国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2014年5月20日 参院財政金融委員会 大門議員、銀行任せ 批判 各行間金利の指標設定
<赤旗記事>
大門氏、銀行任せ 批判
各行間金利の指標設定


質問する大門実紀史議員=20日、参院財金委

 日本共産党の大門実紀史議員は20日の参院財政金融委員会で、銀行による貸出金利の指標になっているTIBOR(タイボー、東京銀行間取引金利)が高止まりしている実態を取り上げ、指標決定が銀行の裁量に任されている問題を指摘しました。

 タイボーは、メガバンクなど大手各行が「優良な銀行」同士の取引を想定した場合に考えられる金利を申告し、その数字の平均値として算出されます。

 大門議員は「あいまいな定義の銀行取引を前提にしており、銀行の裁量の余地が大きい」と述べ、さらに国際決済銀行(BIS)が昨年、「指標設定には極力、実際の取引データを使うべき」だと提言していることを紹介。裁量を排して、実際の取引重視で透明性の高い国際的な基準に沿った抜本改革を急ぐべきだと主張しました。

 麻生太郎金融担当相は「(現在出されている見直し案を超えた)さらなるものをやっていくことになると、その段階でもう一度考えなければいけないと思っている」と答えました。


≪議事録≫
○大門実紀史君 大門でございます。
 前回の質疑で取り上げましたTIBOR問題、今日は法案との関係で質問をさせていただきます。
 前回取り上げましたけれども、改めて言いますと、TIBORというのは東京の銀行間取引市場における目安になる指標金利でございますが、これが各銀行の提示によって決める仕組みになっておりましたので、それが高めに決められて、実勢よりも高いレートになっているんではないかということを指摘をしたわけでございます。そのときは日本銀行がいろいろぐだぐだ言って意味不明なことを言っていましたけど、その後、自ら、配りましたような資料を出してまいりました。日本銀行が出した資料によっても、この円TIBORですね、円TIBORが実勢金利よりもずっと高止まりしているというのは改めて示されているわけでございます。
 これがカルテルなのかどうかは実際には調査して検証が必要なんですけれども、原因はともかく、実勢金利よりも銀行間の指標、これは前にも申し上げましたけど、金利スワップとかデリバティブ商品あるいは住宅ローンの変動金利、企業の貸出しにも全部連動します。したがって、この指標金利に基づいてそういうものが決められますので、このTIBORが高止まりしているということは、イコール銀行が余分に国民から金利を取っている、ぼっているということになるわけでございます。それが、原因はともかく、形としてはっきり表れているグラフでございます。
 この規模というのは、例えば、これは〇・一のパーセントのあれですけど、〇・一実際よりも高く取ったらどうなるかというと、この前も言いましたけど、一つのメガバンクで住宅ローンだけでもその銀行に数百億転がり込むというふうなことでありまして、この〇・一高止まりしただけでも国民から何千億も余分に銀行が取っているということを示すわけであります。
 それで、先日の質問は昨日のフィナンシャル・タイムズに載りまして、日本のマスコミは、取材はありましたけれども、多分現場の記者は関心持っても上で止められるんだと思います、やっぱり銀行業界が大スポンサーであるんで、だと思いますが、海外のメディアはすぐ報道をいたしました。
 実は、このグラフを見てもらって、二〇一三年の二月頃から若干このTIBORが実勢金利に近づいたといいますか、下がったんですね。これは実は、そのときにフィナンシャル・タイムズの二月十何日付けか、現場のトレーダーの、前回紹介しましたエディ・タカタさんの告発を基にフィナンシャル・タイムズが記事を掲載して世界にそれを発信しました。それで、このときにがくっと一旦下がったということですね。やっぱりまずいと思っているんだと思うんですね、銀行業界の方も。
 今回もこのフィナンシャル・タイムズ出まして、今度は麻生大臣のコメントも出ておりますので、これからまたこれがくっと下がるんじゃないかと思います。したがって、それは国民にとってはいいことで、余分に取られている金利が何千億と下がることだからいいことだというふうに思いますけれど、日本のマスコミも勇気を持って、今日も見ていると思いますけれど、ちゃんと報道してもらいたいなと申し上げておきたいと思います。
 その上で、とにかくカルテルなどあってはならないわけでございまして、また、こういうTIBORが高止まりするというのは、私たちはちょっと異論があるんですけれど、政府が今やっておられる異次元金融緩和、この効果をそぐ、それに対して逆らう役割をしているわけですね、金利を下げないということですから、高止まりさせるということですから。そういう点では、政府の政策にも合わないということだと思います。
 その上で、今回の法案との関連で質問に入りますけれど、資料の二枚目に、じゃ、LIBOR事件を受けて世界はどういう動きに今なっているかというのが資料の二枚目にございまして、これは国際決済銀行、BISが今後の指標金利の在り方について方向性を提言しております。去年の三月に出したわけですね。
 この中で、いろいろあるわけですけど、一番重要なのは、このLIBORの事件を踏まえて、恣意的な指標基準が作られる、銀行のいろんな恣意的な裁量で申告して作るということを防ぐために、実取引のデータをより多く利用して、実際に市場で成立した金利水準、これを多く利用して、これに透明かつ適切な形で専門家としての判断を組み合わせる、それが指標金利の強靱性が向上するんだという提言をされております。
