国会質問

● ● ● ● 大門みきし Daimon Mikishi  ● ● ● ●


■2014年3月14 予算委員会 富裕層の課税逃れ・労働者派遣法改悪・若者のサラ金の借入
<赤旗記事>
超富裕層が課税逃れ
大門議員 「資産管理会社」使い
参院予算委


質問する大門実紀史議員=14日、参院予算委

 日本共産党の大門実紀史議員は14日の参院予算委員会で、株売却額が100億円を超える個人大株主が「資産管理会社」を使って課税逃れをしている実態を告発し、富裕層への優遇税制を改め、相応の税負担を求めるべきだと主張しました。

 大門氏が示したのは2013年に売却額が100億円を超える株主15人の「課税逃れ」の試算(表)。売却額から取得費用の推定額を引いた利益から計算した「節税」額は計429億円、1人当たり29億円にのぼります。14年から配当や売却益にかかる税率が10%から地方税と合わせ本則20%に戻される前に、「駆け込み的」に売却を行った結果です。

 15人の大株主のなかには日本人としてトップの資産家、政府の産業競争力会議のメンバー、ブラック企業の代名詞と言われた企業の社長、政治家に献金して日本でカジノ(とばく場)を解禁させようとしているメーカーの会長らが含まれます。

 大門氏は「庶民の暮らしが厳しい時に、日本のトップクラスのお金持ちは低い税金を払うのも惜しんで『節税』に走ろうとしている」と批判。「資産管理会社」を使った「課税逃れ」の手口を指摘しました。本人名義の株式保有が3%を超えると総合課税になり、地方税と合わせて実質40%以上の税率が適用されるため、3%超部分を「資産管理会社」に移して安い分離課税を受ける仕組みです。

 大門氏が、課税逃れを調査し、配当や譲渡所得について応能負担の原則に立った総合課税を求めると、麻生太郎財務相は「(資産管理会社の)実体把握に努める」と答弁。安倍晋三首相は所得税の累進性について「どの程度の税金を取るかは大きな論点。十分議論したい」と述べました。


<赤旗記事>
共産党議員の国会質問
労働者派遣法改悪 派遣を固定化し拡大
大門氏が批判


質問する大門実紀史議員=14日、参院予算委

 日本共産党の大門実紀史議員は14日の参院予算委員会で、派遣労働を無期限・無制限に使えるようにする労働者派遣法改悪案を取り上げ、派遣を固定化し拡大する制度で、歯止めもないと批判しました。

 法案では3年で人を入れ替えるなどすれば、無期限に派遣できるようにします。専門業務の区分も廃止し、どんな仕事でもずっと派遣に任せられるようになります。

 大門氏は「派遣労働者をいつまでも使える制度に変えるなら、企業側は現在の正社員の業務をコストの安い派遣に切り替えていくことは目に見えている」と批判。政府が「派遣会社が次の就労あっせんをする義務がある」「教育訓練で正社員の道も開ける」と説明していることに対して、「就労あっせんは正社員とは限らない。キャリアが十分で仕事ができるのに、派遣で10年以上働かされている人もいる。派遣を増やさない保証はない」と指摘しました。

 安倍晋三首相は「デフレ状況を変えつつあり、それが非正規や中小企業にも波及する」と述べるだけで、正社員化の保証を示せませんでした。大門氏は「正社員になりたいと願い不本意ながらも働く非正規労働者に正社員への道を開く仕組みをつくるべきだ」と主張しました。


<赤旗記事>
サラ金の借入 7割若者
大門氏 「生活費のため」45%


質問する大門実紀史議員=14日、参院予算委

 サラ金からの借り入れは若者が全体の7割を占め、派遣・契約社員など非正規労働者が「生活費」を借金に頼らざるを得なくなっている実態が浮かび上がりました。日本共産党の大門実紀史議員が14日の参院予算委員会で明らかにしました。

