日立 ⇒ 三菱UFJ銀 偽装請負
告発の労働者 報復解雇 証言もとに大門議員追及
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質問する大門実紀史議員=26日、参院消費者特 |
日立製作所が請負契約を装って三菱東京UFJ銀行に労働者を派遣する「偽装請負」を行っていたことが26日、明らかになりました。職業安定法が禁じる労働者供給事業にあたるとして日立、三菱東京UFJともに厚生労働省が是正指導しました。同日の参院消費者特別委員会で日本共産党の大門実紀史議員が、偽装請負で働いた女性の証言をもとに告発しました。
問題の偽装請負は、日立が派遣先の三菱東京UFJと請負契約を結び、日立の子会社が社員を派遣させる形態です。請負契約としながら労働者への指揮命令は三菱東京UFJが行っています。
偽装請負などの労働者供給事業は、人身売買や強制労働、中間搾取などの弊害があるとして原則禁じられています。
厚労省東京労働局は昨年7月、日立の子会社に雇用されて三菱東京UFJ本店で働く女性の訴えを受けて派遣元の日立と派遣先の三菱銀を職安法44条違反(労働者供給事業の禁止)で是正指導しました。
偽装請負は多くの場合、発覚しても労働者派遣法違反とされ、派遣元への指導にとどまるのが実情です。今回の三菱銀のように派遣先に職安法違反で指導する例はまれです。
告発した女性は是正指導後の昨年9月、日立子会社を解雇され、現在は撤回を求めて労働組合とともに団体交渉を続けています。
女性が加入する電機・情報ユニオンの米田徳治委員長は「日本一の電機会社と日本一の銀行による偽装請負。告発した労働者の解雇も許されない。雇用の確保を求め、今後は偽装請負の詳細な実態を明らかにしていく」としています。
メガバンクのフロア丸ごと偽装請負
三菱UFJ銀の監督 金融庁に徹底求める
日本共産党の大門実紀史議員は26日の参院消費者特別委員会で、三菱東京UFJ銀行が「偽装請負」で日立製作所から子会社を通じて労働者を派遣させている問題を告発し、金融庁が同行の違法行為を改めるよう監督の徹底を求めました。
大門氏は三菱東京UFJと日立の偽装請負を厚生労働省東京労働局が職業安定法違反で是正指導したことを暴露。東京・大手町の三菱東京UFJ本店で偽装請負で働き、東京労働局に内部告発した日立子会社の女性の訴えをもとに「メガバンクの最先端の職場のフロア丸ごとが、偽装請負で成り立っている」と違法行為の一端を紹介しました。
こうした不祥事について、銀行法53条は30日以内に金融庁に報告するよう銀行に求めています。大門氏は「偽装請負を改善しますということも含めて、報告はあったのか」と金融庁に尋ねました。
金融庁監督局の池田唯一審議官は、三菱東京UFJが是正指導を受けた事実を認め、「昨年8月に改善策の報告を受けた」と答弁。大門氏は、現在も三菱東京UFJ本店で偽装請負が続いているのではないかと指摘、「口頭で報告を受けただけでチェックをしていない」と金融庁の対応を批判しました。
大門氏はまた、偽装請負を内部告発した女性が日立の子会社から解雇されたと指摘。日立や三菱東京UFJによる女性への報復を批判したうえで、不正を告発する労働者を守れるように公益通報者保護法の改正が必要だと強調しました。 |