 ちなみに、このときのワーキンググループのリーダーは日本銀行の副総裁の中曽さんでございます。日本がリードしてこういう報告書を、日銀がリードしてまとめたということであります。
 要するに、LIBORもTIBORも銀行が申告する呈示レートに基づいて決めるから、銀行の思惑、裁量が入ると。その隙間を利用して、LIBOR事件ではトレーダーがその隙間を利用して銀行に働きかけて操作をすると。TIBORでは、先ほどから言っていますが、つり上げている、暗黙の了解なのか分かりませんが、つり上げているということが、カルテル疑惑が指摘されると。だから、このBISの方は、国際決済銀行は実際の取引データを多く、全てとは言っておりませんが、多く使うべきだという提言をしているわけですけれども、金融庁はこの提言をいかに受け止めておられますか。
○政府参考人(桑原茂裕君) お答え申し上げます。
 御指摘のBISの報告書におきましては、別の箇所で、既存の指標金利の信頼性及び頑健性を向上させることの緊要性及び指標金利の選択肢を増やすことの重要性を指摘するとともに、今先生が御指摘のように、実取引データの利用について、実取引データをより多く利用し、これに透明かつ適切な形で専門家としての判断を組み合わせる健全な金利設定手続の構築を促進することによって、指標金利の強靱性は向上するとされているところでございます。
 金融庁といたしましては、この御指摘のBISの報告書につきましては、このBISの報告書自身の中でも触れられておりますように、中央銀行の視点から指標金利に関連する実務の改善方法について提言を示したものというふうに認識しておるところでございます。
○大門実紀史君 全て実際取引データでこの指標金利を決めるべきだというふうにBISも言っておりませんし、私も言っているわけではありません。実取引だけでやると急に数字が特別な要因で跳ね上がるということもあるわけですから、専門家の客観的なものを加えながらですけれど、いわゆる銀行の裁量にばかり頼らないで、実取引データをやっぱりそれを加味してやらないと、LIBOR事件、TIBOR疑惑もこれからまた同じようなことが起きるのではないかということだと思います。
 ところが、今回の金融庁の改正案は、この国際決済銀行の提言に沿って前に進めるということよりも、もう全銀協が昨年末に公表したTIBORの改革案をそのまま追認するものにとどまっているのではないかというふうに見ております。
 例えば、新しい運営機関を設けてガバナンスを強化するというふうに言っておりますけれど、これは全銀協の子会社をつくるだけのようなものでございまして、独立性は疑問でありますし、肝腎の指標金利の定義、何をもって指標金利とするかという、その定義の抜本的な見直しも見送られました。
 ちょっと詳しく言いますと、このTIBORの、各銀行が全銀協に呈示する、うちは何%と、その呈示するレートというのは、実は自分のところの実取引じゃなくて、優良銀行、プライムバンク、これは資料三枚目に出ておりますけれど、優良銀行、プライムバンクの間の取引を想定して各銀行が報告すると。つまり、自分のところの銀行のことではなくて、プライムバンクという仮想の、想定した、大変財務状況のいい優良な銀行だったらばこれぐらいの金利だろうということを、想像上の銀行の取引を、それを想像して出すのが今のこのTIBORの呈示レートのそれぞれ銀行が出すものになっております。
 この優良銀行、プライムバンクというのは、もうちょっと、どういう意味なのか、御説明をいただけますか。
○政府参考人(細溝清史君) まさにこの資料に書いてございますとおり、十分な自己資本と潤沢な流動資産を保有する等財務的に強固である本邦無担保コール市場の主要な参加銀行というのが定義でございまして、この定義に基づきまして、各呈示行は自らが想定するプライムバンクというものについての想定レートを報告しているものと承知しております。
○大門実紀史君 そうですね。この三枚目の資料に書いてあることなんですけれども、今申し上げたように、想像上の、自分のところの銀行のことではない、どこか、どこかといいますか、そういう優良な、財務状況のいい銀行を想定してそれぞれレートを呈示するわけですね。
 LIBORも十五年前まではこういうふうにプライムバンクの取引を想定した金利を実勢金利とみなすというようなことをやっていたんですけれども、これでは余りに銀行の裁量が大き過ぎるということで、一九九八年に、自分のところの銀行が実際に調達できるレートというふうに定義が変更されたわけでございます。それでもこの前のような不正がなくならなかったということで、今回は更に進んで、先ほどの実際の取引データの裏付けをできるだけ取るような方向に、そういう改革に今着手しているところなんですね。
 そういうふうに見てみますと、今回まだこのプライムバンクの取引などという旧態依然とした曖昧なやり方を残しているというのは余りにも遅れた改正じゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(桑原茂裕君) お答え申し上げます。
 まず、金融指標の定義でございますけれども、これにつきましては、基本的にはまずは金融指標の算出者において検討すべき事項であると考えておるわけでございます。