 サラ金借り入れの世代別内訳は、「アコム」の場合、20歳代が49・2%、30歳代は20・8%でした。

 金融庁の委託調査によると、派遣・契約社員の利用目的は、「生活費を補うため」が44・8%、「手元の金が足りなかった」が17・2%と生活資金の不足を理由にあげています。背景には1990年代半ばから始まった急速な非正規雇用の拡大と正社員の賃金が抑えられてきたことがあります。

 大門氏は「非正規雇用が拡大して国民全体の賃金が上がることはない。正規雇用を増やす方向に転換するべきだ」と主張しました。

≪議事録≫
○委員長(山崎力君) 次に、大門実紀史君の質疑を行います。大門実紀史君。
○大門実紀史君 日本共産党の大門実紀史でございます。
 今日は、税制と雇用問題について質問をいたします。
 四月一日からの消費税増税が目前に迫ってまいりました。我が党は繰り返し増税中止を求めてまいりましたけれども、安倍内閣は強行するということでございます。国民の皆さんの多くは収入が増えないのに負担だけが増えると。テレビのニュースでもやっていましたけれども、食費を含む生活費を切り詰めてこの消費税増税に対応しようという方がかなりいらっしゃるということでございます。
 一方で、アベノミクスがつくり出した金融バブル、株高で、今お金持ちは更にお金持ちになっております。庶民に増税するより、お金持ちにもっときちんと税金の負担をしてもらうのが当たり前ではないかと思います。
 今日は、まずお金持ち、特に超富裕層への課税問題から質問をいたします。
 パネルを作りましたけれども、(資料提示)これは所得階層別に所得税の実際の負担率がどうなっているかを示す資料でございます。本来は、所得税というのは累進課税が原則でありますから、所得が増えるほど負担率が増えるはずなんですけれども、所得一億円を超える辺りから負担率がだんだん下がってきております。麻生大臣、この原因はどこにありますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 大門先生の御指摘のように、合計所得金額に占める所得税負担は、この図にありますように、一億円を超えたところで低下しているという状況にございます。これは、基本的には上場株式などの譲渡所得などについて一〇%のいわゆる軽減税率が適用されていたことを含めまして、金融所得課税の在り方が影響している面があると思われております。なお、この上場株式の譲渡所得等に関わります軽減税率については、平成二十五年、昨年の十二月三十一日をもって廃止をさせていただいております。
○大門実紀史君 おっしゃるとおりでございまして、特にお金持ちは所得の大半が株の配当とか譲渡所得になるわけで、その部分のおっしゃっていただいたように税率が低いので負担率が下がってきている、こういうカーブになっているということでございます。
 この資料、私が最初に国会で示したのは第一次安倍内閣のときでございまして、二〇〇六年、尾身財務大臣のときに初めてこの資料をお示しして、今ありましたけれども、証券優遇税制、本来一五%のものをわざわざ七%に下げていたものをやめるべきだということを再三繰り返し要求をして、そして二〇一三年限りでやめるということになったわけでございます。
 このグラフ見てもらえば分かるとおり、日本のお金持ちの実際の負担率は、最高税率のいわゆる所得税の四〇%どころか、実際は一五から二五、これに地方税加えても二〇%から三〇%にすぎないわけでございまして、これは証券優遇税制だけ取っても、二〇一四年から一五%に、本則に戻りましたけれど、地方税合わせても二〇%ですけれども、これでも欧米諸国に比べたらかなり低いんですよね。
 例えばドイツは二六%、株の譲渡所得は二六%です。イギリスは二八%、フランスもアメリカも最高税率三〇%を超えております。ですから、お金持ちの税金を高くすると海外に逃げてしまうというふうな話が横行しておりますけれども、逃げるどころか、日本は既に大株主、大金持ち天国になっているということでございます。
