトアウト規定が定められてございます。そういう形で個人情報保護法においては対応していると、こういう状況でございます。
○大門実紀史君 これは本当に深い問題で、時間取ってやらなきゃいけないんですけれども、簡単に言いますと、個人情報保護法というのは五千人以上の名簿を扱う事業者が規定されていて、中小事業者といいますか一般私人は対象外ですから、そもそもこの横行している名簿屋のような存在は規制しようがないといいますかね、そもそも届出しているのかどうかというのがありますけれども、そういうことであります。
 したがって、今の個人情報保護法では、元々個人情報保護法はこういう悪質名簿業者を想定して作られたわけではないと思うんですよね。個人情報の方を中心に、個人情報を拡散させないということとか、過度に名簿を扱う中小事業者を取締りにならないようにとかあったものですから、この今、目の前の問題になっているような悪質名簿事業者の取締りという視点から作られたものじゃないと思うんですよね。
 したがって、今後の課題にはなると思うんですけれども、これが横行する限りはお年寄りの被害もなくならないと私は思っておりまして、今後の検討課題として森大臣に提起をしておきたいんですけれども、とにかく名簿というのは悪質商法をなくすためには一番の中心課題になっているということなんですね。一つ今回の法改正のように、今ある名簿を使って消費者庁とか警察が協力してもらって地域で見守りをやってもらうというのは大変重要なことでございます。ただ、それだけではこういう連中には対処し切れないというのがありますので、今後の課題なんですが、一つは、やっぱり警察が立件をどんどんしていってもらうということ、取り締まってもらうということと、やはり私は、個人情報保護法の体系が想定外のことが今起きているという点でいきますと、やっぱり個人情報保護法がこういう面では緩過ぎるという点もありますので、どういうふうにやっていくかというのはもちろん研究しなきゃいけませんけれど、このままだとやっぱり名簿屋が野放しになっていくんではないかと思いますので、ちょっと研究も含めて考えていってほしいと思いますけれど、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおり、名簿屋問題、二つ問題があると思っておりまして、カモリストの方については今般の法案でしっかりと見守り体制してまいりたいと思います。警察とも協力してまいりたいと思います。
 そして、御指摘の個人情報保護法の課題、個人情報保護法の見直しについては、本人がオプトアウトの申出ができるということについて知り得ない状況のまま情報が移転してしまう、そういうケースへの対応策を検討する必要があると考えております。現在、内閣官房のパーソナルデータに関する検討会において検討していただいているところでございますが、今後とも名簿を悪用した悪質商法による消費者被害を防止するために必要な対応を検討してまいりたいと思います。
○大門実紀史君 具体的にはこういうことを解決していかないと、今回の法案の目的でありますお年寄りの被害をなくすということになりませんので、引き続き努力をお願いして、今日はこれで質問を終わります。

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