 これも先生十分御存じとは思いますけれども、IOSCO、証券監督者の国際的な機構でございますけれども、これの原則におきましても、運営機関は指標の構築等指標決定プロセスのあらゆる面に対して第一義的な責任を有するとされているわけでございます。
 それで、先ほどから御質問にあります、プライムバンク間の金利とするのか、それとも自行の例えば調達金利とするのかという点に関しては、これは先ほどから御指摘がございますように、TIBORについてはプライムバンク間の取引を前提とした定義を引き続き使用することとされております。
 その理由につきましては、この先生のお配りしていただいた資料の三ページの(3)のAの第二パラでございましょうか、にもございますけれども、この現行定義に関しましては、確かに一方で、各リファレンスバンクのレート決定時における裁量の余地が大きいとの指摘もある一方で、金融市場が不安定な場合等においても安定的、継続的にレート呈示を行うことが可能になるというメリット、また、そういうことを勘案して、こうした現行定義のメリットや定義の変更を行った場合の大きさ等を勘案し、現時点ではプライムバンク間の取引という定義を使うと、すなわち定義の変更は行わないものとしたものと承知しております。
 また、実は自行の調達レートを前提とした定義といたしますと、LIBORの不正操作事案において見られましたように、自行の信用力をより良く見せるために実勢よりも低い金利を呈示するというインセンティブにもつながらないという指摘があることも事実でございます。
 こうした中、欧州銀行間取引市場におきます資金取引の市場実勢を示す指標金利でございますEURIBORというのがございますけれども、ここにおいてもTIBORと同様にプライムバンク間の取引を前提とした定義を維持しているものと承知しております。
 これらを踏まえまして、今回の金商法の改正案におきましては、具体的な指標の定義については踏み込むことはしない一方で、ただし、指標の算出の適正性を確保するために特定金融指標算出者が特定金融指標の算出方針を業務規程に定めまして、それを当局が認可する枠組みを導入することによって指標の適正性を確保したいと考えておるところでございます。
○大門実紀史君 桑原さん、やっぱりそういう理屈は、この全銀協のこれに書いてある理屈はもう乗り越えるときに来ているんじゃないかと思うんですよね。
 例えば、何か金融システムに不安が起きたときだと、ほかに指標がないからと言うけれども、それこそ裁量なんですよね。それこそ裁量になっちゃいますし、通常は金利を高くする、高くするというのは自分のところの信用力が落ちているということを示すことになるから低く言うはずなのに、ところが、みんなで高くすれば怖くないんですよね。それが今指摘されていることでありますので、この全銀協も分かっていると思うんですけれども、BISの提言も出ているんで、こういう方向はもう、こういうふうな言い訳はもう乗り越えるべきときに来ているというふうに思います。
 LIBORは、今申し上げたように、実取引データを、実はイギリス銀行協会から運営機関も独立させて、なおかつ、今、仕組みとしては、実取引データを呈示する、レートを呈示するという仕組みは残っているんですけれども、実取引データに基づいてそれをチェックするという仕組みまで考えているところまで、ロンドンの場合は、LIBORの場合は踏み込もうとしておりますし、シンガポールなんかは、もう実取引データに基づく指標金利で一定部分はもうそれでやっちゃうというふうに今なっておりますから、要するに、シンガポールがなぜそんなことに踏み込んでいるかというと、銀行協会の会長がおっしゃっていますけれども、要するに、顧客に安心感を与えて、いろいろ不祥事ありましたから、金融市場の地位を高めると、市場の信頼性を高めるためにやっているんだということだと思うんですよね。
 したがって、今回の法改正でとどまることではないと思いますけれども、本当に次の課題をすぐ掲げて頑張ってほしいなというふうに思います。全銀協任せにしないで、やっぱりグローバルスタンダードといいますか、透明性を高める方向に是非すぐに着手して踏み出してほしいと思いますが、最後に麻生大臣のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 大門先生、このTIBORに限りませんけれども、金融指標というものについては信頼性を確保するということが一番重要だという問題意識というのは、これは間違いなく共有しているんだと私どもそう思っておりますので、今ありましたように、確かにその日に取引がなかったらどうするんだと、いろいろと細かい問題点はいっぱいあるのは確かなんですけれども、いずれにしても、今回、一応定義としては、プライムバンクというものの定義を、一応ユーロ円TIBORの場合は、本邦オフショア市場の主要な参加行と一応定義したところだけでも半歩前進ぐらいだとは思っていただかないかぬところかなとは思ってはいるんですが、プライムバンクの取引を前提とした定義を継続するという意味で、このTIBORの算出者であります全銀協TIBORの運営機関の検討結果というのは尊重して当面信用するとして、これ、今後ともきちっと見た上で更なるものをやっていかにゃならぬとなると、その段階でもう一回考えないかぬということになるんだと思っております。
○大門実紀史君 終わります。

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