 麻生大臣に伺いますけれど、我が党は、この証券優遇税制、先ほど言いましたとおり、七%を一五にちゃんと戻すべきだということを申し上げてまいりましたが、一五、まあ地方税合わせて二〇でも外国に比べてかなりまだ低いわけですから、これはやっぱり、我が党はそもそも総合課税、合算して累進の掛かる総合課税にすべきだという提案をしてきましたけれど、少なくともこの証券優遇税制、まだまだ低いわけですから、やっぱり分離課税のままとしても見直すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 所得税において、できるだけこれは包括的に所得というのを捉えて累進税率を適用するという、これは総合累進課税の原則なんですが、金融所得につきましては、これまでその特性に鑑みて例外としているものであります。
 特に、金融所得につきましては、今言われましたように海外への金融資産の移転が極めて容易であって、総合課税による累進課税がそれを助長する可能性があること、また一般投資家にとって簡素で分かりやすい税制が望ましいこと、また外国でも分離課税を採用している国も多く見られることなどの観点から、原則として分離課税といたしております。
 このように、所得税については総合課税を原則としつつも、所得の性質等によって分離課税を組み合わせるという形が適当なんだと思って、私どもはやらさせていただいております。
○大門実紀史君 済みません、ちょっと順番変えたので混乱されていると思うんですけれど、申し上げたいのは、分離課税のままとしても一五は低過ぎるのではないかと、これは見直すべきではないかと。ちょうど政府税調でも何かその見直しといいますか、検討課題に入ったみたいですけれども、その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御質問のあれですけれども、近年の税制改正で、これは二十四年度の税制改正で高所得者についての給与所得控除の上限というのを設定して二十五年から適用させていただいておりますが、さらに平成二十六年度の税制改正において、給与所得の上限額が適用される給与収入の引下げというものを今御審議をいただいておるところであります。
 平成二十五年度の税制改正において所得税の最高税率の引上げをやらせていただいておりますけれども、議員御指摘の証券優遇税制の終了といったことを見直しを行ってきておるところでして、高所得者に一定の負担を求めていることについて御理解をいただきたいところでもあります。
 今後の所得税の改革につきましては、消費税等を含めた税制全体の中で、収支の安定性の確定、またそれぞれの基幹税のバランス等々を考えるといった観点から、これはいろいろ今後引き続いて考えていかないかぬ必要があると私どもとしても考えております。
○大門実紀史君 是非、まだまだお金持ち優遇ですので、考えていただきたいと思います。
 今の話で、一五%に、本則に戻る、七%だったのが戻ると。その一五%も低いのに、それさえもけちって二〇一三年に駆け込みで株の譲渡を行うということが行われました。巨額の株の売却が行われました。それがこのパネルでございまして、これは特に百億円を超える大株主の括弧付きの節税、私はもう合法的な課税逃れと思っておりますけれども、それを金融庁に提出されました大量保有報告書に基づいて、数字が出ておりますので計算をしてみました。十五人合計で四百二十九億円、一人当たり二十九億円もの節税といいますか、まあ合法的な課税逃れをしたわけでございます。
 こういうときでございまして、大金持ちで、しかも今どんどんもうかっているんだから、こそこそこういう駆け込み譲渡なんかせずに、当たり前の税金を当たり前に払ってほしいなと思います。しかも、これ、もう名前は分かっちゃいますけれども、もうそうそうたる有名人ばかりですね。
 ソフトバンクの日本人トップの方ですね、資産トップですね。保有資産二兆円近いのをお持ちですから、こんなこそこそ節税することないと私は思いますし、楽天のこのMさんという方は特に政府の産業競争力会議で自分たちの企業のもうけのためにさんざん要求をされている方ですね。偉そうに言うなら税金ぐらいちゃんと払えと言いたくなる方でございます。ブラック企業の代名詞と言われた光通信もあれば、今ちょうど全国で話題になっておりますが、カジノ、賭博場を全国につくろうというようなことで動き回っているセガサミーホールディングスの会長さんもおられると。こういう方々が、みんなが苦しくて国の財政も苦しいときに、こんな駆け込みで節税といいますか税逃れをやるのかというふうに思います。
 総理、感想で結構なんですけれど、こういうときにこういう節税といいますか税金を払わないという方々について、いかが思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今例としていろいろと挙げられたわけでありますが、基本的に節税をしておられると。こういう節税努力をしているからお金持ちになったという人もおられるわけでありますが、基本的には、この動きにつきましては、節税が終了する直前の平成二十五年十二月の投資主体別売買動向によりますと、個人投資家の売買動向は約一兆九千億円の売り越しであったというふうに承知をしておりまして、これは個人の、個々の投資家において証券優遇税制終了も含めまして様々な要因に基づいて投資判断を行った結果であると、このように考えておりまして、そのことが問題であるというふうには考えてはおりません。
○大門実紀史君 庶民は消費税から逃れようはないわけでございます。
 しかも、その手口がこそくでございまして、次のパネル。節税というよりも、これは明らかに私は課税逃れだと思っております。今、先ほど名前書いた方、ほとんどがやっている手法でございますけれど、その前に、オーナー株主というのは株式分割を繰り返していますから、取得した株価というのは安いんですよね。それを今売ると大変な金額になる、莫大な利益が出る、したがって税金もたくさんになるということで、譲渡益を早めに出して、取得価格を改めて、取得価格を上げておくというようなことを考えるわけでございます。しかし、実際には人に株を譲渡したくないと。そこで、あの手この手で考えておりますけれど、一番多いのがこの資産管理会社を使った課税逃れという仕組みでございます。
 資産管理会社という、まあペーパーカンパニーでございますけれども、これをつくるわけですね。オーナー株主自身が自分でつくるわけです、資産管理会社を。で、いろんな課税逃れに使うわけですけれども、一つは、今ありました七%のうちに譲渡益を出して、税率の安いうちに譲渡益を出しておこうということで、自分の会社に売った形にするということでございます。
 二つ目は、株式保有というのはその保有率が三%を超えますと分離課税じゃなくて総合課税と、高い税率が掛かるということがありまして、三%を超える分をこの資産管理会社の名義にするわけですね。そうすると、自分は高い四〇%以上じゃなくて、先ほどありました、前であったら七%、一五%で済むと。この会社、ペーパーカンパニーを使ってそういうことをやるわけでございます。
 そして、子供の相続税対策も、子供名義の資産管理会社をつくりまして、そこに株を移していくということを通じて相続税を逃れるというふうな対策をしているわけでございます。
 この資産管理会社は上場企業でも何でもありませんから、ほとんど資料が公開されませんので実態が分からないところが多いのは確かでございますが、本当に全て合法的なのかということも改めて問われるべきだと私は思っております。
 麻生大臣にお聞きいたしますけれども、外国にペーパーカンパニーをつくって課税逃れをするというのはもう随分問題になって、所得を合算して課税しようということになってきているわけですね。これは国内の資産家たちのやり方ですけれども、やっぱりこの問題もこれからちょっと実態を調べて必要な措置をとっていくべきだと私は思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、二つのお話があるので、一つが、海外のいわゆるこれBEPSと言われる問題ですけれども、このBEPSにつきましては、今これは日本が租税委員長を、OECDの租税委員長はこれ選挙で選ばれて日本人がなっておりますので、この者が担当して、これをOECDでも今原案を作っている最中で、ほぼそれができ上がりつつありますので、いずれ出てまいることと存じます。
 二つ目の、この紙に書いた一、二、三ですけれども、これは、一の場合は、七%はこれは国税なんですが、これ地方税を含めれば二〇%、現行ではこれは上がったから二〇%になっていると思いますが、そういうので譲渡益を出すという話であります。
そして、次のこの三%の個人保有の話というのは、これは三%以下であれば分離課税が適用課税ということになるんですよね、これ。したがいまして、現行は同じくこれも二〇%になっていますけれども、これも分離課税を適用可能になるというんで、これいずれも合法的であります。
 そして、子供への相続税対策。これは、法人への出資の場合は、相続税の評価額は法人税の益からは相当額を差し引いたものになりますので、相続税がその時点では小さくなる形になるんだということだとこのあれは思いますけれども。
 私ども、正直言って、現時点でこうした、この会社がこうなっているというのを、何というの、個別の事態を承知しているわけではありませんので、この実態の把握を今後努めろという御指摘なので、努めてまいりたいと存じます。
○大門実紀史君 様々な手法を使って富裕層は税金を払わない払わない払わないということをやっているわけですよね。
 総理に先ほどもお聞きしましたけれども、全体としてやっぱりこういう資産家優遇、お金持ち優遇をこれ以上続けていいのかと。証券税制のこともありますけれども、その辺の御感想を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) どのような所得の方からどの程度の所得税を御負担いただくかということは、これは確かに大きな論点であろうと思いますので、よく議論していく問題であると思っています。
 いずれにいたしましても、近年の税制改正におきましては、高所得者の給与所得控除について平成二十四年度税制改正において上限を設定をいたしまして、さらにその引下げを平成二十六年度税制改正において提案し、審議をしていただいているほか、平成二十五年度税制改正において所得税の最高税率の引上げ、そして証券優遇税制の終了といった見直しを行っているところでございます。
 高所得者に一定の負担を求めてきているという方向性につきまして御理解をいただきたいと、このように思います。
○大門実紀史君 こういうお金持ち優遇を放置して消費税の増税なんかは、私はとんでもないというふうに思います。経済の底割れを防ぐためにも、やっぱり消費税増税は中止された方が賢明な判断だということは、繰り返し改めて申し上げておきたいと思います。
 こういう超大金持ちが更に資産を増やしている中で、貯蓄ゼロの世帯は全体の三割を超えました。過去最多という割合になっております。また、貯蓄どころか借金を増やしている、特に若者たちは増えております。
 パネルにしましたけれども、これは消費者金融、サラ金からの借入れの年代別、上の方がですね、内訳でございます。アコムの場合ですけれども、簡単に言いますと、二十代、三十代の若者が借り手の約七割を占めるという実態でございます。なおかつ、下の方ですが、派遣社員、契約社員の方々がこのサラ金から借りる理由は、生活資金不足が半分以上を占めるという事態でございます。
 したがって、生活資金が足りなくてサラ金から借りざるを得ないということになりますと、これは大変なことでございまして、返せなくなってくるわけですね。返すためにまたほかのサラ金から借りると、いわゆる多重債務者に陥っていくわけでございます。そういうことがこの派遣、契約社員の中で今進行しているという深刻な実態でございます。
 一言申し上げれば、このアコムは東京三菱UFJグループですよ。もう一つのサラ金大手のプロミスは三井住友の資本ですよ。昔のサラ金の世界と違って、大銀行が、今、日銀からじゃぶじゃぶに金融緩和で調達金利、もうほとんどゼロみたいな調達金利で調達したお金でこういう若者たちに最高一八%の金利で貸し付けていると。大変な問題が起きていると私は思います。これは別途追及したいと思いますけれども。
この派遣労働者、契約社員の人たちは、生活費が足らなくてこういう事態になっているという実態について、総理、いかがお考えになりますか。ちょっとこれは総理に。感想でいいですから。
○委員長(山崎力君) それでは、まず田村厚労大臣。なるべく簡潔に。
○国務大臣(田村憲久君) 総務省の労働力調査等々で一千九百六十七万人ほど、足下、昨年の十二月辺りでこの非正規で働く方々がおられるという中において、今言われました契約社員の方々が約二〇%、多分三百九十万人ぐらいおられるんでありましょう、派遣労働者の方々が六・一%ぐらいですから百二十万人ぐらい。全体の中でこういうような方々に対して、今委員がおっしゃったような非常に所得が低いというお話があります。
 もちろん、非正規で働く方々は、所得が低いだけではなくて、なかなかキャリア形成していく、そういう機会もないわけでありますので、わかものハローワークでありますとかキャリアアップ助成金、さらには今般の雇用保険法の改正の中において中長期のキャリア形成の教育訓練でありますとか、さらには労働者派遣法の改正でキャリアアップ、さらには均等・均衡待遇、こういうものの確保等々もしっかりと政策の中で盛り込まさせていただきたいと、このように考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま厚労大臣から答弁をさせていただきましたが、もちろん、なるべく多くの方々が正規の雇用の形態において仕事をすることが望ましいわけでございますが、グローバルな競争の中におきまして、またあるいは労働において多様化している中においてこうした形態があるわけでございますが、今大臣が述べましたように、基本的にはキャリアアップを図る方々についてはキャリアアップ助成金等の拡充によってキャリアアップを支援していく、あるいは非正規雇用の方々が雇用の安定や処遇の改善を確保できるように支援してまいりたいと思います。
○大門実紀史君 時間が余りないので、田村大臣、後でちゃんと声掛けますので、ちょっと落ち着いて座っていてくださいね。
 次のパネルを。今あった非正規雇用の拡大がやっぱり賃金を下げておりますし、個々の若者たちの生活も大変なところに追い込んでいるということでございます。これは、その非正規雇用が大企業ほど拡大していると、内部留保があって一番余裕のあるところのはずなのに、そういうところが非正規雇用を拡大しているという図でございます。
 総理は、アベノミクスの評価は賃金が上昇するかどうかに懸かっているということを繰り返し御答弁されてきておりますし、非正規雇用が拡大をして国民の賃金全体が上がるということはあり得ないわけですよね。賃金を上げるには、とにかく非正規雇用を増やすんじゃなくて、これ以上増やすんじゃなくて、正規雇用を増やす方向に転換すべきだと思いますし、昨年九月のG20でも、総理が参加されたG20の首脳宣言にも、私見てびっくりしたんですけれども、非正規の雇用の減少と。G20でももうテーマになったのかと驚きましたけれど、世界的にこの非正規雇用問題が問題になっているんだというふうに思います。
 そういうときに、何と今週の十一日に非正規雇用派遣労働を固定化、拡大するような派遣法の改定案が閣議決定をされました。これは労働界、日弁連などから一斉に反発の声が出ております。派遣法改定案の仕組み、全部じゃないですが、その一部ですけれども、申し上げたいところは非正規雇用がどうなるかという点なんですが、その点で、仕組みをパネルにいたしました。
 現行は、例えばこれでいうとAさんですね、これは今の現行でございまして、派遣は原則一年、最長三年と。派遣は一時的、臨時的なものだという前提から、三年たてば本来は希望者を正社員への道を開いていこうというのが、実際はどうかは別として、一応今までの政府の建前だったわけですよね、だったわけですね。ところが、今回の改定案は大分違いまして、派遣会社の中でも有期契約のBさんは、三年間、派遣先企業に行きます。三年でいろいろ制約掛けているとは言いますけれど、例えば労働組合の意見を聞いて、そしてBさんが違う課とか違う部署に移れば更に三年そこで働くと、また三年後に課を変えれば、部署を変えれば働くということで、ずうっと働かされることが可能になる仕組みになっております。派遣会社Cさん、無期契約の場合は、もう期間制限なしでなるということでございます。
 ちょっと時間の節約のために、この議論、衆議院でちょっとありましたですね。いやいや、そうじゃなくて、正社員化も考えておりますということを総理も田村大臣もおっしゃっておりまして、その根拠が何なのかなということで議事録を見てみましたら二つありまして、三年目の区切りで派遣会社が次の就労あっせんをすると、次の仕事をちゃんと紹介、あっせんするんだと。その中にはひょっとしたら正社員もあるかもしれないと。それはあるかもしれないけれど、それだったら今だって正社員になれるわけですよね。それは何の保障にもなりません。
 二つ目には、派遣会社を今度許可制にして、いいかげんなところは排除する、しっかり教育やるところにすると。だから、教育訓練やる、キャリアアップできるようにすると。そういうことをやるんだから、キャリアアップすれば正社員になる道も開けるんではないでしょうかということをおっしゃっていますね。今日も先ほどほかの質問の方へおっしゃっていましたね。ところが、実態知らないなと思うんですけれども、今大変高いキャリアを持っても十年間ずうっと派遣の仕事しかない方がいっぱいいらっしゃるわけですね。キャリアアップすれば正社員になれるなんて、そんな夢みたいな話、しないでほしいというふうに思います。
 だから、先に答弁について、答弁言っているようなものですけれど、要するに正社員化もあり得るんだというのは絵に描いた餅の制度だと。だから、労働界あるいは日弁連だけではなくてマスコミの評価も、立場は違っても、日経新聞のように経済界側の立場としても、評価は同じなんですよ、評価は。だから、日経新聞だって、事実上無期限に派遣を使えると、企業のコストダウンにつながるという報道をしているわけでございまして、これは余りエキサイトしないでくださいね。冷静に考えて、普通に考えて、どう考えたって派遣労働が固定化されて、企業の方は、逆に言うと、こうやって長く使えるようになるとすると、どうしてもインセンティブとして、ああ、そんなに長く派遣のところで同じ人にやってもらえるんだったらば今正社員やっている業務を切り替えていこうと、どうしてもそういうインセンティブが、コストダウンが一番ですから働きますから、どうしても派遣労働者が増える方向にこれ誰がどう見てもなる制度ではないんですか。違うんですか、田村大臣。
○国務大臣(田村憲久君) 若干誤解がございますので御説明いたしますが、現行は、業務が変われば同じ人が違うところへ、同じ会社であっても業務が変われば働けるんですね。ですから、係が違えば働けるという状況です。今度は課が違えば働くですから、現行よりかは厳しくなるということでございます。
 これはそういうことでございますので、事実上、今業務違っていれば、同じ会社でそのまま三年たって違うところで、業務で働いておられますので、それは係が違えば業務が違いますから、現行、引き続き働けるという状況になっております。今回は課を変えなきゃいけないという話でありますが、現行よりかは厳しくなるということでございまして、御認識をください。
 それから、現行は二十六業務、専門二十六業務は、これはずうっと変えなくてもそのまま派遣でいけるわけでありますけれども、あの二十六業務をなくしますので、今回は三年ごとに一応これは期間制限が掛かってくるわけでありまして、同じ人は働けないということでございますから、現行よりも厳しくなるということでございます。
 あわせて、三年たった後に、さらにその業務を派遣という形にしようと思えば、もう御承知だと思いますけれども、労働者側の過半数、そこの代表者とこれは意見を聞いた上で、その意見を聴取した上で、反対があれば対応方針を事業主が示さなければならないというふうになっておりますので、ここにも一定の制約を掛けておるということでございます。
○大門実紀史君 まず、その労組の意見を聞くと言いますけれど、今までだって大手労組というのは、正社員のリストラを一定認めながら、非正規雇用の拡大について合意してきたんですよ。だから、これが広がっているんですよね。だから、労組の意見を聞けば歯止めになるというのは、もう事実上、私、もうこの非正規雇用問題、国会で多分取り上げたの最初から二番目ぐらいですよ。それ、ずうっとやっているんですよ。ずうっと流れから見て、そういうのはあり得ないんですよね。あり得ない一つなんですね。
 それと、どうして厳しくなるのか全然分からないんですよ、なぜ今までより厳しくしたか。多分、こういうことをおっしゃっているんじゃないですか、こういうこと。田村大臣が想定されているのは、今もいらっしゃいますよ、もちろん、ずうっと私は派遣で働き続けたい、派遣がいいんだと、別に正社員望まないという方がいろいろ続けてそこで働きたいなと思ったときに制限があると、そういう方にとっては、いろいろやってもらえばずうっと働けるようになると。
 何かそういう、私が問題にしているのは、正社員を望む、いわゆる六割ぐらいの正社員を望む不本意非正規という方々の話をしているわけですね。だから、当たり前です、それがずうっと問題になってきたんだから。だって、派遣でずっとやりたい人のことは問題になっていないですよ。正社員になって働きたいという方がずうっと政治の場でも問題になってきたんですよね。
 大臣おっしゃっているのは、ずうっと派遣でやりたいという方のことをおっしゃっているんですか、やりやすくなるというか、その方のためになるというのは。何を言っているのか全然分からないんですけど。
○国務大臣(田村憲久君) 現状は、業務に着目して、三年たったらその業務は派遣では駄目になるわけですよね。ところが、業務を変えればその人はその会社で働けるわけであります。働けるというか、不本意派遣であっても働くわけでありますよね。
 ところが、今回の場合は、課を異動した場合には働けるようになるわけでありますけれども、今までは業務が変わればいいわけでありますから係が違っていれば働けたわけでありますが、今回はそれは駄目になるわけでありまして、少なくとも課を異動しなければ働けないという話であります。
○大門実紀史君 大臣、担当なんだからもっと勉強してくださいよ。もっと現場のリアリティーを知ってくださいよ。
 今、現行は三年が原則なんですよね、ここで。その後、本来は、本来政治が、私たちが目指すべきは、本来この派遣というのは世界的にいってもテンポラリーなんですよね、一時的。二次的なんですよ、この派遣労働というのは世界的にも。だからこそ、正社員への道どう開くかということは、この国会でもずうっと議論になってきたわけでしょう。みんなでどう努力するかもあったわけでしょう。それをおいておいて、その業務を変えるよりも課に変えた方がとか、そういう話じゃないでしょう。正社員に……(発言する者あり)違うんだ。私が言っているのは、厳しくないですよ、全然厳しくないですよ。課を変えれば、それはリアリティー、現場のリアリティーからいって、ずうっとその会社でこの人やってもらいたいと。本人も、本人は分かりませんよ、本人は本当は正社員になりたくても、ほかの仕事がなければ仕方がないという場合多いと思いますけれども、その課を変えればなんていうのは、それは会社の判断でしょう。ずうっとやれるわけですよね。なぜそれが厳しくなると言われるんでしょう。全然分かりませんね。
 それで、法案の審議はこれから詳細に各当該委員会でやられると思いますが、基本的に本来目指すところは、希望者を正社員へというところが政治が目指すべきところであって、ずっとやれるような仕組みに変えるというのは、これは逆行だということでございます。まあ法案についてはこれからでしょうから、やりますけれど。
総理に申し上げたいんですけど、総理は、今日もありましたけれど、非正規雇用を増やそうとは思っていないと。思っていないと思っていらっしゃるならば、これそう簡単に大丈夫なんて言わないで、本当に総理としてもこれ研究してもらいたいですよ。これで増えていったら大変なことになりますから、賃金も上がらなくなりますからね。
 先ほどの答弁だって、もう議論余りするのもなんですけれど、この間ベアが出てきていると。私は、二〇〇四年から二〇〇七年を思い出します。竹中平蔵さんと議論いたしました。あのときも大企業を中心に景気回復があって、大企業の一部ではベアが上がりました。みんなベースアップやりました。ところが続かない。続かない、なおかつ波及しないと。賃金全体は、だから結局下がり続けたんですよね。企業の利益はたまるばかりで内部留保になったと。
 この経過も振り返ってもらって、尋常なことでは企業利益は、簡単には、自動的には、特に非正規雇用や全体賃金には波及いたしませんので、この問題一つ、あるいは最低賃金を引き上げる問題一つ取っても、本当に政府としてよく研究されて今までにないことをやらないと、なかなか難しいというふうに思います。
 最後に、総理のお話を聞きたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大門委員と問題の認識、同じところもありますし、違うところもあるわけでありますが、基本的には、言わば七年前のときにも、安倍政権のときにも今おっしゃったような状況、企業が大きな収益を上げて、一部の大企業においてはベアが上がったということがありました。しかし、それが続かなかったことは確かに事実であります。
 あのときと違うのは二つございまして、一つは、あのときは、デフレが続いている中において、これは企業はどうしても賃金を上昇させていこう、あるいは設備を投資していこうという気持ちにはならなかった。その今デフレ状況を変えつつあると、ここが一番大きな違いの点でございます。
 それと、我々もそうした問題意識を共有をいたしまして、政労使の会議を開きまして賃上げを要望しているところでございますが、それが更に中小企業あるいは小規模、さらにはもちろん非正規の皆様にも波及していくように努力をしていきたいと、このように思います。
○大門実紀史君 こういうやり方では賃金上がらないということを厳しく指摘して、質問を終わります。
○委員長(山崎力君) 以上で大門実紀史君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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